1 雇用契約書をきちんと作成していますか?
法律上、労働条件は書面で明示しなければならないと定められていますし、実際上、労働条件をハッキリとさせておくことが労使トラブル防止に役立ちますので、きちんと雇用契約書を作成しましょう。
なお、雇用契約書は作成せず、雇用条件通知書の交付のみで済ませている例もありますが、雇用条件通知書には、従業員による署名押印はなく、従業員側がその労働条件に合意をしたかどうか、必ずしも明らかとならないことがありますので、従業員による署名押印も必要となる雇用契約書を作成しておくのをお勧めします。
2 雇用契約書の記載に漏れはありませんか?
雇用契約書を一応作成していても、記載に漏れがあったりすると、作成した意味がいわば半減しかねません。
- ① 労働契約の期間
- ② 就業の場所
- ③ 従事すべき業務
- ④ 始業・終業の時刻、労働時間
- ⑤ 所定労働時間を超える労働の有無
- ⑥ 休憩時間
- ⑦ 休日、休暇
- ⑧ 労働者を交代制で就業させる場合における就業時転換
- ⑨ 賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締日・支払日、昇給の有無(ボーナス、退職金は除きます)
- ⑩ 退職、解雇の事由
などの記載が法律上最低限必要ですが、漏れはありませんか?
また、パート・アルバイトの場合は、①から⑩に加えて、
- ⑪ 昇給の有無
- ⑫ 退職金の有無
- ⑬ 賞与の有無
などの記載が最低限必要ですが、漏れはありませんか?
その他、退職金制度がある会社の場合には退職金に関する事項を記載する必要などもありますが、漏れはありませんか?
すべての項目について詳細を記載するのは困難な場合などに「就業規則の定めによる」などと記載する例もありますが、契約内容の明確化のため、可能な限り雇用契約書に詳細に記載しましょう。
3 雇用契約書の記載内容と求人票や就業規則などの記載内容と矛盾はありませんか?
法律上必要な項目を網羅した雇用契約書を作成しても、その記載内容が求人票や就業規則の記載内容と矛盾しているということが労使トラブルの種となってしまうケースもみられますので、矛盾がないか、チェックしましょう。
4 雇用契約更新の際に雇用契約書を見直していますか?
契約更新の際も、特に労働条件が変わるなどするのであれば、きちんと変更後の労働条件を明記した雇用契約書を作成し直しましょう。