こんにちは、湘南国際アカデミーで介護福祉士受験対策講座の講師や受験対策テキスト「介護福祉士国家試験・丸わかりテキスト」の作成に携わっている江島です。
本日は、「介護福祉士試験科目を対談形式で解説」の第4弾である試験科目「介護の基本」編です。
今回も私(江島)が、当校の介護福祉士受験対策講座や介護福祉士国家試験受験対策テキスト「介護福祉士国家試験・丸わかりテキスト」の著者である仲川一清に、科目の重要なポイントを質問していくことで、「介護の基本」の特色や受験対策に向けての考え方や勉強方法を分かり易く丁寧にお伝えしていきます。
一人でも多くの方の介護福祉士国家試験合格への一助になりましたら幸いです。
それでは、早速始めていましょう!
試験科目「介護の基本」の全体像と特色
Q1.
試験科目「介護の基本」の全体像と特色について教えてください。
A1.
「介護の基本」という科目に関しては、「介護福祉士さんは一体何をする人ですか?」というような視点から、介護の専門職として働く上で、何が求められているのかということについて学ぶ必要があります。
例えば、「障害がある利用者様には、どのような介護を提供する必要があるのか」というような問題は、「生活支援技術」という科目で出題されているのですが、「介護の基本」という科目には「生活支援技術」など他の科目で出題しきれない問題が出題されることがあります。
中には、一労働者として働く上での労働放棄に関する問題や医療的ケアに関する問題、感染予防に関する問題なども出てきます。そういった内容の問題も出てきますので、専門職として働く上での基盤というのがこの「介護の基本」という科目の特色になってきていますね。
「介護の基本」に関する最近の出題傾向
Q2.
「介護の基本」に関する最近の出題傾向と、その背景にある試験問題の出題者側が受験者に求めていることについて教えてください。
A2.
そうですね、この「介護の基本」という科目に出題される問題は、内容的には解きやすい問題が出題される傾向が多いと思っているのですが、この「介護の基本」という科目に限ったことではないですけれども、介護福祉士国家試験には時事ネタ、社会問題に関することが出題される傾向が強いですね。時事ネタ問題というのは、その時々の時代や社会で問題になっているようなところに絡んだ問題っていうことが出てきますので、この数年で気をつけるべき点がいくつかあります。
まず1点目が実際に話題にもなりやすい内容の一つに、虐待に関する問題が挙げられます。
虐待に関する問題は比較的取り沙汰されることが多いですし、障害者の施設でニュースになったというのが実際にありましたよね。そういった虐待に関する権利擁護に関しては、介護福祉士国家試験においても注目すべきこととして、この「介護の基本」という科目では一つの肝になってくるかなと思います。
あともう1点が言わずもがなではありますが、感染対策というところではやはり新型コロナがあった関係で、感染予防、あるいは感染症に関することです。
近年の新型コロナウィルスに関しては大きな影響を及ぼした感染症ではありますが、インフルエンザや食中毒に関することも大事ですね。具体的にはノロウィルスに関することも含めて感染症に対する理解というのが、最近の傾向として求められるようはなってきています。
こういったことに関しては、時事ネタとして出題される傾向が強いと思うので、恐らくここ数年は、こういった傾向は変わらないのではないかと思います。
介護福祉士国家試験では、出題者はそういうところも考えて出題してきますので、時事ネタや社会問題に関しての準備をしておいていただきたいですね。
「介護の基本」で点数を稼げるポイント
Q3.
「介護の基本」で点数を稼げるポイントを教えてください。
A3.
感染対策に関しては、現場の中で実際に学びながら実践していることもあり、「介護の基本」という科目では点は取り易いと思います。
過去問を見ていただくと分かるのではないかと思うのですが、意外とあまり勉強をしていなくても点数が取れる問題が出題されることが多い科目でもあります。
この「介護の基本」という科目では、介護福祉士を受験される皆様には点数を取りやすい科目であることを認識していただき、更に、これは必須ですよというのが「社会福祉士及び介護福祉士法」に関して出題される問題です。
この「社会福祉士及び介護福祉士法」に関する問題は点数を取りやすいのではないかと思っています。
そもそも介護福祉士になるのに、ベースになる法律があるわけですから、その法律のことを分かってないと意味がないということで、「社会福祉士及び介護福祉士法」に関しては、点数を取りやすいと思いますし、しっかりと学んでおかれるとよいと思います。
「介護の基本」で特に注意すべきポイント
Q4.
「介護の基本」で特に注意すべきポイントや絶対に落としてはいけない問題を教えてください。
A4.
「介護の基本」に関する科目で大事なポイントを挙げると、先ほども話した「社会福祉士及び介護福祉士法」はしっかり学んでおいてくださいねということですが、「社会福祉士及び介護福祉士法」といってもかなりボリュームがありますので、その中でも大事なポイントを学んでおく必要があります。
いくつか大事なポイントを挙げるとするならば、まず「介護福祉士の業(ぎょう)」に関することですね。「介護福祉士の業(ぎょう)」というのは反復継続して行う行為のことです。具体的には、心身の状況に応じた介護に関することですね。
この他には「介護福祉士としての義務」ですね。
それとよく出るのは「介護福祉士の登録」に関する問題も出題されています。具体的には名称独占に関することや介護福祉士として名乗るためには、登録が必要であるなどの問題はよく出題されていますね。こういったことに関しては、普通に当たり前のレベルで覚えておかないといけないですね。
それと、個人的に少し気になっていることがありまして、今後出題されるのではないかと思っているのが、罰則に関する問題です。
実は、罰則に関する問題が最近出題されていないので、そろそろ出題されるのではないかと思っていまして、当校で出版している介護福祉士国家試験「丸わかりテキスト」にも、罰則に関することは載せるようにしています。
罰則に関することでいえば、医療的ケアという科目ができたと同時に、実はいくつかの介護事業所は既に罰則の適用になっているケースも出てきています。
医療的ケアに関しては医療的ケアをするための条件が必要になってくるのですが、実際には利用者さんに対して、介護職員が医療的ケアを提供するための必要な条件が満たしていないにも関わらず、条件を満たしていない介護職員が医療的ケアの行為を行っているというケースがありました。今までにいくつかの介護事業所が介護保険の報酬カットなどの事案が出てきていますので、そういった罰則に関する問題も想定して介護福祉士の受験対策の準備をしておかれるとよいかと思います。
この試験科目では、「社会福祉士及び介護福祉士法」をはじめ「介護福祉士としての義務」や「介護福祉士の登録」、そして「罰則に関する問題」も意識して、できれば時事ネタに関してもアンテナを張る必要があるということですね。
受験予定の皆様の参考にもなったのではないでしょうか。
仲川学院長、本日もありがとうございました。
毎年の介護福祉士国家試験で90%以上の合格率を達成している
受験対策テキストやeラーニング、動画教材の詳細はこちら
元ユニットリーダー研修指導者。10年在籍した介護老人福祉施設の現場では、研修受け入れ担当者として、年間100名以上の研修生の指導にあたる。湘南国際アカデミーでは、介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士国家試験受験対策講座の講師や介護福祉士受験対策テキストの執筆などを担当する傍ら、ケアする側もケアするという立場で、介護をする側のQOL向上のためのイベントや総合的なサポートを手掛けている。
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
【所持資格】
介護福祉士、介護福祉士実習指導者、介護支援専門員、福祉用具専門相談員
湘南国際アカデミー
元学校法人九里学園 浦和短期大学実習指導担当、元学校法人帝京大学 帝京大学福祉・保育専門学校 講師。社会福祉法人神奈川社会福祉協議会かながわ福祉人材センターキャリア支援専門員などを経て、湘南国際アカデミー学院長へ就任。現場経験も豊富な教育のプロとして、心に響く講座が大人気。特に介護福祉士国家試験の受験対策講座においては受講生の合格率が95.1%(2023年5月現在)まで向上し、直前対策講座や模擬試験など数々の人気講座をプロデュース。
その他、次世代の教育者の育成にも力を入れており、湘南国際アカデミーの実務者研修教員講習会の講師を務め、今までに200名以上の教員育成の実績がある。執筆活動においては、湘南国際アカデミーの介護福祉士受験対策講座のテキストや同じく介護福祉士受験対策のeラーニング「受かるんです」をはじめ、過去には「うかる!介護福祉士合格コーチ」「現場に役立つ介護福祉士実習の手引き」などがある。
【所持資格】
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員