実務者研修は介護福祉士を目指す上で欠かせない研修です。しかし、課題提出やスクーリング、試験など乗り越えるべきハードルがいくつかあります。
本記事では、実務者研修の試験の難易度や合格率、落ちてしまう理由と対策などを幅広く解説します。また仕事や家事と両立しながら受講するコツや、スクール選びのポイントも合わせて紹介します。
さらに、実務者研修において計画的に学習を進める方法や再受験の仕組みなど、初心者でもスムーズに合格を目指せるよう多角的に解説していきます。
実務者研修の試験はある?難易度と合格率の実態
実務者研修はカリキュラムのボリュームが多いことで知られていますが、実際に行われる試験の難易度や合格率はどの程度なのでしょうか。
実務者研修では、講義と演習を組み合わせて高度な介護技術と知識を身につけるための学習を行います。多くのスクールで修了試験を設けているものの、基本的には受講者の理解度を確かめる目的が主であり、しっかり対策を取れば合格に至るケースがほとんどです。実務未経験や無資格からスタートしても、家庭学習とスクーリングを並行してこなせるようカリキュラムが組まれているため、合格率は高めと言われています。
実務者研修カリキュラムの難易度は高いが試験は難しくない
実務者研修の学習範囲は広く、医療的ケアやコミュニケーション技術など多岐にわたるため、一見すると難易度は高く感じられます。しかし、多くのスクールではわかりやすいテキストや指導体制を整えており、試験そのものは学んできた内容を再確認するレベルです。そのため、試験対策をする時間を取り、課題提出をしっかり行えば、合格ラインを超えるのは十分に可能とされています。
実務者研修の修了試験の内容はスクールごとに異なる
実務者研修の修了試験は、ペーパーテストから実技試験まで形式がさまざまです。レポートのみを評価対象とするスクールや、追試制度を設けているところもあります。あらかじめスクールごとの試験形式や合格基準、追試や再受験の有無を確認しておくと、スムーズに準備を進めることができるでしょう。
湘南国際アカデミーでは、以下の3つの評価試験をクリアしていただくことで実務者研修を修了することができます。
- 介護課程Ⅲの実技評価。
スクーリングの介護課程Ⅲのカリキュラムでは、グループで考えたケアの実践をしていただくもの。 - 筆記テスト。
授業初日には筆記確認テストの模擬問題集をお渡ししますので、ご自宅で何度も模擬問題を勉強していただきます。 - 医療的ケアの実技評価。
事前にご自宅で動画を観ていただきながら、医療的ケアの物品の名前や手順を覚えていただきます。
この3つの評価試験をご用意しております。どれもしっかり事前準備できるようにサポートしておりますので、皆さん、安心してご受講いただいています。
実務者研修の試験に落ちる主な原因
多くの受講者が合格する一方で、中には修了が難しくなるケースも存在します。落ちる主な原因を押さえて早めに対策しましょう。
実務者研修は合格率が高いといわれますが、油断してしまうと修了を逃す恐れもあります。課題やレポートは質・量ともに多く、スクーリングも必須扱いとなる場面が多いため、しっかり出席と提出を管理しておかないと試験そのものを受けられない場合があるのです。時間管理とモチベーション維持が鍵となりますので、失敗の原因を把握して早めに対策することが大切です。
課題・レポートの未提出や期限切れにより試験を受けられない
実務者研修では、レポートや課題を提出して一定の基準を満たすことが修了要件の一部になっています。提出期限を過ぎてしまうと試験の受験資格を失うこともあるため、早めに取り組む習慣が必要です。特に仕事や家庭との両立をお考えの方は、小さな課題でも計画的に進めて期限を守るよう心がけましょう。
湘南国際アカデミーの受講生さんの中には、自宅だけでなく、カフェや図書館で勉強するという方も多くいらっしゃいます。湘南国際アカデミーの実務者研修のレポートはeラーニングと紙を選択することができますが、近年では持ち運びやすさや郵送の手間などを考え、ほとんどの受講生様がeラーニングを選択されます。
スクーリングの欠席・遅刻により試験を受けられない
研修では一定のスクーリング時間も修了要件に含まれることが一般的です。無断欠席や遅刻が続くと出席日数が足りず、試験前の段階で修了見込みが立たなくなります。勤務スケジュールや家庭の事情を考慮して受講計画を立て、どうしても出席が難しいなら振替受講などの制度があるスクールを選ぶことも対策の一つです。
特に実務者研修は介護福祉現場で勤務しながら受講される方も多く、冬場になると風邪やインフルエンザなどの感染症に同僚がなり、ピンチヒッターとして急に職場に出勤を要請される受講生さんも多数いらっしゃいます。そんな時に、すぐに受講振替え先があると、また次のシフトも組みやすいですよね。
試験対策や勉強時間の不足で試験に落ちる
十分に勉強する時間が確保できないまま試験に臨むと、理解度が浅く得点に結びつかないことがあります。広い範囲を学ぶ実務者研修では、苦手分野を放置してしまうと点数にまとまった影響が出る可能性があります。短いスキマ時間でもテキストを活用するなど、計画的に勉強時間を積み重ねる工夫が大切です。
実務者研修の試験に合格するための勉強法
合格に向けては、ただ闇雲に勉強するのではなく、重要ポイントを押さえた効率的な学習が必要です。
実務者研修では、筆記系の試験だけでなく技術面の演習やレポート提出にも配慮した勉強方法が欠かせません。試験対策用の模擬テストや、習得度をチェックする小テストを活用しながら、苦手分野を早めに確認しておくと良いでしょう。効率的な学習を心がければ、着実に合格へと近づけます。
湘南国際アカデミーでは、実務者研修のレポートやスクーリングの授業内容を通して、介護福祉士の国家試験対策となるように作られています。ですので、今後介護福祉士を受験される方は、より丁寧に課題や試験に取り組んでいただくことで、国家試験対策として時間短縮をすることができるのです。
模擬試験・提出したレポート課題の活用と解き直し
模擬試験は実際の試験を想定した問題が出されるため、自分の理解度を把握するのに最適です。特に間違えた問題や提出済みレポートで指摘された部分を再確認することで、知識の抜け漏れを補完できます。解き直しを繰り返すことで、試験本番での失点を最小限に抑えられるでしょう。
苦手分野の洗い出しと復習
実務者研修では介護技術や医療的ケアなど、専門性の高い領域を学ぶため、人によって得意・苦手が分かれがちです。苦手な分野を放置すると試験で大きな失点につながる可能性があるため、早めに洗い出して集中的に復習しましょう。メリハリのある学習で、効率よく知識を深めることができます。
介護福祉士の試験対策には、「実務者研修のテキストを全て暗記すれば合格できる」という先生もいますが、それは現実的ではないですよね。ただ、国家試験の範囲は実務者研修で学ぶ全範囲となりますので、実務者研修を受講するうちに、ご自身の苦手分野をしっかりと理解していると、国家試験の受験勉強の際に効率的に勉強を進めることができます。是非、その視点でも勉強してみてください。
仕事と両立しながら実務者研修を受講するコツ
忙しい日々の中で実務者研修を受講する方も多いでしょう。限られた時間を有効に使うためのコツを紹介します。
実務者研修は学習時間やスクーリング日数が意外と多く、働きながらの受講はスケジュール調整が欠かせません。計画立案をしっかり行い、家族や職場にも理解を得ておくことで、試験や重要な課題提出をスムーズに進めることが可能になります。周囲のサポートを得るためにも、早い段階で相談することが大切です。
学習スケジュールを立てて計画的に進める
まずは試験日や課題の提出期限を確認し、その日から逆算して学習プランを組むことが重要です。小さな目標を設定し、達成を積み重ねるとモチベーションを維持できます。無理のない学習ペースを心がけることで、長期的な勉強も続けやすくなるでしょう。
家族や職場と相談して学習時間を確保する
実務者研修は、家事や仕事の合間に進めることが難しく感じられる場合もあります。そのため、家族や上司、同僚と話し合い、理解を得ることが大切です。協力体制が整えば学習に集中しやすくなり、試験対策をより計画的に行うことができます。
協力体制を作る時の簡単なコツを以下に挙げますので参考にしてください。
- 期限をしっかり伝えること。
「これから勉強しようとする資格は、来年の5月までには修了するからね。」とスケジュールを伝えてあげましょう。誰しもが「期限が決まってるんだったら、協力しようかな」と、腰が重くても、頑張ってくれるものです。 - 協力してくれた人と一緒に楽しめるご褒美を決める。
勉強する時も、「ココまで頑張ってレポート課題やったら、チョコレートを食べよう」など、小さいご褒美を決めると、モチベーションも上がりやすいですよね。それと同じように、資格が取得できたら、「一緒にお寿司食べにいこう!」というように、協力してくれる人と楽しめるご褒美を決めておくこともコツの一つです。是非やってみてくださいね!
スクール選びの重要ポイント
研修の修了にはスクールのサポート体制や場所・費用など多数の要素が絡みます。後悔しないスクール選びのポイントを確認しましょう。
スクールごとに学習スタイルやサポートの範囲は大きく異なります。振替受講制度があるかどうか、オンラインと通学を組み合わせられるかなど、日程変更がしやすいスクールを選ぶことで、突然の用事に対応しやすくなるのです。料金面も含め、トータルで自分の生活スタイルに合った研修先を選ぶと良いでしょう。
振替受講やサポート体制の有無
仕事や家庭の事情で急な欠席をする場合、振替受講が可能かどうかは重要な問題です。また、講師やスタッフによる質問対応や追加学習サポートなどの仕組みが整っているかどうかも、学習のしやすさや修了率に大きく関わります。複数のスクールを比較検討し、受講後のフォロー体制を含めてチェックしておきましょう。
アクセスの良さと受講料の比較
スクーリング会場までの移動時間が負担になると、学習意欲が落ちる可能性があります。自宅や職場から通いやすい立地であれば、無理なく継続しやすいでしょう。受講料は決して安くないため、通いやすさと費用を天秤にかけながら、自分が納得できるスクールを慎重に選ぶことが大切です。
FAQ|実務者研修の試験に関するよくある質問
実務者研修の試験や受講に関して寄せられる代表的な疑問をまとめました。受講前の不安を解消し、安心してスタートできるようにご活用ください。
- Q1.実務者研修の試験に落ちた場合、再受験できますか?
- A
多くのスクールで追試制度があり、再提出・再受験が可能です。ただし回数制限や有料の場合もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。
- Q2.初心者でも実務者研修に合格できますか?
- A
はい、未経験者向けのカリキュラムを設けているスクールもあり、基礎から段階的に学べます。湘南国際アカデミーでは未経験者向けにわかりやすい講義と丁寧なサポートがあり、安心して学べます。
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- Q3.スクーリングを欠席した場合はどうなりますか?
- A
欠席が続くと修了要件を満たせなくなることがありますが、振替制度を導入しているスクールもあります。湘南国際アカデミーでは振替受講制度を設けており、柔軟に対応可能です。
- Q4.実務者研修の学習に必要な時間はどれくらいですか?
- A
無資格者の場合は450時間が標準です。通信学習とスクーリングに分かれており、学習期間は3~6か月程度が一般的です。
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まとめ・総括
実務者研修は学習ボリュームこそ多いものの、しっかりと計画を立て勉強すれば多くの方が修了できる研修です。試験でつまずかないよう、日々の学習とスクール選びのポイントを押さえて臨みましょう。
実務者研修は介護福祉士へのステップアップとして非常に重要であり、介護現場でも求められる高度なスキルを身につける機会です。試験対策はもちろん、課題やスクーリングの管理もトータルで行うことで修了が確実なものとなります。
湘南国際アカデミーでは、初心者でも安心して受講できるよう、実務者研修に関する学習支援・振替制度・質問対応などのフォロー体制を整えています。詳細なカリキュラムや費用については、ぜひ資料請求やお問い合わせをご利用ください。
湘南国際アカデミーでは、介護関連資格の教育・職業紹介を通じ、「介護をする側のQOL向上」をテーマにイベントや研修を企画し、受講生や就労先企業から厚い信頼を獲得。これまで延べ約1万人を支援する中でグリーフケアの重要性を痛感し、仕事と人を結ぶだけでなくケアの視点を含む総合的なサポートを目指している。現在は上智大学グリーフケア研究所でさらなる学びを得ながら、各企業向け「事業所内レベルアップ研修」の企画・運営にも携わり、介護とキャリアの両面から多面的に活動を展開している。
