介護職の動向&意識調査の集計結果と所見
【2025年6月度】 介護職の最新動向&意識調査マンスリーレポート
このたび湘南国際アカデミーでは、以下の方針で「介護職の最新動向と意識」に関するアンケート調査を実施しました。
- 介護のやりがいや課題、働きやすさについて
- 現場で働く方々の“リアルな声”を社会へ届ける
- 介護業界の未来づくりに役立つヒントを探る
介護の仕事が社会でどのように捉えられているのか。
そして、実際に現場で働く皆さまが何を感じ、何を望んでいるのか。
その「本音」に耳を傾け、可視化することで、介護という仕事の価値や可能性を、より多くの人に正しく届けたい——
そんな思いから、この調査を行いました。
本調査は今回限りではなく、マンスリーで実施していく予定です。
今後も介護職員の皆様を中心に現場の声を拾い上げ、介護業界の理解と発展に貢献してまいります。
各企業様や各業界関係者様からのご意見やご要望も賜れますよう、ご協力の程お願い申し上げます。
新たな商品・サービスの共同研究から開発に関しましても、積極的に取り組んでおりますので、お気軽にお問い合わせください。
※この一覧に表示されている数値は、小数点以下第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しています。
Q
1.あなたの性別を教えてください。
A
回答内容 | 回答数 |
---|
男性 | 91 |
女性 | 365 |
その他 | 1 |
回答しない | 3 |
Q
2.あなたの年齢を教えてください。
A
回答内容 | 回答数 |
---|
20歳未満 | 1 |
20-29歳 | 15 |
30-39歳 | 33 |
40-49歳 | 120 |
50-59歳 | 215 |
60歳以上 | 76 |
Q
3.現在の雇用形態を教えてください。
A
回答一覧 | 回答数 |
---|
正社員 | 198 |
契約社員 | 29 |
パート・アルバイト | 212 |
業務委託契約 | 4 |
その他 | 17 |
Q
4.あなたの現在の勤務先の事業所種別を教えてください\
A
回答一覧 | 回答数 |
---|
特別養護老人ホーム(特養) | 54 |
介護老人保健施設(老健) | 22 |
介護医療院 | 2 |
グループホーム | 52 |
有料老人ホーム | 67 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 19 |
小規模多機能型居宅介護 | 23 |
デイサービス(通所介護) | 71 |
訪問介護(ホームヘルプ) | 47 |
訪問看護 | 1 |
居宅介護支援(ケアマネ事業所) | 0 |
病院(介護職として勤務) | 33 |
障がい者支援施設 | 39 |
その他 | 30 |
Q
5.あなたが現在保有している介護資格を教えてください。(該当するものをすべて選択)
A
回答一覧 | 回答数 |
---|
介護職員初任者研修 | 291 |
介護職員実務者研修 | 258 |
介護福祉士 | 230 |
認定介護福祉士 | 2 |
介護支援専門員(ケアマネジャー) | 4 |
社会福祉士 | 2 |
精神保健福祉士 | 1 |
介護予防運動指導員 | 3 |
福祉用具専門相談員 | 11 |
ガイドヘルパー(移動支援従事者) | 36 |
介護事務資格(ケアクラーク、介護保険事務など) | 14 |
その他 | 56 |
Q
6.介護業界での勤務経験を教えてください。
A
回答一覧 | 回答数 |
---|
1年未満 | 38 |
1~3年 | 112 |
4~6年 | 135 |
7~10 | 91 |
11年以上 | 84 |
Q
7.現在の職種を教えてください。
A
回答一覧 | 回答数 |
---|
介護職員 | 397 |
ケアマネジャー | 0 |
生活指導員 | 10 |
管理職 | 15 |
役員・経営者 | 3 |
その他 | 35 |
Q
8.介護職の魅力を感じる瞬間はどのようなときですか?(複数選択可
A
回答一覧 | 回答数 |
---|
利用者から感謝の言葉をもらったとき | 367 |
利用者のQOL向上や回復を実感したとき | 248 |
チームワークを発揮したとき | 171 |
昇格したとき | 19 |
昇給したとき | 65 |
賞与をもらった時 | 70 |
その他 | 29 |
Q
9.介護職を選んだ理由を教えてください。(複数選択可)
A
回答一覧 | 回答数 |
---|
人の役に立ちたいから | 265 |
資格を活かせる仕事だから | 132 |
仕事の安定性があるから | 92 |
友人や知人からのすすめ | 47 |
その他 | 98 |
Q
10.介護職として働く上での不安を教えてください。(複数選択可)
A
回答一覧 | 回答数 |
---|
身体的な負担 | 348 |
精神的な負担 | 270 |
将来のキャリア | 70 |
収入面・経済的な不安 | 277 |
その他 | 22 |
Q
11.介護職の仕事で最もストレスを感じる要因を選んでください。
A
回答一覧 | 回答数 |
---|
人間関係 | 179 |
業務内容の難しさ | 45 |
業務量の多さ | 95 |
給与・待遇 | 120 |
その他 | 21 |
Q
12.夜勤の負担について、どのように感じていますか?
A
回答一覧 | 回答数 |
---|
とても負担に感じる | 208 |
ある程度負担に感じる | 143 |
あまり負担に感じない | 56 |
全く負担に感じない | 53 |
Q
13.仕事を続けるために必要なサポートは何ですか?(複数選択可)
A
回答一覧 | 回答数 |
---|
身体的負担の軽減策 | 278 |
精神的負担の軽減策 | 246 |
人材不足の解消 | 336 |
経済的負担の軽減策①(福利厚生・手当の充実) | 260 |
経済的負担の軽減策②(昇給) | 245 |
職員の家族の介護の負担軽減策 | 73 |
職員の育児の負担軽減策 | 44 |
その他 | 18 |
Q
14.介護ロボット・ICTの活用に対する意向を教えてください。
A
回答一覧 | 回答数 |
---|
活用すべきだと思う | 233 |
どちらとも言えない | 205 |
活用しなくてもよい | 22 |
Q
15.現在の給与・待遇に満足していますか?
A
回答一覧 | 回答数 |
---|
とても満足している | 12 |
ある程度満足している | 146 |
あまり満足していない | 188 |
全く満足していない | 114 |
Q
16.経済的な安定度について、現在の収入で生活できていますか?
A
回答一覧 | 回答数 |
---|
余裕がある(貯蓄などもできている) | 19 |
ある程度の収入は得ている | 87 |
なんとか生活できる | 199 |
生活が厳しい | 116 |
生活できない | 39 |
Q
17.今後のキャリアプランについて教えてください。
A
回答一覧 | 回答数 |
---|
介護職を続けたい | 221 |
介護職を続けるか迷っている | 94 |
他法人の介護職に転職を考えている | 81 |
介護職ではない他の業種・職種への転職を考えている | 29 |
独立を考えている | 7 |
何も考えていない | 28 |
Q
18.転職する際に重要視する点を教えてください。
A
| 非常に重要 | 重要 | 普通 | あまり重要でない | 全く重要でない |
---|
給与・待遇 | 55.2% | 34.8% | 8.9% | 0.7% | 0.4% |
職場の人間関係 | 63.5% | 27.8% | 8.0% | 0.2% | 0.4% |
勤務地・通勤の利便性 | 52.2% | 37.2% | 9.6% | 0.9% | 0.2% |
仕事内容 | 42.6% | 45.4% | 11.5% | 0.4% | 0% |
キャリアアップの機会 | 24.3% | 39.3% | 29.3% | 5.0% | 2.0% |
勤務時間の柔軟性 | 42.2% | 41.7% | 14.6% | 1.3% | 0.2% |
Q
19.介護業界への就職・転職を知人に勧めますか?
A
回答一覧 | 回答数 |
---|
ぜひ勧めたい | 21 |
どちらかというと勧めたい | 160 |
あまり勧めたくない | 213 |
全く勧めたくない | 66 |
Q
20.介護職の離職理由として考えられる要因を教えてください。(複数選択可)
A
回答一覧 | 回答数 |
---|
仕事の内容が合わない | 162 |
将来的なキャリア形成に対し懸念がある | 60 |
給与・待遇 | 343 |
人間関係 | 339 |
身体的負担 | 323 |
精神的負担 | 283 |
家族の介護 | 52 |
育児 | 23 |
その他 | 6 |
Q
21.現在の職場の満足度を5段階で評価してください。
A
| 非常に満足 | 満足 | 普通 | 不満 | 非常に不満 |
---|
満足度 | 2.6% | 25.0% | 37.0% | 25.4% | 10% |
Q
22.あなたの国籍について教えてください。
A
Q
23.【外国籍の方のみ】 国籍を教えてください。
A
※「その他」回答内訳:ブラジル(1)
Q
24.あなたの職場では外国人スタッフが働いていますか?
A
回答内容 | 回答数 |
---|
はい | 212 |
いいえ | 224 |
わからない | 24 |
Q
25.外国人スタッフとのコミュニケーションで困った経験はありますか?
A
回答内容 | 回答数 |
---|
よくある | 41 |
たまにある | 133 |
ない | 111 |
外国人スタッフがいない | 175 |
Q
26.2024年以降、働き方や現場の雰囲気に変化を感じましたか?
A
回答内容 | 回答数 |
---|
はい | 75 |
いいえ | 249 |
どちらとも言えない | 136 |
Q
27.どのような点で変化を感じましたか(自由記述欄)
A
自由記述の回答概要は以下の通りです。
働きやすさの向上・環境改善 |
---|
福利厚生の改善(夜勤手当・特別休制度の見直し) |
ICT化の推進(タブレット入力や電子カルテ導入 |
ミーティングでの改善議論が活発化 |
人間関係の良化(言葉遣いが優しくなった、雰囲気が明るくなった) |
チームワークやコミュニケーションの向上 |
コメント抜粋「行政からの指導や施設長の交代で、施設内の雰囲気が明るくなった」
人手不足・業務負担の増加 |
---|
慢性的な人材不足(離職増、採用難、定着しない) |
派遣社員の増加と教育不足 |
1人あたりの業務量が増加 |
高齢入職者や技術不足の新人への不安 |
コメント抜粋「人手不足で身体的にきつく、現場の熟練者にさらに負担がかかっている」
人間関係・組織内の摩擦 |
---|
外国人スタッフとの文化的・言語的ギャップ |
評価や教育が行き届かず、現場の不満が蓄積 |
上司の意識が変わらないことへの失望 |
シフトや業務負担の不公平感 |
コメント抜粋「外国人が増えたが、結局日本人にしわ寄せが来てしまう」
経営・制度面での混乱や不満 |
---|
経費削減による物品や待遇の劣化 |
処遇改善が給与に反映されない |
介護報酬改定や訪問系サービスの撤退による影響 |
経営母体変更や一族経営による混乱 |
コメント抜粋「利益重視で現場が見えていない。職員への配慮が感じられない」
変化なし・まだわからない |
---|
「特に変化なし」「感じていない」 |
転職・新入職したばかりで比較できない |
コメント抜粋「勤務年数が浅くて、変化はまだ実感できません」
Q
28.あなたが日々の業務で重要だと感じる知識・技術・学びについて、各項目をそれぞれ評価してください。
A
項目 | 非常に重要 | 重要 | 普通 | あまり重要 でない | 全く重要 でない |
---|
認知症介護の基礎知識 | 50.9% | 40.0% | 6.3% | 2.0% | 0.9% |
認知症高齢者とのコミュニケーション技術 | 52.8% | 38.7% | 7.0% | 0.4% | 1.1% |
高齢者虐待防止に関する知識・対応方法 | 52.6% | 34.8% | 10.7% | 0.7% | 1.3% |
身体介護技術(移乗・排泄・入浴・食事介助など) | 56.5% | 33.7% | 8.7% | 0.2% | 0.9% |
基本的な介護知識(加齢による身体変化や疾病の理解など) | 45.7% | 42.2% | 11.5% | 0% | 0.7% |
危機管理・リスクマネジメント能力 | 56.3% | 35.4% | 7.6% | 0.2% | 0.4% |
利用者の生活歴・心身状況の観察・記録スキル | 44.1% | 43.9% | 11.1% | 0.4% | 0.4% |
介護計画、ケアプランの立案や多職種連携に関する知識 | 33.7% | 46.7% | 17.0% | 2.2% | 0.4% |
ストレスマネジメント・メンタルケア | 45.0% | 41.1% | 13.0% | 0.7% | 0.2% |
家族対応・相談支援力 | 37.8% | 46.7% | 13.3% | 0.9% | 1.3% |
Q
29.介護業界をより良くするために、現場から伝えたいことがあればお聞かせください。(自由記述欄)
A
自由記述の回答概要は以下の通りです。
給与・待遇の改善 |
---|
「給料が仕事内容に見合っていない」「ボーナスが少ない」「最低でも月40万円は必要」 |
多くの人が給与水準の引き上げを求めており、処遇改善や賃金底上げが最優先事項との声が集中。 |
人材不足と職場環境 |
---|
「人手不足で仕事がまわらない」「配置人数の見直しが必要」「スタッフが定着しない」 |
人材不足が過重労働・離職の原因となっており、抜本的な改善を求める声が多数。 |
教育・研修・資格 |
---|
「無資格で働けることへの疑問」「勉強の場の拡充」「実務に必要な知識の習得を支援してほしい」 |
教育制度の整備や資格取得支援を通じて職員の質を高めるべきという意見が多く見られました。 |
人間関係・チームワーク |
---|
「不仲な職員同士の影響が仕事に出る」「協力体制が必要」「雰囲気の改善を」 |
職場内の信頼関係・協力体制の構築が重要であるとする声が多く、ハラスメントの排除も求められています。 |
制度・仕組みへの提言 |
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「国の補助が足りない」「施設長や経営者は現場をもっと理解してほしい」 |
制度そのものや介護業界の位置づけに関する政策提言レベルの意見も多く、現場の声を国へ届けるべきという要望が目立ちます。 |
※当マンスリーレポート「介護職の動向&意識調査」の情報は、無償で公開しておりますが、引用や転載などをする際には引用した資料やURLを明確に記載することをお願い致します。
まとめ
介護職動向&意識マンスリーレポート 担当者
湘南国際アカデミー学院長。介護福祉士や社会福祉士などの資格を持ち、教育者としての豊富な経験を活かして次世代の介護人材育成に尽力。受講生合格率95.5%を達成した介護福祉士国家試験対策講座や200名以上の教員育成の実績を持つ。著書やeラーニング教材も手掛けるなど、幅広い活動を展開中。
介護職の実態、現場からの声が浮き彫りに
〜460人アンケート調査より〜
介護職に従事する460人を対象とした調査で、現場の実態と課題が浮き彫りとなった。回答者の約8割は女性で、年代では50代が最多。勤務形態はパート・アルバイトが46%と最も多く、正社員43%と続いた。
介護職の魅力としては「利用者から感謝の言葉をもらったとき」(367件)、「QOL向上を実感したとき」(248件)が上位に挙がり、利用者との関わりにやりがいを感じる傾向が明らかになった。
一方で、不安や課題として「身体的負担」(348件)、「収入面の不安」(277件)、「精神的負担」(270件)が目立つ。給与・待遇への不満は半数以上にのぼり、生活が厳しいと答えた人も少なくなかった。夜勤については45%が「とても負担に感じる」と回答し、勤務の偏りも大きな課題となっている。
また、外国人スタッフと働く職場は46%に上り、言語や文化の違いからコミュニケーションに苦労する声も聞かれた。2024年以降の変化については「大きな変化はない」とする意見が多数だったが、ICT導入や人間関係の改善を挙げる声もあった。
自由記述(264件)からは「賃金水準の引き上げ」「人材不足解消」「教育研修の充実」「人間関係改善」などの提言が相次ぎ、国や経営層への期待とともにAIロボット導入への期待も寄せられた。
調査からは、介護職が大きなやりがいを持つ一方で、待遇や環境面での課題に直面している実態が示された。現場の声を反映した制度改革と支援が急務となっている。
この記事を書いた人
元学校法人九里学園 浦和短期大学実習指導担当、元学校法人帝京大学 帝京大学福祉・保育専門学校 講師。社会福祉法人神奈川社会福祉協議会かながわ福祉人材センターキャリア支援専門員などを経て、湘南国際アカデミー学院長へ就任。現場経験も豊富な教育のプロとして、心に響く講座が大人気。特に介護福祉士国家試験の受験対策講座においては受講生の合格率が94%(2025年4月現在)まで向上し、直前対策講座や模擬試験など数々の人気講座をプロデュース。その他、次世代の教育者の育成にも力を入れており、湘南国際アカデミーの実務者研修教員講習会の講師を務め、今までに300名以上の教員育成の実績がある。執筆活動においては、湘南国際アカデミーの介護福祉士受験対策講座のテキストや同じく介護福祉士受験対策のeラーニング「受かるんです」をはじめ、過去には「うかる!介護福祉士合格コーチ」「現場に役立つ介護福祉士実習の手引き」などがある。
担当スタッフ
藤沢校・横須賀校・海老名校・相模大野校・横浜戸塚校・横浜馬車道関内校・小田原校・大和校・横浜二俣川校・横浜みなとみらいサテライト校・横浜金沢文庫サテライト校
【所持資格】