こんにちは!
湘南国際アカデミーで介護職員初任者や実務者研修、介護福祉士受験対策講座の講師及び総合サポートを担当している江島です!
2024年(令和6年)第36回介護福祉士国家試験を受験された皆さま、本当にお疲れ様でした。
受験を終えた皆さまは、インターネット上の解説速報などで自己採点はされましたか?
まずは、解答を知りたいという方は、当校ホームページの「解答速報」をご覧ください。
このページでは、【介護過程】から出題された問題の解答・解説を致します。
全国の介護福祉士合格者が愛用した受験対策テキスト
<領域: 介護>介護過程
問題106
介護福祉職が、初回の面談で情報を収集するときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 用意した項目を次から次に質問する。
2 目的を意識しながら話を聴く。
3 ほかの利用者が同席する状況で質問する。
4 最初に経済状態に関する質問をする。
5 家族の要望を中心に話を聴く。
解答:2
初回の面談では信頼関係が築けていないと考えられるため、特に相手が尋問をされている印象を受けないよう留意します。目的を意識して話を聴く選択肢2が最も適切となります。
問題107
介護過程の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 生活状況が変化しても、介護計画で設定した日に評価する。
2 サービス担当者会議で評価する。
3 相談支援専門員が中心になって評価する。
4 利用者の満足度を踏まえて評価する。
5 介護計画の実施中に評価基準を設定する。
解答:4
介護過程の評価では、実施した介護がどうだったかを広い視点で評価します。利用者の気持ち、満足度も大切な視点となり選択肢4が最も適切です。
問題108
次の記述のうち、介護老人保健施設で多職種連携によるチームアプローチ(team approach)を実践するとき、介護福祉職が担う役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者の生活状況の変化に関する情報を提供する。
2 総合的な支援の方向性を決める。
3 サービス担当者会議を開催する。
4 必要な検査を指示する。
5 ほかの職種が担う貢献度を評価する。
解答:1
介護福祉職は、生活をサポートする専門職のため、利用者の生活状況の変化に最も気づくことができます。選択肢1が最も適切です。
次の事例を読んで、問題109、問題110について答えなさい
〔事例〕
Aさん(75歳、女性)は、一人暮らしで、身体機能に問題はない。70歳まで地域の子どもたちに大正琴を教えていた。認知症(dementia)の進行が疑われて、心配した友人が地域包括支援センターに相談した結果、Aさんは介護老人福祉施設に入所することになった。入所時のAさんの要介護度は3であった。
入所後、短期目標を、「施設に慣れ、安心して生活する(3か月)」と設定し、計画は順調に進んでいた。Aさんは施設の大正琴クラブに自ら進んで参加し、演奏したり、ほかの利用者に大正琴を笑顔で教えたりしていた。ある日、クラブの終了後に、Aさんは部屋に戻らずに、エレベーターの前で立ち止まっていた。介護職員が声をかけると、Aさんが、「あの子たちが待っているの」と強い口調で言った。
問題109
大正琴クラブが終わった後のAさんの行動を解釈するために必要な情報として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
1 介護職員の声かけのタイミング
2 Aさんが演奏した時間
3 「あの子たちが待っているの」という発言
4 クラブに参加した利用者の人数
5 居室とエレベーターの位置関係
解答:3
Aさんが部屋に戻らずエレベーターの前で立ち止まっていた行動を解釈するために、そのときの発言は重要な情報です。選択肢3が最も適切となります。
問題110
Aさんの状況から支援を見直すことになった。
次の記述のうち、新たな支援の方向性として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護職員との関係を改善する。
2 身体機能を改善する。
3 演奏できる自信を取り戻す。
4 エレベーターの前に座れる環境を整える。
5 大正琴を教える役割をもつ。
解答:5
身体機能に問題はないという情報、70歳まで地域の子どもたちに大正琴を教えていたという情報から、支援の方向性として選択肢5が最も適切です。
次の事例を読んで、問題 111、問題 112 について答えなさい。
〔事例〕
Bさん(50歳、男性、障害支援区分3)は、49歳のときに脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、左片麻痺で高次脳機能障害(higher brain dysfunction)と診断された。以前は大工で、手先が器用だったと言っている。
現在は就労継続支援B型事業所に通っている。短期目標を、「右手を使い、作業を自分ひとりで行える(3か月)」と設定し、製品を箱に入れる単純作業を任されていた。
ほかの利用者との人間関係も良好で、左片麻痺に合わせた作業台で、毎日の作業目標を達成していた。生活支援員には、「将来は手先を使う仕事に就きたい」と希望を話していた。 将来に向けて、生活支援員が新たに製品の組立て作業を提案すると、Bさんも喜んで受け入れた。初日に、「ひとりで頑張る」と始めたが、途中で何度も手が止まり、完成品に不備が見られた。生活支援員が声をかけると、「こんなの、できない」と大声を出した。
問題111
生活支援員の声かけに対し、 Bさんが大声を出した理由を解釈する視点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ほかの利用者との人間関係
2 生活支援員に話した将来の希望
3 製品を箱に入れる毎日の作業量
4 製品の組立て作業の状況
5 左片麻痺に合わせた作業台
解答:4
製品を箱に入れる単純作業では作業目標を達成していたこと、新たな製品の組立て作業の初日に途中で何度も手が止まったことから、作業が変わったことが要因と考えられます。選択肢4が最も適切です。
問題112
Bさんに対するカンファレンス(conference)が開催され、短期目標を達成するための具体的な支援について見直すことになった。
次の記述のうち、見直した支援内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 完成品の不備を出すことへの反省を促す。
2 左側に部品を置いて作業するように促す。
3 完成までの手順を理解しやすいように示す。
4 生活支援員が横に座り続けて作業内容を指示する。
5 製品を箱に入れる単純作業も同時に行うように調整する。
解答:3
「右手を使い、作業を自分ひとりで行える(3か月)」という短期目標を達成するために、高次脳機能障害の症状に合わせた支援が必要です。完成までの手順を理解しやすいように支援する選択肢3が最も適切です。
問題113
事例研究を行うときに、 遵守すべき倫理的配慮として、適切なものを1つ選びなさい。
1 研究内容を説明して、事例対象者の同意を得る。
2 個人が特定できるように、氏名を記載する。
3 得られたデータは、研究終了後すぐに破棄する。
4 論文の一部であれば、引用元を明示せずに利用できる。
5 研究成果を得るために、事実を拡大解釈する。
解答:1
事例研究では、対象者の個人情報の保護や、対象者への説明と同意を得ることなど、倫理的配慮が必要です。選択肢1が適切となります。
各科目ごとの解説はこちら
- 人間の尊厳と自立
- 人間関係とコミュニケーション
- 社会の理解
- こころとからだのしくみ
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- 医療的ケア
- 介護の基本
- コミュニケーション技術
- 生活支援技術
- 介護過程 (当ページ)
- 総合問題
引用:上記の各問題は、2024年(令和6年)第36回介護福祉士国家試験問題より抜粋
この解答・解説は湘南国際アカデミー独自の見解によるものですので、実際の正解とは異なる場合があります。
この速報の内容は事前の予告なく、内容を修正する場合があります。
自己採点結果による「合否判定」のお問い合わせはお受けできませんので、ご了承ください。
元ユニットリーダー研修指導者。10年在籍した介護老人福祉施設の現場では、研修受け入れ担当者として、年間100名以上の研修生の指導にあたる。湘南国際アカデミーでは、介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士国家試験受験対策講座の講師や介護福祉士受験対策テキストの執筆などを担当する傍ら、ケアする側もケアするという立場で、介護をする側のQOL向上のためのイベントや総合的なサポートを手掛けている。
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
【所持資格】
介護福祉士、介護福祉士実習指導者、介護支援専門員、福祉用具専門相談員
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