中澤みほ(国家資格キャリアコンサルタント)
この記事の監修者
大学でキャリアカウンセリングを学び、最年少でキャリアコンサルタント資格を取得。公共職業訓練校や大学の就職支援を担当し、企業向け研修のプロデュースも手掛ける。湘南国際アカデミーでは、介護資格教育や就職支援を通じ「介護する側のQOL向上」を目指し、受講生や企業から信頼を得ている。
介護の仕事に興味はあるけれど、未経験で無資格でも本当に働けるの?」とお悩みではありませんか?
実は、介護業界では未経験・無資格の方でもスタートできる求人が多く、活躍するチャンスが広がっています。
人柄や熱意が重視されるこの業界では、働きながら資格を取得し、スキルアップやキャリアアップを目指せるのも魅力の一つです。
本記事では、未経験・無資格でも可能な介護の仕事内容や、就職成功のポイント、資格取得のメリットについて詳しく解説します。
湘南国際アカデミーでは、介護業界でのキャリア形成をサポートしており、未経験からのスタートでも安心してチャレンジできる環境を提供しています。ぜひ最後までご覧いただき、介護の世界へ一歩を踏み出してみましょう!
介護未経験・無資格でも働ける理由とは?
介護業界では慢性的な人手不足により、未経験・無資格の方にも広く門戸が開かれています。重要視されるのは経験よりも「人柄」や「熱意」。未経験からでも始めやすい介護職の背景を解説します。
求められるのは人柄、熱意!
介護の経験や資格がない方でも、介護の仕事はできます。介護の仕事をしながら、後から初任者研修・実務者研修・介護福祉士などの資格を取得される方も珍しくありません。
介護は利用者さんと近い距離で接し、ご家族とのコミュニケーションも大切なので、未経験者の場合は人柄やコミュニケーション力、介護の仕事への熱意などが重要視される傾向があります。
湘南国際アカデミーでもたくさんの未経験者の方の就労をサポートしてまいりました!
そこで、当アカデミーのお仕事紹介アドバイザーに介護経験なし・資格なしの方ですぐに採用が決まる方の特徴を聞いてみました!
- 明るく、人とコミュニケーションを取ることが好きな方
- 介護の仕事をしたい動機が明確な方
- 将来こうなっていきたいという目標を持っている方
- 一つ一つの職歴が長い方
このような方は、割と早くお仕事が決まります。経験や資格がなくても、介護の仕事をしたい熱意や、将来の目標を持つことが大切ですね!
未経験、無資格の方の就労サポートを今まで幾度も経験いたしました。すぐにお仕事が決まった方の特徴は、
- 笑顔でご挨拶ができる方
- 相手の話をさえぎらないで、最後まで話を聞いてから回答ができる方
- 下を向かずに相手の目を見てコミュニケーションを取れる方
- ここで働きたいという意思をしっかり伝えられる方
などでしょうか。
介護業界の人手不足
介護未経験や無資格でも働ける背景と一つとして、介護業界の人で不足が挙げられます。
2019年の厚生労働省の調査によると、2025年度には223万人の介護人材を確保する必要があると推計されています。
単純計算で2019年から毎年5.3万人ずつ確保しなければならないということです。
介護業界では人材不足を解消するために、積極的に求人を出しており、介護未経験者・無資格者にもチャンスがひろがっています。
無資格で働ける介護の仕事内容とは?
無資格でもできる業務として、掃除・洗濯などの生活援助や送迎、事務作業などがあります。一方で、身体介助には資格が必要な場合もあるため、働きながら資格取得を目指すのがおすすめです。
介護施設での生活援助や身体介護
介護施設で過ごす利用者さんの居室の掃除や、洗濯、買い物代行など、生活援助は資格がなくでもできます。
介護施設での入浴介助やオムツ交換、ベッドと車いす間の移乗介助などの身体に触れる介助についても、資格は必要ありません。
ただ、身体が不自由な利用者さんを安心・安全に介助するためには、は正しい介護の知識と技術が必要です。
間違った方法で介助すると、ケガや事故につながることがあるので、初任者研修程度の介護の基本を身に付けておくと良いでしょう。
介護施設ではなく訪問介護サービスで働く場合は、生活援助・身体介護ともに資格が必要となります。
デイサービスなど介護施設への送迎
利用者さんをご自宅から介護施設へ送迎する業務には、介護の資格は必要ありません。
ただし、ドライバーをする場合は運転免許証が必要になります。
事務作業
介護施設の受付や、請求書の作成などの事務作業をする場合は、介護の資格がなくてもできます。
事務経験がある方で、介護分野に関わりたいかたは、事務職を探すのも良いでしょう。
未経験・無資格から介護職に就く方法
求人サイトや転職エージェント、施設への直接応募が主な方法です。湘南国際アカデミーでは、履歴書作成から面接対策までを無料でサポートしています。
介護職として働くための履歴書の書き方は、こちらの記事もご覧ください⇒【初任者研修は履歴書に書ける?正式名称と注意点を解説!】
求人サイトの活用
求人サイトのほとんどは無料で利用できますので、まだ登録していない方は、いくつか登録しておくと情報収集に便利です。
求人サイトには多くの情報が掲載されていますので、ご自身の希望する条件や勤務地など絞り込んで検索すると良いでしょう。
転職エージェントの紹介
人材紹介会社に登録すると、ご希望に合った求人が出た際にエージェントから紹介してもらうことができます。
湘南国際アカデミーのお仕事紹介もこれに当てはまります。
担当のお仕事紹介アドバイザーが履歴書の作成から面接までサポートしています!
施設への直接応募
介護施設のホームページや、ポスターなどで求人情報を掲載していることがあります。
応募先・問合せ先がその施設になっている場合は、直接応募します。
また知人の紹介などで直接応募するパターンもあります。身近に介護職の方がいる場合は、聞いてみると良いでしょう。
無資格で働く場合の制限について
資格なしでできない業務「身体介助」
身体介助とは、要介護者の身体に直接触れて行う、食事や着替え、入浴、排せつなどの介助です。
介護の資格を持っている人のみが、これらの介助を行うことができます。 ただし、介護施設内で行うサービスで、国家資格を取得している介護福祉士の指示の下であれば、資格を持っていないスタッフも限定的に身体介助を行うことが認められています。
知らないと違法行為になる可能性も
「利用者さんに頼まれたから」と行った行為が、無資格のため違法行為となる場合があります。
無資格の介護職が行ってはいけない業務について確認しましょう。
痰の吸引や経管栄養などの医療行為は、たとえ上長からの指示であっても無資格で行うことはできません。
実際に逮捕された例もあります。
一定の条件が必要となります。
・介護福祉士または一定の研修(喀痰吸引等研修)を受けた介護職員であること
・利用者の日常生活に必要であること
・医師の指示のもとであること
痰の吸引や経管栄養を行うために必要な研修は、資格の有無や保有資格の種類によって異なります。
下の表をご参照ください。
介護職区分 | 必要な研修など |
---|---|
介護職員 | 喀痰吸引等研修(基本研修+実地研修) +「認定特定行為業務従事者」登録 |
実務者研修 保有者 | 喀痰吸引等研修(実地研修) +「認定特定行為業務従事者」登録 |
介護福祉士 | 喀痰吸引等研修(実地研修) |
喀痰吸引等研修は経験・資格問わず受講できます。
未経験でも喀痰吸引を行う資格があることで、就職・転職に有利になりますので、是非検討してみてください!
将来的な資格取得への備え
最初は無資格で働き始めても、経験を積んでいく中で、資格を取得してさらにキャリアップしたいと思う方が多いです。
なので、職場を選ぶ際に資格取得支援制度があるか、資格を取得することでどんなキャリアが開けるのかもチェックしておくと良いでしょう。
資格なしで働く場合の給与や夜勤について
資格保有者との給料・年収の差
無資格の方と資格保有者ではどのくらい給料に差があるのか確認しましょう。
職場によっては、資格保有者に対し「資格手当」を支給しているため、そのような場合は資格保有者の給料の方が高くなります。
厚生労働省の調査では、無資格の場合と初任者研修保有の場合で比較すると、年収で21万円ほど差があることがわかりました。
資格による給料の差については介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)とは?のページでも詳しく解説しています。
目次2つ目「介護職員初任者研修修得のメリット3選」の内容
夜勤について
介護未経験・無資格の場合でも夜勤業務を行うことは可能ですが、一般的には1カ月~3カ月程度、日勤業務に慣れてから夜勤を行うことが多いようです。
職場によって夜勤の頻度が異なりますので、面接などで「夜勤は月にどのくらいか」など確認しておくと良いでしょう。
無資格で働くメリットとデメリット
無資格で働くメリットは、介護に触れながら自分に合うかを確認できること。一方、対応できる業務が限られ、資格保持者との給与差がある点はデメリットとなります。
メリット
- 働きながら介護に必要な知識や技術に触れられる。
- 自分に「介護職が合っているか」確認できる。
デメリット
- 対応できる業務が限定されている。
- 資格保有者に比べ給料が安い。
- 身に付く介護の知識や技術の内容が職場や指導者によって偏っていたり、違う場合があり、何が正しいのか分からなくなる。
無資格で介護の仕事を始めるメリット・デメリットはここに挙げたもの以外にもあります。
実際に介護士として働いているお知り合いがいらっしゃれば、お話を聞いてみるのも良いでしょう。
あなた自身の状況に合わせて、介護職員初任者研修などの資格を取得するかどうか検討してみてくださいね。
働きながら取得できる介護資格3選
おすすめ資格は「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」「レクリエーション介護士2級」。無資格で働き始め、資格取得でキャリアアップする方法を詳しく解説します。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の経験や知識がまったくない方でも、介護の基本的な知識と技術を学ぶことができます。
介護経験者の方で、基礎をしっかり学ぶために受講される方もいらっしゃいます。
「介護とは?」という基本的な考え方から、利用者さんの身体に負担をかけないベッドのシーツ交換方法や、介護者自身の身体の負担を軽くする介護技術など、座学と演習を繰り返しながら身に付けていきます。
湘南国際アカデミーでは、働きながらでも無理なく受講できるように、欠席した授業の振替補講や、講座の一部でオンライン授業を実施しております。
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、介護実務経験を積みながら介護福祉士国家試験を受験(実務経験ルート)する際に必要な資格です。
より幅広い利用者さんへの介護提供能力と、医療的ケアに関する知識・技術を身に付けます。
介護職員初任者研修と比較すると、ある程度経験や知識がある方を対象としていますが、受講に際して資格・経験は問いません。
湘南国際アカデミーでは、無資格・経験1年未満の方が介護福祉士実務者研修から受講される場合、サポート補講をご受講いただけます!
スケジュールやご予算などご都合で介護福祉士実務者研修から受講したい方は、是非お気軽にご相談くださいね。
レクリエーション介護士2級
レクリエーション介護士2級は、介護施設で行われるレクリエーションの企画~実施までを行うことができる資格です。
無資格でも介護レクリエーションを企画・実施することは可能ですが、資格を取得することで、レクリエーションと基本的な介護の知識を身に付けることができ、安心かつ楽しい介護レクリエーションを実施できるようになります。
2日程度で取得できる資格のため、歌・手芸・スポーツなど自分の趣味や得意なことで地域貢献したいと思われている方や、介護に関わりたいと思われている方におススメです。
湘南国際アカデミーでは、実務経験もセミナー経験も豊富でな大人気レクリエーション介護士2級認定講師の浅田先生と定村先生が担当いたします。
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