第36回介護福祉士国家試験の解答解説 介護の基本

こんにちは!
湘南国際アカデミーで介護職員初任者実務者研修介護福祉士受験対策講座の講師及び総合サポートを担当している江島です!
2024年(令和6年)第36回介護福祉士国家試験を受験された皆さま、本当にお疲れ様でした。
受験を終えた皆さまは、インターネット上の解説速報などで自己採点はされましたか?
まずは、解答を知りたいという方は、当校ホームページの「解答速報」をご覧ください。

このページでは、【介護の基本】から出題された問題の解答・解説を致します。

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<領域: 介護>介護の基本

問題64

介護を取り巻く状況に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ダブルケアとは,夫婦が助け合って子育てをすることである。
2 要介護・要支援の認定者数は,介護保険制度の導入時から年々減少している。
3 家族介護を支えていた家制度は,地域包括ケアシステムによって廃止された
4 要介護・要支援の認定者のいる三世代世帯の構成割合は、介護保険制度の導入時から年々増加している。
5 家族が担っていた介護の役割は,家族機能の低下によって社会で代替する必要が生じた。

解答:5

解説

これまで家族が担ってきた介護について、社会全体で担っていくことを「介護の社会化」といいます。介護保険制度に代表されるように社会全体で支えていく形であり、選択肢5が最も適切です。

問題65

介護福祉士に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 傷病者に対する療養上の世話又は診療の補助を業とする。
2 喀痰吸引を行うときは市町村の窓口に申請する。
3 業務独占の資格である。
4 資格を更新するために5年ごとに研修を受講する。
5 信用を傷つけるような行為は禁止されている

解答:5

解説

介護福祉士の義務として「誠実義務」「信用失墜行為の禁止」「秘密保持義務」「連携」「資質向上の責務」「名称の使用制限」があり、選択肢5が適切です。

問題66

施設利用者の個人情報の保護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 職員がすべての個人情報を自由に閲覧できるように,パスワードを共有する。
2 個人情報を記載した書類は、そのまま新聞紙と一緒に捨てる。
3 個人情報保護に関する研修会を定期的に開催し,意識の向上を図る。
4 職員への守秘義務の提示は、採用時ではなく退職時に書面で行う。
5 利用者の音声情報は,同意を得ずに使用できる。

解答:3

解説

介護福祉職は利用者の個人情報を様々な場面で取り扱いますので、意識の向上を図るという選択肢3は最も適切です。

問題67

個別性や多様性を踏まえた介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 その人らしさは,障害特性から判断する。
2 生活習慣は,生活してきた環境から理解する。
3 生活歴は,成人期以降の情報から収集する。
4 生活様式は,同居する家族と同一にする。
5 衣服は,施設の方針によって統一する。

解答:2

解説

個別性や多様性を理解するために、これまでの生活環境に注目し、生活習慣を理解することは介護をするうえでとても大切となります。選択肢2が最も適切です。

問題68

Aさん(48歳,女性,要介護1)は,若年性認知症(dementia with early onset)で,夫,長女(高校1年生)と同居している。Aさんは家族と過ごすことを希望し,小規模多機能型居宅介護で通いを中心に利用を始めた。Aさんのことが心配な長女は,部活動を諦めて学校が終わるとすぐに帰宅していた。

ある日,夫が「長女が,学校の先生たちにも相談しているが,今の状況をわかってくれる人がいないと涙を流すことがある」と介護福祉職に相談をした。

夫の話を聞いた介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 長女に,掃除や洗濯の方法を教える。
2 家族でもっと頑張るように,夫を励ます。
3 同じような体験をしている人と交流できる場について情報を提供する。
4 介護老人福祉施設への入所の申込みを勧める。
5 介護支援専門員(ケアマネジャー)に介護サービスの変更を提案する。

解答:3

解説

本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話・介護などを日常的に行っている18歳未満の子どもは、ヤングケアラーと呼ばれ社会的な課題になっています。長女は「学校の先生たちにも相談しているが、今の状況をわかってくれる人がいないと涙を流すことがある」という情報から、交流や相談ができる場の情報を提供する選択肢3は最も適切です。

問題69

Bさん(61歳,男性,要介護3)は,脳梗塞(cerebral infarction)による左片麻痺がある。週2回訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用し,妻(58歳)と二人暮らしである。自宅での入浴が好きで,妻の介助を受けながら、毎日入浴している。サービス提供責任者に,Bさんから,「浴槽から立ち上がるのがつらくなってきた。何かいい方法はないですか」と相談があった。

Bさんへのサービス提供責任者の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Bさんがひとりで入浴できるように,自立生活援助の利用を勧める。
2 浴室を広くするために, 居宅介護住宅改修費を利用した改築を勧める。
3 妻の入浴介助の負担が軽くなるように, 行動援護の利用を勧める。
4 入浴補助用具で本人の力を生かせるように,特定福祉用具販売の利用を勧める。
5 Bさんが入浴を継続できるように,通所介護(デイサービス)の利用を勧める。

解答:4

解説

自宅での入浴が好き、妻の介助を受けながら毎日入浴している、浴槽から立ち上がるのがつらくなってきたという情報から、選択肢4が最も適切です。

問題70

社会奉仕の精神をもって、住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行い,社会福祉の増進に努める者として、適切なものを1つ選びなさい。

1 民生委員
2 生活相談員
3 訪問介護員(ホームヘルパー)
4 通所介護職員
5 介護支援専門員(ケアマネジャー)

解答:1

解説

問題文は民生委員の説明となっており、選択肢1が適切です。なお、民生委員は児童委員を兼ねており、児童委員は、地域の子どもたちが元気に安心して暮らせるように、子どもたちを見守り、子育ての不安や妊娠中の心配ごとなどの相談・支援等を行うとされています。

問題71

3階建て介護老人福祉施設がある住宅地に,下記の図記号に関連した警戒レベル3が発令された。介護福祉職がとるべき行動として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 玄関のドアを開けたままにする。
2 消火器で,初期消火する。
3 垂直避難誘導をする。
4 利用者家族に安否情報を連絡する。
5 転倒の危険性があるものを固定する。

解答:3

解説

イラストは「洪水」「内水氾濫」の図記号です。より高い場所で安全を確保する選択肢3が最も適切です。

問題72

次の記述のうち,介護における感染症対策として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 手洗いは,液体石鹸よりも固形石鹸を使用する。
2 配膳時にくしゃみが出たときは、口元をおさえた手でそのまま行う。
3 嘔吐物の処理は,素手で行う。
4 排泄の介護は、利用者ごとに手袋を交換する。
5 うがい用のコップは,共用にする。

解答:4

解説

すべての人に対して、血液、体液、汗を除く分泌物、排泄物、損傷した皮膚、粘膜等は、感染の可能性があるとみなして対応する方法を標準予防策(スタンダードプリコーション)といいます。こちらに該当する選択肢4が最も適切です。

問題73

介護福祉士が行う服薬の介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 服薬時間は,食後に統一する。
2 服用できずに残った薬は,介護福祉士の判断で処分する。
3 多種類の薬を処方された場合は,介護福祉士が一包化する。
4 内服薬の用量は,利用者のその日の体調で決める。
5 副作用の知識をもって、服薬の介護を行う。

解答:5

解説

薬には、本来の目的の働きである「主作用」と、本来の目的以外の好ましくない働きである「副作用」があります。服薬の介護を行うにあたり、副作用の知識をもつことは大切で選択肢5が最も適切です。

各科目ごとの解説はこちら

人間の尊厳と自立
人間関係とコミュニケーション
社会の理解
こころとからだのしくみ
発達と老化の理解
認知症の理解
障害の理解
医療的ケア
介護の基本
10 コミュニケーション技術
11 生活支援技術
12 介護過程
13 総合問題

※引用:上記の各問題は、2024年(令和6年)第36回介護福祉士国家試験問題より抜粋
※この解答・解説は湘南国際アカデミー独自の見解によるものですので、実際の正解とは異なる場合があります。
※この速報の内容は事前の予告なく、内容を修正する場合があります。
※自己採点結果による「合否判定」のお問い合わせはお受けできませんので、ご了承ください。

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この記事の監修者

湘南国際アカデミー講師

湘南国際アカデミー講師:江島 一孝所持資格:介護福祉士・介護福祉士実習指導者・介護支援専門員・福祉用具専門相談員

元ユニットリーダー研修指導者。10年在籍した介護老人福祉施設の現場では、研修受け入れ担当者として、年間100名以上の研修生の指導にあたる。湘南国際アカデミーでは、介護職員初任者研修実務者研修介護福祉士国家試験受験対策講座の講師や介護福祉士受験対策テキストの執筆などを担当する傍ら、ケアする側もケアするという立場で、介護をする側のQOL向上のためのイベントや総合的なサポートを手掛けている。
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。

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