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2021年(令和3年)第33回介護福祉士国家試験 解答・解説⑬総合問題

こんにちは!
湘南国際アカデミーで介護職員初任者実務者研修介護福祉士受験対策講座の講師及び総合サポートを担当している江島です!
2021年(令和3年)第33回介護福祉士国家試験を受験された皆さま、本当にお疲れ様でした。
受験を終えた皆さまは、インターネット上の解説速報などで自己採点はされましたか?
まだ解答速報を確認されていない方は、ぜひ当校ホームページの「解答速報」及び、全科目ごとに分けてご案内する「第33回介護福祉士国家試験 解答・解説」でご確認ください。

本日は、【総合問題】から出題された問題の解答・解説を致します。

【総合問題】

総合問題 1
次の事例を読んで、問題114から問題116までについて答えなさい。

〔事例〕
Jさん(83歳、女性)は一人暮らしである。人と付き合うのが苦手で、近所付き合いもあまりなく、一人で静かに生活していた。
80歳を過ぎた頃から右膝に痛みが出て、変形性膝関節症(knee osteoarthritis)と診断されたが、近くのスーパーへの買い物や、近所の散歩には出かけていた。
1か月ほど前から膝の痛みが悪化し、散歩にも行かなくなった。食事量が減って痩せてきてしまい、1日中、座ってテレビを見て過ごしている。

問題114.
現在のJさんに心配される病態として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 フレイル(frailty)

2 不定愁訴

3 寛解

4 不穏

5 せん妄(delirium)

解答:1
解説:
フレイルは、虚弱と訳されます。身体面、精神面、社会面など様々な側面からみて弱っている状態で、介護が必要な状態の手前の状態といえます。

問題115.
Jさんは、食事量は回復したが,膝に痛みがあり、家の中ではつかまり歩きをしていた。要介護認定を受けたところ要支援2と判定され、家の近くの第一号通所事業(通所型サービス)を利用することになった。
通所初日、車で迎えに行くと、Jさんは「心配だからやっぱり行くのはやめようかしら」と介護福祉職に言い、玄関の前からなかなか動かなかった。
このときの介護福祉職の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「急ぎましょう。すぐに車に乗ってください」

2 「心配なようですから、お休みにしましょう」

3 「歩けないようでしたら、車いすを用意しましょうか」

4 「初めてだから心配ですね。私もそばにいるので一緒に行きませんか」

5 「Jさんが行かないと、皆さん困ってしまいますよ」

解答:4
解説:
Jさんの心配という思いを受容することが大切です。そのうえで、Jさんに寄り添う言葉かけの4が適切です。

問題116.
その後、Jさんは少しずつ回復し、膝の痛みもなく、家の中では何もつかまらずに歩くことができている。一人で散歩に出ようという意欲も出てきた。
Jさんは、介護福祉職にもっと安定して歩けるように練習をしていきたいことや、外出するときは膝の負担を減らすために杖を使用したいと思っていることを話した。
Jさんに合った、杖を使った歩き方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 杖(左手で持つ)を出す→右足を出す→左足を出す

2 杖(右手で持つ)を出す→左足を出す→右足を出す

3 杖(左手で持つ)と右足を出す→左足を出す

4 杖(右手で持つ)と左足を出す→右足を出す

5 杖(左手で持つ)と左足を出す→右足を出す

解答:3
解説:
Jさんは、右膝の変形性膝関節症と診断されているため、右側を患側と考え、左手で杖を持ち、右膝に負担をかけない歩き方が適切です。選択肢1は三動作歩行で、選択肢3は二動作歩行ですが、現在は何もつかまらずに歩くことができているという情報から、残存能力をより活用できる二動作歩行が正解となります。

総合問題 2
次の事例を読んで、問題117から問題119までについて答えなさい。

〔事例〕
Kさん(80歳、女性)は夫が亡くなった後、自宅で一人暮らしをしていた。ある日、一人娘のLさんが訪ねると、ごみが散乱しており、冷蔵庫の中には古くなった食材がたくさん入っていた。
変化に驚いたLさんはKさんと病院を受診したところ、認知症(dementia)と診断された。

Lさんは、Kさんに家庭的な雰囲気の中で生活をしてほしいと考えた。その結果、Kさんは認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を利用することになった。
入所して1週間が経過し、Kさんと関わったM介護福祉職は、Kさんは短期記憶の低下により、最近の出来事については話すことは難しいが,自分が学校に通っていた頃の話や、子供の頃に歌っていた歌については生き生きと話すことを確認した。

問題117.
M介護福祉職は、Kさんが今持っている認知能力を活用して、ほかの利用者と交流する機会を作りたいと考え、Kさんとほかの利用者に参加してもらう活動を企画することにした。
M介護福祉職が企画した活動の手法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 リアリティ・オリエンテーション(reality orientation)

2 ピアカウンセリング(peer counseling)

3 スーパービジョン(supervision)

4 回想法

5 社会生活技能訓練

解答:4
解説:
自分が学校に通っていた頃の話や、子供の頃に歌っていた歌については生き生きと話すことができるという情報から、昔の経験や思い出を語り合う回想法が適切です。

問題118.
ある日、M介護福祉職がKさんの入浴介護を行っていたところ、手のひらや指の間に赤い丘疹を確認した。
M介護福祉職がKさんに「かゆくないですか」と聞くと、「かゆい」と答えた。そのため、病院を受診したところ、角化型疥癬(hyperkeratotic scabies)と診断された。
Kさんへの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 入浴後の洗濯物は,ビニール袋に入れて運ぶ。

2 マスクを着けてもらう。

3 個室に隔離する必要はない。

4 介護は素手で行う。

5 ほかの利用者よりも先に入浴してもらう。

解答:1
解説:
角化型疥癬は、直接接触や間接接触で感染するため、選択肢1が適切です。

問題119.
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を利用するKさんの要介護度に変更があった場合に影響があるものとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 介護保険料

2 認知症対応型共同生活介護費

3 介護サービスの利用者負担割合

4 食費

5 居住費

解答:2
解説:
要介護度によって費用が変わるものは、グループホームを利用する際の介護サービス費にあたる選択肢2です。

総合問題 3
次の事例を読んで、問題120から問題122までについて答えなさい。

〔事例〕
Aさん(10歳,男性)は、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)であり、多動で発語は少ない。
毎日のように道路に飛び出してしまったり、高い所に登ったりするなど、危険の判断ができない。
また、感情の起伏が激しく、パニックになると止めても壁に頭を打ちつけ、気持ちが高ぶると騒ぎ出す。
お金の使い方がわからないため好きなものをたくさん買おうとする。現在は特別支援学校に通っており、普段の介護は母親が一人で担っている。

問題120.
Aさんのこのような状態に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 注意障害

2 遂行機能障害

3 強度行動障害

4 記憶障害

5 気分障害

解答:3
解説:
問題文にあるAさんの様子から、選択肢3が適切です。

問題121.
Aさんの将来を考えて、家族以外の支援者と行動できるようにすることを目標に障害福祉サービスを利用することになった。介護福祉職と一緒に散歩に行き、外出時のルールを覚えたり、移動中の危険回避などの支援を受けている。
Aさんが利用しているサービスとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 同行援護

2 自立生活援助

3 自立訓練

4 生活介護

5 行動援護

解答:5
解説:
外出の支援や、移動中の危険回避などの支援というポイントから、選択肢5の行動援護が適切です。

問題122.
Aさんのサービス利用開始から6か月が経ち、支援の見直しをすることになった。Aさんの現状は、散歩では周囲を気にせず走り出すなど、まだ危険認知ができていない。
介護福祉職はルールを守ることや周りに注意するように声かけをするが、注意されるとイライラし、パニックになることがある。
一方で、スーパーではお菓子のパッケージを見て、硬貨を出し、長時間その場から動こうとしない。
介護福祉職はAさんがお菓子とお金に注目している様子から、その力を引き出す支援を特別支援学校に提案した。
介護福祉職が特別支援学校に提案した支援の背景となる考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 エンパワメント(empowerment)

2 アドボカシー(advocacy)

3  ピアサポート(peer support)

4 ノーマライゼーション(normalization)

5 インクルージョン(inclusion)

解答:1
解説:
エンパワメントとは、その人の持っている力を引き出すことです。選択肢の1が正解です。

総合問題 4
次の事例を読んで、問題123から問題125までについて答えなさい。

〔事例〕
Bさん(45歳、女性)はアパートで一人暮らしをしていた。家族や親戚との付き合いはなかったが、趣味も多く、充実した生活を送っていた。
ある日、車で買い物に行く途中、交通事故を起こし、U病院に救急搬送され手術を受けた。
手術の数日後、医師から、頚髄損傷(cervical cord injury)があり,第5頚髄節まで機能残存するための手術をしたこと、今後の治療方針、リハビリテーションによって今後の生活がどこまで可能になるかについて、丁寧に説明を受けた。

問題123.
Bさんの今後の生活に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 自力歩行ができる。

2 自走式標準型車いすを自分で操作して、一人で外出することができる。

3 自発呼吸が困難になり、人工呼吸器が必要な生活になる。

4 電動車いすを自分で操作することが可能になる。

5 指を使った細かい作業が可能になる。

解答:4
解説:
第5頚髄節まで機能残存するための手術をしたという情報から、肩や肘に十分な力を入れることは難しくても、手を動かせる可能性があるので、選択肢4が適切です。

問題124.
Bさんは,入院当初は落ち込んでいたが、徐々に表情が明るくなり、U病院でのリハビリテーションにも積極的に取り組むようになった。
現在はVリハビリテーション病院に転院して、退院後の生活に向けて身体障害者手帳を取得し、準備を進めている。
Bさんは、以前のようなアパートでの一人暮らしはすぐには難しいと考え、障害者支援施設に入所を考えている。
障害者支援施設に入所するために、Bさんがこの時期に行う手続きとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 居宅サービス計画を作成するために、介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談する。

2 要介護認定を受けるために、市町村の窓口に申請する。

3 施設サービス計画を作成するために、介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談する

4 サービス等利用計画を作成するために、相談支援専門員に相談する。

5 障害支援区分の認定を受けるために、市町村の窓口に申請する。

解答:5
解説:
障害福祉サービスを利用するために、まずは市町村の窓口に申請し、障害支援区分の認定が必要です。

問題125.
その後、Bさんは希望どおり障害者支援施設に入所した。入所した施設では、C介護福祉職がBさんの担当になった。
C介護福祉職は、Bさんから「日常生活で、もっと自分でできることを増やし、いずれは地域で生活したい」と言われた。
そこでC介護福祉職は、施設内の他職種と連携して支援を行う必要があると考えた。
C介護福祉職が連携する他職種とその業務内容に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 工作などの作業を行いながら身体機能の回復を図るために、看護師と連携する。

2 運動機能の維持・改善を図るために、理学療法士と連携する。

3 趣味活動を増やすことを目的に、管理栄養士と連携する。

4 活用できる地域のインフォーマルサービスを検討するために、義肢装具士と連携する。

5 栄養状態の面から健康増進を図るために、社会福祉士と連携する。

解答:2
解説:
職種と専門性の組み合わせを問われる問題です。選択肢のなかでは、理学療法士の業務内容に関する記述が適切です。

他の科目の解説は<各科目ごとの解説はこちら>からご覧いただけます。

湘南国際アカデミーは、今後も皆さんの長期的なキャリア形成をサポートしております。
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各科目ごとの解説はこちら

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  4. 介護の基本 
  5. コミュニケーション技術 
  6. 生活支援技術 
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  8. 発達と老化の理解 
  9. 認知症の理解 
  10. 障害の理解 
  11. こころとからだのしくみ 
  12. 医療的ケア 
  13. 総合問題 

※引用:上記の各問題は、2021年(令和3年)第33回介護福祉士国家試験問題より抜粋
※この解答・解説は湘南国際アカデミー独自の見解によるものですので、実際の正解とは異なる場合があります。
※この速報の内容は事前の予告なく、内容を修正する場合があります。
※自己採点結果による「合否判定」のお問い合わせはお受けできませんので、ご了承ください。

Profile

この記事の監修

湘南国際アカデミー 総合支援部

江島 一孝

所持資格:介護福祉士・介護福祉士実習指導者・介護支援専門員・福祉用具専門相談員

担当講座:介護職員初任者研修実務者研修事業所内レベルアップ研修介護福祉士国家試験受験対策講座外国人向け講座・etc.

 元ユニットリーダー研修指導者。10年在籍した介護老人福祉施設の現場では、研修受け入れ担当者として、年間100名以上の研修生の指導にあたる。湘南国際アカデミーでは、介護職員初任者研修実務者研修介護福祉士国家試験受験対策講座の講師や介護福祉士受験対策テキストの執筆などを担当する傍ら、ケアする側もケアするという立場で、介護をする側のQOL向上のためのイベントや総合的なサポートを手掛けている。

 その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内レベルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。

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