介護福祉士国家試験の全体像
介護の資格「湘南国際アカデミー」で、介護福祉士受験対策講座の講師や介護福祉士受験対策テキスト「丸わかりテキスト」の執筆に関わっている江島一孝です。
この度は、介護福祉士国家試験の受験要件から申込み手続き、試験当日の留意点、介護福祉士合格に向けてのポイント、効果的な勉強法、介護福祉士取得後のキャリアパスまでの一連の流れと全体像を分かりやすくまとめました。
一人でも多くの方の介護福祉士国家試験合格と、超高齢社会の日本を支える介護士の皆様が求める「最良のキャリア形成」を歩むための一助になりましたら幸いです。
介護福祉士国家試験の概要と目的
1987年(昭和62年)に社会福祉士及び介護福祉士法が制定され、1989年(平成元年)に第1回の介護福祉士国家試験が実施されました。そして2024年は第36回をむかえます。
国家試験はこれまで何度か改正が行われてきましたが、特に第35回には出題基準が変わりました。これは、介護福祉士に期待される役割が、社会の情勢とともに変化してきていることを背景としています。国や厚生労働省としては、社会情勢の変化とともに柔軟に対応できる専門性の高い介護福祉士の育成と、後に記述しますが日本人だけではなく外国人介護士の養成も踏まえて、介護福祉士国家試験のあり方を試行錯誤しているといえます。
介護福祉士国家試験の制度と特徴、出題傾向
第35回介護福祉士国家試験においても、残念ながら不合格となった受験者の方たちもおりますが、その一方で84.3%という過去もっとも高い合格率でした。
この背景には、いくつかの要因が考えられますが、その中の一つに日本語を母国語としない外国人介護士の受験者の増加も起因されていると考えられます。近年の出題傾向を見ていくと、複雑でわかりにくい表現やひっかけ問題のような内容は、以前よりも少しずつ減少してきているように思います。
同時にそれが意味することは、日本語を母国語としている方達にとっては、問題の内容がやさしくなってきているとも言えます。
介護福祉士国家試験で測られるスキルと合格基準
試験の合格率が年々高くなってきていますが、それでも不合格になってしまう方もいらっしゃいます。試験で不合格になってしまう理由は大きく2つ挙げられます。これらの理由を基に、試験で測られるスキルと合格基準を読み取ることができます。
介護福祉士国家試験で不合格になる理由の1つ目は、「知識不足」
これは単純な勉強不足と言えるのですが、試験で不合格になった方達に尋ねると、「現場で働いているのだから、実践の中で培った知識で合格するはずだと思っていた」という回答をする方がいます。たしかに、実践で培われた知識や技術というのは、専門職として大きな財産です。しかし、社会保障制度などは、現場の実践で馴染みのあるものではないでしょう。あるいは、障害者支援の仕事をしている人は、高齢者の身体介護の方法や認知症について詳しくないでしょうし、高齢者介護の仕事をしている人は、障害者について詳しくないでしょう。こうした内容も勉強しなければならないのです。
そもそも、介護福祉士は国家資格ですから、社会における活躍が期待される側面ももちます。したがって、社会そのものの理解や国民からの要請に応えなければならないものです。その介護福祉士が「介護保険って何ですか?」では、「そんなことも知らない国家資格なんて必要ないだろう」と社会や国民から思われてもしかたがありません。一見すると、日常の仕事に必要ないと思われる知識であっても、期待に応えるうえでは必要なのです。また、多くの知識をもっているからこそ、介護に幅がでてきます。日々の実践のなかで、「ああ、障害者総合支援制度ではこうなっていたな、だからこのように支援しよう」という場面が必ず出てきます。したがって、国家試験の勉強で無駄な知識はひとつもないということです。
介護福祉士国家試験で不合格になる理由の2つ目は、「介護に対する基本的な考え方のズレ」
ここ数年の介護福祉士国家の出題傾向として、事例を通じた問題が多く見られます。こうした設問は、知識があるかどうかだけでなく、その知識を実践的に理解しているかどうかを問うものです。さらに、知識を実践的に活用するためには、その根底にある、介護に対する考え方がともなうものでなければなりません。極端な例ですが、「立位の不安定な認知症のある利用者が、椅子から立ち上がろうとしている時の対応方法として適切なものを選びなさい」という問題があったとします。このときに、知識だけで解答しようとすると、「転倒する可能性があるな、転倒すると、大腿骨頸部骨折、撓骨遠位端骨折などのリスクがあるから転倒させてはいけない」と考え、「危ないので立たないでください」という誤った解答を選択してしまいます。これが基本的な考え方のズレなのです。介護福祉士として求められるのは、利用者本位にもとづく対応です。転倒するので立たないでと言えばいいのであれば、専門職など必要ありません。「どこに行きたいのだろうか」と考えようとする姿勢こそが専門職に求められます。こうした概念のズレは、すぐに理解できるものではありません。「介護とはどうあるべきなのか」「対人援助者としての姿勢はどうあるべきなのか」といった概念をくり返し学び、自身の中にじわじわとしみ込ませるような学習が必要です。
これらのポイントを抑えて学びを深めていくことが、介護福祉士国家試験で求められるスキルと合格基準に近づいていくために不可欠な要素といえます。
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介護福祉士国家試験の主な科目内容について
介護福祉士国家試験の主な科目内容を以下に挙げます。
各試験科目についてのポイントを知りたい方は、以下の表の試験科目名をクリックすると、各科目のポイントをご覧いただけます。
領域 | 試験科目 |
---|---|
人間と社会 | 人間の尊厳と自立 |
人間関係とコミュニケーション | |
社会の理解 | |
こころとからだのしくみ | こころとからだのしくみ |
発達と老化の理解 | |
認知症の理解 | |
障害の理解 | |
医療的ケア | 医療的ケア |
介護 | 介護の基本 |
コミュニケーション技術 | |
生活支援技術 | |
介護過程 | |
総合問題 | 総合問題 |
介護福祉士国家試験の難易度と合格率
介護福祉士国家試験の難易度は、他の国家試験や公的資格と比較して低く、合格率は非常に高いといえます。
例えば、近年の福祉業界の主要な国家資格や公的資格を例に挙げると分かり易いかと思います。
第35回(令和4年度)介護福祉士国家試験合格率:84.3%
第25回(令和4年度)精神保健福祉士国家試験合格率:71.1%
第35回(令和4年度)社会福祉士国家試験合格率:44.2%
第25回(令和4年度)介護支援専門員合格率:19.9%
合格率の動向
介護福祉士国家試験の合格率の動向は、以下の表にあるように年々上昇傾向にあります。特に、第35回介護福祉士国家試験の合格率は84.3%になっております。
必要な勉強時間とその他の国家試験との比較
介護福祉士に合格するために必要な勉強時間に関してですが、介護福祉士の「受験の手引き」の取り寄せ開始が毎年7月上旬で、毎年8月頃から受験の準備をするのが一般的です。仮に公休日が月に8日間あり、休みの日に2時間ほど勉強すると考えると、1か月あたり約16時間を試験勉強に費やすことができます。8月から試験日がある翌年の1月まで6か月間ありますが、年末年始などもあるので、少なめに考えて5か月間とすると、16時間/月×5か月=80時間となります。
この他にも、上記の時間に加えて受験対策講座やeラーニング、動画、オンライン講座などを受講することで、更に試験勉強の時間を確保することもできるでしょう。そして、忘れてはいけないのが介護福祉士国家試験の受験要件である介護福祉士実務者研修を修了するための勉強時間は、まさに国家試験対策に直結します。
何故ならば、介護福祉士国家試験に出題される試験問題は、全て実務者研修のカリキュラムから出題されるからです。
実際には、ここまで勉強する時間を確保できれば、よほど的外れな勉強方法でない限り合格すると思われます。
しかし、先ほど言及した社会福祉士や精神保健福祉士、介護支援専門員に関しては、合格するための難易度が更に高くなるため、介護福祉士の受験勉強に費やす時間より多くの時間数が求められます。
難易度と予備校の活用の効果
上記でも述べましたように、介護福祉士国家試験は他の国家資格や公的資格と比較しても難易度は低いと考えられますし、ある程度の時間を費やして試験対策をすれば、試験対策の参考書やインターネット上の過去問を解くなどして、自力で合格する確率は高い資格といえます。
しかしながら、多忙な介護職員の中には自発的に勉強をすることの難しさやハードルの高さもあり、通学型やオンライン型の介護福祉士受験対策講座を開催している予備校や介護系の学校に通うことも効果的です。
近くに予備校や介護系の学校がない場合や職場の勤務シフトとの兼ね合いが難しい場合、時間的に余裕のない方などは、コロナ渦で更に普及が広まったeラーニングや動画教材、オンライン型の受験対策講座などを利用することも効果的ですので、自分に合う勉強法を探して試験対策をすることをお勧めしています。
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介護福祉士試験の申し込みから合格発表までの流れ
介護福祉士の受験資格とその取得ルート
実務経験ルートの受験資格
介護福祉士の受験資格はさまざまですが、受験者がもっとも多い実務経験ルートについては次のようになっています。
実務者研修修了
①従業期間1095日以上
かつ
②従業日数540日以上
実務者研修修了
介護福祉士国家試験
従業期間3年以上(1095日以上)かつ従事日数540日以上+実務者研修(EPA介護士候補者以外)
従業期間3年以上(1095日以上)かつ従事日数540日以上+介護職員基礎研修・喀痰吸引等研修
実務経験とは、介護等の業務に従事していることが前提となっています。また、3年以上というのは、以下のとおりです。
①従業期間とは、実務経験の対象となる事業所および職種での在職期間
②従事日数とは、従業期間内において、介護等の業務に従事した日数
いずれについても、受験する年度の3月31日までに満たすことができれば、「見込み」で受験申込みが可能です。
大事なポイントとして、実務者研修は受験する年度の3月31日まで(第36回の場合)に修了することが条件です。詳しくは、下記の「公益財団法人社会福祉振興・試験センター」のホームページで確認しておきましょう。
また、試験の申込時に実務者研修を修了していない場合は修了見込証明書を提出し、国家試験終了後、修了証明書を提出することになっています。
修了証明書の提出がなければ、その試験は無効となってしまいますので、しっかりと「受験の手引」を確認しておきましょう。
介護福祉士国家試験「受験の手引」の取り寄せ先
公益財団法人社会福祉振興・試験センター
住所:〒150-0002
東京都渋谷区渋谷1丁目5番6号 SEMPOS(センポス)ビル
電話:(試験案内専用電話)03-3486-7559(音声案内)
(試験室電話)03-3486-7521(平日:9:30~17:00)
受験資格の有無や不明なことは、こちらで確認しましょう。
福祉系高校卒業ルートの受験資格
この場合は、実技試験が免除されていますので、「介護技術講習」、「介護過程」、「介護過程Ⅲ」のいずれかを修了または履修する必要はありません。
養成施設卒業ルート
文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定した学校または都道府県知事の指定した養成施設において、介護福祉士として必要な知識と技能を修めて卒業した方(実技試験は免除となります)
※引用元;公益財団法人社会福祉振興・試験センター「受験資格」より
経済連携協定(EPAルート)
公益社団法人国際厚生事業団が紹介した受入機関と締結した雇用契約に明示された受入施設において、研修責任者の監督の下で日本の介護福祉士資格を取得することを目的とした研修を受けながら就労するインドネシア人、フィリピン人及びベトナム人をいいます。
※引用元;公益財団法人社会福祉振興・試験センター「受験資格」より
介護福祉士国家試験申し込みの手続き
第36回介護福祉士国家試験の申し込み手続きは、2023年7月5日から順次開始いたしました。受験の申し込み手続きに必要な『受験の手引き」の取り寄せも開始いたしましたので、未だ取り寄せていない方はなるべく早めに取り寄せて手続きを進めることを推奨します。
必要書類と手続きの詳細
介護福祉士国家試験の受験申込みをするために必要な『受験の手引』の取り寄せ方法は2つあります。
➀公益財団法人社会福祉振興・試験センターウェブサイトより取り寄せる方法
試験センターウェブサイトに開設される『受験の手引』請求窓口よりオンラインで請求手続きをすると、郵送で届きます。
第36回介護福祉士国家試験用の書類請求窓口の開設は7月5日に開設しました。
受験の手引きの取り寄せ方(インターネットの場合)
『受験の手引』の取り寄せ方法がわからないという方が毎年いらっしゃるので、今年は『受験の手引』の取り寄せ方法を湘南国際アカデミー独自で作成し分かり易くまとめてみました。
以下のボタンからPDFファイルでご覧いただくことができます。
参考になりましたら幸いです。
②郵便はがきで取り寄せる方法
はがきの裏面に、あなたの郵便番号・住所・氏名・電話番号・必要人数(例:介護福祉士受験の手引き1人分)をはっきりと記入し、公益財団法人社会福祉振興・試験センターへ郵送します。予備を請求することはできません。1人1部のみ請求可能です。
第36回介護福祉士国家試験の申し込み手続きで、郵送はがきでの請求は2023年7月上旬から既に始まっています。
過去に受験を申込みをしたことがある方
過去の試験(第10回~第35回)の受験票を受け取った方で、証明書を提出し受験資格が確定している方は、インターネットから受験申込みが可能です。
この場合、『受験の手引』を請求する必要はありません。
介護福祉士国家試験の受験申込書の提出期間
第36回介護福祉士国家試験【令和5年度(2024年1月実施)】
2023年8月9日(水)から9月8日(金曜日)まで※消印有効
受験申し込みの流れ
上記で述べた介護福祉士国家試験『受験の手引き』を取り寄せてから、実務経験ルート「実務経験(3年以上介護等の業務に従事した方)+実務者研修」での受験を希望される方は、実務者研修の修了証明書と受験申込書、現在勤めている会社に「従事日数内訳証明書」(指定様式)の発行依頼が必要になります。
第36回介護福祉士国家試験の受験申込時に注意すべきポイント
- 同じ期間内に複数の事業所等に所属してきた方は、それぞれの事業所等で「従事日数内訳証明書」(指定様式)が必要です。
- 受験申し込みをする際に、実務経験を満たしていない場合は、試験実施年度の3月31日までに従業期間・従事日数が既定の日数以上になる見込みの方は、「実務経験見込み」として受験することができます。
- 実務者研修を未だ終了されていない方は、実務者研修修了見込証名書を提出する必要があるため、在籍している教育機関で入手してください。
受験の心構えと試験日や試験会場への対応
介護福祉士国家試験に落ちてしまった人の話を聞いてみると、試験内容そのものに関する知識・理解が不足しているということもありますが、そもそも試験を受ける姿勢ができていないという人が大多数を占めています。試験勉強をいくらしても、試験に臨む姿勢ができていなければ落ちてしまうのは当然です。いわば、バットを持たずにバッターボックスに立つようなものです。試験当日をシミュレーションして、「受験のための心構え」をつくっておくことも非常に大切です。以下の点に留意しておきましょう。
試験日のスケジュール
介護福祉士国家試験当日の試験内容とタイムスケジュールは以下の表のように構成されています。
【国家試験前日までの心構え】
1.体調管理を万全に!
試験は1月に行われます。感染症が猛威を振るう時期です。試験会場を見回すと、明らかに体調を崩しているだろうと思われる受験生を多く見受けます。試験当日に向けて、手洗い・うがいなどを徹底し、体調を万全にしておきましょう。
2.試験会場は事前に確認!
試験当日の会場は下見をしておくことをおすすめします。できれば、試験当日と同じ日曜日がいいでしょう。特にバスを利用しなければならない会場では、時刻表の確認をしておきましょう。本数が少なくて慌てたり、受験生が同時刻に集中し、乗りきれなかったりすることがあります。
3.服装に気をつける!
試験会場によっては、空調の効きが悪いということがあります。暖かい服装にしていっても損することはありません。また、膝掛けなどを用意しておくと
よいでしょう。
4.忘れ物に注意!
意外と多いのが忘れ物です。信じられないかもしれませんが、「受験票を忘れた」、「筆記用具を忘れた」ということが結構あります。前日にはしっかりと確認しておきましょう。
5.腕時計を持参!
会場内には、時計が設置されていません。試験開始、試験終了の合図はすべて放送により行われます(試験開始後30分、試験終了10分前にアナウンスあり)。したがって、腕時計を持参しておくようにしましょう。もちろん携帯電話やスマートフォンでは確認できません。
【国家試験当日の心構え】
1.トイレの場所を確認しておくこと!
休憩時間にトイレが大混雑になるおそれがあります。会場に着いたらトイレの場所を確認しておきましょう。複数箇所のトイレを確認しておくと安心です。
2.わからない問題は引きずらないこと!
試験には一定数の難問が含まれています。ところが、わからない問題がある
と「もうダメだ」と、心が折れてしまう受験生が多いようです。わからない問題は「これは落とすための問題だ」と割り切り、次の問題に集中するようにしましょう。
3.休憩時間でリズムを崩さないように!
休憩時間が長いです。この時間にリズムを崩してしまったり、緊張感を失ってしまう人もいるようです。外の空気を吸ったり、散歩してみるなど、リフレッシュするのもよいでしょう。試験に向かう気持ちを持続させておきましょう。
介護福祉士国家試験の試験科目の内容と出題数
介護福祉士国家試験の試験科目と各科目からの出題される問題数を以下の表にまとめました。
介護福祉士試験科目の内容 | 出題数 |
---|---|
人間の尊厳と自立 | 2問 |
人間関係とコミュニケーション | 4問 |
社会の理解 | 12問 |
こころとからだのしくみ | 12問 |
発達と老化の理解 | 8問 |
認知症の理解 | 10問 |
障害の理解 | 10問 |
医療的ケア | 5問 |
介護の基本 | 10問 |
コミュニケーション技術 | 6問 |
生活支援技術 | 26問 |
介護過程 | 8問 |
総合問題 | 12問 |
合計 | 125問 |
介護福祉士国家試験の内容②※第35回の実績より
介護福祉士国家試験の合格基準
介護福祉士国家試験では、次の2つの条件を満たした場合に合格となります。
条件1
総得点の60%程度を基準として、
問題の難易度で補正した
点数以上の得点があった者
条件2
試験科目11科目群すべてにおいて
得点があった者
介護福祉士の合格基準の条件1
問題の総得点の60%を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点を取ることが必要です。
125問の60%なので75点ですが、平均点が高ければ、75点の得点があったとしても,補正されて不合格になる可能性があります。一方、70点だったとしても、平均点が低ければ、補正されて合格する可能性もあります。
近年の傾向を勘案すると、少なくとも80点以上は得点したいところです。
介護福祉士の合格基準の条件2
試験科目である11科目群のすべてにおいて得点するということです。科目群については、当ページの表「試験の内容」をご確認ください。
たとえ100点以上得点できていたとしても、1科目群でも0点があった場合は不合格となってしまいます。つまり、ムラなくすべての科目についての学習をする必要があるということです。尚、試験科目の特色や要点をまとめて確認したい方は、こちらの記事もご覧ください。
その他、実技試験の内容と対策
介護福祉士国家試験の実技試験に関しては、実務経験ルートで受験される方は介護福祉士実務者研修が受験要件に加えられてから、受験する必要がなくなりました。主な理由としましては、実務経験3年以上の介護現場での経験と、介護福祉士になるために必要な学習内容を実務者研修カリキュラムで網羅されているため、実務者研修を修了することで介護福祉士に求められる実技に関する知識や技術、実技といったものを習得できる又は担保できるという観点から、実技試験を実施する必要がなくなったということです。
※但し、以下の引用情報に該当する方は実技試験の免除が受けられません。
引用;介護福祉士国家試験の実技試験が免除されない方
以下の、いずれかに該当する方は実技試験が免除されません。
b 学校教育法による高等学校又は中等教育学校であって文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定したものにおいて、社会福祉士介護福祉士学校指定規則別表第5に定める高等学校等に係る教科目及び単位数を修めて、同法第90条第2項の規定により大学への入学を認められた者
c 学校教育法による高等学校又は中等教育学校(専攻科及び別科を除く。)に
おいて社会福祉士及び介護福祉士法施行規則等の一部を改正する省令(平成20年厚生労働省令第42号)第1条の規定による改正前の施行規則(以下「旧施行規則」という。)別表第1に定める教科目及び単位数を修めて卒業した者
d 学校教育法による高等学校又は中等教育学校において旧施行規則別表第1に
定める教科目及び単位数を修めて、同法第90条第2項の規定により大学への入学を認められた者
e 学校教育法による高等学校又は中等教育学校の専攻科(修業年限2年以上の
ものに限る。)において旧施行規則別表第2に定める科目及び単位数を修めて卒業した者
f 平成26年3月31日までに学校教育法に基づく高等学校又は中等教育学校で
あって文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定したものに入学し、当該学校において3年以上(専攻科において2年以上必要な基礎的な知識及び技能を修得する場合にあっては、2年以上)介護福祉士として必要な基礎的な知識及び技能を修得した者であって、業務範囲通知に規定する介護等の業務に9月以上従事した者(令和6年3月31日までに9月以上従事する見込みの者を含む。)
g 平成28年4月1日から平成31年3月31日までに学校教育法に基づく高等学校又は中等教育学校であって文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定したものに入学し、当該学校において3年以上介護福祉士として必要な基礎的な知識及び技能を修得した者(hに掲げる者を除く。)であって、業務範囲通知に規定する介護等の業務に9月以上従事した者(令和6年3月31日までに9月以上従事する見込みの者を含む。)
h 平成28年4月1日から令和2年3月31日までに学校教育法に基づく高等学校又は中等教育学校であって文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定したものに入学し、当該学校の専攻科(修業年限が2年以上であるものに限る。)において2年以上介護福祉士として必要な基礎的な知識及び技能を修得した者であって、業務範囲通知に規定する介護等の業務に9月以上従事した者(令和6年3月31日までに9月以上従事する見込みの者を含む。)
エ インドネシア、フィリピン及びベトナムとの経済連携協定等に基づく外国人介護福祉士候補者であって、業務範囲通知に規定する介護等の業務に3年以上従事した者(令和6年3月31日までに3年以上従事する見込みの者を含む。)
引用元;厚生労働省「第36回介護福祉士国家試験の施行について」
介護福祉士国家試験の合格発表とその後の手続き
合格発表日とその後の手続き
介護福祉士になるためには、介護福祉士国家試験に合格するだけでは介護福祉士として認められることはありません。国家試験に合格しても介護福祉士の登録手続きをしなければ、正式に介護福祉士にはなれませんし介護福祉士を名乗ることもできません。介護福祉士国家試験合格後の主な流れは以下の通りです。
介護福祉士の新規登録の申請手続きの流れ
(1)介護福祉士の登録資格要件を有していること。
(国家試験合格者または平成29年3月31日までの介護福祉士養成施設卒業者及び平成29年4月1日から令和9年3月31日までに介護福祉士養成施設を卒業し、経過措置による登録を受ける者)
(2)法令に規定された登録欠格事由に該当していないこと。
(下記1~3(介護福祉士養成施設卒業者は1~4)の提出が必要です)
➀『登録申請書』:登録免許税『収入印紙』の原本
(郵便局等で収入印紙を購入する。(介護福祉士9,000円))
②『貼付用紙』:登録手数料『振替払込受付証明書(お客さま用)』の原本
(郵便局等で払い込む。(介護福祉士3,320円))
③-1下記ア、イ、ウのいずれか1通
ア.戸籍抄本の原本
イ.戸籍の個人事項証明書の原本
ウ.「本籍を記載した」住民票の原本
③-2(外国の国籍の方)中長期在留者、特別永住者:「国籍等を記載した」住民票の原本
短期滞在者:パスポートその他の身分を証する書類のコピー
④【介護福祉士養成施設の卒業証明書の原本(必要とする対象者は以下参照)】
平成29年3月31日までに介護福祉士養成施設を卒業した者
平成29年4月1日から令和9年3月31日までに介護福祉士養成施設を卒業し、経過措置による登録を受ける者
(1)審査
(2)登録簿に登録
(1)提出された書類に不備がなければ、1か月程度で登録証を発送します(不備があった場合は、不備解消後から1か月程度で登録証を発送します)。
(2)レターパックプラスで発送するため、不在の場合は、郵便局より不在配達通知書が投函されます。保管期間内に受領するようにしてください。
手続き中に住所を変更した方は、郵便局に「転居届」を提出してください(登録申請書の住所欄が旧住所のままで登録申請をした場合は、通常の1か月程度でお手元に届くところ転送期間が追加となります)。登録証を受け取った後で、こちらから住所変更の手続きをしてください。または、同封している変更登録の手引の中の「住所変更届」を提出してください。
(3)上記期間以上経過しても登録証が未着の場合は、試験センターに送付したときの簡易書留の受領証をご用意のうえ、試験センター登録部へご連絡ください。
介護福祉士国家試験の受験者向けの情報
介護福祉士国家試験の試験合格に向けて活用できる学習ツールや教材選びのポイント、受験の申し込み手続きで間違ってはいけない注意すべきポイントについてお伝えいたします。
介護福祉士国家試験の試験対策について
介護現場で働く介護士の方達にとって、効果的な試験対策の方法を知ることは、介護福祉士合格への近道とも言えます。長年にわたり介護福祉士国家試験の受験対策講座にて、合格率90%以上を毎年達成してきた実績とノウハウを基に、効果的な勉強法をお伝えします。
特に近年では、介護福祉士国家試験の出題範囲の変更などもあり、「どこから始めればよいのかわからない」といった声も耳にします。
どこから、どのように始めていけばよいか、具体的に試験科目と勉強していく順番を分かり易く表にまとめましたので、是非参考にしてみてください。
介護福祉士国家試験対策・オススメの学習する順番とポイント
「介護の資格 湘南国際アカデミー」が、開催している介護福祉士受験対策講座で毎年90%以上の合格率を出してきた実績とノウハウから導き出してきたオススメの学習する順番とポイントを解り易く以下の表にまとめました。
受験生の皆様が今までに従事してきた職場の種類(高齢者福祉や障害者福祉等々)によって多少異なる場合がございますが、以下の表に示した項目の「学習期間の目安」や「介護福祉士試験対策で効果的に学習する試験科目の順番と内容」、「学習のねらいとポイント」を参考にしていただくことで、効率よく介護福祉士国家試験の合格に向けた受験勉強を進めて頂くことができます。
試験科目の特色や要点をまとめて確認したい方は、こちらの記事もご覧ください。
「介護福祉士国家試験の試験科目の特色や要点を解説!」介護福祉士受験対策オススメの講座
介護福祉士受験対策講座4日間【通学型】
無理なく合格を狙うための100%通学カリキュラムです。
仕事をしながら忙しい毎日の中で通信で一人で受験勉強するには自信がない・・・・。そんな卒業生の声にお応えして重要なポイントをわかりやすく絞って講義を行います。仲間と一緒に着実に合格力を身に着けていただきます。
介護福祉士国家試験模擬試験+回答解説【通学型】
例年多くの方が受験されている全国統一模擬試験が湘南国際アカデミーの校舎または開設する会場にて受けることができます。
模擬試験が終わった後には、講師による解説もあり、わからなかったことをその場で解決できると、受講された方々から好評を得ています。本番さながらのタイムスケジュールで本番の雰囲気・緊張感を体験する貴重な機会です。
介護福祉士国家試験直前対策講座1日間【通学型】
介護福祉士国家試験直前に、予想問題を解きながら解説を行います。
各試験科目の重要ポイントのみを丁寧に解説します。当校のオリジナル受験対策テキストも使用しますので、様々な問題に対しての解説を詳しく行います。
介護福祉士受験対策講座【オンライン型】
全国どこからでも受講可能で、厚生労働省「人材開発支援助成金」が使用できるお得な講座です。
介護福祉士国家試験直前の3日間で合格を後押し!介護福祉士国家試験の全科目の重要なポイントや決して間違えてはいけない問題を解説し、合格へ導きます。
講座や教材を選ぶ際のポイント
介護福祉士国家試験にかかわらず、各種国家試験を受験される際に予備校や塾などが開催している受験対策講座や各種教材を選ぶポイントは大きく分けて3つあります。
1つ目は、何といっても過去の実績である合格率を確認すること
該当する試験の全国平均などと照らし合わせた際に、検討している受験対策講座や教材を使用された受験者たちの合格率が高いものを選ぶことは理に適うといえます。
2つ目は、自身の置かれている状況に合うものを選択すること
どんなに合格率が高く素晴らしい講座があったとしても、学校が遠すぎたり、通える時間帯に通えないとなってしまっては意味がありません。
3つ目は、自分の勉強スタイルに合う教材を選ぶこと
読書好きで活字から情報を読み取ることが得意な方は、紙媒体のテキスト・教材や過去問題集を選ぶことは効果的といえます。しかし、中には活字よりも動画を視聴したり耳からの情報を得ることで学習効果が高くなる方もいらっしゃいます。
【テキスト・教材選びで注目したいポイント】
特にテキスト・教材を選ぶ際には、なるべく分かり易いイラストなどが多く使われているものを選ぶことをお勧めしています。理由は「画像優位性効果」が期待できるからです。
画像優位性効果とは、分かりやすく説明すると、人間が物事を記憶する際に文字で覚えるよりも画像を加えて覚えるほうが、記憶の効果が高いといわれている現象です。
画像優位性効果を数字を交えて説明すると、文章だけの伝達方法では72時間後には10%しか記憶に残りませんが、画像を加えて伝達を試みると、65%もの情報が記憶に残ることが分かっています。
介護福祉士国家試験では、社会保障制度や医療的ケア、人体の構造(臓器等)、一つひとつの介助の在り方にしても、文字で覚えるよりも画像で覚えるほうが覚えやすい内容が多数存在しています。
そういった点からもテキスト・教材の購入をする前にイラストの有無や量、分かりやすさなども確認できるとよいと思います。
そして、何よりもそれぞれの勉強スタイルに合わせた講座や教材などを選ぶことを強くお勧めします。
また、最近では介護福祉士の過去問題集をスマートフォンなどで解いていくWebの過去問題集なども登場していますので、先ずは無料の教材を利用してから、自分に合う講座や教材を探してみるのもオススメです。
人気の学習アプリとその活用について
介護福祉士国家試験「丸わかりテキスト」
同テキストは、毎年の介護福祉士国家試験科目別出題基準をはじめ、介護福祉士試験委員の公告で発表されてきた試験問題の出題者(委員)の先生方の専門分野や論文などを調査しながら、出題傾向を予想しながら合格するために必要な情報に焦点を置いて作成してきました。暗記中心の勉強法に頼らずに、落としてはいけない問題を確実に解き、合格に必要なポイントにのみ重点を置いた介護福祉士受験対策テキストです。
当校が毎年開催している介護福祉士受験対策講座で常に90%以上の合格率を築いてきた実績とノウハウをギュッと詰め込んだ一冊に仕上げており、日本全国の介護福祉士国家試験の合格者が使用してきた教材でもあります。
介護福祉士受験対策教材「動画で受かるんです」
介護現場で働いている多忙な介護士が、通勤時間や休憩時間時の隙間時間を有効に試験勉強に利用するために開発された最新の動画教材で、1本500円から始めることができます。
そして、上記で述べた「丸わかりテキスト」の各試験科目のページとQRコードで連動しているため、テキストと並行して使用することが可能です。
※動画の内容とテキストの内容が必ずしも一致するとは限りません。
動画は、セット購入以外に1本ずつ購入することができます。
「動画で受かるんです」介護福祉士国家試験スマホ問題集「スマホで受かるんです」
オリジナルの1問1答(約3,000問)形式と模擬問題(約500問)、過去問(過去8年分)を収録した圧倒的な問題数で制作しました。スマートフォンやパソコンなどで、いつでもどこでも試験勉強をすることができる問題集です。
問題集「スマホで受かるんです」介護福祉士国家試験Web過去問題集【無料版】
過去5年分の過去問を1問ずつ正解も不正解にも解説を付けたWeb過去問題集が登場しました!
なんと、解答率だけでなく時間管理機能をはじめ、回答する際に年度や科目ごとの選択が可能で、自分の学びたいところから始めることができ、更に最大30日間のログイン状態を保持する機能が備わっています。
この完成度で、無料で使える受験対策教材・アプリは、このWeb過去問題集だけです!
無料で使用できるユーザー数に限りがあるため、無料開放されている今がチャンスです。(無料版で始めた方は、無料で使い続けることができます)
Web過去問題集【無料版】合格者からのアドバイス
仕事と家庭で疲れて、夜にテキストを開けて勉強すると睡魔が襲う。朝、目覚めると罪悪感が…。夜は寝ると決めて、仕事場の休憩中やお風呂の時間などのスキマ時間を使って手軽にできる「受かるんです」で一問一答をして、お休みの日は過去問題やテキストを勉強しました。何度も同じところで間違えてしまい、モチベーションも下がるばかり。それでも反復を繰り返し行った結果、合格出来ました。
10年前から介護職をしているので、「高齢者の尊厳」や「コミュニケーション」の問題であれば感覚で解答できるかなと思っていました。しかし、最近の傾向が高齢者よりも障がい者寄りの傾向だという学院長の言葉を聴いてからは、ひたすらアカデミーの丸わかりテキストを暗記し、模擬試験を繰り返して、障がい者の部分を徹底して勉強しました。模試試験の時は体調不良で全く解答できず、本試験も自信がありませんでしたが、障がい者の部分を集中して勉強したので苦手を克服でき、予想を上回って無事に合格できました。
介護福祉士実務者研修とその必要性
介護福祉士の「受験資格とその取得ルート」に関する所でも説明しましたが、現在では介護福祉士を受験する大半の方が「実務経験ルート」で受験されており、「実務経験ルート」で受験される方は「3年以上の実務経験+介護福祉士実務者研修の修了」が必須となっております。
つまり、「実務経験ルート」で介護福祉士国家試験を受験する方は、実務者研修の修了が必須となっております。
介護福祉士実務者研修の内容
実務者研修の内容は、社会福祉制度、認知症の理解、医療の知識、障害の理解、介護技術、介護過程、痰の吸引、経管栄養などの科目から構成されており、通信添削課題の提出や授業への出席(実技テスト及び筆記テストの合格含む)が必要です。そして実務者研修のカリキュラムの総時間数は450時間以上で構成されています。
介護福祉士の受験向けて実務者研修を受講する際の注意事項
実務者研修を修了するためには、上記で述べた通信添削課題の提出と授業への出席(実技テストと筆記テストの合格)の他に、実は在籍期間が必要となっております。そして実務者研修を修了するために必要な在籍期間(時間数)は、所持している資格により異なり、所持資格によっては最大で6カ月の在籍期間を満了する必要があります。実務者研修の全ての授業と通信添削課題を終えても、所定の在籍期間(時間数)を満了するまでは実務者研修を修了することはできません。
そのため、ご自身の所持している資格を再度確認して、実務者研修を修了するまでに必要な在籍期間(時間数)を調べて、いつまでに開催される実務者研修に申し込めれば、介護福祉士国家試験の受験に間に合うのかを必ずご確認ください。以下の表をご参照ください。
所持資格 | 実務者研修 必要時間数 |
実務者研修 在籍期間 |
---|---|---|
介護職員基礎研修 | 50時間 | 1ヶ月 |
訪問介護員養成研修1級 (ホームヘルパー1級) |
95時間 | 1ヶ月 |
介護職員初任者研修 | 320時間 | 4ヶ月 |
訪問介護員養成研修2級 (ホームヘルパー2級) |
320時間 | 4ヶ月 |
生活援助従事者研修 | 410時間 | 5ヶ月 |
介護に関する入門的研修 | 430時間 | 5ヶ月 |
介護未経験・無資格 | 450時間 | 6ヶ月 |
所持資格により異なる実務者研修を修了するために必要な時間数と在籍期間の早見表
実務者研修を修了するために必要な時間数と在籍期間が、最大に必要な方でも、2023年10月開講までの実務者研修を受講すれば間に合いますが、所持資格の有無・種類に関わらず、第36回介護福祉士国家試験の受験申込期限までに、実務者研修の申込みを済ませて、「実務者研修修了見込証明書」と各種必要書類を簡易書留にて提出する必要があります。
【第36回介護福祉士国家試験・受験申込み期限】
2023年9月8日(金曜日)まで※消印有効
介護福祉士としてのキャリアパス
これまでは合格するための手順をお伝えしてきましたが、これから、合格に向けて一番大切なマインドの部分をお話したいと思います。何故マインドが大切かということですが、受験をする大多数の方が仕事や家庭生活と受験勉強を両立させるために、とても苦労します。ですが、その苦労をしてでも手にしたいのが、介護福祉士という国家資格ですよね。
ですので、介護福祉士を取得したら、どんなメリットがあるのか、それをしっかり皆さんには理解していただき「絶対介護福祉士を取得するんだ!」という気持ちにつなげていきましょう!また受験勉強を支え、応援してもらう家族やパートナーの方にも「私が介護福祉士取ったら、これからこんな風になれるんだよ!」と伝えることで、協力してもらいやすくなりますよ。
介護福祉士の資格取得のメリット
では、具体的に介護福祉士を取得することでどんなメリットがあるのでしょうか。
①お給料がアップする可能性がある
介護福祉士を取得することで、基本給を上げたり、資格手当をつける事業所が大多数です。基本給を上げてもらえることで、賞与(基本給をベースとして〇か月分などとすると)も上がる可能性が高くなりますよね。せっかく頑張って取得した国家資格ですから、しっかりと毎月のお給料に反映されると嬉しいものです。
②転職・就職に有利になる
介護福祉士を取得しているということは、介護現場で働くプロとして認められたということですから、転職や就職活動を行う際に非常に有利になります。履歴書の資格欄にもしっかりと「介護福祉士国家資格取得」と記入して提出しましょう。また、最近では介護福祉士を取得したら転職をする!と決めて試験勉強を頑張っている方も多く見受けられます。それも、モチベーションの一つですよね。
③リーダーや責任者などの働くポジションの変化
事業所の中には、フロアリーダーや役職者などに対して、介護福祉士の取得が条件になっているところもあります。法律での決まりがある訳ではありませんが、ご入居者様や現場で働くスタッフも、現場のプロとしての国家資格を持つ人が責任者であることで、安心感がありますよね。だからこそ、第35回の試験からは、コミュニケーションやチームマネジメント能力が出題範囲に追加されました。
キャリアアップと仕事の幅を広げるメリット
では、介護福祉士を取得した後にどのようにキャリアアップできるのか、これまで湘南国際アカデミーに届いた卒業生の声から、考えてみましょう。
・ずっとやりたかった認知症ケアのグループホームへ転職!
介護福祉士を取得するまでは大型の有料老人ホームに勤務していましたが、もっと認知症の方に寄り添ったケアをしたいと一念発起。介護福祉士を取得したタイミングで転職しました。面接では熱意が伝わり、管理者候補として入社できました。今は認知症介護実践者研修を勉強し、日々認知症の利用者さんと向き合っています。
介護福祉士取得をきっかけにパートから正社員になれました!
今の職場は正社員全員が介護福祉士を取得しており、私はパートで入社しましたが、皆さん仕事が早く、利用者さんの変化にもすぐに気づくことができ、いつかは自分も介護福祉士を目指したいな、と思っていました。職場で介護福祉士を受験することを話すと、みんなが応援してくれ、合格後に管理者から、正社員登用のお話もいただきました。これから現場でずっと頑張ります。
現場のケアと相談員の仕事を兼任しています!
介護福祉士を取得後、介護の仕事は好きだけれども、年齢を考えてずっと現場で働くことができるか不安を抱えていたところ、上司から相談員のポジションもやってみませんか?と声をかけられました。最初は戸惑いもありましたが、今では相談員としての仕事に誇りを持っています。介護福祉士の資格が仕事の幅も広げてくれました。
「学ぶ」側から「教える」側へ!初任者研修の講師を目指しています!
初任者研修を受講した時に、とても実技の教え方が上手な先生がいらっしゃり、自分もいつかあんな風に実技を教えることができる人になれたらいいなと漠然と思い描いていました。介護福祉士を取得したことで、今は初任者研修の補助講師を月に数回させていただいています。自分が覚えることよりも、人に伝えることの方が数十倍難しいと、実感していますし、そのことが現場で働く中でも、私自身の学びとなっています!
介護福祉士国家資格を取得することがゴールではなく、その先の新たなキャリアのスタートでもあるのです。
介護福祉士の年齢や給料についての事実
では、介護福祉士の年齢やお給料について見ていきましょう。
まず介護福祉士に登録をしているのが全国で約193万7千人(2023年5月時点,公益財団法人社会福祉振興・試験センター)とのことで、詳しい年齢層までは公開されていません。しかし、第35回の介護福祉士の合格者の年齢層では、41歳から50歳までの合格者が一番多く、41歳以上の合格者は全体の48%にもなります。と、いうことは過去に登録した方も年齢を重ねていますので、介護福祉士全体としても、半数以上は41歳以上なのではないでしょうか。
では、実際の現場では何歳まで介護福祉士として働けるのかということですが、多くの事業所が定年制もしくは再雇用制度などを使って、65歳以上の方も勤務しているのが現状です。人材不足と言われる業界だから、ということもありありますが、ご利用者様やご家族の立場に立って考えると、昨日まで来てくれていたスタッフがいなくなってしまうことほど、喪失感を抱えることはないとおもいます。
介護福祉士のお給料について
先ほどもお伝えした通り、介護福祉士を取得することで、基本給がアップするか資格手当がつく事業所が大多数です。金額にすると、1,000円~20,000円ほどと、事業所によって様々です。その金額が多いと感じるか、少ないと感じるかは皆さん次第ですが、問題はその先のキャリアの中で得られる収入です。
管理者となるのであれば、管理者手当がつくでしょうし、相談員など他の職種を同じ職場で兼任するのであれば、職務手当が見込めるかもしれません。その他にも、ケアマネや認知症実践者研修の修了で資格手当がつく場合もあります。また、副業として初任者研修の補助講師はゆくゆくは初任者研修の講師、実務者研修の講師として独立する方もいます。
年々、介護福祉士を取得する人が増え、介護の現場では、介護福祉士を持っていて当たり前という時代になりつつあります。
これから介護福祉士国家試験を受験する皆さまは、既に介護のプロであり専門職として社会を支えていらっしゃいますが、今後は介護福祉士としても一緒にこれからの社会を支えていきましょう。
今後も皆様の長いキャリア形成を支えることができるように、より良い教育をお届けできるように、わたしたち湘南国際アカデミーも一緒に成長してまいります。
毎年の介護福祉士国家試験で90%以上の合格率を達成している
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元ユニットリーダー研修指導者。10年在籍した介護老人福祉施設の現場では、研修受け入れ担当者として、年間100名以上の研修生の指導にあたる。湘南国際アカデミーでは、介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士国家試験受験対策講座の講師や介護福祉士受験対策テキストの執筆などを担当する傍ら、ケアする側もケアするという立場で、介護をする側のQOL向上のためのイベントや総合的なサポートを手掛けている。
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
【所持資格】
介護福祉士、介護福祉士実習指導者、介護支援専門員、福祉用具専門相談員