こんにちは、湘南国際アカデミーで介護福祉士受験対策講座の講師や受験対策テキストの作成に携わっている江島です。
本日は、当校の「介護福祉士国家試験・丸わかりテキスト」の執筆及び監修者である学院長の仲川一清と共に、介護福祉士国家試験で出題される各科目の特色や要点を解り易く解説していきます。
一人でも多くの方の介護福祉士国家試験合格への一助になりましたら幸いです。
介護福祉士国家試験の試験科目の特色や要点を徹底解説!
介護福祉士国家試験に合格するためには、試験勉強をする前に必ず行っておくべき準備があります。その準備の一つに、介護福祉士国家試験の全体像と試験科目ごとのポイントを抑えることが挙げられます。
介護福祉士国家試験の全体像を把握するためには、各試験科目のポイントを理解する必要があります。そして、これらの準備を怠ると非常に効率の悪い受験勉強になりかねません。
介護福祉士国家試験に合格するための最も効果的な勉強方法
介護福祉士国家試験の効率的な試験勉強を簡単に整理をすると、以下のようになります。
- 介護福祉士国家試験の過去問題(出来れば直近の過去3年分)を解いてみる。(各年度の過去問題をそれぞれ最初から最後まで解いてください)
- 過去問題を通して自分が点を取れない科目、苦手、不安な科目を見つける。
- 介護福祉士国家試験のテキスト・教材(紙のテキストやeラーニング、動画など)のいずれかでも良いので、過去問題で点を取れなかった試験科目から勉強を始める。
- 時間に余裕のある方やシフトの調整ができる方は、受験対策講座を受講して、介護福祉士国家試験の各試験科目の要点・ポイントを理解して全体像を掴む。
- ある程度、理解してきたら再び過去問題集や予想問題、模擬試験を受けて実際の試験に向けて、時間配分や問題に慣れていく。
- 同じく、点を取れない科目、苦手、不安な科目を見つけたら、再度、テキスト・教材に戻って勉強を進める。
- 時間に余裕のある方やシフトの調整ができる方は、総仕上げとして直前対策講座や受験対策講座に参加して、独自で勉強している内容に加えて、客観的な視点で自分では気付かなかったポイントなども網羅することで、更に試験に向けた実践力を向上させる。
介護福祉士実務者研修と介護福祉士国家試験科目の関係性
介護福祉士国家試験を受験するためには、実務経験3年以上と実務者研修の修了が必須となりますが、介護福祉士実務者研修のカリキュラムと介護福祉士国家試験の試験科目の関係性を知ることで、実務者研修を受講する際から介護福祉士国家試験の試験準備になることをお伝えします。
意外とご存じでない方が多くいらっしゃるのですが、実は介護福祉士国家試験に出題される試験問題は、全て実務者研修のカリキュラムの中から出題されています。そのため、実務者研修を受講することは同時に介護福祉士国家試験の試験勉強をしているといっても過言ではありません。
しかし、これらの事実を知ったうえで介護福祉士実務者研修を受講するのとしないのとでは、勉強に対する意識の持ち方が変わってきますので、これから実務者研修を受講する方や受講中の方は、実務者研修の学びが介護福祉士を取得するための効果的な勉強であることを、是非、意識していただければ更に効果的な試験対策になるかと思います。
そして、介護福祉士実務者研修を受講する際の学校選びでは、各学校の実務者研修の通信添削課題やスクーリングで学ぶ内容が、実際の介護福祉士国家試験の出題基準に準じたカリキュラム編成になっているのかを確認しましょう。
どの学校で実務者研修を受講すれば、介護福祉士国家試験に合格しやすいのかという視点で学校を選ぶことも、介護福祉士合格への近道になる大切なポイントです。
介護福祉士国家試験の勉強で陥りやすい失敗と注意点
介護福祉士国家試験で失敗しないためにも、試験勉強で誰もが陥りやすい注意点に関することも知っていただきたいと思います。
上記の勉強方法で解説したように、過去問題集やテキスト・教材を使うようになると、気づかないうちに解けない問題を完全に理解しようとして、テキストや教材を隅々まで調べだす「重箱をつつくような勉強法(暗記に近い)」になってしまいます。
必ず満点で合格したいという方は、そのような勉強法でも宜しいかと思いますが、大事なことは、介護福祉士国家試験は満点を取らなくても合格することができるということです。
つまり、あまり難し過ぎる問題やレアな問題に関しては、多少落としてしまっても、あまり気にせずに、むしろ決して落としてはいけない重要な問題を確実に解けるようにするのが合格への近道です。
何故ならば、介護福祉士国家試験は125点満点で概ね80点以上取れれば、ほぼ合格は間違いありません。本当に難しいレアな問題は毎年、10問前後で多くても20問もありません。そのため、先ずは、80点以上の得点を取れるようにするために、決して落としてはいけない重要な問題を確実に正解して、合格ラインに届く勉強法で試験対策することが大切です。
そのうえで、仕事との兼ね合いや時間的にも余裕があれば、更に難しい問題を解けるように学びを深めていくという方法を、私たちはオススメしています。
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介護福祉士国家試験 各試験科目のポイント
ここまで、介護福祉士国家試験の勉強方法や注意すべきポイントについてお伝えしてきましたが、この章では、介護福祉士国家試験の各試験科目の具体的なポイントについて、簡潔に分かり易くお伝えしていきます。
人間の尊厳と自立
「人間の尊厳と自立」の科目で、先ず念頭に考えておくべきことの一つは、障害や疾病を抱えたまま生きるというのは、人間として生きるうえで危機的状況におかれる可能性があるということです。
たとえば、排泄の場面を見られたり、自分で好きな場所に行くことができないというのは、生きることへの絶望すら抱きます。こうした状況で失われるものが人間の尊厳です。
介護福祉職が対象とするのは、人間の尊厳を失ってしまったり、失ってしまう可能性が高い人であることを深く理解したうえで、介護を提供しなければなりません。そのためには、人間として生きるというのはどういうことであるのか、人間の尊厳とはどのようなことをいうのかといったことを理解しておかなければなりません。本科目「人間の尊厳と自立」では、介護以前の対人援助者として深い人間理解に関する問題や、かつては一部の人にしか認められていなかった人間として生きる権利である人権の歴史や思想、そして、人権を具現化するための自立の支援といった、哲学的・思想的な概念が問われます。
そのため、非常に幅広い出題が散見されていますが、「人間らしく生きるというのはどういうことか」ということについて、しっかりと理解しておけば正答にたどりつけるでしょう。
「人間の尊厳と自立」の科目の最近の出題傾向などを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
試験科目「人間の尊厳と自立」を対談形式で解説人間関係とコミュニケーション
介護福祉職は利用者のプライバシーに介入することになりますから、利用者と良好な関係を形成することは不可欠です。
そして、一人の専門職として良質な介護サービスの提供ができるようにならなければなりません。しかし、介護福祉職個人の力だけでは、利用者の生活全般を支えることは不可能です。そのためには、利用者に関わる他の介護福祉職、他の専門職、家族や関係者との連携が必要になります。しかし、ただ集められた集団では連携は生まれません。
有機的に構成されたチームによって機能するものです。
本科目「人間関係とコミュニケーション」では、人間関係を形成するためのコミュニケーションのあり方だけではなく、チーム形成やマネジメントなどのための知識についても学習しておきましょう。
「人間関係とコミュニケーション」の科目の最近の出題傾向などを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
試験科目「人間関係とコミュニケーション」を対談形式で解説社会の理解
試験科目「社会の理解」では、社会学に関する知識を含め、現在の社会情勢などについての設問や、各種の法律・制度に関する設問があります。多くの受験生にとって、現場の実践における接点が少ないことから、苦手意識の高い科目でしょう。
言うまでもなく、介護福祉士は国家資格ですから、社会・国民の期待に応えることが求められます。また、介護を必要とする人は、社会のなかで生活しています。その社会についての捉え方や現状について理解しておくことは、介護を提供する上での基盤を理解することでもあります。
また介護福祉職は、法律・制度にもとづいてサービスを提供しますから、これらについて理解しておくことは、専門職として当然のことですし、もし、利用者が活用できる制度があれば助言することで、利用者の利益に資することだけでなく、専門職としての信頼を高めることにもつながります。
「社会の理解」では、大きく5点について学習しておきたいところです。まず社会動向の概要についておさえておきましょう。なかでも『超・超高齢社会』に向けて、地域で支え合うしくみづくりに関する施策は必須です。
2つめは社会保障制度についてです。社会保障制度の枠組みとわが国における社会保障制度の概要です。
3つめは介護保険制度、4つめは障害者総合支援制度です。本科目からこれらが出題されることは減ってきているものの、これらの制度が理解できていないと、他の科目の解答に影響してしまいます。本科目での学習をつうじて理解に努めましょう。
5つめは、その他の制度です。さまざまな制度についての設問が見られます。
当校が作成している介護福祉士国家試験「丸わかりテキスト」では、過去の出題に見られた主な法制度について紹介しています。
覚えなければならないことが多い科目かもしれませんが、覚えてしまえば得点につながりやすい科目でもあります。他の科目も含めて学習が進んだら、本科目を集中的に学習しておくのがよいでしょう。
「社会の理解」の科目の最近の出題傾向などを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
試験科目「社会の理解」を対談形式で解説介護の基本
試験科目「介護の基本」では、介護に関する基本的な考え方・捉え方と専門職として知っておかなければならない、法律・制度や専門職としての姿勢などについて、幅広く出題されます。
本科目で特に学習しておきたいのは、社会福祉士及び介護福祉士法、介護についての考え方、専門職としての姿勢、介護サービス提供の場についての理解です。まず、社会福祉士及び介護福祉士法ですが、介護福祉士になろうとするわけですから、その根拠法について理解しておくことは欠かせません。介護についての考え方としては、自立支援について理解しておくとともに、近年は介護予防に関する出題が多くみられています。要介護状態にならないようにするための支援の方法、リハビリテーションについてといったことや、制度やしくみなどについても学習しておきましょう。専門職としての姿勢は、介護福祉職としての倫理、チーム連携のために必要な多職種理解に努めましょう。そして、介護サービス提供の場については、利用者にとっての生活の場の理解だけではなく、介護福祉職自身の安全管理などについて学習しておきましょう。なかでも、感染予防・感染対策は、近年の動向としてきわめて重要です。
「介護の基本」の科目の最近の出題傾向などを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
試験科目「介護の基本」を対談形式で解説コミュニケーション技術
試験科目「コミュニケーション技術」では、同じ科目群である「人間関係とコミュニケーション」よりも、より具体的で実践的な問題が主に短文事例の形式で出題されます。利用者やその家族への対応は、その時の状況、相手の気持ちなど、背景を理解しながら行われなければならないため、「これを覚えなければならない」という事柄は少なく、受容・共感といった抽象的概念について、実践的に理解するという応用力が問われますから、日々「共感というのはこういうことかな?」と意識しながら実践するとよいでしょう。
また、本科目からは障害の特性に応じたコミュニケーションが出題されます。介護福祉士は利用者の心身の状況に応じた介護が求められますから、利用者が抱える疾患や障害に応じたコミュニケーションの技法やコミュニケーションツールについて学習しておかなければなりません。コミュニケーションに支障をおよぼす障害や疾患についての理解が不十分と感じる場合は、科目「こころとからだのしくみ」「認知症の理解」「障害の理解」などとともに学習しましょう。
介護福祉職はチームの一員として介護を提供するので、他の職員や他職種とのコミュニケーションのあり方についても問われます。特に、報告・連絡・相談・記録・会議などについても理解を深めておきましょう。
「コミュニケーション技術」の科目の最近の出題傾向などを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
試験科目「コミュニケーション技術」を対談形式で解説生活支援技術
試験科目「生活支援技術」は、生活支援の方法について出題されますが、特に身体介護の適切な方法についての設問が大半を占めます。したがって、高齢者介護の現場で働いている受験生は、日々の介護業務で行っていることが多いので、比較的なじみやすい科目であろうと思います。ただし、訪問介護で生活支援だけしか行っていない受験生や、障害者支援のために身体介護の経験の少ない人は、基本的なことからしっかりと学習して臨みましょう。
出題基準では、全部で11の大項目が設定されています。例年、すべての大項目から出題されていますので、まんべんなく学習しておかなければなりませんが、近年の傾向として、大項目10「人生の最終段階における介護」、いわゆる終末期の介護が手厚く出題されています。これは、介護の現場において「看取り」が増えていることが背景にあるものと考えられます。
また、今後も続く傾向としては、用具の活用に関する設問です。介護の人材不足が懸念されており、人材不足を補う方法のひとつとして、介護機器や福祉用具の活用がすすめられています。さまざまな用具が開発されていますが、一般的に普及している用具については、名称・使用方法・注意点なども含めて学習しておく必要があります。
「生活支援技術」の科目の最近の出題傾向などを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
試験科目「生活支援技術」を対談形式で解説介護過程
介護福祉士の業(反復継続して行う行為)は、利用者の心身の状況に応じた介護です。
そのためには、その利用者のことについて知り、何が必要なのか、どのように提供するのかということを考え、実際に提供してみてどうであったか、次はどうすれば良いのかということを考えなければなりません。
介護過程とは、この一連の思考のプロセスをいうのであり、普段は無意識的に行われていることを意識的に行わなければなりません。なぜなら、サービスを提供するときの根拠を明確にして、さらにそれを他者に説明することができなければ、専門職とは言えないからです。
社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会が2017年(平成29年)に示した「介護人材に求められる機能の明確化とキャリアパスの実現に向けて」のなかの「求められる介護福祉士像」のひとつに、「専門職として自律的に介護過程の展開ができる」とあり、専門職として不可欠な「思考の技術」です。
したがって、本科目「介護過程」において覚えなければならないことはあまりありません。他の試験科目の知識をどのように活用し統合して利用者に提供するべきか、考える力が試される科目です。事例を通じた応用問題が中心となります。
本科目では、介護過程を展開するための一連の流れと、各プロセスにおける留意点についての理解を深めておきましょう。
「介護過程」の科目の最近の出題傾向などを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
試験科目「介護過程」を対談形式で解説こころとからだのしくみ
先に述べた科目「生活支援技術」では、介護を提供する際の、基本的な技術や留意しなければならないことについて問われます。なぜその技術が基本となるのかというと、人間のからだのしくみや機能に沿っているからです。
したがって、適切な介護を提供しようとするのであれば、ただ技術を覚えればよいというのではなく、その技術の根拠をしっかりと理解しておく必要があります。
本科目「こころとからだのしくみ」で学習しなければならないことは、この点にあります。そのため、「生活支援技術」とリンクした出題基準となっています。したがって、「生活支援技術」をより深く理解するためには、まず本科目「こころとからだのしくみ」から学習を進めると効果的でしょう。
大項目の中でも、特に力を入れて学習しておきたいのは、「人生の最終段階のケアに関連したこころとからだのしくみ」です。わが国では多くの場合、看取りは医療関係者によって行われてきました。
しかし、高齢化は今後も進展していきますから、看取ること自体が身近なことになってきます。もちろん、介護福祉職もそれに携わることになりますし、介護現場においても看取りまで行うことが増えてきています。こうしたことから、重点的に学習しておきたい項目ですので、特に注力しておきましょう。
「こころとからだのしくみ」の科目の最近の出題傾向などを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
試験科目「こころとからだのしくみ」を対談形式で解説発達と老化の理解
試験科目「発達と老化の理解」からは、発達心理学や老年学に関する知識が出題されます。
人間は未熟な状態で生まれてきますが、身体的・精神的・社会的な成長、発達をします。成長や発達のスピードは人それぞれですが、一定の過程を経ていくものです。これらについて理解しておくことは、人間を理解するうえで必要なことです。
また、高齢期になると、個別性が大きいものの、身体的な機能低下とともに、さまざまな症状や疾患を抱えながら生きていかなければなりません。高齢期によく見られる症状や疾患の特徴について学習しておきましょう。
「発達と老化の理解」の科目の最近の出題傾向などを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
試験科目「発達と老化の理解」を対談形式で解説認知症の理解
超高齢社会の進展とともに、認知症高齢者も並行して増加していきます。このような社会状況の中、介護福祉士は介護の専門職として、認知症について熟知していることが期待されています。
本科目「認知症の理解」からは、中核症状、行動・心理症状(BPSD)といった認知症特有の症状についての理解とその対応といった基本的な設問から、認知症の薬物療法や非薬物療法といった医学的な理解まで、幅広く出題されています。特に第35回の介護福祉士国家試験では、出題基準が改訂されたことにともなって、認知症高齢者に関する施策や取組みについての出題が多く見られました。
目の前の認知症高齢者に対して、どのような介護を提供することが適切であるのかといった実践力を高めるだけでなく、社会に期待されている介護福祉士であるために、認知症高齢者に対する制度的な理解や、社会資源等にも目を向けることができるように学習しておきましょう。
「認知症の理解」の科目の最近の出題傾向などを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
試験科目「認知症の理解」を対談形式で解説障害の理解
試験科目「障害の理解」で特に学習しなければならないポイントは大きく分けて3つです。まず、1点目は「障害」ということについてです。障害というのは極めて定義しにくく、さまざまな歴史的変遷を経て、議論を重ねてきました。こうした障害についての捉え方について理解しておきましょう。
2点目は、障害には、身体障害・知的障害・精神障害・発達障害があり、難病も含まれ広範にわたります。まずは、これらの障害がどのようなものであるか、その特徴や支援方法といった基本的なことをおさえてから、学びを深めるように進めましょう。
3点目は、障害児・者の支援の施策やしくみについてです。この点については、科目「社会の理解」と重複する部分もありますが、より障害のある当事者の立場に立った視点から、具体的に学習しておく必要があります。
現在、障害者支援は地域において展開されるようになってきたので、身近になりました。介護福祉士は福祉を担う専門職であるため、障害者がよりよい地域生活を送ることができるような視点を養っておきましょう。
「障害の理解」の科目の最近の出題傾向などを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
試験科目「障害の理解」を対談形式で解説医療的ケア
2011年(平成23年)の社会福祉士及び介護福祉士法の改正により、介護福祉士も厚生労働省令で定める医療的ケアの実施ができるようになりました。
社会の高齢化にともない、医療依存度の高い利用者も増加します。医療関係者だけでは、こうした利用者のケアを十分に行うことが困難であることが予想されることから、介護福祉士等も、一部の医療行為を担うことによって、家族等の介護負担の軽減を図ることが期待されています。しかし、医療行為であることから、その実施は慎重に行われなければなりません。
本科目「医療的ケア」においては、本来、医療行為は医療関係者の業務独占の行為であるため、介護福祉士が実施することの法制度上の知識について学習しておきましょう。
喀痰吸引・経管栄養については、実施の流れ、留意点を学習しておく必要がありますが、一つひとつの行為について、「なぜそのように行わなければならないのか」という根拠を理解するように努めましょう。
そして、実際に医療的ケアを実施することはないとしても、介護福祉士として、医療依存度の高い人のケアにあたることがありますから、医療行為を必要とする利用者の観察のポイントを学習しておくことによって、医療関係者との連携が深まります。そして、利用者のより良い生活の実現に向けた介護実践ができるようになりましょう。
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試験科目「医療的ケア」を対談形式で解説日本全国の介護福祉士国家試験・合格者が利用している
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介護福祉士の合格請負人が各試験科目を対談形式で解説します
介護福祉士国家試験の各試験科目のポイントを対談形式でまとめましたので、宜しければ以下の科目リストから、是非チェックしてみてください。
皆様の介護福祉士国家試験の合格に向けての一助になれましたら幸いです。
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元ユニットリーダー研修指導者。10年在籍した介護老人福祉施設の現場では、研修受け入れ担当者として、年間100名以上の研修生の指導にあたる。湘南国際アカデミーでは、介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士国家試験受験対策講座の講師や介護福祉士受験対策テキストの執筆などを担当する傍ら、ケアする側もケアするという立場で、介護をする側のQOL向上のためのイベントや総合的なサポートを手掛けている。
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
【所持資格】
介護福祉士、介護福祉士実習指導者、介護支援専門員、福祉用具専門相談員
元学校法人九里学園 浦和短期大学実習指導担当、元学校法人帝京大学 帝京大学福祉・保育専門学校 講師。社会福祉法人神奈川社会福祉協議会かながわ福祉人材センターキャリア支援専門員などを経て、湘南国際アカデミー学院長へ就任。現場経験も豊富な教育のプロとして、心に響く講座が大人気。特に介護福祉士国家試験の受験対策講座においては受講生の合格率が95.1%(2023年5月現在)まで向上し、直前対策講座や模擬試験など数々の人気講座をプロデュース。
その他、次世代の教育者の育成にも力を入れており、湘南国際アカデミーの実務者研修教員講習会の講師を務め、今までに200名以上の教員育成の実績がある。執筆活動においては、湘南国際アカデミーの介護福祉士受験対策講座のテキストや同じく介護福祉士受験対策のeラーニング「受かるんです」をはじめ、過去には「うかる!介護福祉士合格コーチ」「現場に役立つ介護福祉士実習の手引き」などがある。
【所持資格】
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員