「実務者研修と介護福祉士は何が違うの?」「実務者研修を修了したら自動的に介護福祉士になれる?」——介護業界に興味を持ちはじめた方や、キャリアアップを考えている方からよく寄せられる質問です。
結論から言うと、実務者研修は介護福祉士になるための「必須ステップ」であり、取得しただけで介護福祉士になれるわけではありません。それぞれ役割も位置づけも異なります。この記事では、両者の違いを比較表・給与データ・受験ルートとあわせて、現役講師がわかりやすく解説します。
※この記事は2026年5月16日に更新しました。
実務者研修と介護福祉士の違いを一覧表で比較
まず、介護資格のキャリアパスを整理します。厚生労働省が定めるキャリアパスでは、介護職員初任者研修→実務者研修→介護福祉士の順にステップアップする構造が基本です。(参照:厚生労働省「介護人材に求められる機能の明確化とキャリアパスの実現に向けて」)
| 項目 | 初任者研修 | 実務者研修 | 介護福祉士 |
|---|---|---|---|
| 種別 | 公的資格 | 公的資格 | 国家資格 |
| 取得方法 | スクール修了 | スクール修了 | 国家試験合格 |
| 受講・受験資格 | 不要 | 不要 | 実務経験3年以上+実務者研修修了 |
| 総学習時間 | 130時間 | 450時間(免除あり) | —(試験対策が必要) |
| 費用目安 | 3〜10万円 | 8〜20万円 | 受験料18,380円+受験対策費 |
| 介護福祉士の受験資格 | ✕ | ○(+実務経験3年) | — |
| サービス提供責任者 | ✕ | ○ | ○ |
| 医療的ケア(基礎) | ✕ | ○ | ○ |
| 平均月収(令和6年度) | 324,830円 | 327,260円 | 350,050円 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」

介護福祉士
介護支援専門員
【監修者コメント】
実務者研修は「介護福祉士になるための通過点」と思われがちですが、修了することでサービス提供責任者という責任あるポジションに就けるなど、実務上のメリットも大きい資格です。私自身、介護老人福祉施設で10年間働きながら段階的に資格を取得してきました。どちらの資格も「取って終わり」ではなく、次のキャリアへの出発点です。
実務者研修とは?概要・取得方法・できることを解説
実務者研修(介護福祉士実務者研修)は、介護業務に必要な実践的な知識と技術を習得するための研修です。もともとは「ホームヘルパー1級」と「介護職員基礎研修」を統合した資格として2013年に誕生しました。
実務者研修の特徴
- 無資格・未経験でも受講できる
- 初任者研修修了者は一部科目(130時間分)が免除される
- 通信学習+スクーリング(通学)の組み合わせで修了できる
- 医療的ケア(喀痰吸引・経管栄養の基礎)を学べる
- 修了するとサービス提供責任者になれる
- 2016年度以降、実務経験ルートで介護福祉士国家試験を受けるには修了必須
実務者研修の受講時間と受講期間(保有資格別)
| 保有資格 | 在籍期間 | 学習時間 |
|---|---|---|
| 無資格 | 6ヶ月以上 | 450時間 |
| 初任者研修修了者 | 4ヶ月以上 | 320時間 |
| ホームヘルパー1級修了者 | 1ヶ月以上 | 95時間 |
| 介護職員基礎研修修了者 | 1ヶ月以上 | 50時間 |
湘南国際アカデミーでは通信学習をeラーニング「マナリエ」で行えるため、スマートフォンやパソコンから隙間時間に学習できます。スクーリング(通学)は神奈川県内9校舎・平日/土日/夜間から日程を選べるため、シフト勤務の方も受講しやすい環境です。
実務者研修の詳細・日程・費用についてはこちら
介護福祉士とは?介護唯一の国家資格である意義
介護福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法に基づく国家資格で、介護分野における唯一の国家資格です。公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」によると、2025年度時点の資格登録者数は約207万人にのぼります。
介護福祉士を取得することで広がること
- 職場での信頼・評価が高まり、資格手当が付くケースが多い
- 施設・訪問介護・病院・行政など全国どこでも通用する汎用性がある
- リーダー・管理職・サービス提供責任者へのキャリアアップの選択肢が広がる
- ケアマネジャー(介護支援専門員)の受験資格の一つになる(実務5年以上が条件)
- 実務者研修教員として、介護の指導者になれる
介護福祉士の仕事内容(身体介護・生活援助・相談業務・チームマネジメントなど)の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。
介護福祉士の仕事内容・キャリアパスの詳細はこちら
給与の違い|実務者研修 vs 介護福祉士 vs 無資格
資格取得によって給与はどう変わるのでしょうか。厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」のデータをもとに整理します。
| 保有資格 | 平均月収 | 前年度差 |
|---|---|---|
| 初任者研修 | 324,830円 | +13,540円 |
| 実務者研修 | 327,260円 | +13,770円 |
| 介護福祉士 | 350,050円 | +12,890円 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
実務者研修と介護福祉士の月収差は約2.3万円。年収換算では約27万円の差になります。また、令和6年度は前年度と比較していずれの資格区分でも給与が上昇しており、介護職全体の処遇改善が進んでいることがわかります。
なお、湘南国際アカデミーの介護福祉士受験対策講座の合格率は93.1%(2025年度実績)。資格取得までのサポートを一貫して提供しています。
介護福祉士になる4つのルート
介護福祉士国家試験の受験資格を得るルートは4つあります。社会人が働きながら目指す場合、多くの方が「実務経験ルート」を選択します。(参照:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」受験資格)
① 実務経験ルート(最多・社会人向け)
介護施設・事業所での実務経験3年以上(1,095日以上・従事日数540日以上)と、実務者研修の修了の両方を満たすことで受験資格が得られます。
- 働きながら収入を得つつ受験資格を得られる
- 費用が他ルートと比べて安価
- 実技試験が免除される
- 実務者研修の受講期間(最短4ヶ月〜)と実務経験を並行して進められる
② 養成施設ルート(学校卒業後の最短ルート)
厚生労働大臣・文部科学大臣が指定する介護福祉士養成施設(専門学校・大学など)を卒業することで受験資格を得るルートです。最短2年間で受験資格を得られますが、費用は実務経験ルートより高額になります。
③ 福祉系高校ルート
文部科学大臣・厚生労働大臣が指定する福祉系高校を卒業することで受験資格が得られます。高校在学中から介護を専門的に学ぶルートです。
④ 経済連携協定(EPA)ルート
インドネシア・フィリピン・ベトナムからEPA(経済連携協定)に基づいて来日した介護福祉士候補者が、3年以上の実務経験を経て受験資格を得るルートです。
| ルート | 主な対象 | 期間の目安 | 費用目安 | 実技試験 |
|---|---|---|---|---|
| ①実務経験ルート | 社会人・転職者 | 3年以上 | 実務者研修費のみ | 免除 |
| ②養成施設ルート | 高校・大学卒業後 | 2〜4年 | 学費200〜400万円程度 | 免除 |
| ③福祉系高校ルート | 高校在学中 | 高校3年間 | 一般高校と同等 | 原則免除 |
| ④EPAルート | 来日介護士候補者 | 3年以上 | — | あり |
受験資格の詳細(実務経験の対象施設・日数の数え方など)はこちら
実務者研修を修了したら介護福祉士を目指すべき理由
実務者研修を修了したら、ぜひ介護福祉士の取得を目指してください。理由は大きく3つあります。
① サービス提供責任者へのキャリアアップが可能
実務者研修を修了すると、訪問介護事業所でのサービス提供責任者に就くことができます。ケアマネジャーとの連携、訪問介護計画書の作成、ホームヘルパーへの指示・指導など、責任あるポジションです。さらに介護福祉士を取得することで、施設・事業所問わず幅広いフィールドでのリーダー職・管理職が目指せます。
② 試験内容が実務者研修の学習と重なる
実務者研修で学ぶ「介護過程」「医療的ケア」「認知症の理解」「障害の理解」などは、介護福祉士国家試験の出題範囲と大きく重なります。実務者研修修了直後は知識が整理されている状態のため、受験対策を始めやすいタイミングです。湘南国際アカデミーでは、実務者研修の担当講師が介護福祉士受験対策テキストの執筆も担当しており、実務者研修のカリキュラムに自然と試験対策の要素が組み込まれています。
③ 受講料最大80%が補助される給付金制度を活用できる
実務者研修は、ハローワークが指定する「専門実践教育訓練給付金」の対象で、受講料の最大80%が支給されます(上限あり)。キャリアアップを考えるなら、給付金を活用して費用を抑えながら実務者研修→介護福祉士と段階的にステップアップするのが最もコスパの良い方法です。

介護福祉士
介護支援専門員
【監修者コメント】
湘南国際アカデミーで指導した受講生の中には、実務者研修をきっかけに介護福祉士を取得し、サービス提供責任者やリーダー職に就いた方が多くいます。合格率93.1%(2025年度実績)の受験対策講座と、実務者研修で培った知識を活かせば、介護福祉士取得は十分に手の届く目標です。実務者研修の修了は「ゴール」ではなく「スタート」です。ぜひ次のステップへ踏み出してください。
湘南国際アカデミーで実務者研修から介護福祉士へ
湘南国際アカデミーは2011年の開校以来、累計44,000名以上の修了生を輩出してきた介護資格専門スクールです。実務者研修から介護福祉士取得まで一貫してサポートする体制を整えています。
① 実務者研修(eラーニング「マナリエ」対応)
通信学習をスマートフォン・PC・タブレットから行えるeラーニング「マナリエ」に対応。スクーリングは神奈川県内9校舎・平日/土日/夜間の多彩な日程から選べるため、仕事をしながらでも無理なく進められます。
② 介護福祉士受験対策講座(合格率93.1%)
湘南国際アカデミー独自の受験対策教材「受かるんです・丸わかりテキスト」は、出題頻度の高いポイントに絞った設計で、忙しい社会人でも効率よく学習できます。合格率93.1%(2025年度実績)の実績をもつ講師陣が、通学・オンライン・自主学習教材の3つのスタイルでサポートします。
③ 就職・転職サポート(介護の学校ならではのネットワーク)
修了後の就職・転職もサポート。介護の教育機関として蓄積したネットワークを活かし、施設・事業所への就職紹介、キャリアカウンセリング、面接対策まで一貫して対応します。
介護福祉士受験対策講座の詳細はこちら
FAQ|実務者研修と介護福祉士についてよくある質問
- Q1.実務者研修と介護福祉士はどちらが上ですか?
- A
介護福祉士が上位資格です。介護のキャリアパスは「初任者研修→実務者研修→介護福祉士」の順にステップアップする構造になっています(厚生労働省の定める介護人材キャリアパスより)。実務者研修は民間資格、介護福祉士は国家資格であり、社会的評価・給与・キャリアの選択肢すべてで介護福祉士が上位です。
- Q2.実務者研修を修了すれば介護福祉士の試験を受けられますか?
- A
実務者研修の修了だけでは受験できません。「実務者研修の修了」に加えて「介護業務に関わる実務経験3年以上(従事日数540日以上)」の両方を満たすことが受験資格の条件です(実務経験ルートの場合)。実務経験は実務者研修と並行して積むことができます。
- Q3.実務者研修と介護福祉士で給与はどれくらい違いますか?
- A
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、実務者研修の平均月収は302,010円、介護福祉士は338,250円で約3.6万円の差があります。年収換算では約43万円の差になります。介護福祉士は国家資格のため資格手当が付く事業所が多く、長期的なキャリアアップにおいて大きなメリットがあります。
- Q4.実務者研修は無資格・未経験でも受講できますか?
- A
受講可能です。実務者研修に受講資格の制限はなく、無資格・未経験でも受講できます。ただし、初任者研修を修了していると130時間分の科目が免除され、受講期間が短くなります。未経験の方はまず初任者研修から始めることで、実務者研修の学習もスムーズになります。修了後に介護施設で働きながら実務経験3年を積むことで、介護福祉士の受験資格を得られます。
- Q5.実務者研修を修了するとサービス提供責任者になれますか?
- A
なれます。訪問介護事業所でのサービス提供責任者の要件は「実務者研修修了者(または介護福祉士)」です。サービス提供責任者はケアプランに基づく訪問介護計画書の作成、ホームヘルパーへの指示・指導、関係機関との連絡調整などを担う責任あるポジションです。実務者研修はこのキャリアアップの大きな一歩になります。
まとめ|実務者研修は介護福祉士への最短ルート
- 実務者研修は公的資格・介護福祉士は国家資格。介護福祉士が上位
- 実務者研修修了+実務経験3年で介護福祉士の受験資格が得られる(実務経験ルート)
- 給与差は月約2.3万円・年約27万円。介護福祉士取得で大幅アップ(令和6年度)
- 実務者研修を修了するとすぐにサービス提供責任者に就ける
- 受講料最大80%補助の専門実践教育訓練給付金が使える
- 湘南国際アカデミーは実務者研修から介護福祉士まで合格率93.1%で一貫サポート
「まず実務者研修を取って、それから介護福祉士へ」という段階的なキャリアアップが、社会人として働きながら介護の専門性を高める最もコスパの良い方法です。湘南国際アカデミーでは無料の資料請求から受講相談まで対応しています。
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湘南国際アカデミーでは初任者研修・実務者研修・介護福祉士受験対策の講師を務めるほか、受験対策テキストの執筆も担当。
介護技能実習評価試験評価者として外国人介護士の受け入れ支援、事業所向けスキルアップ研修のプロデュースなど、人材確保・育成・定着に向けた幅広い活動を展開している。






