介護福祉士は、介護のプロフェッショナルとして高い専門性を証明する国家資格です。この資格を取得するためには、一定の条件を満たした上で、国家試験に合格する必要があります。この記事では、介護福祉士の概要や受験に必要な条件、そして申し込みから合格発表までの流れを解説します。
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介護福祉士とは?
超高齢化社会で介護需要が多い日本において、介護福祉士の資格も注目が高まっていると言えるでしょう。まずは介護福祉士の資格と仕事内容について解説します。
介護福祉士の資格とは?
介護福祉士は、介護の分野における唯一の国家資格です。介護福祉士の資格を取得するためには、介護福祉士の国家試験に合格する必要があります。
介護福祉士の資格は一度取得すれば更新の必要がなく、生涯にわたって有効です。
介護福祉士の仕事
介護福祉士の主な仕事は、要介護者の日常生活のサポートや健康管理です。
また、現場のリーダーとして介護職員の指導や育成を行うことも介護福祉士の重要な役割になります。
さらに、利用者の希望に寄り添い、日々の生活での悩みを聞いて解決を図ることもあります。そのため、介護福祉士は利用者の生き方全体に関わる仕事と言われています。
介護福祉士の試験を受けるために必要な条件
介護福祉士の国家試験を受けるためには、必要な条件を満たす必要があります。主に4つのルートがあり、それぞれに異なる条件が設定されています。
各ルートの特徴と要件を詳しく見ていきましょう。
養成施設ルート
厚生労働大臣が指定する介護福祉士養成施設を卒業すると、介護福祉士国家試験の受験資格が得られます。福祉系大学や社会福祉士養成施設、保育士養成施設を卒業している場合は1年間、高校卒業の場合は2年間通う必要があります。
このルートの特徴は、介護福祉士養成施設を卒業した人は試験を受けなくても卒業後5年間にわたって介護福祉士の資格を限定的に取得できる点です。この期間に実務を5年間経験するか、国家試験に合格すると、資格の効力は永続となります。
ただし、この特例は令和8年度末までに養成施設を卒業する人だけに認められています。令和9年度以降の卒業者が資格を取得するには国家試験合格が必須です。
福祉系高校ルート
2009年度以降に入学した福祉系高校を卒業または卒業見込みの場合、介護福祉士国家試験の受験資格が得られます。このルートでは、指定された科目や単位の取得が条件となります。
なお、介護福祉士養成課程の基準を満たす特例高等学校(※)に入学した人が受験する条件を満たすには9カ月以上の実務経験が必要です。
特例高等学校:文部科学省が指定する特別の教育課程を設けている高等学校。
実務経験ルート
実務経験ルートは、「3年以上の実務経験」と「介護福祉士実務者研修の修了」の2つの条件を満たすことで、介護福祉士国家試験の受験資格が得られます。このルートは、現場での経験を重視する点が特徴です。介護福祉士実務者研修の代わりに、介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修を組み合わせることでも条件を満たせます。
4つのルートの中で、実務経験ルートを選ぶ人が多い傾向にあります。これは、働きながら資格取得を目指せるため、経済的な負担が少ないことが理由の一つです。
実務経験を積みながら学習することで、理論と実践を結びつけやすいというメリットもあります。ただし、勤務と学習の両立が必要となるため、時間管理と自己管理が重要と言えるでしょう。
EPA(経済連携協定)ルート
EPAルートとは、日本と協定を締約したインドネシア・フィリピン・ベトナムの国籍を持つ人向けに設定された条件です。日本の介護施設で就労と研修をしながら試験の受験資格の獲得を目指します。
介護福祉士の資格を取得するメリット
介護福祉士の資格を取得すると、多くのメリットが得られます。ここからは具体的なメリットについて解説します。
就職や転職で有利になる
介護福祉士資格を持っていると、介護に関する専門的な知識や技術があるという証明になるため、就職や転職の場で有利に働く傾向にあります。
「入社後は即戦力として働いてくれそう」という印象を与えられるため、就職や転職活動において優位に立つことができるでしょう。
キャリアアップが見込める
多くの介護施設では、責任者やリーダーの要件として介護福祉士資格の所持を設けています。したがって、介護の現場で将来的にさらなるキャリアアップを目指すなら、介護福祉士の資格があったほうが良いと言えるでしょう。
また、介護福祉士の資格取得後は最短5年でケアマネジャー(介護支援専門員)資格の受験が可能になります。ケアマネジャーの資格を取得するとケアプランの作成ができるようになり、業務の幅が広がります。
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給与アップが期待できる
介護福祉士資格を取得すると、資格手当などにより給与がアップする可能性があります。多くの介護現場では、資格を取得している人に対して手当の制度を用意していることが多いです。
資格を持っていることが、キャリアアップにつながり、管理職に就いた場合には、さらなる高待遇が期待できます。
試験の申し込みから合格発表までの主な流れ
ここからは介護福祉士の国家試験申し込みから合格発表までの流れを解説します。必要な手順を把握し、受検への準備を進めましょう。
「受験の手引き」を請求する
まずは、「受験の手引き」を請求するところから始まります。「受験の手引き」には、申し込みに必要な書類や詳細な手続き方法が記載されています。
例年7月上旬頃に、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのWebサイトで受験申し込み手続きの案内が開始されます。webサイトに記載されている案内に従って「受験の手引き」を請求しましょう。
なお、過去に受験経験がある人は、「受験の手引き」の請求をせずにインターネット上で手続きができる場合があります。
※引用元:公益財団法人社会福祉・振興試験センターHP
「介護福祉士国家試験・受験申し込み手続き」
項目 | 内容 |
---|---|
試験日 | 令和8年1月25日(日曜日) |
受験申し込み受付期間 | 令和7年8月6日(水)〜9月5日(金) |
申し込み方法 | 【過去に試験の受験申し込みをしたことがある方】 インターネット申し込み可 【第38回(今回)試験が初めての受験申し込みの方】 郵送で申し込み(インターネット不可) |
障害等のある方の配慮申請 | 受付期間内(8/6〜9/5)に別途申請が必要 『受験の手引』とあわせて「配慮案内書」を請求 インターネット申し込み時:手続き途中で申請可能(変更・初回申請の場合は書類をダウンロードし郵送) 問合せ先:試験センター配慮係(TEL:03-3486-7521、FAX:03-3486-7527) |
受験手数料(参考) | 前年度(第37回):18,380円 |
手数料の支払い方法 | 【郵送申し込み】 『受験の手引』に同封の払込用紙で、コンビニ・ゆうちょ銀行で支払い(※金融機関不可) 【インターネット申し込み】 クレジットカードまたはコンビニ払い(払込用紙は使用不可) ※支払いは受付期間内に限る |
受験の申し込み手続きをする
受験の申し込み期間は例年8月から9月頃です。「受験の手引き」が届いたら、郵送による受験申し込み手続きを行います。
初めて受験の申し込みをする人は、郵送による手続きのみ可能です。手引書に同封されている書類に必要事項を記入し、必要書類と併せて郵送します。
提出する書類は、過去の受験歴の有無や受験ルートにより異なります。
必要な書類には、受験申込書、実務経験(見込)証明書、受験手数料払込受領証などがあります。特に実務経験証明書は、勤務先の事業所に記入を依頼する必要があるため、早めの準備が大切です。
書類に不備があると受験できない可能性があるので、提出漏れや内容の誤りがないかよく確認しましょう。
なお、受験票は毎年12月上旬に郵送されてきます。
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試験を受ける
介護福祉士国家試験の試験は、例年1月に行われています。試験は全国約35箇所の試験会場で実施されます。試験当日は、受験票や筆記用具などを忘れずに持参しましょう。また、試験開始時間に遅れないよう、会場の場所や交通手段を事前に確認しておくことが大切です。
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合格発表を確認する
試験の合格発表は例年3月に行われます。公益財団法人社会福祉振興・試験センターのWebサイト上に合格者の受験番号が掲載されます。また、合格者には合格通知書のほかに登録申請書と払い込み証明書貼付け用紙、新規登録の手引き、そして返信用封筒が郵送されます。
登録申請をする
試験に合格したら介護福祉士の登録手続きをして、登録書を入手します。合格通知書と一緒に送られてきた書類に必要事項を記入して、試験センターに郵送します。詳しい手順や必要なことは新規登録の手引きに書かれています。
書類を郵送してから約1カ月後に登録証が届き、晴れて介護福祉士の資格を得られます。
日時:2025年6月27日(金) 19:30~20:30
【内容】
第38回(2026年1月試験)
介護福祉士国家試験の申し込み方法
・受験で失敗しないための準備
・合格のための勉強方法
・よく出る問題について
【講師】
湘南国際アカデミー専任講師 江島一孝
費用:無料
参加方法:Zoomでの開催となります。LINEの友だち登録をしていただくと、参加URLと視聴案内が届きます。
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FAQ|介護福祉士 資格 受験に関するよくある質問
介護福祉士の資格取得を目指すうえで、「ルートが複雑」「実務経験の考え方がわからない」など、さまざまな疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。ここでは、受験を検討している方から特によく寄せられる質問を、わかりやすくまとめました。
- Q1.実務経験ルートの「3年以上」とは、具体的にどう数えるのですか?
- A
実務経験の3年以上とは、「従業日数540日以上かつ3年の期間が必要」とされています。これは同じ事業所でなくても構いませんが、通算での従業実績が必要です。勤務日数が不十分だとカウントされない場合もあるため、早めに勤務証明を取り寄せて確認しましょう。
- Q2.実務者研修は介護福祉士受験に必須ですか?
- A
はい、実務経験ルートで受験する場合は「介護福祉士実務者研修」の修了が必須条件です。修了証の提出が間に合わないと受験できないため、受験予定年の12月末までには修了している必要があります。湘南国際アカデミーではスケジュールに応じた受講相談も可能です。
- Q3.養成施設ルートでも国家試験を受けなければなりませんか?
- A
養成施設を令和8年度末までに卒業された方は、卒業後5年間は「試験なし」で一時的に資格が認められる特例制度があります。ただし、令和9年度以降の卒業者は国家試験に合格しなければ資格取得はできません。今後受験を検討されている方は注意が必要です。
- Q4.外国人でも介護福祉士の資格は取れますか?
- A
はい、日本政府が締結するEPA(経済連携協定)に基づき、インドネシア・フィリピン・ベトナム出身の方が対象となるEPAルートがあります。施設での実務・研修を行いながら受験資格を得て、試験に合格すれば、日本人と同様に資格取得が可能です。湘南国際アカデミーでは外国人向けの受験サポート実績も豊富です。
- Q5.受験申込書の準備で気をつけることはありますか?
- A
実務経験証明書は職場に記入してもらう必要があり、準備に時間がかかることがあります。また、申込書の不備は受付不可の対象になるため、「手引き」の内容をよく読み、必要書類の不備がないよう早めに準備を進めましょう。湘南国際アカデミーの講座では、提出書類のアドバイスも行っています。
介護福祉士の資格を取得してキャリアアップを目指そう
今回は介護福祉士の資格取得に必要な条件について解説しました。介護福祉士は、介護業界でのキャリアアップや専門性の向上を目指せる資格です。資格取得のためにはいくつかのルートがあり、主に養成施設ルート、福祉系高校ルート、実務経験ルートの3つがあります。働きながら資格取得を目指す場合は、実務経験ルートが一般的です。
とはいえ、実務経験ルートで介護福祉士の資格取得を目指す場合は、3年以上の実務経験と介護福祉士実務者研修の修了が条件です。資格取得までは一定の期間がかかるため、まずは介護現場での経験を積むことを目標にすると良いでしょう。
湘南国際アカデミーでは、介護福祉士実務者研修の受講から試験対策、書類作成のアドバイス、さらには受講後のキャリア支援まで、一人ひとりの状況に合わせたきめ細かなサポートをご用意しています。
国家資格取得という大きな一歩を、ぜひ私たちと一緒に踏み出してみませんか?
日時:2025年6月27日(金) 19:30~20:30
【内容】
第38回(2026年1月試験)
介護福祉士国家試験の申し込み方法
・受験で失敗しないための準備
・合格のための勉強方法
・よく出る問題について
【講師】
湘南国際アカデミー専任講師 江島一孝
費用:無料
参加方法:Zoomでの開催となります。LINEの友だち登録をしていただくと、参加URLと視聴案内が届きます。
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その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
