<領域: 人間と社会>
【人間の尊厳と自立】
問題1
利用者の生活の質(QOL)を高めるための介護実践に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 日常生活動作の向上を必須とする。
2 利用者の主観的評価では、介護福祉職の意向を重視する。
3 介護実践は、家族のニーズに応じて行う。
4 福祉用具の活用は、利用者と相談しながら進める。
5 価値の基準は、全ての利用者に同じものを用いる。
解答:4
解説:適切な福祉用具の活用は、利用者の生活の質(QOL)を高めることに繋がります。適切な福祉用具の活用のために、利用者と相談をしながら検討することが大切です。
問題2
Aさん(25歳、男性、障害支援区分3)は、網膜色素変性症(retinitispigmentosa) で、移動と外出先での排泄時に介助が必要である。同行援護を利用しながら、自宅で母親と暮らしている。音楽が好きなAさんは合唱サークルに入会していて、月1回の練習に参加している。
合唱コンクールが遠方で行われることになった。同行援護を担当する介護福祉職は、Aさんから、「コンクールに出演したいが、初めての場所に行くことが心配である」と相談を受けた。
介護福祉職のAさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 合唱コンクールへの参加を諦めるように話す。
2 合唱サークルの仲間に移動の支援を依頼するように伝える。
3 一緒に交通経路や会場内の状況を確認する。
4 合唱コンクールに参加するかどうかは、母親に判断してもらうように促す。
5 日常生活自立支援事業の利用を勧める。
解答:3
解説:「コンクールに出演したいが、初めての場所に行くことが心配である」というAさんからの相談を受けているため、一緒に確認を行い、心配ごとに寄り添える対応が適切です。
【人間関係とコミュニケーション】
問題3
ストレス対処行動の一つである問題焦点型コーピングに当てはまる行動として、適切なものを1つ選びなさい。
1 趣味の活動をして気分転換する。
2 トラブルの原因に働きかけて解決しようとする。
3 運動して身体を動かしストレスを発散する。
4 好きな音楽を聴いてリラックスする。
5 「トラブルも良い経験だ」と自己の意味づけを変える。
解答:2
解説:ストレスコーピングには、「問題焦点型」と「情動焦点型」があります。問題焦点型は、負荷を与える刺激(ストレッサー)に焦点をあてて対処する方法です。情動焦点型は、ストレス反応に焦点をあてて対処する方法のため、選択肢2が、問題焦点型のストレスコーピングとなります。
問題4
Bさん(80歳、女性)は、介護老人保健施設に入所が決まった。今日はBさんが施設に入所する日であり、C介護福祉職が担当者になった。C介護福祉職は、初対面のBさんとの信頼関係の形成に向けて取り組んだ。
C介護福祉職のBさんへの対応として、 最も適切なものを1つ選びなさい。
1 自発的な関わりをもつことを控えた。
2 真正面に座って面談をした。
3 自分から進んで自己紹介をした。
4 終始、手を握りながら話をした。
5 孫のような口調で語りかけた。
解答:3
解説:信頼関係の形成に有効な方法として、自己開示があります。初対面の相手に対して、自分をオープンにして信頼関係の形成を図る、選択肢3が正解です。
問題5
介護老人福祉施設は、利用者とその家族、地域住民等との交流を目的とした夏祭りを開催した。夏祭りには、予想を超えた来客があり、「違法駐車が邪魔で困る」という苦情が近隣の住民から寄せられた。そこで、次の夏祭りの運営上の改善に向けて職員間で話し合い、対応案を作成した。
次の対応案のうち、PDCAサイクルのアクション (Action) に当たるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 近隣への騒音の影響について調べる。
2 苦情を寄せた住民に話を聞きに行く。
3 夏祭りの感想を利用者から聞く。
4 来客者用の駐車スペースを確保する。
5 周辺の交通量を調べる。
解答:4
解説:PDCAサイクルのアクション (Action)は、改善の段階であるため、選択肢4が正解です。
問題6
D介護福祉職は、利用者に対して行っている移乗の介護がうまくできず、技術向上を目的としたOJTを希望している。
次のうち、D介護福祉職に対して行うOJTとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 専門書の購入を勧める。
2 外部研修の受講を提案する。
3 先輩職員が移乗の介護に同行して指導する。
4 職場外の専門家に相談するように助言する。
5 苦手な移乗の介護は控えるように指示する。
解答:3
解説:OJT(On the Job Training)とは、先輩職員が後輩職員に対し、実務の指導を通して知識や技術などを身につけさせる方法です。
社会の理解】
問題7
社会福祉法に基づく、都道府県や市町村において地域福祉の推進を図ることを目的とする団体として、正しいものを1つ選びなさい。
1 特定非営利活動法人(NPO法人)
2 隣保館
3 地域包括支援センター
4 基幹相談支援センター
5 社会福祉協議会
解答:5
解説:社会福祉協議会は、地域福祉の推進を図ることを目的とする民間団体です。ボランティア活動の支援など、民間の社会福祉活動も推進しています。
問題8
近年、人と人、人と社会とがつながり、一人ひとりが生きがいや役割をもち、助け合いながら暮らしていくことのできる、包摂的なコミュニティ、地域や社会を創るという考え方が示されている。
この考え方を表すものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ナショナルミニマム (national minimum)
2 バリアフリー社会
3 介護の社会化
4 生涯現役社会
5 地域共生社会
解答:5
解説:問題文は、地域共生社会の説明となっています。制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が『我が事』として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて『丸ごと』つながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会をいいます。
問題9
我が国の社会保障制度の基本となる、 1950年(昭和25年)の社会保障制度審議会による「社会保障制度に関する勧告」の内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 生活困窮者自立支援法の制定の提言
2 社会保障制度を、社会保険、国家扶助、公衆衛生及び医療、社会福祉で構成
3 介護保険制度の創設の提言
4 保育所の待機児童ゼロ作戦の提言
5 介護分野におけるICT等の活用とビッグデータの整備
解答:2
解説:「50年勧告」とも言われ、憲法第25条の生存権の意義を具体化し、わが国で初めて社会保障の体系づけが行われたものです。選択肢2の通りとなります。
問題10
Eさん (75 歳、女性、要介護2) は、訪問介護(ホームヘルプサービス)を
利用している。最近、Eさんの認知症 (dementia) が進行して、家での介護が困難
になり、介護老人福祉施設の申込みをすることにした。 家族が訪問介護員(ホー
ヘルパー)に相談したところ、まだ要介護認定の有効期間が残っていたが、要介護
状態区分の変更の申請ができることがわかった。
家族が区分変更するときの申請先として、正しいものを1つ選びなさい。
1 介護保険の保険者
2 後期高齢者医療広域連合
3 介護保険審査会
4 国民健康保険団体連合会
5 運営適正化委員会
解答:1
解説:要介護認定の申請も、区分変更の申請も、申請先は介護保険の保険者(市町村及び特別区)となります。
問題11
Fさん(19歳、女性、身体障害者手帳2級) は、先天性の聴覚障害がある。
Fさんは大学生で、授業のときは手話通訳者が配置されている。Fさんは筆記によ
る定期試験を受けることになり、試験実施に関する配慮を大学に申し出た。
次の記述のうち、Fさんの申し出を踏まえた合理的配慮として、最も適切なもの
を1つ選びなさい。
1 受験時間を延長する。
2 試験問題の文字を拡大する。
3 テキストの持ち込みを許可する。
4 試験監督者が口頭で説明する内容を書面で渡す。
5 問題を読み上げる。
解答:4
解説:聴覚障害があるFさんへの合理的配慮として、口頭で説明する内容を書面で渡すことは最も適切です。
問題12
我が国の「障害者権利条約」の批准(2014年(平成26年))に向けて行われた、障害者基本法の改正(2011年(平成23年))で新たに法律上に規定されたものとして、適切なものを1つ選びなさい。
1 自立支援医療(精神通院医療)の開始
2 共同生活援助 (グループホーム)の制度化
3 成年後見制度の創設
4 社会的障壁の除去
5 東京2020パラリンピック競技大会の開催
(注)「障害者権利条約」とは、 国際連合の「障害者の権利に関する条約」のことである。
解答:4
解説:障害者権利条約は、2006年に国連で採択されました。わが国では、批准(国家としての同意という意味です)に向けて障害者基本法が改正され、社会的障壁の除去が法律上に規定されました。
問題13
次のうち、「障害者総合支援法」の介護給付を利用するときに、利用者が最初に市町村に行う手続きとして、適切なものを1つ選びなさい。
1 支給申請
2 認定調査
3 審査会の開催
4 障害支援区分の認定
5 サービス等利用計画の作成
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
解答:1
解説:障害者総合支援法の介護給付を利用する際は、最初に市町村へ支給申請を行います。その後、認定調査、審査会での審査を経て障害支援区分の認定を受けます。
問題14
「障害者総合支援法」の居宅介護を利用したときの利用者負担の考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用したサービスの種類や量に応じて負担する。
2 利用者の負担能力に応じて負担する。
3 利用したサービス費用の一定の割合を負担する。
4 利用したサービス費用の全額を負担する。
5 利用者は負担しない。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
解答:2
解説:障害者総合支援制度では、利用者の負担能力に応じて負担する「応能負担」の仕組みとなっています。
問題15
「個人情報保護法」に基づくプライバシー保護に関する次の記述のうち、最
も適切なものを1つ選びなさい。
1 電磁的記録は、個人情報には含まれない。
2 マイナンバーなどの個人識別符号は、個人情報ではない。
3 施設職員は、実習生に利用者の生活歴などを教えることは一切できない。
4 個人情報を第三者に提供するときは、原則として本人の同意が必要である。
5 自治会長は、本人の同意がなくても個人情報を入手できる。
(注)「個人情報保護法」 とは、 「個人情報の保護に関する法律」のことである。
解答:4
解説:選択肢4のとおりです。介護福祉職として、様々なプライバシー情報を得ることになりますので、プライバシー保護の意識が重要となります。
問題 16
「高齢者虐待防止法」に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 虐待が起こる場として、家庭、施設、病院の3つが規定されている。
2 対象は、介護保険制度の施設サービス利用者とされている。
3 徘徊しないように車いすに固定することは、身体拘束には当たらない。
4 虐待を発見した養介護施設従事者には、通報する義務がある。
5 虐待の認定は、警察署長が行う。
(注)「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。
解答:4
解説:養介護施設従事者とは、「養介護施設」又は「養介護事業」の業務に従事する者をいいます。施設で勤務する者だけではなく、介護保険法に規定される居宅サービス事業、地域密着型サービス事業、居宅介護支援事業、介護予防サービス事業、地域密着型介護予防サービス事業、介護予防支援事業で業務に従事する者も含まれます。
問題 17
発達障害のGさん(38歳、男性) は、高校生の頃に不登校になり、ずっとアルバイトをしながら、統合失調症 (schizophrenia) の母親 (65 歳、精神保健福祉手帳2級)を介護してきた。母親に認知症 (dementia) が疑われるようになったが、これからも二人で暮らし続けたいと考えたGさんは、相談支援事業所の介護福祉職に相談した。
Gさんに対する介護福祉職の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 地域包括支援センターで、介護保険サービスの情報を得ることを勧める。
2 Gさんが正規に雇用されるように、ハローワークに相談に行くことを勧める。
3 Gさんの発達障害について、クリニックで適切な治療を受けることを勧める。
4 母親に、介護老人福祉施設を紹介する。
5 母親に、精神科病院への入院を勧める。
解答:1
解説:地域包括支援センターは、介護・医療・保健・福祉などの総合相談窓口の役割を持っています。まずは、地域包括支援センターで情報を得ることを勧める選択肢1は適切です。
問題18
生活困窮者自立支援法に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びな
さい。
1 最低限度の生活が維持できなくなるおそれのある者が対象になる。
2 自立を図るために、就労自立給付金が支給される。
3 疾病がある者には、医療費が支給される。
4 子どもへの学習支援は、必須事業とされている。
5 最終的な、「第3のセーフティーネット」と位置づけられている。
解答:1
解説:生活困窮者自立支援法は、生活困窮状態にあるが生活保護の支給対象に該当しない人や、生活保護状態を脱したあとの支援のために施行された法律です。説明として、選択肢1が正解となります。
<領域: こころとからだのしくみ>
【こころとからだのしくみ】
問題 19
Hさん (75歳、男性)は、一人暮らしであるが、隣人と共に社会活動にも積極的に参加し、ゲートボールや詩吟、芸術活動など多くの趣味をもっている。また、多くの友人から、「Hさんは、毎日を有意義に生活している」と評価されている。
Hさん自身も友人関係に満足している。
ライチャード(Reichard、S.) による老齢期の性格類型のうち、 Hさんに相当する
ものとして、適切なものを1つ選びなさい。
1 自責型
2 防衛型(装甲型)
3 憤慨型
4 円熟型
5 依存型 (安楽いす型)
解答:4
解説:ライチャードによる老年期の性格類型では、5つのタイプに分類されます。老いを受け入れつつも、社会活動に積極的であり、無理をしすぎてもいないタイプを円熟型をしており、選択肢4が正解です。
問題 20
大脳の後頭葉にある機能局在として、適切なものを1つ選びなさい。
1 視覚野
2 聴覚野
3 運動野
4 体性感覚野
5 感覚性言語野 (ウェルニッケ野)
解答:1
解説:脳の場所による機能の違い(役割)を、機能局在と呼びます。後頭葉では、視覚の役割を担っており、眼からの情報が最初にとどくといわれています。
問題 21
立位姿勢を維持するための筋肉(抗重力筋) として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 上腕二頭筋
2 大胸筋
3 大腿四頭筋
4 僧帽筋
5 三角筋
解答:3
解説:大腿四頭筋は、太ももの前面の筋肉です。選択肢のなかでは、立位を維持する際に最も適切となります。
問題 22
廃用症候群 (disuse syndrome) で起こる可能性があるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 うつ状態
2 高血圧
3 関節炎
4 徘徊
5 下痢
解答:1
解説:廃用症候群とは、過度に安静にすることや、活動性が低下したことによる、心身に生じる様々な状態変化をさします。選択肢のなかでは、1が適切です。
問題 23
褥瘡の好発部位として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 側頭部
2 頸部
3 腹部
4 仙骨部
5 足趾部
解答:4
解説:褥瘡のリスク因子のひとつである「圧迫」が起こりやすい仙骨部は、褥瘡の好発部位の代表格となります。
問題 24
次のうち、口臭の原因になりやすい状態として、最も適切なものを1つ選
びなさい。
1 唾液の増加
2 義歯の装着
3 歯周病 (periodontal disease)
4 顎関節症(temporomandibular joint disorder)
5 低栄養状態
解答:3
解説:歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。歯周病の原因菌がガスを放出することで、口臭を発生させます。歯肉や、歯を支える骨が溶けてしまう疾患であるため、介護職として、口臭の観察も大切となります。
問題 25
Jさん (82歳、女性) は、施設に入所している。Jさんは車いすで食堂に来て、箸やスプーンを使って、自分で食事をしている。主食は普通食、おかずは刻み食で全量摂取している。 最近、車いすからずり落ちる傾向があり、首が後屈した姿勢で食事をし、 むせることが多くなった。
Jさんが誤嚥をしないようにするための最初の対応として、最も適切なものを1
つ選びなさい。
1 食事回数の調整
2 座位姿勢の調整
3 使用食器の変更
4 食事の量の調整
5 食事場所の変更
解答:2
解説:首が後屈した姿勢で食事をし、むせることが多くなったという情報から、選択肢2が最初の対応として適切です。
問題 26
次のうち、誤嚥しやすい高齢者の脱水予防のために確認することとして、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
1 義歯の装着状態
2 上肢の関節可動域
3 睡眠時間
4 夜間の咳込みの有無
5 摂取している水分の形状
解答:5
解説:誤嚥しやすい高齢者という問題文から、誤嚥を防ぎながらも脱水を予防するために、選択肢5が最も優先となります。
問題27
健康な成人の便の生成で、上行結腸の次に内容物が通過する部位として、正しいものを1つ選びなさい。
1 S状結腸
2 回腸
3 直腸
4 下行結腸
5 横行結腸
解答:5
解説:便は、上行結腸→横行結腸→下向結腸→S状結腸→直腸の順で、通過していきます。選択肢5が正解です。
問題 28
高齢者の睡眠薬の使用に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 依存性は生じにくい。
2 翌朝まで作用が残ることがある。
3 食事後すぐの服用が望ましい。
4 アルコールと一緒に飲んでも効果は変わらない。
5 転倒の原因にはならない。
解答:2
解説:高齢者の服薬に関する留意点はいくつかありますが、薬の作用が強く出る、薬の作用が長く残る、副作用が強く出るなどがあります。選択肢のなかでは2が適切です。
問題 29
大切な人を亡くした後にみられる、寂しさやむなしさ、無力感などの精神的反応や、睡眠障害、食欲不振、疲労感などの身体的反応を表すものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 認知症(dementia)
2 グリーフ(grief)
3 リビングウィル(living will)
4 スピリチュアル (spiritual)
5 パニック障害 (panic disorder)
解答:2
解説:グリーフとは、悲嘆(ひたん)と訳され、喪失体験による、さまざまな身体的・心理的・社会的な反応のことです。これらをケアすることを、グリーフケアと呼びます。
問題 30
死が近づいているときの身体の変化として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 瞳孔の縮小
2 筋肉の硬直
3 発汗
4 結膜の充血
5 喘鳴
解答:5
解説:喘鳴(ぜいめい)とは、呼吸をするときに、ヒューヒュー、ゼーゼーなどの音がすることです。死が近づいているときの喘鳴を死前喘鳴(しぜんぜいめい)と呼びます。
【発達と老化の理解】
問題 31
今、発達の実験のために、図のようなテーブル(テーブル表面の左半分が格子柄、右半分が透明な板で床の格子柄が透けて見える)の左端に、Kさん(1歳1か月)を座らせた。テーブルの反対側には母親が立っている。Kさんは、格子柄と透明な板との境目でいったん動くのをやめて、怖がった表情で母親の顔を見た。母親が穏やかにほほ笑むと、Kさんは母親の方に近づいていった。
Kさんの行動を説明する用語として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 自己中心性
2 愛着理論
3 向社会的行動
4 社会的参照
5 原始反射
解答:4
解説:自分ではわからないことが起きた際、周りの反応をヒントにすることを、社会的参照といいます。母親が穏やかにほほ笑んだことで、透けたテーブルを進んだという行動であるため、選択肢4が正解です。
問題 32
コールバーグ (Kohlberg、L.)による道徳性判断に関する次の記述のうち、最も高い発達の段階を示すものとして、適切なものを1つ選びなさい。
1 権威に服従する。
2 罰を回避する。
3 多数意見を重視して判断する。
4 損得で判断する。
5 人間の権利や平等性などの倫理に従って判断する。
解答:5
解説:コールバーグの道徳性発達段階では、道徳性は6つの段階を持つとしており、最も高い段階を、普遍的な倫理的基準(倫理に従って判断する)としています。
問題 33
標準的な発育をしている子どもの体重が、出生時の約2倍になる時期として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 生後3か月
2 生後6か月
3 生後9か月
4 1歳
5 2歳
解答:1
解説:生後3ヶ月頃の体重は、一般的に6kg程度となり、出生時の約2倍となます。
問題 34
ストローブ (Stroebe、M.S.)とシュト (Schut、H.)による悲嘆のモデルでは、死別へのコーピングには喪失志向と回復志向の2種類があるとされる。
喪失志向のコーピングとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 しばらく連絡していなかった旧友との交流を深める。
2 悲しい気持ちを語る。
3 新たにサークル活動に参加を申し込む。
4 ボランティア活動に励む。
5 新しい生活に慣れようとする。
解答:2
解説:喪失志向のコーピングとは、失ったことを受け入れる段階で、喪失体験そのものに焦点をあてる方法です。選択肢2が正解となります。
問題 35
加齢の影響を受けにくい認知機能として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 エピソード記憶
2 作業記憶
3 選択的注意
4 流動性知能
5 意味記憶
解答:5
解説:意味記憶は、長期記憶に分類され、言葉の意味や知識、概念に関する記憶のことです。加齢の影響を受けにくい記憶と言われています。
問題 36
高齢期の腎・泌尿器系の状態や変化に関する次の記述のうち、最も適切な
ものを1つ選びなさい。
1 尿路感染症(urinary tract infections) を起こすことは非常に少ない。
2 腎盂腎炎 (pyelonephritis) の主な症状は、頭痛である。
3 尿の濃縮力が低下する。
4 前立腺肥大症 (prostatic hypertrophy) では、尿道の痛みがある。
5 薬物が排出される時間は、短くなる。
解答:3
解説:高齢期では、様々な心身の変化が起こりますが、腎機能では、血液をろ過して尿をつくる機能に低下がみられる傾向があります。選択肢3が正解です。
問題 37
老年期の変形性膝関節症 (knee osteoarthritis)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 外反型の脚の変形を伴うことが多い。
2 女性のほうが男性より罹患率が高い。
3 積極的に患部を冷やすことを勧める。
4 正座の生活習慣を勧める。
5 肥満のある人には積極的に階段を利用するように勧める。
解答:2
解説:変形性膝関節症は、加齢による女性ホルモンの減少や、女性の身体的特徴(男性に比べて筋肉が少ない傾向)により、男性より女性の罹患率が高いと言われています。
問題 38
高齢者の脱水に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 若年者よりも口渇感を感じやすい。
2 体内水分量は若年者よりも多い。
3 起立時に血圧が上がりやすくなる。
4 下痢が原因となることはまれである。
5 体重が減ることがある。
解答:5
解説:体内の水分量は、成人で60%、65歳以上で50%となり、脱水により体重が減ることがあります。
【認知症の理解】
問題 39
次のうち、2019年 (令和元年)の認知症施策推進大綱の5つの柱に示されているものとして、適切なものを1つ選びなさい。
1 市民後見人の活動推進への体制整備
2 普及啓発・本人発信支援
3 若年性認知症支援ハンドブックの配布
4 認知症初期集中支援チームの設置
5 認知症カフェ等を全市町村に普及
解答:2
解説:認知症施策推進大綱の5つの柱は、「普及啓発・本人発信支援」「予防」「医療・ケア・介護サービス・介護者への支援」「認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援」「研究開発・産業促進・国際展開」となり、選択肢2が正解です。
問題 40
次の記述のうち、見当識障害に関する質問として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「私たちが今いるところはどこですか」
2 「100から7を順番に引いてください」
3 「先ほど覚えてもらった言葉をもう一度言ってみてください」
4 「次の図形を写してください」
5 「この紙を左手で取り、両手で半分に折って、私に返してください」
解答:1
解説:見当識障害は、「時間や場所や人」の見当がわからなくなる(わかりづらくなる)障害のため、選択肢1が正解です。
問題41
アルツハイマー型認知症 (dementia of the Alzheimer's type) の、もの盗られ妄想に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 説明をすれば自身の考えの誤りに気づくことが多い。
2 本人の不安から生じることが多い。
3 現実に存在しない人が犯人とされる。
4 主に幻視が原因である。
5 症状の予防には抗精神病薬が有効である。
解答:2
解説:もの盗られ妄想は、行動・心理症状のひとつとされ、本人の不安から生じることがあります。不安を解消、軽減するアプローチにより、改善できる可能性があるという視点が重要です。
問題 42
慢性硬膜下血腫 (chronic subdural hematoma)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 運動機能障害が起こることは非常に少ない。
2 頭蓋骨骨折を伴い発症する。
3 抗凝固薬の使用はリスクとなる。
4 転倒の後、2∼3日で発症することが多い。
5 保存的治療が第一選択である。
解答:3
解説:慢性硬膜下血腫は、頭部外傷から2週間から3ヶ月程度の時期に発症することが多い、認知症の原因疾患のひとつです。抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を服用している場合、発生確率が高くなると言われており、選択肢3が正解です。
問題 43
Lさん (83歳、女性、要介護1) は、アルツハイマー型認知症 (dementia of thé Alzheimer's type) である。一人暮らしで、週2回、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。
ある日、訪問介護員(ホームヘルパー) が訪問すると、息子が来ていて、「最近、母が年金の引き出しや、 水道代の支払いを忘れるようだ。 日常生活自立支援事業というものがあると聞いたことがあるが、どのような制度なのか」と質問があった。
訪問介護員(ホームヘルパー) の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「申込みをしたい場合は、家庭裁判所が受付窓口です」
2 「年金の振込口座を、息子さん名義の口座に変更することができます」
3 「Lさんが契約内容を理解できない場合は、息子さんが契約できます」
4 「生活支援員が、 水道代の支払いをLさんの代わりに行うことができます」
5 「利用後に苦情がある場合は、国民健康保険団体連合会が受付窓口です」
解答:4
解説:日常生活自立支援事業は、福祉サービスを利用する際のさまざまな手続きや契約、預金の出し入れ、生活に必要な利用料などの支払い手続きや、年金や預金通帳などの書類の管理などをサポートする事業です。選択肢のなかでは4が適切となります。
問題 44
認知症ケアの技法であるユマニチュードに関する次の記述のうち、正しい
ものを1つ選びなさい。
1 「見る」とは、離れた位置からさりげなく見守ることである。
2 「話す」とは、意識的に高いトーンの大きな声で話しかけることである。
3 「触れる」とは、指先で軽く触れることである。
4 「立つ」とは、立位をとる機会を作ることである。
5 「オートフィードバック」とは、ケアを評価することである。
解答:4
解説:ユマニチュードは、「見る」「話す」「触れる」「立つ」を4つの柱としたケアの技法です。立つことにより、体のさまざまな生理機能が十分に働くようにできていることから、立位をとる機会を重要視しています。
問題 45
現行の認知症サポーターに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ステップアップ講座を受講した認知症サポーターには、 チームオレンジへの参加が期待されている。
2 100万人を目標に養成されている。
3 認知症介護実践者等養成事業の一環である。
4 認知症ケア専門の介護福祉職である。
5 国が実施主体となって養成講座を行っている。
解答:1
解説:認知症サポーターは、認知症に関する正しい知識と理解をもち、地域や職域で、認知症の人や家族に対してできる範囲で手助けをする人のことです。2022年12月時点で1400万人を超えており、ステップアップ講座を受講した認知症サポーターは、認知症サポーターを中心としたチームメンバーをつなぐ仕組みであるチームオレンジの参加が期待されています。
問題 46
認知症ケアパスに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 都道府県ごとに作られるものである。
2 介護保険制度の地域密着型サービスの1つである。
3 認知症 (dementia) の人の状態に応じた適切なサービス提供の流れをまとめたも
のである。
4 レスパイトケアとも呼ばれるものである。
5 介護支援専門員(ケアマネジャー)が中心になって作成する。
解答:3
解説:認知症ケアパスとは、地域ごとに、認知症の発症予防から人生の最終段階まで、状態に応じたケアの流れを示したものです。地域のなかで、どのようなサポートが受けられるかを知ることができるガイドラインのようなものです。
問題 47
認知症ライフサポートモデルに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 各職種がそれぞれで目標を設定する。
2 終末期に行う介入モデルである。
3 認知症(dementia)の人本人の自己決定を支える。
4 生活介護サービスに任せるプランを策定する。
5 認知症(dementia)の人に施設入所を促す。
解答:3
解説:認知症ライフサポートモデルでは、認知症の症状があっても、自分らしく暮らしていけるよう、本人の自己決定を重要視しています。
問題 48
M さん (88 歳、女性)は、アルツハイマー型認知症 (dementia of the
Alzheimer's type) と診断された。夫と二人暮らしで、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。 訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問したときに夫から、「最近、日中することがなく寝てしまい、夜眠れていないようだ」と相談を受けた。訪問介護員(ホームヘルパー)は、Mさんが長年していた裁縫を日中にしてみることを勧めた。早速、裁縫をしてみるとMさんは、短時間で雑巾を縫うことができた。
Mさんの裁縫についての記憶として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 作業記憶
2 展望的記憶
3 短期記憶
4 陳述記憶
5 手続き記憶
解答:5
解説:手続き記憶は、身体に染みついた記憶とも呼ぶことができ、認知症の症状があっても、残りやすい記憶です。介護福祉職として、本人のできることを考える際、非常に大切な視点となります。
【障害の理解】
問題 49
ストレングス (strength) の視点に基づく利用者支援の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 個人の特性や強さを見つけて、それを生かす支援を行うこと。
2 日常生活の条件をできるだけ、障害のない人と同じにすること。
3 全人間的復権を目標とすること。
4 権利を代弁・擁護して、権利の実現を支援すること。
5 抑圧された権利や能力を取り戻して、力をつけること。
解答:1
解説:ストレングスとは、本人の強みのことで、エンパワメント(その人の持っている力を引き出す)をするために、大切な視点となります。
問題 50
1960年代のアメリカにおける自立生活運動 (IL運動) に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 障害があっても障害のない人々と同じ生活を送る。
2 一度失った地位、名誉、特権などを回復する。
3 自分で意思決定をして生活する。
4 医療職が機能回復訓練を行う。
5 障害者の社会への完全参加と平等を促進する。
解答:3
解説:自立生活運動(IL運動)とは、自立とは、すべてを自分で行えるようになることではなく、自らが主体的に生活することだと主張した、障害を抱えた当事者による社会運動です。選択肢3が正解となります。
問題 51
「障害者虐待防止法」における、障害者に対する著しい暴言が当てはまる障害者虐待の類型として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 身体的虐待
2 放棄・放置
3 性的虐待
4 心理的虐待
5 経済的虐待
(注)「障害者虐待防止法」とは、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。
解答:4
解説:虐待の種類は、選択肢の5つとなり、そのなかで暴言は、心理的虐待にあたります。
問題 52
上田敏の障害受容のモデルにおける受容期の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 受傷直後である。
2 障害の状態を否認する。
3 リハビリテーションによって機能回復に取り組む。
4 障害のため何もできないと捉える。
5 障害に対する価値観を転換し、積極的な生活態度になる。
解答:5
解説:上田敏の障害受容のモデルは、ショック期、否認期、混乱期、解決への努力期、受容期とされ、受容期の説明としては選択肢5が正解です。
問題 53
次のうち、四肢麻痺を伴う疾患や外傷として、適切なものを1つ選びなさい。
1 右脳梗塞(right cerebral infarction)
2 左脳梗塞 (left cerebral infarction)
3 頸髄損傷 (cervical cord injury)
4 腰髄損傷(lumbar spinal cord injury)
5 末梢神経損傷 (peripheral nerve injury)
解答:3
解説:脊髄損傷では、損傷箇所よりも下の部位に麻痺を伴います。脊髄損傷のなかでも、頚髄損傷は、四肢麻痺を伴います。
問題 54
学習障害の特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 読む・書く・計算するなどの習得に困難がある。
2 注意力が欠如している。
3 じっとしているのが難しい。
4 脳の機能に障害はない。
5 親のしつけ方や愛情不足によるものである。
解答:1
解説:発達障害のひとつである、学習障害は、読む・書く・計算するなどの学習に必要な能力のうち、ひとつないし複数の能力について、習得が困難であったり、うまく力を発揮できない特徴があります。
問題 55
Aさん(60歳、男性)は、脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)のため、物をつかもうとすると手が震え、起立時や歩行時に身体がふらつき、ろれつが回らないため発語が不明瞭である。
次のうち、Aさんの現在の症状に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 運動麻痺
2 運動失調
3 関節拘縮
4 筋萎縮
5 筋固縮
解答:2
解説:脊髄小脳変性症は、指定難病のひとつです。小脳は、細かな動作や歩行を担う役割があり、選択肢2のとおり、運動失調の症状があります。
問題 56
Bさん(21歳、男性)は、統合失調症(schizophrenia)を発症し、継続した内服によって幻覚や妄想などの症状は改善しているが、意欲や自発性が低下して引きこもりがちである。
現在、Bさんは、外来に通院しながら自宅で生活していて、就労を考えるようになってきた。
介護福祉職が就労に向けて支援するにあたり留意すべきこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 あいまいな言葉で説明する。
2 代理で手続きを進める。
3 介護福祉職が正しいと考える支援を行う。
4 Bさんに意欲をもつように強く指示する。
5 Bさん自身が物事を決め、実行できるように関わる。
解答:5
解説:意欲や自発性が低下して引きこもりがちなBさんに対して、Bさん自身が物事を決め、実行できるように関わることは、自立支援に向けて大切です。
問題 57
Cさん(3歳)は、24時間の人工呼吸器管理、栄養管理と体温管理が必要であり、母親(32歳)が生活全般を支えている。Cさんの母親は、「発達支援やショートステイを活用したいのに、市内に事業所がない。ほかにも困っている家族がいる」とD相談支援専門員に伝えた。
D 相談支援専門員が、課題の解決に向けて市(自立支援)協議会に働きかけたところ、市内に該当する事業所がないことが明らかになった。
この事例で、地域におけるサービスの不足を解決するために、市(自立支援)協議会に期待される機能・役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 困難な事例や資源不足についての情報の発信
2 権利擁護に関する取り組みの展開
3 地域の社会資源の開発
4 構成員の資質向上
5 基幹相談支援センターの運営評価
解答:3
解説:自立支援協議会は、「情報機能」「調整機能」「開発機能」「教育機能」「権利擁護機能」「評価機能」の6つの機能があります。これらなかで、地域におけるサービスの不足を解決する機能は、開発機能となり、選択肢3が正解となります。
問題 58
Eさん(38歳、男性)は、脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、病院に入院していた。退院時に、右片麻痺と言語障害があったため、身体障害者手帳2級の交付を受けた。 現在、Eさんと家族の希望によって、自宅で生活しているが、少しずつ生活に支障が出てきている。Eさんの今後の生活を支えるために、障害福祉サービスの利用を前提に多職種連携による支援が行われることになった。
Eさんに関わる関係者が果たす役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護支援専門員(ケアマネジャー)が、介護サービス計画を作成する。
2 医師が、要介護認定を受けるための意見書を作成する。
3 基幹相談支援センターの職員が、障害福祉計画を立てる。
4 地域包括支援センターの職員が、認定調査を行う。
5 相談支援専門員が、サービス担当者会議を開催する。
解答:5
解説:相談支援専門員は、障害福祉サービスなどの利用計画の作成や、障害のある人の全般的な相談支援を行います。選択肢5が正解です。
<領域: 医療的ケア>
【医療的ケア】
問題 59
消毒と滅菌に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 消毒は、すべての微生物を死滅させることである。
2 複数の消毒液を混ぜると効果的である。
3 滅菌物には、有効期限がある。
4 家庭では、熱水で滅菌する。
5 手指消毒は、次亜塩素酸ナトリウムを用いる。
解答:3
解説:滅菌とは、すべての微生物を死滅されることをいい、一般家庭で滅菌をすることはできません。有効期限は、種類及び包装方法によりますが、保管期間を決めることが求められています。
問題 60
次の記述のうち、成人の正常な呼吸状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 胸腹部が一定のリズムで膨らんだり縮んだりしている。
2 ゴロゴロとした音がする。
3 爪の色が紫色になっている。
4 呼吸数が1分間に40回である。
5 下顎を上下させて呼吸している。
解答:1
解説:成人の正常な呼吸としては、選択肢1が正解です。
問題 61
喀痰吸引を行う前の準備に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 医師の指示書の確認は、初回に一度行う。
2 利用者への吸引の説明は、吸引のたびに行う。
3 腹臥位の姿勢にする。
4 同室の利用者から見える状態にする。
5 利用者に手指消毒をしてもらう。
解答:2
解説:喀痰吸引は、利用者の負担になるため、吸引のたびに説明をして確認をしながら実施します。選択肢2が適切です。
問題 62
胃ろうによる経管栄養での生活上の留意点の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「日中は、ベッド上で過ごします」
2 「夜寝るときは、上半身を起こした姿勢で寝ます」
3 「便秘の心配はなくなります」
4 「口から食べなくても口腔 ケアは必要です」
5 「入浴は清拭に変更します」
解答:4
解説:経管栄養では、唾液の分泌量が減少するなど、口腔内の状態に留意が必要です。誤嚥性肺炎の予防も大切な視点であり、口腔ケアは特に重要です。
問題 63
Fさん(87歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。嚥下機能が低下したため、胃ろうによる経管栄養が行われている。担当の介護福祉士は、Fさんの経管栄養を開始して、しばらく観察した。その後、15分後に訪室すると、Fおうとさんが嘔吐して、意識はあるが苦しそうな表情をしていた。介護福祉士は、すぐに経管栄養を中止して看護職員を呼んだ。
看護職員が来るまでの介護福祉士の対応として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
1 室内の換気を行った。
2 ベッド上の嘔吐物を片付けた。
3 酸素吸入を行った。
4 心臓マッサージを行った。
5 誤嚥を防ぐために顔を横に向けた。
解答:5
解説:Fさんは、嘔吐して、意識はあるが苦しそうな表情をしてという情報から、誤嚥を防ぐ選択肢5が適切です。