老舗漢方専門店「薬日本堂」さんにご協力いただき、介護職に役立つ漢方に関する情報を発信しています。

今回は、【漢方スクール講師が教える】介護職のための免疫低下解消法についてです。是非最後までご覧ください。

【前回の記事】
【介護職の健康法シリーズ】漢方スクール講師が教える介護職のための冷え性解消法!


多くの人と接する介護職の方々に必要な免疫力

免疫力とは、疫(病気)から免(まぬが)れる身体の防衛力のこと。コロナ禍にあって、非常に重視される力です。

多くの人と接する介護職の方々は、免疫力が低下してしまうと病気にかかりやすくなり、ご本人がつらいだけでなく、家族の環境や仕事にも支障をきたしてしまいます。

「免疫力を強化したい!」と考えている方は多いのではないでしょうか。

免疫力や防御力を含む生命力のことを、漢方では「正気(せいき)」と呼んでいます。
古代中国の古典には、「正気が満ちていれば病にならない」と書かれています。漢方の世界でも免疫力は重視されていたのですね。


免疫力が低下する原因は?

免疫力が低下する原因は日常生活に潜んでいます。

過労や心労、睡眠不足は、心身を動かすエネルギ-と栄養である気血(きけつ)を消耗し、免疫力を低下させます。
人を支える介護職の方々は、常に体力と神経を使っているので、厳しい環境にあるといえます。

▼睡眠に関する対策はこちらの記事をご参照ください。
【介護職の健康法シリーズ】漢方スクール講師が教える介護職のための『眠りの不調』解消法!

急な気温変化も、自律神経のバランスを乱して免疫力を低下させます。
特に夏は、外出すれば酷暑、移動の電車内や施設内は冷房が効いているので、上手に衣類の調整をしないと免疫力も低下して、熱中症や夏かぜに悩まされることもあります。


食事の偏りや便秘も免疫力低下の原因に!

過食や偏食による肥満、便秘、むくみなども免疫力低下につながります。これは余分なものが溜まり正常な代謝が妨げられることで起こります。

介護職の場合、要介護者のケアに尽くされているので、ご自身のことが二の次になってしまうことがあります。
水分を摂ることを忘れてしまう、便意がある時にタイミングよくトイレに行けず我慢してしまう、ゆっくり食事する時間がとれずに早食いになってしまうなど、気づけば溜めこんでいないでしょうか。

精神的なストレスも免疫力低下を引き起こすといわれています。継続する強い緊張、不安定な情緒は気血の流れを滞らせ、異常な免疫反応であるアレルギーを招くことになります。

介護職の現場では、慢性的な人員の不足、要介護者の転倒や誤嚥への注意など、過剰にストレスがかかることがあり、仕事が忙しくなってからアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、慢性関節リウマチが悪化したという方のお話を耳にします。


正気不足のサインが出ていないか…

免疫力低下につながる正気不足のサインには次のようなものがあります。あてはまるものが3つ以上で注意、5つ以上で要注意だと考えてください。

□ 少し動くだけで息切れする
□ 少し動くだけで汗が出て止まらない
□ かぜをひきやすくなった(年に3回以上)
□ 疲れやすくなり、朝から重だるい
□ 食べても太れない、逆に食べなくても太る
□ 足腰が冷えて重だるい
□ めまいやふらつきが頻繁に起こる
□ 眠りが浅くて夢が多い
□ 爪が割れやすい
□ 夜中に足がつる

「免疫力が低下している」と感じた方、「今は大丈夫だけど免疫力を上げておきたい」と思う方、漢方の智慧で免疫強化をしましょう。


朝は深い呼吸からスタート

漢方では、呼吸を担っている五臓の肺は防御の要だと考えます。誰でもできる朝の深呼吸から始めましょう。

お忙しい介護職の方々は「朝の1分1秒が惜しい!」と思われるかもしれませんが、毎朝30秒から1分の継続が免疫強化の第一歩になります。

まず窓を開けて新鮮な空気を部屋に入れましょう。天気の良い朝は朝日を浴びながら深呼吸。
口からたまった息をはき、鼻からゆっくり深く吸い込み胸を膨らませます。1秒止めてから、倍の時間をかけて口からゆっくりはきます。

デスクワークが続いて猫背になりがちな方は、仕事の合間にもやってみましょう。


足裏のツボ、湧泉をほぐす

ツボ療法も漢方につながる治療法のひとつ。

足裏にある湧泉(ゆうせん)というツボは、名前の通り、心身のエネルギーが泉のように湧き出すとされています。

介護職の方々は、要介護者の身体を支え、広範囲を見て回るなど足の疲れが気になることも多いでしょう。
毎日の疲れをリセットするにもおすすめのツボです。

土踏まずのやや上中央、足の指5本を曲げるとくぼむところが湧泉です。親指の腹または中指を曲げて第二関節の部分で押しもみましょう。
お風呂上りに一日の疲れを癒やしながら免疫力も上げていきます。


山の薬、山芋で中から強化

身近な食材である山芋は、山薬(さんやく)という生薬(漢方薬の原料)で、正気を補う働きがあります。
とろろそば、まぐろの山かけ、酢のものなど、様々な食べ方で取り入れましょう。

椎茸などキノコは正気を補い、弱った身体を強化する働きがあります。食物繊維も豊富なので、便秘の解消にも有効。大腸の状態がよいと免疫力もあがるので、毎日でも摂りたい食材です。

最近、業務スーパーでもみかけるようになったナツメは正気を補い、心の状態を安定させる働きもあります。
刻んだものを紅茶に加えると、手軽に摂ることができます。

免疫力強化は毎日の積み重ねが大切です。低下の原因になるものを減らし、強化につながるものを増やして、強い心身を作りましょう。

▼こちらも是非ご覧ください▼
薬日本堂が運営する情報サイト【漢方ライフ】

免疫力&専門知識・技術UPで最強介護職に!!

今回は、介護職のための免疫力低下解消法について、薬日本堂漢方スクールの齋藤先生にご執筆いただきました。

病気から体を守るためには、免疫力UPが重要なんですね。最近風邪をひきやすい、疲れやすいと感じている方は、是非参考にされてください。

人は年齢とともに免疫力が低下していきます。そのために介護職ができることは何か、一緒に学んでみませんか?

薬日本堂 Yukari Saitoさま

この記事の執筆者
薬剤師・薬日本堂漢方スクール講師

齋藤 友香理 Yukari Saito

東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務め、多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら外部セミナーも担当し、漢方を学ぶ楽しさを広めている。また社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。また、「薬日本堂のおうち漢方365日」「薬膳・漢方検定 公式テキスト」など、書籍監修にも多く携わっている。

*薬日本堂漢方スクール https://www.kampo-school.com/
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ニホンドウ漢方ミュージアムの移転に伴い、7月3日より「薬日本堂漢方スクール青山校」として東京・青山にて営業をスタート。