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【介護職の健康法シリーズ】漢方スクール講師が教える介護職のための眠りの不調解消法!

老舗漢方専門店「薬日本堂」さんにご協力いただき、介護職に役立つ漢方に関する情報を発信しています。

今回は、【漢方スクール講師が教える】介護職のための『眠りの不調』解消法についてです。是非最後までご覧ください。

【前回の記事】
【漢方スクール講師が教える】介護職のための肌トラブル解消法!


交代勤務による睡眠リズムの崩れ

厚生労働省の調査では、日本人の5人に1人、60歳以上では約3人に1人が「睡眠で休養が取れていない」、「不眠がある」と回答するそうです。

国民病ともいえる数字ですね。

介護職の方々は昼夜を問わないお仕事のため、交代勤務によって睡眠のリズムが崩れ、眠りの不調で悩んでいる人は多いのではないでしょうか。


『眠りの不調』対策は、陰陽バランスの調整

「陰の時間に陰の行動、陽の時間に陽の行動」
漢方では養生の基本となる考え方のひとつです。

陽の行動とは“活動“、陰の行動とは”休息“つまり睡眠をさします。

本来は自然の陰陽リズムに沿って活動と休息のリズムを刻むことが健康の維持・増進・回復に大切です。

しかしながら介護職の方々はお仕事上、夜間の活動は避けられません。

陰の時間帯である夜間に起きて仕事(=陽の行動)をされていると、身体の陰陽バランスが崩れ、眠りの不調が起こりやすく、また心身の疲労が蓄積することが懸念されます。

夜間勤務や交代勤務の不規則な生活リズムによって生じる、身体の陰陽バランスの乱れをすみやかに回復すること。これが『眠りの不調』対策となります。

眠りの不調を長引かせないため、また疲労を蓄積させないためのおすすめ漢方養生を夜勤中と夜勤明けの2つの視点でご紹介します。


夜勤中の対策①
抑目静耳(よくもくせいじ)

夜勤中には仮眠の時間があったとしても、呼び出しが続けばほとんど横にもなれないという状況もあるでしょう。
そのようなときには、抑目静耳(よくもくせいじ)を取り入れてみてください。

椅子に座って肩の力を抜き、3分間目をつむって休みます。
これが抑目静耳。簡単なのに効果があります。

身体の栄養でありエネルギーである気血(きけつ)が回復し、目や頭がスッキリして身体がふっと軽くなります。

目をつむっても考えごとが頭の中で巡ってしまうという人は、自分の呼吸を観察するようにしてみてください。
ただただ呼吸を観察していると考えごとが静まります。

抑目静耳は一日に何度やっていただいてもよいです。疲れを感じたとき、頭や神経を使い過ぎたとき、情緒が乱れたときなどにおすすめです。


夜勤中の対策② 
ストレッチで気血(きけつ)を巡らせる

介護職の方々はお仕事の最中かなり動いていらっしゃると思いますが、介助する体勢、その他の業務において習慣的に同じ動きをしていると骨格や筋肉に偏りが生じ、気血(きけつ)の巡りが滞ります。

気血は巡っていることが大切。
長時間同じ姿勢を続けないことは養生のひとつです。

2時間に一回は全身を伸ばし、上下左右のバランスを調整するイメージでストレッチをしましょう。

気血が巡れば身体の陰陽バランスも疲労も回復しやすいです。

ストレッチはこまめにやることがポイント。事は小さなうちに対処するのが大切です。気血の滞りも小さなうちに解消しておきましょう。


夜勤明けの対策①
入浴で頭寒足熱

夜勤明けは興奮や緊張による気の高ぶりを鎮め、すみやかに陰陽バランスを回復させることが眠りの不調と疲労を長引かせないことにつながります。

そこで、入浴による「頭寒足熱」がおすすめです。

半身浴や足浴で下半身を中心に温めると気の高ぶりが鎮まり、心身の緊張がほぐれます。

この効果はシャワーではなく湯舟につかることで得られます。疲れているとシャワーで済ませたくなりますがぜひ湯舟に浸かって頂きたいです。

そして入浴後は、短時間でもいいのでストレッチ・気功・ヨガなどゆったりと静かな運動をおこなうとさらによいです。

その際、身体をリセットするイメージで深く呼吸をするように意識しましょう。


夜勤明けの対策②
寝る直前は食事を控える

介護職の方々は食事のタイミングも不規則になりがちかと思います。夜勤明けに食事をしてから睡眠をとる場合は、食事と就寝の間隔を少しあけましょう。

食べてすぐ横になって寝てしまうと消化不良になるだけでなく、睡眠の質も下がり、かえって疲れが蓄積してしまうことがあります。

漢方では、起きて活動していると血(けつ)は全身を巡り、夜横になると血が肝臓に貯蔵されて眠りに入ると考えます。

一方、食事をすると胃腸に気血(きけつ)が集まることで消化吸収活動が営まれます。
ですから、食後すぐ横になると血が肝に戻れず眠りが妨げられるのです。

消化と睡眠は両立しにくいと考えます。まず寝る、そのあとで食事をするのが身体にとっては負担がなく、スムーズな疲労回復につながります。

そうはいっても空腹では眠れませんし、気分的に食べたいときもあります。そんなときは温かくて消化のよいものを少量にとどめておきましょう。


身体の陰陽バランス調整に、お茶でひと工夫

最後に、睡眠リズムの崩れから起こる眠りの不調や疲労に対して回復をサポートできるお茶を2つご紹介します。



気分をスッキリさせたいとき、興奮や緊張を鎮めたいとき、
イライラするときに。

緑茶またはジャスミン茶をベースにして、菊花やミントを入れてみましょう。気の流れがよくなり気分がリフレッシュします。


疲れているとき、気持ちが沈んでいるとき、
頭がぼんやりするときに。

紅茶またはほうじ茶に、ナツメやクコの実を入れます。

気血(きけつ)を補い心と体の疲れを癒します。

勤務先とご自宅にお気に入りの素材を用意しておいて、お茶でご自分を労って頂ければと思います。

▼こちらも是非ご覧ください▼
薬日本堂が運営する情報サイト【漢方ライフ】


漢方で元気に!介護の学びでハッピーに♪

今回は、薬日本堂漢方スクール講師・飯田先生に、眠りの不調解消法について、ご執筆いただきました。

最近眠れない、寝起きがスッキリしないと感じている方は、是非参考にされてください♪

高齢の利用者さんの中にも、眠りに不調を感じている方もいらっしゃると思います。高齢の方でも無理なくできるストレッチを、レクリエーションでやってみるのもいいですね!

湘南国際アカデミーでは、介護の教育で社会を3H(ハッピー・ハートフル・ハイクオリティー)にすることを目標に、介護教育事業に取り組んでおります。

初任者研修・実務者研修・介護福祉士受験対策講座など、介護の学びは湘南国際アカデミーへ♪

薬日本堂 飯田勝恵様

この記事の執筆者
薬剤師・薬日本堂漢方スクール講師

飯田 勝恵 Katsue Iida

静岡県立大学薬学部卒業。ホリスティックな健康観をもった医療に携わりたく薬日本堂に入社。漢方薬局で約10年相談員を経験。店長を務めたのち、相談員教育を担当。現在は、「人の健康・人と地球に優しい社会創りに役立つ漢方の視点と知恵を伝えたい」と講師として活動。漢方の思想や理論に惹かれ、北京中医薬大学日本校(現:日本中医学院)医学気功整体専科を修学し、気功や太極拳、瞑想も生活に取り入れ漢方・養生を実践している。

*薬日本堂漢方スクール https://www.kampo-school.com/
自分の健康は自分で守り、自分で作る「漢方・養生ライフ」がテーマ。気軽に参加できるワンデイセミナーから、資格取得を目指した本格的に学べるコースまで、さまざまな講座をご用意。オンライン講座も充実しています。

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