こんにちは!
湘南国際アカデミーで介護職員初任者や実務者研修、介護福祉士受験対策講座の講師及び総合サポートを担当している江島です!
2021年(令和3年)第33回介護福祉士国家試験を受験された皆さま、本当にお疲れ様でした。
受験を終えた皆さまは、インターネット上の解説速報などで自己採点はされましたか?
まだ解答速報を確認されていない方は、ぜひ当校ホームページの「解答速報」及び、全科目ごとに分けてご案内する「第33回介護福祉士国家試験 解答・解説」でご確認ください。
本日は、【認知症の 理解】から出題された問題の解答・解説を致します。
<領域:こころとからだのしくみ>
【認知症の理解】
問題77.
うつ病(depression)による仮性認知症(pseudodementia)と比べて認知症(dementia)に特微的な事柄として、適切なものを1つ選びなさい。
1 判断障害がみられることが多い。
2 不眠を訴えることが多い。
3 誇張して訴えることが多い。
4 希死念慮がみられることが多い。
5 抗うつ薬が効果的であることが多い。
解答:1
解説:うつ病と認知症は、似た症状がみられることがありますが、判断障害は認知症の特徴的な事柄です。
問題78.
日本における認知症(dementia)の原因のうち、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)の次に多い疾患として、正しいものを1つ選びなさい。
1 血管性認知症(vascular dementia)
2 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)
3 混合型認知症(mixed type dementia)
4 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)
5 アルコール性認知症(alcoholic dementia)
解答:1
解説:認知症の原因疾患として、脳の萎縮が起こるアルツハイマー型認知症が最も多く、次いで、脳梗塞や脳出血などが原因の血管性認知症が多くなっています。
問題79.
日本での認知症(dementia)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)以外の認知症(dementia)の患者数が増加している。
2 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)の有病率は、男性より女性が高い。
3 年齢が若いほど、認知症発症のリスクが高い。
4 生活習慣病(life-style related disease)と認知症発症には関連がない。
5 運動は認知症予防に無効である。
解答:2
解説:認知症の原因疾患のひとつである、アルツハイマー型認知症は、男性より女性の割合が多くなっています。
問題80.
認知症初期集中支援チームに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 認知症(dementia)の人は病院への入院や施設への入所をするべきであるという考えに基づいている。
2 既に認知症(dementia)の診断を受けている人への支援は含まれない。
3 家族への支援は含まれない。
4 支援期間は2~3年である。
5 チーム員会議を開催してケア方針を決定する。
解答:5
解説:認知症初期集中支援チームは、専門医、保健師、看護師、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士などをメンバーとするチームです。早期診断、早期対応に向け、認知症が疑われる人への訪問や、ケア方針を決める会議などを行います。
問題81.
クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 有病率は1万人に1人である。
2 プリオン病である。
3 認知症(dementia)の症状は暖やかに進行する場合が多い。
4 致死率は低い。
5 不随意運動は伴わない。
解答:2
解説:認知症の原因疾患のひとつである、クロイツフェルト・ヤコブ病は、指定難病のひとつです。原因は異常なプリオン蛋白と考えられており、プリオン病とも呼ばれます。
問題82.
レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 脳梗塞(cerebral infarction)が原因である。
2 初発症状は記憶障害である。
3 けいれんがみられる。
4 人格変化がみられる。
5 誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)の合併が多い。
解答:5
解説:レビー小体型認知症では、パーキンソン症状が出現するため、姿勢の傾きや嚥下機能の低下から、誤嚥性肺炎の合併に注意が必要です。
問題83.
Bさん(80歳、女性、要介護2)は,1年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)の診断を受け、服薬を継続している。
同居の息子は日中不在のため、週に3回、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用し、訪問介護員(ホームヘルパー)と共に活発に会話や家事をしていた。
不眠を強く訴えることが増えたため、1週間前に病院を受診したときに息子が主治医に相談した。
その後、午前中うとうとしていることが多くなり、飲水時にむせることがあった。歩くとき、ふらつくようになったが、麻痺はみられない。
バイタルサイン(vatal signs)に変化はなく、食欲・水分摂取量も保たれている。
訪問介護員(ホームヘルパー)のBさんと息子への言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「日中は横になって過ごしたほうがよいでしょう」
2 「歩行機能を保つためにリハビリをはじめませんか」
3 「嚥下障害が起きてますね」
4 「処方薬が変更されていませんか」
5 「認知症(dementia)が進行したのでしょう」
解答:4
解説:Bさんは、日中に眠気が残っている様子や、ふらつきがみられています。不眠を強く訴えることが増えたあと、主治医に相談していることから、不眠に関する服薬が関係している可能性が考えられます。
問題84.
認知症(dementia)の原因疾患を鑑別するときに、慢性硬膜下血腫(chronicsubdural hematoma)の診断に有用な検査として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 血液検査
2 脳血流検査
3 頭部CT検査
4 脳波検査
5 認知機能検査
解答:3
解説:慢性硬膜下血腫は、頭を打つなどの原因で、脳のなかに血のかたまり(血腫)ができ、認知症の症状を引き起こします。頭部CT検査で確認し、手術で血のかたまり(血腫)を取り除くことで、認知症状が改善する可能性があります。
問題85.
認知症(dementia)に伴う注意障害に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 周囲から物音が聞こえてくると,食事を中断したままになる。
2 毎日,同じ時間に同じ行動をする。
3 旅行の計画を立てることが難しい。
4 話そうとすることを言い間違える。
5 介護職員から説明を受けたことを覚えていない。
解答:1
解説:注意障害とは、他の刺激に気が移りやすく、注意力が散漫になる障害です。選択肢1が正解です。
問題86.
Cさん(87歳、男性 要介護5)は、重度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)である。
現在、介護老人福祉施設に入所しているが終末期の状態にある。できる限り経口摂取を続けてきたが、誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)を繰り返し、経口摂取が困難となった。
臥床状態が続き、声かけに対する反応も少なくなっている。医師から「死が極めて近い状態である」と伝えられた。
施設で看取ることになっているCさんへの介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 離床している時間をつくる。
2 会話によって本人の希望を聞く。
3 事前指示書を作成する。
4 苦痛があるかないか,状態を観察する。
5 本人の好きな食事を用意する。
解答:4
解説:Cさんは、終末期の状態にあり、医師から死が近いと伝えられています。苦痛の緩和を優先に考える状況にあるため、まずは苦痛の有無を確認することが必要です。
次回は、【障害の理解】から出題された問題の解答・解説を掲載いたします。
湘南国際アカデミーは、今後も皆さんの長期的なキャリア形成をサポートしております。
お手伝いできることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
綜合支援部TEL:0120-961-190
講師も募集しておりますので、ご興味のある方は実務者研修教員講習会などもチェックしてみてくださいね!
各科目ごとの解説はこちら
- 人間の尊厳と自立
- 人間関係とコミュニケーション
- 社会の理解
- 介護の基本
- コミュニケーション技術
- 生活支援技術
- 介護過程
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- こころとからだのしくみ
- 医療的ケア
- 総合問題
※引用:上記の各問題は、2021年(令和3年)第33回介護福祉士国家試験問題より抜粋
※この解答・解説は湘南国際アカデミー独自の見解によるものですので、実際の正解とは異なる場合があります。
※この速報の内容は事前の予告なく、内容を修正する場合があります。
※自己採点結果による「合否判定」のお問い合わせはお受けできませんので、ご了承ください。
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