初任者研修 第1日目

初任者研修 第1日目の授業風景

介護サービスの入門的資格「初任者研修」の授業は、どんなことが話されている?

相模原市在住ライターである私の元に、神奈川県内で介護資格取得の学校を運営する「湘南国際アカデミー」(藤沢市藤沢38‐3)の潜入ルポを書かないかという千載一遇のチャンスが舞い込んだのは2019年5月中旬。
高齢両親のことや、いずれ自身も介護される身になるだろうことを考えると他人事ではいられず、すぐに承諾。
湘南国際アカデミーの藤沢校で初任者研修の第1回目の授業があると聞き、早速取材に出掛けました。

介護について真剣に学びたいと集まる20代から80代の多種多様な受講生の面々

2019年5月24日(金)9時20分、初夏らしい気持ちの良い朝。藤沢駅から7分歩いた国道467号線沿いに「湘南国際アカデミー」と書かれた薄グリーンの建物が見えてきました。こちらが藤沢本校で1階は個別説明会や就職相談などが行われるカフェ風のスペース、2階が学校の事務所となっています。

今日目指しているのは、その隣の茶色いビルの1階にある藤沢校。9時30分から始まる、介護サービスの入門的資格「初任者研修」の第1回目の授業見学のため入室すると、すでにほぼ満席状態。受講生は女性13人、男性4人。年齢は20代から80代とその幅広さにびっくり!

初任者研修の授業は全部で16回あり、通常は9時30分から16時50分まで。お昼休憩を挟むものの、通学は130時間もの膨大な時間をかけて勉強します。最終日にレポートや実技評価、終了試験で合格すると、晴れて初任者研修の資格取得となります。お金と時間をかけて学びに来ている人たちばかりなので、皆さん真剣な面持ちです。

「資格」を取って終わりではない。就活や就職先の悩み相談まで、学校との関係は続く

初回はまず、職員による注意事項や説明からスタート。同校には「お客様総合サポート」という部署があり、就活サポートから卒業後の職場の悩みまで相談にのってもらえるのが印象的でした。介護業界は人手不足ではあるけれど「賞与」や「手当」など条件目当ての人が入ると中々続かないという現実もあるそう。そのため知識と技術とやる気を持った質の高い人材を求め、ハローワークではなく直接同校に求人する介護施設も増えているとか。

介護施設の見学バスツアーを行って、希望エリアの介護施設を1日で4~5カ所見学したり、就職の個別相談にのったりしているそう。

介護施設は事業主の考え方次第で運営方針が千差万別。就職後も同校を訪れて、神奈川県の施設に熟知したスタッフに職場の悩みを相談する卒業生もいるのだと言います

介護職働き方マッチング見学ツアー

「介護職働き方マッチング見学ツアー」で見学した介護施設の様子

介護の知識と技術を学ぶのは、「利用者のため」と同時に「介護者の心と体を守るため」

同校では介護施設での豊富な勤務経験や資格を持つ講師が、専門分野の授業を行っています。

初任者研修1回目の授業のテーマは「職務の理解」。講師は、特別養護老人ホームで10年間働いた経験を持つ介護福祉士の江島一孝先生。理想だけでは立ち行かない現場の難しさ、やりがいを知り「この経験を生かし、介護職を支える仕事をしたい」と考え、講師になったそう。

「利用者のために学ぶのはもちろんですが、自分のためでもあります。介護の基本を知っていれば『現場の矛盾』に遭遇したとき、介護者は『自分の心』を守ることができます』」と江島先生。

キャリアアップや家族の介護…生徒が初任者研修を受講しようと思った理由は様々

江島先生の話の後、生徒の自己紹介が行われました。介護施設で働きながらキャリアアップのため受講した女性、夫を介助するヘルパーさんの技術の高さに驚き介護を勉強しようと思った女性、社会福祉団体で要職を務めた後、今度は地域で個人の役に立ちたいと考えた男性。母親を亡くして介護にやり残した思いがあり、学んでみようと思った女性等々。切実な理由があるからこそ、それぞれの真剣な思いが伝わってきます。

介護の資格には大きく分けて、3つあります。通常は「初任者研修」「実務者研修」→「介護福祉士」の順番にステップアップをしていきます。初任者研修実務者研修は都道府県の管轄、介護福祉士は国が管轄する国家資格となります。

介護業界で働くなら、資格取得がとても重要になってくると言います。

初任者研修の授業風景

初任者研修 主任講師の江島先生

「介護とは、なにをすること?」という問いに、生徒全員で話し合いながら考える

江島先生から「介護とは、なにをすること?」という質問が出され、生徒全員で考えることになりました。生徒には介護の経験者も多く、さまざまな意見が出ました。
《生徒が考える「介護」とは?》
◆介護される人にとって心身ともに心地良い存在であること。
◆寄り添う。
◆介護する人が上から目線では絶対にダメ。痴呆の人は「自分が絶対」、「やってあげる」ではなく、「手伝わせていただく」という気持ちが大切。
◆生活していく上で、必要なことを手伝う。本人だけでなく、ご家族も支える。
◆健康なときと変わらないように介護する。
◆本人ができることは本人がするようにサポート。すべてやってあげるのが介護ではない。
◆その日その日を大事に。日々、求められるものも変わる。一人ひとりが違う。

江島先生からは「皆さん、素晴らしい意見が出ました。その気持ちを忘れないでいてほしい。なぜなら、介護の現場はとても忙しいから、それを忘れてしまう」というコメントがありました。
江島先生が特別養護老人ホームのオープニングスタッフの一員だったとき、スタッフがどんどん退職したことがあったそう。少ないスタッフで利用者全員を朝8時に食卓に座らせるため、予定を前倒して最初の人を朝4時30分に起こして待っていてもらったこともあったそうです。
「朝食まで3時間あるのに、少々お待ちくださいって、声をかけていました。でもこれが仕事だと思って、僕も含めてやっていました」。
けれど職員が定着しはじめた4~5年目から「個々の利用者の要望を聞ける施設になろう」と変革が起きたと言います。
「部屋に何を持ち込んでもいい」と言えば仏壇やこたつ、観葉植物などが持ち込まれました。「好きな時間に起きていい」と言えば、朝食に間に合わないときはレトルト食品で対応したり、朝の薬を昼に飲んでも良いという医師の確認を取ったり。
個別ケアは言うほど簡単なことではありませんでしたが、一斉にやらず一人ひとりに合わせた方がスタッフも楽になり、定着率も劇的に改善されるということがやってみてわかったそうです。
朝、起きたい時間だって一人ひとり違う。体調もその日その日で違う。利用者さんから話を聞き、よく観察することで、解決の糸口が見つかったと江島先生は言います。

初任者研修のカリキュラム作成

湘南国際アカデミーの学院長 仲川先生

「資格を売る学校ではなく、教育を売りにする学校にしたい」という学院長の信念。

同校仲川一清学院長の信念は「資格を売りたくはない、根拠に基づいた教育を売りにしたい」「教育を買ったんだと思ってもらいたい」ということ。資格を取って終わりではなく、3年後、5年後の生徒がどうなっているのかを見据えた教育を目指していると言います。そしてその思いが講師にも浸透し、共感する人材が集まっているとも。最近も湘南国際アカデミーの初任者研修実務社研修を担当する講師の交流会や、講師のスキルアップを目指すためのキャリア形成の仕組みづくりなども始めているとのことです。

初任者研修・実務者研修の講師会議

初任者研修や実務社研修を担当する講師の交流会の様子

同校主催の同窓会のほか、初任者研修の修了後には有志でクラスごとの飲み会が行われ、卒業後も関係が続くことが多いそう。
きれいごとでは対応できない介護の現場。「介護を真剣に学ぶ」仲間がいるからこそ、同じ経験や悩みを抱えたときに心を開いて話し合える――そんな仲間は、何物にも代えがたいのかもしれません。

~・執筆者プロフィール・~
執筆者:ぎんまる
相模原市在住のライター。大和市の小中高、早稲田大学教育学部を卒業後、フリーペーパーの制作に21年間携わり、「伝える」ことの楽しさと難しさを学ぶ。
家族は娘と夫。実、義理ともに両親は健在だが、いつ介護が他人事ではなく「自分事」になってもおかしくないだけに、介護サービスの入門的資格である初任者研修の授業に興味津々。

 

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