「ケアマネ(介護支援専門員)はいらない」という声は、利用者側の体験談から制度・人材問題まで、複数の要因が重なって生まれています。
本記事では、不要論が出る背景を整理したうえで、ケアマネの役割、典型的な不満パターン、制度改正やAIの影響、そして不満があるときの具体的な対処法までを俯瞰します。
結論として「合わない/機能していないケアマネ」は起こり得る一方、介護保険制度が続く限りケアマネジメントの必要性は残りやすい点を、根拠とともに解説します。
本記事は以下のデータを参照して執筆しています。
(参照:厚生労働省「介護支援専門員(ケアマネジャー)」)
(参照:厚生労働省「介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況等」)
「ケアマネいらない」論の背景
不要論は「個別の不満」と「制度・構造の課題」が混ざって語られがちです。まずは、なぜそう感じられるのかを論点別に分解します。
「いらない」と感じる一番のきっかけは、利用者や家族が期待した支援が得られない体験です。連絡が遅い、提案がない、話が噛み合わないといった不満が積み重なると、ケアマネの価値自体を疑いやすくなります。
一方で、ケアマネ個人の能力だけが原因とは限りません。担当件数の多さ、書類と監査対応の負担、制度上のルールによる手間が、動きたくても動けない状況を生み、結果として利用者には「何もしていない」に見えてしまいます。
さらに、介護保険の給付管理は公平性のために手続きが多く、サービスの限界もあります。できないことを説明されないまま期待が膨らむと、後で失望が大きくなり「結局いらない」という結論に飛びやすいのが構造的な問題です。
ケアマネの役割と必要とされる理由
ケアマネは単なる書類担当ではなく、介護保険サービスを本人の生活目標に沿って組み立て、関係者をつなぐ中核です。役割を具体業務に落とし込んで確認します。
ケアマネの本質は、介護保険というルールの中で、本人の暮らしを成立させるための設計と調整を担う点にあります。介護はサービスを足せば解決するとは限らず、本人の希望、家族の状況、医療的な制約、費用の上限が絡み合います。
この調整役がいないと、必要な支援が抜けたり、逆に目的のないサービスが増えたりして、本人の生活目標から外れやすくなります。結果として、時間もお金も使っているのに楽にならない、という事態が起こり得ます。
ケアマネは万能ではありませんが、制度・生活・多職種をつなぐ窓口が一つあることで、相談の行き先が整理され、意思決定が進みやすくなります。介護保険制度が続く限り、この「翻訳と調整」のニーズは残りやすい領域です。
ケアプラン作成とサービス調整
ケアプラン作成は、単にサービス名を並べる作業ではなく、生活全体を見立てるアセスメントから始まります。心身状態、暮らし方、住環境、家族の支援力、本人の価値観を整理し、短期目標と長期目標を置いたうえで、必要な支援を組み立てます。
次に、どの事業所を選ぶか、どの曜日・時間帯にどれだけ入れるか、費用負担や利用限度額の範囲内に収まるかを調整します。状態が変われば、区分変更の検討やサービス量の再調整など、プランを作り直す局面も増えます。
セルフプランという選択肢もありますが、必要書類の作成・提出、制度上のルール理解、事業所との調整を家族が背負うため、負担と情報格差が問題になります。特に緊急時や複数サービス併用では、調整コストが一気に跳ね上がる点が大きな違いです。
ケアプランについて詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください
利用者・家族の相談支援と意思決定支援
介護の困りごとは「何を使えばいいか分からない」よりも、「どれを選ぶべきか決められない」ことが多いです。ケアマネは選択肢を並べるだけでなく、本人の望む暮らしに照らして、優先順位を一緒に整理します。
家族の介護負担は見えにくく、限界が来てから表面化しがちです。早い段階で負担の兆候を見立て、レスパイト(休息)の取り方、見守り体制、費用の見通しを共有できると、在宅が破綻しにくくなります。
また、制度にはできること・できないことがあり、費用や回数にも上限があります。ここを曖昧にすると後で不信感になります。納得できる説明と合意形成を積み上げるのも、ケアマネの重要な役割です。
医療・介護の連携と多職種調整
退院後の生活や、病状が揺れる時期は、医療と介護の情報が分断されやすい場面です。ケアマネは、医師・看護師・訪問介護・訪問看護・リハ職・福祉用具・住宅改修などの情報を束ね、支援が途切れないように整えます。
連携が弱いと、必要な支援が抜ける一方で、別職種が同じ確認を重複して行い、本人の負担が増えることがあります。さらに、服薬管理や転倒リスクなどの重要情報が共有されないと、事故や再入院のリスクも高まります。
多職種は立場や優先事項が違うため、放置すると話が進みません。利害や役割を整理し、現実的な落とし所を作る調整は、机上の書類よりも価値が出やすい領域です。

介護福祉士・介護支援専門員
【監修者コメント】
「良いケアマネジャーがいるかどうか」で在宅継続の成否が大きく変わると言われることがあります。
担当件数が増え書類に追われる環境では、ケアマネ本来の調整力が発揮されにくくなります。
問題はケアマネという職種そのものではなく、「機能できる環境があるか」です。(参照:厚生労働省「介護支援専門員(ケアマネジャー))
ケアマネが「いらない」と感じやすい典型ケース
不要と感じる背景には「期待値とのズレ」や「見えにくい業務構造」があります。よくある不満パターンを把握し、原因と改善余地を見極めます。
| よくある不満 | 背景にある主な原因 | 改善のアプローチ |
|---|---|---|
| 連絡が遅い・返信がない | 担当件数過多・緊急案件の割り込み・確認待ち | 期限と緊急度を具体的に伝える・連絡手段を固定する |
| 提案がない・受け身 | 希望や優先順位が不明確で動けない | 「したいこと」「譲れない条件」を先に共有する |
| 何をしているか見えない | 書類・給付管理など利用者から見えない業務が多い | 面談後に要点・次のアクションを共有してもらう |
| 説明不足で不信感 | 選択肢・費用・リスクの後出し | 選択肢・根拠・費用・デメリットをセットで説明を求める |
| 相性が合わない | 言い方・専門用語・話の進め方のミスマッチ | 担当変更を検討。管理者や包括支援センターへ相談 |
連絡が遅い・提案が少ないと感じる
返信が遅い、こちらから聞かないと情報が出てこないと感じると、受け身で頼れない印象になります。特に、急ぎの判断が必要なときほど「いらない」が出やすいです。
ただし、遅れの背景には担当件数過多、緊急案件の割り込み、事業所や役所への確認待ちなど現実的な要因があります。提案が少ないのも、希望や優先順位が不明確だと、勝手に決められないため慎重になっている場合があります。
改善のためには、いつまでに何が欲しいか、緊急度はどれくらいかを具体的に共有するのが有効です。例えば「今日中に折り返しが必要」「来週の退院に間に合わせたい」など期限を明確にし、連絡手段も固定するとズレが減ります。
事務作業が多く現場支援が見えにくい
ケアマネの仕事は、モニタリング記録、給付管理、計画書の整備、監査に耐える書類管理など、利用者から見えにくい作業が大きな割合を占めます。そのため「家に来て話すだけ」と誤解されやすい職種です。
しかし、記録は単なる形式ではなく、支援内容の根拠や合意の履歴になり、トラブル時に本人を守る材料にもなります。書類が弱いと事業所が指導対象になり、結果としてサービス継続に影響することもあります。
納得感を上げるには、面談後に要点を短く共有してもらう、次回までの宿題と期限を確認するなど、プロセスの可視化が効果的です。見えない仕事を見える形に変えるだけで、不満が大きく減るケースがあります。
相性が合わない・説明不足で不信感が出る
相性問題は軽視できません。言い方がきつい、話を遮られる、専門用語ばかりで分からないなどが続くと、内容以前に信頼が崩れます。介護は生活の深い領域なので、信頼がないと合意形成が進みません。
説明不足で起きやすいのは、選択肢の提示がないまま一択に誘導されたように感じる、費用や回数の上限が後出しになる、リスク説明がないまま進む、といったパターンです。不信感が強まるほど「もういらない」に直結します。
対策としては、選択肢とその根拠、費用、メリットとデメリット、断った場合の代替案をセットで説明してもらうことです。口頭だけにせず、要点をメモに残すと認識ズレが減り、必要なら担当変更の材料にもなります。
ケアマネの資格は廃止になる?制度改正と不要論の真相
「廃止」という噂は制度改正の一部だけが切り取られて広がることがあります。試験・運営基準・役割変化の観点から現実的な見通しを整理します。
結論から言うと、介護保険制度の枠組みが大きく変わらない限り、ケアマネ資格そのものが急に廃止される可能性は高くありません。不要論は、制度改正で現場の負担や要件が変わったタイミングに出やすい傾向があります。
特に誤解が生まれやすいのは、試験制度の変更や受験資格の見直しで合格者が一時的に減った局面です。「なり手が減る=制度が終わる」と短絡しやすいですが、現実には需給調整や質の担保の文脈も混ざります。
受験者・合格者の減少と制度変更の影響
受験資格の厳格化や試験制度の変更があると、受験者数や合格者数は大きく動きます。これがニュースやSNSで切り取られ、「ケアマネが消える」「廃止が近い」といった噂につながりがちです。
ただ、数字は一時的な制度ショックで変動することがあります。重要なのは、長期的に見た高齢化の進展と、在宅・施設の双方で調整役が必要になる現実です。試験が難しくなったことは、需要がなくなったことと同義ではありません。
| 年度(回) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 主な変化 |
|---|---|---|---|---|
| 2017年度(第20回) | 131,560人 | 28,233人 | 21.5% | 受験資格厳格化前の最終回 |
| 2018年度(第21回) | 49,333人 | 4,990人 | 10.1% | 受験資格厳格化・合格者が約6分の1に激減 |
| 2021年度(第24回) | 54,290人 | 12,662人 | 23.3% | 合格率が10年ぶりに20%超え |
| 2024年度(第27回) | 53,699人 | 17,228人 | 32.1% | 厳格化後で最高の合格率 |
(出典:厚生労働省「介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況等」)
むしろ、担い手が減れば現場の負担が増え、連絡の遅れなど利用者が感じる不満が増幅します。不要論が出るほど、実は「良いケアマネが足りない」という問題が隠れていることもあります。
ケアマネジャー試験の詳細については、以下のページもご覧ください
主任ケアマネ要件など運営ルールの変更
居宅介護支援事業所の運営では、管理者要件として主任ケアマネが求められる方向性など、質管理を強化するルール変更が進んでいます。これが「一般のケアマネは要らないのでは」と誤解される一因です。
実際には、管理者により高い専門性とマネジメント力を求め、事業所全体のケアの質やコンプライアンスを上げる狙いがあります。一般ケアマネが不要になるというより、役割分担を明確にして、難しいケースを組織で支える体制に寄せる動きと捉えるのが自然です。
利用者側にとっても、ルール強化は書類が増える側面がある一方、説明責任や記録の質が上がれば、トラブル時の納得や安全につながります。改正の意図を理解すると、不要論だけでは語れないことが見えてきます。
ケアマネの将来性:需要・処遇・人材動向
将来性は「高齢化による需要」と「人材確保の難しさ」「処遇」の綱引きで決まります。市場・制度の両面から見通しを確認します。
ケアマネの将来性は、需要が増えるだけで自動的に明るくなるわけではありません。需要増に対して担い手が追いつかないと、現場は疲弊し、サービスの質のばらつきが大きくなります。
高齢化で需要はどうなるか
高齢化の進展により、要介護認定者が増える方向性は変わりにくく、在宅・施設のどちらでもケアマネジメントの需要は残ります。地域包括ケアが進むほど、医療・介護・生活支援のつなぎ役が重要になります。
増えるのは人数だけではありません。独居、認知症、老老介護、身寄りの薄いケースなど、調整が難しい条件が重なるほど、関係者が増え、合意形成のコストが上がります。
つまり、需要は量だけでなく難度でも増えます。ここに対応できるケアマネが評価される一方、体制が弱い地域では「対応が遅い」「いらない」と感じる体験が起こりやすくなります。
処遇改善と給与の見通し
処遇は介護報酬改定の影響を受け、加算の取り方や事業所の運営力で差が出ます。基本報酬が上がる局面があっても、書類負担や研修負担が増えれば、実感としての改善が追いつかないことがあります。
また、現場職からケアマネへ移ると夜勤がなくなる一方で、手当が減り、総支給が下がるケースもあります。収入だけで判断するとミスマッチが起きやすい職種です。
改善余地としては、特定事業所加算などの制度活用、業務分担とICT化による効率化、指導的役割の評価などが挙げられます。お金だけでなく、責任に見合う裁量と支援体制が整うかがポイントです。
ケアマネの高齢化と人手不足
ケアマネの年齢層が上がり、若手が入りにくい構造がある地域もあります。業務量の多さ、クレーム対応、書類のリスクが重く、続けるほど消耗するという声が出やすいことが背景です。
人手不足は、利用者が感じる体験の質に直結します。連絡が遅い、訪問が短い、提案が少ないといった不満は、個人の怠慢ではなく、キャパシティ不足で起きる場合があります。
持続可能性の鍵は、負担を個人に押しつけない設計です。事務作業の標準化、チーム制、相談先の明確化、困難事例の支援体制が整うほど、利用者側の満足度も上がりやすくなります。
AIでケアマネの仕事はなくなる?できること・できないこと
AIは「代替」より「補助・効率化」での導入が現実的です。どこまで自動化でき、どこが人の判断として残るかを切り分けます。
| 業務の種類 | AIで効率化できる | 人(ケアマネ)が担う |
|---|---|---|
| 記録・文書 | 面談メモの要約・計画書のたたき台作成・定型書類の下書き | 最終確認・説明責任・修正判断 |
| 情報整理 | 過去記録の整理・制度情報の検索・チェックリスト化 | 文脈理解・優先順位の判断 |
| 意思決定支援 | 選択肢の提示・データに基づく注意喚起 | 本人の価値観の引き出し・納得形成・最終判断 |
| 多職種連携 | 情報の整理・共有の下準備 | 立場の調整・利害の落とし所を作る交渉 |
| リスク察知 | 数値データの異常検知 | 虐待の兆候・生活の違和感の現場感覚による把握 |
(参照:厚生労働省「介護人材確保の現状について」)
AIで効率化できる業務(記録・書類・情報整理)
AIが得意なのは、文章の要約、定型書類の下書き、過去記録の整理、制度情報の検索、チェックリスト化などです。面談メモを整理して要点を抽出し、計画書のたたき台を作る用途は特に相性が良いです。
ただし、個人情報を扱うため、入力する情報の範囲や保存先、アクセス権限などの管理が不可欠です。便利さを優先して安易に外部ツールへ入れると、情報漏えいリスクになります。
また、AIの出力は誤りや偏りを含む可能性があるため、最終確認と説明責任はケアマネ側に残ります。効率化はできても、責任まで移るわけではない点が重要です。
ケアマネはAIでは代替しにくい業務(合意形成・調整・倫理判断)
本人の価値観を引き出し、迷いを整理し、納得できる形で決める支援は、対話の質に依存します。家族内の意見対立や、介護の限界をどう受け止めるかといった場面は、テンプレでは解決しません。
また、サービス事業所間の調整には、現場の事情や人間関係、優先順位の駆け引きがあり、単純な最適化では動かないことが多いです。さらに、虐待の兆候やリスクの違和感は、断片情報の総合と現場感覚が必要になります。
AIは提案や注意喚起はできても、納得を作り、責任を引き受けることはできません。ここがケアマネの専門性として残り続ける領域です。

介護福祉士・介護支援専門員
【監修者コメント】
湘南国際アカデミーで介護福祉士受験対策テキストの執筆や事業所向けスキルアップ研修のプロデュースに関わる中で感じるのは、AIが補助ツールとして現場に浸透しても「なぜそのケアプランなのか」を本人・家族に説明し納得を得る力は人にしか担えないということです。
AIは「正しそうな答え」を出しますが、「その人にとっての答え」は対話から生まれます。
ケアマネに不満があるときの対処法
不満を放置するとサービスの質だけでなく家族の負担も増えます。感情論にせず、制度上可能な手順で改善・変更を進める方法をまとめます。
不満があるときは、まず「困っている事実」を具体化し、改善できるかを確認するのが近道です。相手を責める形にすると関係が悪化し、連携が取りづらくなります。
次に、改善が難しい場合は担当変更や事業所変更を検討します。介護は継続支援なので、我慢し続けるより、合う体制に切り替えるほうが結果的に負担が減ることも多いです。変更は失礼ではなく、本人の生活を守るための選択肢の一つです。
担当変更の相談先と手順(事業所・包括支援センター)
基本の流れは、居宅介護支援事業所の管理者に相談し、改善策や担当変更の可否を確認します。多くの不満は、連絡ルールや面談頻度の調整で改善する余地があります。
それでも難しい場合は、事業所自体の変更を検討します。変更時は、ケアプラン、アセスメント情報、主治医やサービス事業所との連絡状況などを確実に引き継ぐことが重要です。支援が途切れると、困るのは利用者側だからです。
相談先に迷うときや、事業所と話が進まないときは、地域包括支援センターに相談します。第三者的な立場で整理し、適切な窓口につないでもらえることがあります。
要望を伝えるポイント(目標・頻度・連絡手段)
要望は「サービスを増やしてほしい」より、「どう暮らしたいか」を起点にすると伝わりやすいです。例えば「一人でトイレに行ける状態を維持したい」「週1回は家族が休める時間がほしい」など、生活目標として言語化します。
連絡面の不満は、頻度と手段を決めると改善しやすいです。電話が苦手ならメールやメモ、緊急時は電話など、ルールを先に合意しておくとすれ違いが減ります。また、優先度と期限を共有し、話した内容を簡単にメモで残すのがおすすめです。
ケアマネを目指す人向け:取る価値はある?
資格の価値は「転職のしやすさ」だけでなく、仕事の適性と業務特性を理解した上で判断することが重要です。向き不向きの観点から整理します。
ケアマネ資格は、介護分野でキャリアの選択肢を広げる一方、仕事内容は「支援」だけでなく「責任と調整」に比重があります。現場の介護とはストレスの種類が変わるため、理想だけで選ぶとギャップが出ます。
価値が出やすいのは、現場経験を土台にしつつ、制度を学び続けて調整役としての強みを作れる人です。医療・介護・家族の間で通訳をし、現実的な落とし所を作れると評価されます。
向いている人・向いていない人
向いている人は、調整役が得意で、対立や感情の揺れを扱う場面でも折れずに会話を続けられる人です。文章や記録が苦にならず、制度の変更を追い続ける学習習慣があると強みになります。現場経験は、机上では拾えない生活課題の感覚として活きます。
向いていない人は、曖昧な状況が強いストレスになる人や、クレーム対応で消耗しやすい人です。また、迅速な事務処理が極端に苦手だと、業務が詰まりやすく、自己効力感を失いやすい点に注意が必要です。
どちらにしても、介護現場の経験をどう活かすかが鍵です。居宅で調整力を磨く、施設で一体的に支える、包括で地域支援に関わるなど、志向に合う場を選ぶと資格の価値が具体化します。

介護福祉士・介護支援専門員
【監修者コメント】
湘南国際アカデミーには、初任者研修・実務者研修・介護福祉士受験対策を経て「次はケアマネを目指したい」という受講生が毎年います。
ケアマネは現場経験があってこそ輝く資格です。
制度と生活をつなぐ「翻訳力」は介護現場での積み上げによって身につくものであり、介護の資格ステップの先にある目標として価値があります。(参照:湘南国際アカデミー「ケアマネジャー試験の受験資格・日程・勉強法」)
ケアマネに関するよくある質問
「いらない」と感じる理由や制度上の疑問について、代表的な質問をQ&A形式で整理します。
- Q1.ケアマネは何件まで担当できますか?
- A
居宅のケアマネジャーは原則として1人あたり35件(標準担当件数)を上限の目安としており、最大40件まで担当できます。担当件数が上限に近い状態では、連絡や提案が手薄になりやすく、利用者が「いらない」と感じる不満の一因になることがあります。担当者に直接確認してみることも有効です。
- Q2.ケアマネの変更は何度でもできますか?
- A
回数の制限はありません。合わないと感じたら、まず事業所の管理者に相談し改善を求めましょう。それでも難しい場合は事業所自体の変更も可能です。変更時は、ケアプランや支援情報の引き継ぎを確実に行うことが大切です。迷う場合は地域包括支援センターに相談すると、手順を案内してもらえます。
- Q3.ケアマネなしで介護保険サービスを使えますか?
- A
セルフケアプランとして利用者・家族が自分でケアプランを作成すれば、ケアマネなしで介護保険サービスを利用することは制度上可能です。ただし、書類作成・サービス事業所との調整・給付管理をすべて自分で行う必要があり、専門知識がない場合は支給限度額の超過や支援の抜け漏れが起こりやすいため、実際の利用は非常に少ないのが現状です。
- Q4.主任ケアマネとケアマネはどう違いますか?
- A
主任ケアマネジャーは、通常のケアマネとしての実務経験を積んだうえで主任研修を修了することで取得できる上位資格です。居宅介護支援事業所の管理者要件として主任ケアマネが求められる方向性が強まっており、事業所のケアの質やコンプライアンス管理を担います。一般のケアマネが不要になるのではなく、役割を分担して組織全体で支える体制への移行です。
- Q5.ケアマネが廃止されるという情報は本当ですか?
- A
現時点で介護支援専門員の資格が廃止されるという公的な発表はありません。2018年度の受験資格厳格化で合格者数が激減したことが「廃止」と誤解されて広まったものです。その後、合格率は回復傾向にあり、2024年度(第27回)は32.1%と厳格化後で最高水準を記録しています。介護保険制度が続く限り、ケアマネジメントの必要性はなくなりません。
まとめ
「ケアマネはいらない」と言われる背景には、連絡の遅れや提案不足といった体験ベースの不満に加え、担当過多や書類負担など構造的な問題があります。不要論は、個人の問題と制度の問題が混ざって見えやすい点が特徴です。
一方で、ケアマネは介護保険のルールの中で生活を組み立て、本人と家族の意思決定を支え、多職種をつなぐ役割を担います。調整が必要なケースほど、この機能がないと支援の分断や抜け漏れが起こりやすくなります。
不満があるときは、目標と期限を明確にして要望を伝え、それでも改善しない場合は管理者や包括支援センターへ相談し、担当変更や事業所変更を検討しましょう。合わない担当者はあり得ますが、ケアマネジメント自体の必要性は、今後も残りやすいのが現実です。
ケアマネジャー(介護支援専門員)に関しての詳細は、以下のページをご覧ください
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介護の資格 湘南国際アカデミー
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▶「お電話でのお問い合わせ:0120-961-190」
(受付時間:9:00〜18:00/年中無休)
湘南国際アカデミーでは初任者研修・実務者研修・介護福祉士受験対策の講師を務めるほか、受験対策テキストの執筆も担当。
介護技能実習評価試験評価者として外国人介護士の受け入れ支援、事業所向けスキルアップ研修のプロデュースなど、人材確保・育成・定着に向けた幅広い活動を展開している。






