大人用紙おむつを実際に触って正しいあて方をマスターしよう
10月19日
白十字株式会社
営業本部 ヘルスケア営業部 第二課 主任 中瀬康博様にお越しいただき、【大人用紙おむつを実際に触って正しいあて方をマスターしよう】の講座が開催されました。
排泄の基本
排泄の基本はトイレ、オムツは最後の手段です。
トイレまで間に合わない場合はポータブルトイレを身の回りに近づける、運動機能(歩行)に障害がある場合は2人介助のうえ、U字歩行器等でできる限りトイレへ誘導を行います。特に便についてはトイレでの排泄が基本、安易にオムツで対応すべきではありません。
オムツはあてることにより、歩行などの機能が弱まります。また、オムツをあてられると人生終わりだと感じられる方も多いようです。
まずはオムツの種類
今回の講座にあたり、中瀬様に白十字株式会社様の各種オムツをお持ちいただきました。
当校の
介護職員初任者研修や
実務者研修の授業の際にも様々な種類のオムツを使用していますが、今回はプロから直々に教えていただくことができました。
オムツには大きく分けてアウター(外側)、インナー(内側)があり、アウターはパンツタイプ、テープタイプ、布おむつ、ホルダーパンツなどがあり、インナーはパッドタイプ、軽失禁タイプなどがあります。今回の講座では主にテープタイプのアウターとパッドタイプのインナーの付け方について具体的なご説明をいただきました。
現在おむつはどんどん進化しており、インナーパッドは1800mlほど吸収できるものもあります。
できるだけおむつ交換の回数を少なくし、介護士、家族の負担を減らせるよう、進化をしています。
現在のオムツ替えの頻度は介護施設で4.99回/1日、ご家庭では4回/1日をそろそろ切るかといった状況です。
現在はサイズも種類も様々なオムツ、その方にあったオムツを選ぶことで介護が楽になります。
どうして尿漏れが起こるのか
そんな進化しているオムツ、なのになぜ尿漏れは起こるのでしょうか。
原因の一つは寝たきりの状態と膀胱の筋力のダウンです。年齢を重ねると膀胱の筋力が弱まり、尿を押し出す力が弱くなります。
そこに寝たきりになると、ゆっくりと出る尿が体を伝わって流れるため、尿漏れが起きやすくなります。
実際に写真のような模型を使ってどのように尿漏れが起こるのかを説明いただきました。
また、サイズが合わないオムツを使っている、あて方に問題があるなどのヒューマンエラーも漏れの原因です。
今回はこのヒューマンエラーを少なくするためのオムツの付け方を教えていただきました。
このヒューマンエラー、実に漏れの中で約7割を占めているとのことです。
吸水ポリマーについて知る
ここでは実際に吸水ポリマー入りのコップに水を注いでみます。
注がれた水はだんだんと時間をかけて固めのゼリーのように変化していきました。
ここでわかることですが、そう、オムツは瞬間的に尿を吸収することができるわけではなく、時間をかけてゆっくりと吸収していくのです。だから、尿が体を伝ってオムツから漏れないようにし、オムツにとどめることが重要です。
次にジュレ状になったポリマーに塩を入れます。
混ぜるとすぐにゆるい液状になります。
吸水ポリマーは純粋な水だと自身の体積のおよそ1000倍の水を吸収します。
しかし、不純物(特に塩分)が入ると吸収量が減っていきます。
尿は塩分を含む不純物が多い液体なため、吸収量はおよそ40~60倍となります。
ここで中瀬様より、吸水ポリマーをこぼしてしまったときの対処法を教えていただきました。
吸水ポリマーは塩をかけると比較的処理がしやすいとのこと。うっかり洗濯機で洗ってしまったとき、中に残って水を満タンまで吸収している吸水ポリマーを掃除するのは大変なこと。塩をかけると水が逆に吸水ポリマーから排出されるのでゆるくなり、比較的掃除がしやすいそうです。同様に床に落としてしまった際なども、塩をかけると掃除がしやすいとのこと。性能を知るとこういったところにも生かせます。
また万が一利用者様がオムツを食べてしまった場合、ポリマーは人には無害なため、問題ではないそうです。
しかしオムツのビニールや不織布などを食べ、詰まってしまうことは問題なので、オムツを食べてしまった場合は口の中に残っている取り出せるものは取り出し、必ずすぐに病院にいってくださいとのこと。もし口の中にポリマーが残っていた場合、水ではなくスポーツドリンクやみそ汁など塩分が入ったもので流した方がよいとの事でした。
オムツの付け方を学ぶ
では、モレのメカニズムや吸収体の性質を学んだうえで、オムツの付け方をポイントに沿って学びます。
□ポイント1:パッドは先端をつまみながらあてる
パッドをそのままあてると山折になり、すべて吸収される前に尿が吸収体の表面を流れ漏れの原因となります。
写真のように谷折りになるようにおります。
□ポイント2:尿道口に密着させるようにあてる
尿道口に紙おむつが密着することによって尿を素早く吸収体の内側に閉じ込めます。
尿道口と吸収体の間に隙間ができるとその隙間から尿が外側へと流れ出ます。
□ポイント3:ソケイ線の内側にフィットさせる
後ろは腰骨の部分に合わせて位置を決め、股間の部分を谷折りになるようにつまみながら引き上げます。
谷折りになるようにつまむことでソケイ線の内側にオムツがフィットするようになります。
※ソケイ線の内側にオムツがくることにより、ずれを防止、ずれによる皮膚のこすれなども防止します。
□ポイント4:テープはクロスに装着する
ポイント3でソケイ部の内側にフィットさせたオムツのテープを止める際、まず下のテープを斜め上に向けて止めます。
その後上のテープを斜め下に向けて止めます。人体は丸みを帯びているため、上と下でクロスさせるように止めるのがポイントです。
この4つのポイントを守るとオムツは体にフィットしてずれにくくなります。
ずれにくくなることにより、ヒューマンエラーによる漏れを改善できます。
実際にオムツを付けてみる
上記4つのポイントをふまえて実際に受講生同士でペアになっておむつを付け合ってみました。
みなさん、フィット感がすごい!目からうろこ!!
と今までにないフィット感に驚かれていました。
すぐに試してみようとのお声も聞かれました。
インナーを重ねて使用しない
失禁がなくても、オムツ着用そのものが皮膚へ悪影響
◇温度や湿度が上昇(発汗・ムレ→浸軟)
◇圧迫や摩擦係数は上昇
◇重ねても吸収量はそれほど増加しません!
何枚も使用することで→少し汚れて全部交換→コストアップ、ごみ増加
基本はアウター1枚+パッド1枚
まとめとして
◇ケアするすべての人が正しい知識を持つ
◇おむつ内環境を理解し、排泄物から皮膚を守る
→正しい陰部洗浄・PH値を弱酸性にコントロール・皮膚の保湿・保護
◇パッドの重ね使用をしない
→圧・温度・湿度が上昇、適正なアイテムの選定
受講生からは、
「単に使用していたパット、オムツの使用方法が十分に理解できました。」
「介護の仕事をして半年になり、現場で教わりオムツやパッドをあてていましたが、吸収体の仕組みから教わることができ、大変勉強になりました。」
「非常に具体的、簡明で理解しやすかった。また体験時間もあったので、よい経験ができた」
などのお声を頂戴しました(一部抜粋)。
ご来校、誠にありがとうございました。
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