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介護福祉士と看護師の違いとダブルライセンスのメリット・デメリット 

  • 介護福祉士受験対策講座
介護福祉士と看護師の違いとダブルライセンスのメリット・デメリット 

中村 俊輝(正看護師・介護福祉士)

この記事の監修者

大学中退後、介護職で5年働きながら介護福祉士を取得。介護と看護の協働を重視し、看護大学へ進学して正看護師・保健師・社会福祉士の資格を得る。現在は病棟看護師として、介護と看護の視点を合わせたケアに取り組み、外来では糖尿病患者のフットケアにも従事している。

介護福祉士と看護師は、医療・福祉の現場で利用者を支える重要な職種です。それぞれが担う業務や求められるスキルには違いがあり、同時に共通点も多く存在します。 

近年では、両方の資格を取得するダブルライセンスによりキャリアの幅を広げるケースが増えています。本記事では、両職種の違いや共通点から、資格取得方法やダブルライセンスのメリット・デメリットまでを総合的に解説します。 

介護福祉士と看護師の基本情報 

まずは介護福祉士と看護師それぞれの仕事内容や役割を概観し、基本的な違いを明確にしていきましょう。 

介護福祉士は、人々の日常生活を支えて生活の質を向上させる存在です。具体的には、食事や入浴、排泄など基本的な身体介護のほか、利用者の生活環境を整える支援も担います。利用者とのコミュニケーションを大切にし、精神面でのサポートも欠かせません。 

看護師は、医師の指示のもとで医療行為全般を補助し、病状を把握・観察する役割があります。血圧や体温の測定などの基礎的な健康管理にとどまらず、点滴や注射などの治療補助も担当します。また、患者の不安を緩和するために心身両面のケアを行い、快適な療養環境を提供することも重要です。そのため業務の範囲は、多岐にわたります。 

介護福祉士の仕事内容と役割 

介護福祉士は、高齢者や障害がある方など、日常生活に何らかの支援が必要な人々のケアを担当します。身体介護では食事やおむつ替え、移乗など、利用者が自分でやりづらい行為を支援します。生活援助では掃除や買い物など、日常生活を続けるための手助けが中心になります。 

大きな特徴は、医療行為よりも生活支援に重点を置くことです。利用者が残存機能を活かしながら自立した生活を送れるよう、心身の状態を見守りつつ、必要に応じて自立支援も行います。利用者一人ひとりの尊厳を守り、人生をサポートする総合的な職種と言えるでしょう。 

また、日常生活上の困りごとに寄り添い、身体的ケアだけでなく精神面でのケアも含めて幅広くサポートする点が介護福祉士の価値となります。 

介護福祉士に関しての詳細は、以下のページをご覧ください

☑介護福祉士とは|役割・資格取得方法・キャリアアップを解説

看護師の仕事内容と役割 

看護師は、医療の観点から患者の健康回復や療養生活の支援を行う専門家です。血圧や体温、脈拍の測定など基本的な健康管理を日常的に行い、状態を医師に報告しながら適切なケアを提供します。 

また、注射や点滴といった医療行為は看護師に与えられた重要な役割であり、迅速かつ正確な技術が求められます。病棟や外来など働く現場によっても業務は異なりますが、どの場合も患者のQOL(生活の質)向上に寄与する大切な存在です。 

精神的ケアという面でも看護師は患者の不安や負担を軽減し、必要に応じて医師や他のスタッフと連携しながら回復をサポートする役割を担います。 

多岐にわたる業務のため、多職種との適切な役割を調整する役割を求められます。 

介護福祉士と看護師の違い 

仕事内容や業務範囲、働き方、待遇面など、さまざまな観点から両資格の違いを整理します。 

介護福祉士は利用者の日常生活を支援し、看護師は医療行為を用いて健康をサポートするという違いがあります。専門とする領域や求められる知識、実践可能な行為が異なる一方で、共通して人と密に関わる仕事でもあり、細やかなコミュニケーション能力が不可欠です。 

また、就業先や待遇面でも差があり、施設や病院などの環境の違いによって働き方が変わってきます。以下で詳細を見ていきましょう。 

業務内容や業務範囲の違い 

医療行為を行えるのは看護師であり、介護福祉士は基本的に生活支援に特化しています。具体的に、看護師は血圧測定や注射、点滴の管理といった治療補助業務を行い、生活援助や身体介護等多角的な支援が行える一方、介護福祉士は生活援助や身体介護が中心です。 

ただし、介護福祉士が研修を修了して喀痰吸引などの一部医療行為を行う場合もあります。こうした業務範囲の差が、職場環境やキャリアプランにも影響します。 

利用者の生活の質を最優先するアプローチか、医療上のケアを実践しながら生活を支えるという視点の違いが両職種の大きな特徴と言えます。 

職場環境と働き方の違い 

介護福祉士の主な就業先は特別養護老人ホームやデイサービス、グループホームなどの介護施設が多いです。利用者との長期的な関係を築きやすく、コミュニケーションを重ねながら生活を支援する場面が多いのが特徴です。 

看護師は病院やクリニックなどの医療機関が中心となります。医師や他の医療スタッフとの連携が必須であり、病棟ではシフト制で夜勤も多いため、体力面での負担が大きくなるケースもあります。 

近年では、介護施設や在宅サービスに看護師が配置されるケースも増えており、働き方の選択肢は広がっていますが、基本的な業務の性質は依然として異なる部分が多いです。 

給与や待遇面での比較 

一般的に、看護師のほうが介護福祉士よりも平均給与が高い傾向にあります。医療行為を担う責任の高さや、シフト勤務による夜勤手当などが収入に反映されやすいことが理由の一つです。 

一方、介護福祉士は資格手当や処遇改善加算などの制度があるため、以前と比べると待遇面は改善が進んでいます。ただし、看護師と比べると年収の差は依然として残ります。 

ただし、職場や地域によって給与水準には大きな差があります。どのような施設で働くか、管理職を目指すかなど、キャリアの選択によって条件が変わるため、長期的な展望を持った検討が重要です。 

介護福祉士と看護師の共通点 

異なる役割を持つ両職種ですが、利用者を支える職種として共通している点も多くあります。 

介護福祉士も看護師も、人の暮らしを支援するという点では共通の目的を持つ職種です。高齢化社会の進行に伴い、医療と福祉の連携がより一層重視される中、両者の存在は社会的にも非常に重要です。 

双方ともチームとして連携し、利用者一人ひとりのニーズに合わせたケアを提供するために多角的な視点が求められます。以下では具体的な共通点を整理します。 

高齢者や障害者への支援における共通性 

高齢者は加齢に伴う身体機能の低下や疾病を抱えることが多い一方、障害者の場合は日常生活においてサポートが必要になる状況があります。こうした方々の困りごとを解消し、生活の質を向上させる姿勢は、介護福祉士と看護師のどちらにも共通する重要なテーマです。 

介護福祉士は生活面の支援が中心で、看護師は病状の観察や医療行為を行いますが、いずれも利用者や患者に寄り添う姿勢が求められます。身体的なケアに加えて、コミュニケーションや心理的なサポートも重要な役割を果たしています。 

特に医療と生活が密接に関わる場面では、両職種がお互いの専門性を活かすことで、多角的かつ統合的な支援が可能になります。 

医療福祉現場で必要な知識と技能 

介護福祉士は生活支援に関する知識が中心ですが、医療的な基礎知識も一定程度持つことで利用者の体調変化に素早く気付くことができます。看護師はより高度な医療行為の知識や技術が求められますが、適切なコミュニケーションスキルや福祉的な視点も欠かせません。 

それぞれの専門領域は異なるものの、現場ではお互いの職務の境界を意識しながらも、必要に応じてフォローし合うことが理想的です。多職種連携においては、相手の知識を尊重したうえでスムーズに業務を分担していく必要があります。 

このように、両者の業務が円滑に進むためには、医療・福祉それぞれに関わる基礎知識とコミュニケーション力が不可欠です。 

現場での連携の重要性 

医療・福祉は高度に専門分化した領域ですが、利用者や患者を中心にアプローチする際には、一人の専門家だけでは限界が生じます。そこに多職種連携の価値があり、介護福祉士と看護師が連携することでケアの質を向上させることができます。 

たとえば、介護福祉士が日常生活のケアから体調の小さな異変を発見し、看護師へ伝達することで、早期の医療的ケアが実施できます。また、看護師が医療知識に基づいて対処を行う際、介護福祉士が生活支援の面からサポートすることで、利用者の負担を最小限に抑えたケアを提供できます。 

結果的に、利用者の生活の質が高まり、職員同士のスキル向上にもつながるため、現場での連携はきわめて重要です。

介護福祉士と看護師のダブルライセンス|メリットとデメリット 

介護福祉士と看護師、それぞれの資格を同時に取得することで得られる恩恵と注意点を整理します。 

医療と福祉の両側面をカバーできるダブルライセンスは、高齢化社会が進むなかで注目を集めています。複数の視点から利用者や患者を支えることができるため、職場での存在感も大きく高まります。 

ただし、取得のためには時間や費用の面での負担があるほか、実務においても両方の業務をこなす体力的な大変さがあるのも事実です。以下で具体的なメリットとデメリットを見ていきましょう。 

メリット 

ダブルライセンスを活かすと、介護と医療の幅広い知識を結集して利用者にアプローチできるのが大きな強みです。多職種が連携する現場でも、より深い知識がある人材として評価されやすく、キャリア機会が増える傾向があります。 

また、転職に際しても選択肢が広がり、活躍の場を柔軟に選びやすいという利点があります。以下に代表的なメリットを挙げます。 

キャリアアップや昇給の可能性 

複数の資格を有することで、さまざまな業務に対応できる人材として評価されやすくなります。結果として管理職やリーダー職、あるいは専門性の高いポジションへのステップアップが図れるでしょう。ダブルライセンスを持つことで、収入や待遇面でもプラスに働く可能性があります。 

転職先の選択肢の広がり 

介護施設と医療機関の両方に対応可能なスキルセットを有しているため、転職市場での需要が高まります。また、在宅医療や訪問看護ステーションなど、医療・介護が融合する現場でも重宝されるでしょう。 

利用者への総合的なサポート 

介護福祉士としての生活援助の視点と、看護師としての医療的アセスメントが合わさることで、より包括的なケアを提供できます。利用者の身体的・精神的な状態を総合的に把握し、きめ細かい支援を行うことが可能となります。 

デメリット 

多方面での活躍が期待される一方、学習面や実務面での負担が大きいのも事実です。ダブルライセンスによるメリットを最大限に活かすためには、それなりの努力と計画が必要になるでしょう。 

体力的な負担の増加 

医療と介護の両方を網羅するため、多岐にわたる業務をこなす必要があります。特に夜勤や緊急対応などが加わると、身体的にも精神的にも負担が増大しやすくなります。自分自身の健康管理にも十分に配慮することが重要です。 

資格取得に費用と時間がかかる 

看護師の資格取得には専門学校や大学への進学が必要になるケースがほとんどです。学費や教材費だけでなく、勉強と仕事を両立するには相応の時間が求められます。介護福祉士資格しか持っていない段階から看護師を目指す場合、実務経験を積む期間なども考慮する必要があります。 

介護福祉士から看護師になる方法 

介護福祉士が看護師を目指す場合に知っておくべき学習ルートや受験に関する情報です。 

介護福祉士として働く中で、さらに医療的な知識を身に付けたいと考える人は少なくありません。看護師になるためには、基本的に看護系の学校を卒業し国家試験に合格する必要があります。以下では代表的な学習ルートを紹介します。 

共通基礎課程制度とその仕組み 

将来的に導入が検討されている共通基礎課程制度では、複数の医療・福祉資格を取得しやすくするためのカリキュラム免除が検討されています。実現すれば介護福祉士から看護師への移行がスムーズになる可能性がありますが、現状では具体的な導入時期は不透明です。 

現行制度では、一般のルートと同じように看護専門学校や短期大学・大学に入学し、必要単位を修得して国家試験に合格する流れが基本です。 

准看護師から正看護師への進学 

准看護師の資格を取得したあとに、実務経験を積みながら正看護師へのステップアップを目指すルートもあります。准看護師試験は比較的受験しやすい場合がありますが、その後に正看護師の資格を得るためにはさらに進学と国家試験合格が必要です。 

介護福祉士の経験を活かしながら准看護師として働き、医療の現場を学ぶことで看護師の役割を理解しやすい利点もあります。 

専門学校や短期大学・大学への進学ルート 

正看護師を目指す一般的な方法は、看護系の専門学校・短期大学に3年間通うか、大学で4年間学んだうえで国家試験を受験することです。いずれにしても受験資格を得るには高校卒業(または同等の学歴)が必要となります。 

介護福祉士として働きながら夜間・通信制などを利用して学ぶ人もおり、働きながら資格取得をすることも不可能ではありません。自分のライフスタイルや経済状況に応じてベストな進路を選びましょう。 

看護師から介護福祉士になる方法 

看護師として経験を積んでから、介護福祉士資格を取得するためのポイントを説明します。 

看護師が介護福祉士になるケースは多くはありませんが、医療の視点を活かして福祉現場に転職し、より生活支援を重視したケアを行いたいと考える人もいます。以下のルートを把握しておくとスムーズです。 

実務経験を活かした取得ルート 

介護福祉士の受験資格には3年以上の実務経験(540日以上)が必要となりますが、看護師が介護施設などで働くことで、その経験を活かせる場合もあります。一定の勤務年数と実務者研修を修了すれば、介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができます。 

看護師としての医療的知識があるため、介護福祉士試験対策や介護現場での応用もしやすく、複合的な活躍が期待されます。 

介護福祉士受験対策講座に関しての詳細は、以下のページをご覧ください

☑介護福祉士受験対策講座

養成施設や福祉系高校から資格を目指す方法 

一から介護福祉士の養成施設や福祉系の高校へ進学し、所定のカリキュラムを修了する方法もあります。ただし、看護師の資格を持っている方は、重複する科目が多いため実務経験を経て国家試験を受けるほうが現実的な場合が多いでしょう。 

学力面や経済面など、個人の事情に合わせて最適なルートを検討することが大切です。 

キャリアアップと転職市場 

ダブルライセンスの取得による求人動向や、更なるキャリアアップにつながる研修制度を紹介します。 

近年、医療と福祉の連携強化を図る動きが活発化しており、ダブルライセンスを持つ人材は特に注目を集めています。需要が高まっている背景には、高齢化社会の進展と複雑化する利用者のケアニーズがあります。 

また、専門的な知識を広げる研修制度も整備されており、教員として指導する立場を目指す人も増えています。 

介護福祉士と看護師の求人動向 

高齢化が進む日本社会では、介護福祉士と看護師の需要が増え続けており、求人倍率も高めの水準です。特に、両資格を持つ人材は多角的な業務に対応可能なため歓迎される傾向にあります。 

在宅ケアや地域包括ケアシステムなど、新たなケア体制の拡大により、これからも医療・福祉分野の人材ニーズは高まり続けると予想されています。 

介護福祉士が教員になれる実務者研修教員講習会 

介護福祉士が実務者研修教員講習会を修了すると、介護の教育機関で講師として活躍できる道が開けます。介護技術や倫理、コミュニケーションの知識を後進に伝えることで、現場全体の質向上に貢献できます。 

ダブルライセンスを持っていれば、医療的な視点も含めた指導が可能となるため、より高度な教育者として期待されるケースもあります。 

実務者研修教員講習会に関しての詳細は、以下のページをご覧ください

☑実務者研修の指導者を養成する厚生労働省指定講習会「実務者研修教員講習会」

看護師が教員になれる医療的ケア教員講習会 

看護師が医療的ケア教員講習会を受講することで、特定の医療行為に関する教員や講師としての資格を得られます。介護施設や福祉系の教育機関で、喀痰吸引や経管栄養といった医療的ケアに関する指導者として活躍することができます。 

ダブルライセンスであれば、介護福祉士の視点を踏まえた実践的な指導ができるため、多くの施設や教育機関から歓迎される可能性があります。 

医療的ケア教員講習会に関しての詳細は、以下のページをご覧ください

☑実務者研修の指導者を養成する厚生労働省指定講習会「医療的ケア教員講習会」

まとめとキャリア選択のポイント 

最後に、それぞれの資格やダブルライセンスがもたらすキャリアの可能性を総合的に振り返り、どのような進路を選ぶべきか示唆します。 

介護福祉士は生活を支え、看護師は医療行為による健康管理を支えるという特徴があります。両者が連携することで、利用者や患者にとってより総合的で質の高いケアが実現します。 

ダブルライセンスを選ぶことで職域が広がり、転職やキャリアアップにも大きな可能性が生まれます。ただし、多岐にわたる学習や実務が求められるため、体力的・経済的な負担も視野に入れる必要があります。自分が将来的にどのような現場で、どのような役割を担いたいのかを見据えながら、最適な進路を選択していくことが重要です。 

この記事を書いた人
大学中退後、介護職として5年間勤務しながら介護福祉士を取得。その後介護職と看護師が協働していくことの重要性を強く感じ、利用者へより良いケアをしたいと考え、看護大学へ入学。正看護師、保健師、社会福祉士の資格を取得し、現在は病棟看護師として介護・看護の視点を持ち、日々の業務に取り組んでいる。また、病棟での業務以外に、外来において糖尿病患者のフットケアにも取り組んでいる。
中村 俊輝
藤沢校・相模大野校
【所持資格】
介護福祉士・正看護師・保健師・社会福祉士