
仲川一清(介護福祉士)
この記事の監修者
湘南国際アカデミー学院長。介護福祉士や社会福祉士などの資格を持ち、教育者としての豊富な経験を活かして次世代の介護人材育成に尽力。受講生合格率95.5%を達成した介護福祉士国家試験対策講座や200名以上の教員育成の実績を持つ。著書やeラーニング教材も手掛けるなど、幅広い活動を展開中。
令和5年度介護労働実態調査(公益財団法人介護労働安定センター)の結果を見ると、介護職員の59.2%が介護福祉士を取得しています。したがって、介護の仕事を続けるうえで、介護福祉士は必要不可欠な資格であり、取得することが当たり前となっているのが介護の仕事の現状です。
介護福祉士はさまざまな取得方法がありますが、実務経験を重ねて介護福祉士を取得しようとする場合、3年の実務経験に加え、実務者研修の修了(修了見込み)が要件のひとつになっています。実務者研修を修了(修了見込み)していなければ受験できません。
本記事では、実務者研修の受講期間や内容、受講のポイントを解説します。
実務者研修について
(1)実務者研修を受講するには
実務者研修は都道府県知事から指定を受けた、介護福祉士実務者養成施設で受講しなければなりません。令和6年4月現在、全国で1300以上の養成施設が介護福祉士実務者養成施設としての指定を受けていますから、最寄りの養成施設を探してみましょう。
(2)受講期間と在籍期間
実務者研修で学習しなければならない科目(内容)と学習時間数は、厚生労働省の基準で定められており、全部で450時間の学習をしなければ修了することはできません。ただし、保有している資格によっては、一部の科目の履修が免除されますから、早く修了することができます。ご自身の保有資格に応じて受講しましょう。
○ 介護に関する資格を保有していない場合~450時間・6か月以上の在籍期間が必要
※ 学習が終了していても、6か月以上在籍していなければなりません。
○ 介護職員初任者研修・訪問介護員(ホームヘルパー)養成研修2級課程~320時間・1か月以上の在籍期間が必要
○ 介護職員基礎研修~50時間、1か月以上の在籍期間が必要
○ 訪問介護員(ホームヘルパー)養成研修3級課程~420時間、1か月以上の在籍期間が必要
○ 訪問介護員(ホームヘルパー)養成研修1級課程~95時間・1か月以上の在籍期間が必要
※ 1か月以上の在籍期間となっていますが、学習を終了させるためには。3~4か月はかかります。
(3)受講方法
実務者研修を受講する人の多くは、働きながら修了を目指します。しかし、研修課程は全部で450時間あります。かりに1日5時間ずつ学習したとしても、90日(3か月)かかることになります。それだけの日数を養成施設に通って学習することは、働きながらでは難しいでしょう。
そのため、働きながら受講を希望する人のために、通信課程の形態を採用しています。通信課程では、養成施設から自宅に送られてくる教材や通信添削課題等に取り組みます。厚生労働省の基準による到達目標に達していると、養成施設が評価・判定すれば、履修したことになります。
通信課程では、自分のペースで無理なく学習を進めることができます。休日等を有効活用しながら学習を進めましょう。
しかし、研修内容のすべてを自宅学習で行うことはできません。いくつかある実務者研修の科目のうち、『介護過程Ⅲ』と『医療的ケア(演習)』については、通信課程での履修は認められていないため、面接授業(スクーリング)を受ける必要があります。養成施設によって、面接授業の日数や日程が異なります。自分の勤務との都合を考えて面接授業を受けましょう。
○ 『介護過程Ⅲ』~45時間の学習が必要、おおよそ、5日~7日のスクーリング(湘南国際アカデミーでは6日間)
○ 『医療的ケア(演習)』~喀痰吸引・経管栄養等を5回以上実施し、講師の評価を受ける、2~4日間のスクーリング(湘南国際アカデミーでは2日間)
実務者研修の取り組み方
(1)自宅学習について
①学習習慣を身につける
通信課程で受講する場合、自宅学習が必要になります。養成施設から送られてくる教材や通信添削課題に取り組むことになります。
「とても、難しいのではないのだろうか」、「自分にできるのだろうか」と不安に思う人もいるかもしれませんが心配いりません。課題のボリュームや内容は養成施設によって異なりますが、教材にもとづいて学習すれば知識・技能を習得できるようになっています。
それよりも難しく、重要なことは、学習の習慣づけでしょう。仕事を終えて帰宅し、家事などを済ませ、疲れているところで、さらに学習するというのはとても厳しいことです。しかし、専門職として踏み出すというのは、そうした学習習慣を身につけることが何より重要なことであり、実務者研修で学習し、身につけるべきことのひとつに含まれていると認識しておきましょう。
②介護福祉士国家試験に向けて取り組む意識を持つ
実務者研修で学習する内容をしっかりと習得すれば、介護福祉士国家試験に合格することは可能です。しかし、通信添削課題等を、片づけもののように、ただこなしているだけでは、修了はできたとしても、内容の習得ができていません。
結局、介護福祉士の国家試験の前に受験勉強をしなければならないことになり、二度手間になってしまいます。なるべく少ない負担で資格の取得を目指すのであれば、通信添削課題等にしっかりと取り組み、わからないことを調べたり、質問したり、確認するなどしながら学習することが何よりも効率的な学習方法です。
(2) スクーリングについて
①介護過程Ⅲ
介護過程Ⅲは、スクーリングの方法によって受講することになります。介護過程Ⅲは45時間以上の学習が必要とされていますから、数日かけて学習します。何日かけるかは養成施設によって異なりますが、5日~7日かけて学習するのが一般的です。
働きながら受講する人にとって問題となるのは、スクーリングのために仕事を休むことができるかどうかということでしょう。連続した日数でスクーリングを行っている養成施設もありますし、毎週決められた曜日にスクーリングを予定しているところもあります。勤務の都合や家庭の事情などに合わせてスクーリングを受講できる養成施設を選ぶようにしましょう。
②医療的ケア(演習)
医療的ケア(演習)は、介護過程Ⅲが45時間以上と定められているのに対して、喀痰吸引や経管栄養の演習を5回以上実施し、講師(看護師)の評価を受けなければならないこととされており、時間数ではなく所定の回数を実施しなければならないこととされています。2日~4日間が一般的なスクーリング日数です。
医療的ケア(演習)のスクーリングを受講するためには、演習に先立って、医療的ケア(50時間)の通信添削課題等が終わっていなければなりません。そのうえで、喀痰吸引や経管栄養等の医療的ケアについて、シミュレーター等を使用しながら技術の習得を目指します。
したがって、スクーリングの受講日と併せて、通信添削課題等について計画的に学習しておくようにしましょう。
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養成施設の選び方のポイント
(1)費用
実務者研修にかかる費用は、保有している資格によって異なりますが、5~15万円が相場です。なるべく安価な養成施設を選択するに越したことはありません。しかし、自治体や地方公共団体による独自制度、雇用保険の制度などによって、受講費用の一部や全額を補助してくれる制度がさまざまあります。こうした制度を利用できるかどうか確認するようにしましょう。
湘南国際アカデミーでは、受講を検討している方の状況に合わせ、活用できる助成金をご案内しています。
(2)場所
通信課程で学習する場合、学習内容の多くは自宅学習になりますから、養成施設の場所はそれほど意識しなくてもいいかもしれません。しかし、面接授業(スクーリング)を受けやすい場所を選んだ方がいいでしょう。養成施設の場所とは別に、スクーリング会場を用意している場合もありますので、確認してから受講をはじめるようにしましょう。
湘南国際アカデミーは、神奈川県内に11教室でスクーリングを実施しています。最寄りの教室があると思います。
(3)振り替えの可否
体調不良や急な勤務変更などによって、スクーリングを欠席しなければならないということがあり得ます。こうした事態が起きたときに、振り替えが可能かどうか確認しておくようにしましょう。
養成施設によっては、年に1回しかスクーリングを開講しないため、欠席した場合、修了できなかったり、次年度、改めて受講しなければならないということもあります。そうすると、介護福祉士の受験も翌年になってしまいます。
なにが起きるかわからないので、できれば欠席した場合に振り替え受講ができる養成施設を選択した方が安心です。
湘南国際アカデミーの場合、神奈川県内に11教室あり、随時、スクーリングを開講していますので、容易に振り替えることができます。
(4)介護福祉士国家試験へ向けたサポートや講座の有無
実務者研修の受講生の多くは、将来的に介護福祉士の取得を目指しています。そのため、実務者研修を修了したあとも、受験に向けた学習を続けることが必要になります。
「試験を受けるなんて、何十年ぶりだろう」という人にとっては、何らかのサポートや、受験対策講座など受講しておいた方が安心です。実務者研修の修了後には、受験対策講座や模擬試験などを実施している機関を改めて探して、取り組むことが必要になってきます。
実務者研修を受講した養成施設が、受験サポートや受験対策等の講座を開講していてくれると、改めて探す必要はありませんし、なじみがあるので受講しやすいでしょう。
先のことを見通し、自分の目標や目的にそったコンテンツのある養成施設を選択した方が、ワンストップで済むので、助かることになるはずです。
介護福祉士受験対策講座に関しての詳細は、以下のページをご覧ください
(5)養成施設選びに迷ったときには
実務者研修は、受講開始から修了まで、数か月かかりますから、比較的長い研修期間を要します。その間に、生活上の変化や仕事上の問題などいろいろなことが起きる可能性があります。
想定していたとおりに、学習を進めることができない、受講できないということも十分に考えられるので、不測の事態が起きてしまったときや、困ったときなどに、気軽に相談できる窓口がある養成施設を選んだ方が安心です。
長い受講期間になりますから、「自宅から近いから」、「受講料が安いから」といった理由だけで、安易に選ばず、「ここならば安心」という養成機関を選ぶようにしましょう。
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FAQ|実務者研修の期間に関するよくある質問
- Q1.実務者研修の期間はどのくらいかかりますか?
- A
- Q2.仕事をしながらでも実務者研修は受けられますか?
- A
はい、多くの方が働きながら通信課程で受講しています。通信課程では自宅で学習を進めることができ、スクーリング(面接授業)は必要最小限の通学で済みます。養成施設によっては、土日や平日の夜間にスクーリングを実施しているところもありますので、勤務に合わせて無理なく学習できます。
- Q3.実務者研修のスクーリングとは何をするのですか?
- A
実務者研修のスクーリングでは、「介護過程Ⅲ」や「医療的ケア(演習)」などの実技や対面授業を行います。対面授業の内容は自宅学習では習得できない内容を学ぶ重要な機会です。日数は施設によって異なりますが、介護過程Ⅲは5〜7日、医療的ケア(演習)は2〜4日間が一般的です。
- Q4.実務者研修の費用はどれくらいですか?補助制度はありますか?
- A
費用は保有資格や養成施設によって異なりますが、おおよそ5〜15万円が相場です。ただし、自治体の助成金やハローワークの職業訓練制度、雇用保険を活用できる専門実践教育訓練給付金などの制度を利用できる場合があります。湘南国際アカデミーでは、受講者の状況に応じて利用可能な補助制度の案内と申請サポートを無料で行っています。
専門実践教育訓練給付金についての詳細は、以下の記事をご覧ください
- Q5.実務者研修の修了後、介護福祉士試験までどんなサポートがありますか?
- A
湘南国際アカデミーでも開催しているように、多くの養成施設では、実務者研修修了後に介護福祉士国家試験に向けた対策講座や模擬試験を実施しています。受験に向けた継続的なサポート体制が整っているかのかを、受講前に確認することをおすすめします。
実務者研修の受講を検討している皆様へ
介護福祉士を目指すうえで、実務者研修は避けて通れない重要な過程です。しかし、研修の内容や期間、学習方法は、皆さまの状況によって大きく異なります。だからこそ、「どこで・いつ・どのように」学ぶかを丁寧に選ぶことが、将来のキャリアにも直結します。
湘南国際アカデミーでは、働きながらでも無理なく修了できる通信課程+通いやすいスクーリング体制に加え、助成金の活用サポートや介護福祉士試験対策講座の提供など、皆様一人ひとりに寄り添った学びを提供しています。
もし少しでも興味を持っていただけたら、お気軽に資料請求や無料相談をご利用ください。
あなたの学びとキャリアの第一歩を、湘南国際アカデミーが全力でサポートいたします。
