あの人に会いたいシリーズ
高瀬 比左子(たかせ ひさこ)さん
カフェを通して見つめるこれからの私たちの姿

「未来をつくるkaigoカフェ」

介護を変える   未来をつくる

 
湘南国際アカデミーで受講生や卒業生に発行している「えのもも通信」
 
第7号で特集した「未来をつくるkaigoカフェ」の高瀬 比左子(たかせ ひさこ)さんへのインタビュー記事です。
高瀬 比左子(たかせ ひさこ)さん

プロフィール 「未来をつくるkaigoカフェ」代表。 介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員。 大学卒業後、一般企業へ就職。「もっと人の役に立つ仕事がしたい」という思い が募る中、介護の道へ。 2012年ケアマネジャーとして働きながら「未来をつくるKaigoカフェ」を主宰。 「未来をつくるkaigoカフェ」 2012年に高瀬さんが始めた「カフェ」の活動は口コミで広がり、介護関係者のみな らず多職種、他業種を交えた活動には、これまで延べ3000人以上が参加。小中高へ の出張カフェ、一般企業や専門学校でのキャリアアップ勉強会や講演、コラボレーション企画の提案やカフェ型の対話の場づくり、勉強会の設立支援も行っている。
 

対話を通して自分らしさを見つける

 
高瀬さんは2012年から活動を始めて今年で4年、ケアマ ネジャーとしてご自身のお仕事もお忙しい中「カフェ」の 活動を続けられて多くの方に素晴らしい対話のきっかけを 提供されていますね。まずは「カフェ」を始めたきっかけ を教えてください。
 
高瀬:最初はSNSがきっかけです。私自身が介護の仕事 に携わる中で得た気づきや思いをSNSで発信していたと ころ、徐々に共感や意見を寄せてくれる人が増え、そのや りとりに癒されたり、より深く考えるきっかけをもらえた りしたので、SNS上だけでなく、介護職や医療・福祉に関 わる人が自由な対話を深めるリアルな場をつくりたいと 思ったのです。
 

思っただけでなく実現していく…すごい行動力でいらっ しゃいますね! 湘南国際アカデミーの卒業生さんでも、介護の仕事につい た後、現場でいろいろな迷いや悩みがあって、でもそんな 話を打ち明ける「場所」がなくて、おしゃべりをしにアカ デミーに帰ってみえる方がいらっしゃいます。
 
高瀬:「カフェ」というスタイルを選んだ理由の1つは、 参加する誰もが立場や役職などには関係なく、対等に話せ る「場」にしたいと思ったことにあります。
介護度の高い人とのコミュニケーションは案外難しく、仕事の中では「対話」が生まれにくかったりしますよね。管理者は目先のことしか考えていない、スタッフの話をゆっくり聞く時間などないことがほとんどです。介護の仕事が大好きで始めたのに、毎日の業務の中で知らず知らずに疲 れてしまっている人が多いのではないでしょうか? 自分らしさを保つことが難しくなってしまうのです。
日常を離れて自分の世界を広げることは大切ですよね。
 

多職種とも円滑な連携を

 
高瀬さんの「未来をつくるkaigoカフェ」の参加者は多い 時だと100人以上になるときもありますね。介護職ではな い方もたくさん参加されています。
 
高瀬:私自身も含めて介護職は、他業種の方との出会いの 機会が少なく、どちらかというと「対話」や「表現」が苦 手な人が多いのです。自分の思いを人に伝える…という意 味では、よく言えば「控えめ」な…ある意味、不器用な(笑)。 いい人過ぎて、人の言いなりになってしまい、結果として ストレスを抱え込んでしまう…そんなこともあるのではな いでしょうか? 自分の思いを人に伝えるのが下手だと、現場での衝突も増 えてしまうはずです。 でも自分なりの個性を表現していく…というのは、本当は とても大切なことだと思うのです。 介護の仕事をしています、でもこんな趣味もありますよ、 とか、こんな夢をもっています、とか。 いろいろな人と出会いながら、言いたいことを伝える、主 張するだけではなくて人の話をよく聞く、相手を知る…そ れが対話です。カフェは「対話力」を磨く場所になったらいいなとも思っているんです。 今後、多職種と円滑な連携を築くことは介護職に求められ るスキルの1つですよね。連携のためには、互いに知り合 う努力は大切です。
 

 
カフェは毎回大変な人気ですよね。「認知症の人の気持ち をどうやって理解する?」「理想の現場をつくるには?」 などのテーマがあって、ゲストスピーカーの発表の後4~ 5人のグループでディスカッションが展開されます。主催 者としてのご苦労はありますか?
高瀬:ただ何となく話したいだけで集まると、ぐちや不満 を出し合っておしゃべりをすることで終わってしまう場合 が多いですよね。「同じテーマ」を共有することで「そこ から何ができるの?」と考えてみることが大事だと思っています。 テーマに沿ったゲストスピーカーには、考える要素となる ような、ディスカッションが活性化するようなプレゼン テーションをしていただいています。
 

未来はつくっていける

 
高瀬:そうして触発されて自分の考えを口に出してみると、 思いがけない発想が出てきたりして自分自身を知ることに もつながります。 参加者が主役、人との対話で引き出される「場」を用意す ることが私の役割ですね。 この4年の間に「未来をつくるkaigoカフェ」の仲間が地 元でカフェを開催したり、開催の準備を始めることが増え ていますし、カフェを開催したいという相談を受けること も多くあります。対話の意義と、場の必要性を共有する仲 間が増え、取り組みが各地に広がっているのはとても嬉し いですね。カフェの開催の経験を通して、ファシリテーター みたいな存在を増やして行きたいとも思っているのです。 少人数2人でも、4~5人でも構いません。対話の場を広 げることが大切です。対話力を持った人が現場に散らばる ことで介護の未来はよくなると信じています。
 

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湘南国際アカデミーの受講生や卒業生に伝えたいことはあ りますか?
 
高瀬:介護の仕事が好きと思って介護の現場に就職して、 何かの形で挫折してしまっても1つの現場だけで決めない で…そこだけではないのだからと思います。介護が嫌い ではないのだったら、今の職場が合わなくても諦めないで 欲しいと思います。 介護だけだとその人らしさ、個性が出しにくいものです。 でも本当は、趣味や特技が何でも生かせるのが介護という 仕事です。料理も手芸も音楽も…全てが高齢者の生活の彩 りになるはずです。 自分らしい、型にはまらないオリジナルなスタイルが生か せる働き方、そんな働き方ができる環境を創っていきたい ですね。
 
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