こんにちは!
湘南国際アカデミーで介護職員初任者や実務者研修、介護福祉士受験対策講座の講師及び総合サポートを担当している江島です!
第34回(2022年)介護福祉士国家試験を受験された皆さま、本当にお疲れ様でした。
受験を終えた皆さまは、インターネット上の解説速報などで自己採点はされましたか?
まだ解答速報を確認されていない方は、ぜひ当校ホームページの全科目ごとに分けてご案内する「第34回介護福祉士国家試験 解答・解説」でご確認ください。
来年度以降受験予定の皆さまは、今後の受験対策としても是非ご活用ください♪
このページでは、【生活支援技術】から出題された問題の解答・解説を致します。
生活支援技術
問題 35
老化に伴う機能低下のある高齢者の住まいに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 寝室はトイレに近い場所が望ましい。
2 寝室は玄関と別の階にする。
3 夜間の騒音レベルは80dB以下になるようにする。
4 ベッドは照明の真下に配置する。
5 壁紙と手すりは同色にするのが望ましい。
解答:1
解説:老化に伴う機能低下のある高齢者の住まいとして、寝室からトイレの移動距離が短いことは、安全性や快適性、安心感につながります。選択肢1が最も適切です。
問題 36
Lさん(25歳,男性)は,第7胸関節(Th7)を損傷したが,現在,状態は安定していて,車いすを利用すれば1人で日常生活ができるようになった。図はLさんの自宅の浴室であり,必要な手すりは既に設置されている。
Lさんが1人で浴槽に入るための福祉用具として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 段差解消機
2 ストレッチャー
3 滑り止めマット
4 四点歩行器
5 移乗台
解答:5
解説:車いすを利用すれば1人で日常生活ができるLさんには、上肢の力を活用して浴槽への出入りができるよう、選択肢5の移乗台が最も適切です。
問題 37
耳の清潔に関する介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 耳垢の状態を観察した
2 綿棒を外耳道の入口から3cm程度挿入した。
3 耳介を上前方に軽く引きながら,耳垢を除去した。
4 蒸しタオルで耳垢塞栓を柔らかくして除去した。
5 耳かきを使用して,耳垢を毎日除去した。
解答:1
解説:介護福祉職として、耳垢の状態を確認し、必要に応じて医療職と連携をとります。耳垢塞栓の状態では、耳鼻科への受診が望まれますので、選択肢1が最も適切です。
問題 38
歯ブラシを使用した口腔ケアに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 歯ブラシの毛は硬いものを勧める。
2 強い力で磨く。
3 歯と歯肉の境目のブラッシングは避ける。
4 歯ブラシを小刻みに動かしながら磨く。
5 使用後の歯ブラシは,柄の部分を上にしてコップに入れて保管する。
解答:4
解説:ブラッシングでは、小刻みに動かしながら磨くことで、歯と歯の間や、歯と歯肉の間の汚れをしっかり落とすことができます。選択肢4が最も適切です。
問題 39
Mさん(84歳,男性)は,10年前に脳梗塞(cerebral infarction)で右片麻痺になり,右上肢の屈曲拘縮がある。今までは自分で洋服を着ていたが,1週間ほど前から左肩関節の周囲に軽い痛みを感じるようになり,上着の着脱の介護が必要になった。
Mさんへの上着の着脱の介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 服を脱ぐときは,右上肢から脱ぐ。
2 右手首に袖を通すときは,介護福祉職の指先に力を入れて手首をつかむ。
3 右肘関節を伸展するときは,素早く動かす。
4 右肘に袖を通すときは,前腕を下から支える。
5 衣類を準備するときには,かぶり式のものを選択する。
解答:4
解説:麻痺側である右肘に袖を通すときは、前腕を下から支えて保護します。選択肢4が最も適切です。
問題 40
経管栄養を行っている利用者への口腔ケアに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 スポンジブラシは水を大量に含ませて使用する。
2 上顎部は,口腔の奥から手前に向かって清拭する。
3 栄養剤注入後すぐに実施する。
4 口腔内を乾燥させて終了する。
5 空腹時の口腔ケアは避ける。
解答:2
解説:上顎部の汚れが喉へ向かわないよう、奥から手前に向かって口腔ケアをします。選択肢2が最も適切です。
問題 41
スライディングボードを用いた,ベッドから車いすへの移乗の介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 アームサポートが固定された車いすを準備する。
2 ベッドから車いすへの移乗時には,ベッドを車いすの座面より少し高くする。
3 ベッドと車いすの間を大きくあけ,スライディングボードを設置する。
4 スライディングボード上では,臀部を素早く移動させる。
5 車いすに座位を安定させ,からだを傾けずにスライディングボードを抜く。
解答:2
解説:スライディングボードを用いた移乗介助では、利用者を持ち上げず、重力を使ってボードの上をすべるように移動します。移乗する先よりも座面を高くする、選択肢2が最も適切です。
問題 42
利用者を仰臥位(背臥位)から側臥位へ体位変換するとき,トルクの原理を応用した介護方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者とベッドの接地面を広くする。
2 利用者の下肢を交差させる。
3 利用者の膝を立てる。
4 滑りやすいシートを利用者の下に敷く。
5 利用者に近づく。
解答:3
解説:身体を小さくまとめると、トルクの原理を活用して小さな力で回転ができます。選択肢3が最も適切です。
問題 43
視覚障害のある利用者の外出に同行するときの支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 トイレを使用するときは,トイレ内の情報を提供する。
2 階段を上るときは,利用者の手首を握って誘導する。
3 狭い場所を歩くときは,利用者の後ろに立って誘導する。
4 タクシーに乗るときは,支援者が先に乗って誘導する。
5 駅ではエレベーターよりエスカレーターの使用を勧める。
解答:1
解説:視覚障害のある利用者に、場所の情報を提供することは安全性、安心感につながります。選択肢1が最も適切です。
問題 44
Aさん(78歳,男性,要介護2)は,脳梗塞(cerebralinfarction)の後遺症で嚥下障害がある。自宅で妻と二人暮らしで,訪問介護(ホームヘルプサービス)を週1回利用している。訪問時,妻から,「飲み込みの難しいときがある。上手に食べさせるにはどうしたらよいか」と相談があった。
訪問介護員(ホームヘルパー)の助言として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 食事のときは,いすに浅く座るよう勧める。
2 会話をしながら食事をするように勧める。
3 食事の後に嚥下体操をするように勧める。
4 肉,野菜,魚などは軟らかく調理するように勧める。
5 おかずを細かく刻むように勧める。
解答:4
解説:嚥下障害がある利用者が安全に食事をするために、軟らかく調理をした食事は有効です。選択肢4が最も適切となります。
問題 45
慢性腎不全(chronic renal failure)の利用者の食材や調理方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 エネルギーの高い植物油を控える。
2 レモンや香辛料を利用し,塩分を控えた味付けにする。
3 肉や魚を多めにする。
4 砂糖を控えた味付けにする。
5 野菜は生でサラダにする。
解答:2
解説:慢性腎不全の利用者は、塩分の排出機能の低下から高血圧につながり、心不全等のリスクが高まります。塩分を控えるために、レモンや香辛料を利用する選択肢2が最も適切です。
問題 46
利用者の食事支援に関して,介護福祉職が連携する職種として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 スプーンや箸がうまく使えないときは,食事動作の訓練を言語聴覚士に依頼する。
2 咀嚼障害があるときは,義歯の調整を作業療法士に依頼する。
3 座位の保持が困難なときは,体幹訓練を理学療法士に依頼する。
4 摂食・嚥下障害があるときは,嚥下訓練を義肢装具士に依頼する。
5 食べ残しが目立ったときは,献立や調理方法の変更を社会福祉士に依頼する。
解答:3
解説:座位姿勢の訓練として、基本動作能力などの回復や維持を専門とする、理学療法士に依頼することは適切です。選択肢3が正解となります。
問題 47
入浴の介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 着替えの衣服は,介護福祉職が選択する。
2 空腹時の入浴は控える。
3 入浴前の水分摂取は控える。
4 食後1時間以内に入浴する。
5 入浴直前の浴槽の湯は,45℃
解答:2
解説:空腹時は、血糖値が下がっており、めまいや立ちくらみが起こるリスクがあります。選択肢2が最も適切です。
問題 48
シャワー浴の介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 シャワーの湯温は,介護福祉職よりも先に利用者が確認する。
2 からだ全体にシャワーをかけるときは,上肢から先に行う。
3 利用者が寒さを訴えたときは,熱いシャワーをかける。
4 利用者が陰部を洗うときは,介護福祉職は背部に立って見守る。
5 脱衣室に移動してから.体の水分を拭きとる。
解答:4
解説:利用者の羞恥心への配慮として、選択肢4が最も適切です。
問題 49
左片麻痺のある利用者が,浴槽内から一部介助で立ち上がる方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者の左膝を立てて,左の踵を臀部に引き寄せてもらう。
2 浴槽の底面に両手を置いてもらう。
3 右手で手すりをつかんで前傾姿勢をとり,臀部を浮かしてもらう。
4 利用者の両腋窩に手を入れて支える。
5 素早く立ち上がるように促す。
解答:3
解説:健側の右手で手すりをつかんでいただき、立ち上がりやすいよう前傾姿勢をとる選択肢3が最も適切です。
問題 50
入浴関連用具の使用方法に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 シャワー用車いすは,段差に注意して移動する。
2 入浴の移乗台は,浴槽よりも高く設定する。
3 浴槽設置式リフトは,臥位の状態で使用する。
4 入浴用介助ベルトは,利用者の胸部に装着する。
5 ストレッチャーで機械浴槽に入るときは,ストレッチャーのベルトを外す。
解答:1
解説:シャワー用車いすでの移動時は、段差に引っかかる衝撃で座位バランスを崩したり、不安感を与えたりする可能性が高いため、選択肢1が最も適切です。
問題 51
便秘の傾向がある高齢者に自然排便を促すための介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 朝食を抜くように勧める。
2 油を控えるように勧める。
3 散歩をするように勧める。
4 腰部を冷やすように勧める。
5 就寝前にトイレに座るように勧める。
解答:3
解説:便秘には、適度な運動が有効なため、選択肢3が最も適切です。
問題 52
認知機能の低下による機能性尿失禁で,夜間,トイレではない場所で排尿してしまう利用者への対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 日中,足上げ運動をする。
2 ズボンのゴムひもを緩いものに変える。
3 膀胱訓練を行う。
4 排泄してしまう場所に入れないようにする。
5 トイレの照明をつけて,ドアを開けておく。
解答:5
解説:機能性尿失禁とは、トイレの場所がわからない、トイレまでたどり着くことができないことが原因の尿失禁です。トイレの場所をわかりやすくする選択肢5が最も適切です。
問題 53
次の記述のうち,排泄物で汚れた衣類をタンスに隠してしまう認知症(dementia)の利用者への対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 タンスの中に汚れた衣類を入れられる場所を確保する。
2 「汚れた衣類は入れないように」とタンスに貼紙をする。
3 トイレに行くときには,同行して近くで監視する。
4 つなぎ服を勧める。
5 隠すところを見たら,毎回注意する。
解答:1
解説:衛生面への配慮とともに、本人の羞恥心への配慮をした選択肢1が最も適切です。
問題 54
次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする衣類用漂白剤に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 全ての白物の漂白に使用できる。
2 色柄物の漂白に適している。
3 熱湯で薄めて用いる。
4 手指の消毒に適している。
5 衣類の除菌効果がある。
解答:5
解説:次亜塩素酸ナトリウムは、除菌効果があるため、選択肢5が正解です。
問題 55
次の記述のうち,ズボンの裾上げの縫い目が表から目立たない手縫いの方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 なみ縫い
2 半返し縫い
3 本返し縫い
4 コの字縫い(コの字を同じ)
5 まつり縫い
解答:5
解説:縫い目が表から目立たない手縫いの方法として、まつり縫いがあります。選択肢5が正解です。
問題 56
心地よい睡眠環境を整備するためのベッドメイキングに関する次の記述のうち.最も適切なものを1つ選びなさい。
1 シーツを外すときは,汚れた面を外側に丸めながら外す。
2 しわを作らないために,シーツの角を対角線の方向に伸ばして整える。
3 袋状の枕カバーの端を入れ込んで使用するときは,布の折り込み側が上になるように置く。
4 掛け毛布はゆるみを作らずにシーツの足元に押し込む。
5 動かしたベッド上の利用者の物品は,使いやすいように位置を変えておく。
解答:2
解説:シーツの角を対角線に伸ばして整えることで、しわのないベッドメイキングをすることができます。選択肢2が最も適切です。
問題 57
夜勤のある施設職員が良質な睡眠をとるための生活習慣に関するつぎの記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 夜勤に入る前には仮眠はとらない。
2 寝る前にスマートフォンでメールをチェックする。
3 朝食と夕食の開始時間を日によって変える。
4 夜勤後の帰宅時にはサングラス(sunglasses)をかけるなど,日光を避けるようにする。
5 休日に寝だめをする。
解答:4
解説:日中の帰宅時に日光を浴びることで、身体が覚醒し、帰宅後の睡眠に支障が出るという理由で、選択肢4を正解としています。
問題 58
Bさん(102歳,女性)は,介護老人福祉施設に入所している。高齢による身体機能の衰えがあり,機能低下の状態が長く続いていた。1週間前から経口摂取が困難になった。1日の大半は目を閉じ,臥床状態が続いている。医師から,「老衰により死期が近い」と診断され,家族は施設で看取りたいと希望している。
死が極めて近い状態にあるBさんの看取りに必要な情報として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 体重の減少
2 夜間の睡眠時間
3 延命治療の意思
4 嚥下可能な食形態
5 呼吸の状態
解答:5
解説:死が極めて近い状態にあるため、最も適切な情報として、選択肢5を正解としています。
(国家試験当日の解答速報では、延命の意思について、改めて情報を確認することは必要と考え、選択肢3を正解としましたが、精査をした結果、介護老人福祉施設での看取りという観点で、「延命治療」は選択肢から外れると考え、選択肢5に修正しました。)
問題 59
介護老人福祉施設における終末期の利用者の家族支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 緊急連絡先を1つにすることを提案する。
2 面会を控えるように伝える。
3 死に至る過程で生じる身体的変化を説明する。
4 死後の衣服は浴衣がよいと提案する。
5 亡くなる瞬間に立ち会うことが一番重要だと伝える。
解答:3
解説:家族の不安を軽減するため、死に至る過程で生じる身体の変化を説明する選択肢3は、最も適切です。
問題 60
死亡後の介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 死後硬直が見られてから実施する。
2 生前と同じように利用者に声をかけながら介護を行う。
3 義歯を外す。
4 髭剃り後はクリーム塗布を控える。
5 両手を組むために手首を包帯でしばる。
解答:2
解説:死亡後の介護(エンゼルケアとも呼ばれる)に関する設問です。生前と同じように声をかけながら介護を行うことは、最後まで利用者の尊厳を守るケアにつながります。選択肢2が最も適切です。
<科目ごとの解答・解説はこちらから確認できます>
①【人間の尊厳と自立】
②【人間関係とコミュニケーション】
③【社会の理解】
④【介護の基本】
⑤【コミュニケーション技術】
⑥【生活支援技術】
⑦【介護過程】
⑧【発達と老化の理解】
⑨【認知症の理解】
⑩【障害の理解】
⑪【こころとからだのしくみ】
⑫【医療的ケア】
⑬【総合問題】
湘南国際アカデミーは、今後も皆さんの長期的なキャリア形成をサポートしております。
お手伝いできることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
綜合支援部TEL:0120-961-190
講師も募集しておりますので、ご興味のある方は実務者研修教員講習会などもチェックしてみてくださいね!
※引用:上記の各問題は、2022年(令和4年)第34回介護福祉士国家試験問題より抜粋
※この解答・解説は湘南国際アカデミー独自の見解によるものですので、実際の正解とは異なる場合があります。
※この速報の内容は事前の予告なく、内容を修正する場合があります。
※自己採点結果による「合否判定」のお問い合わせはお受けできませんので、ご了承ください。
湘南国際アカデミー
講師:江島 一考
所持資格:介護福祉士・
介護福祉士実習指導者・
介護支援専門員・
福祉用具専門相談員
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内レベルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。