2026年1月に実施された第38回介護福祉士国家試験Aパートは、午前60問構成で実施されました。出題の中心は「人間の尊厳」「介護の基本」「社会制度」「生活支援技術」といった、介護福祉士としての土台となる重要領域です。
今回のAパートで問われたのは、単なる暗記力ではありません。理念を理解し、制度を正しく押さえ、それを実践場面でどう活かすか――つまり**“理念理解+制度理解+実践思考”の3つを統合できているかどうか**が合格の鍵となりました。
本記事では、第38回Aパートの全体傾向・解答・湘南国際アカデミーオリジナル解説を通して、得点につながる思考プロセスまで丁寧に解説します。自己採点はもちろん、次年度対策にも活用できる内容です。
※本記事は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表する試験情報および厚生労働省の関連資料を基に、湘南国際アカデミー講師陣が独自に分析・解説しています。
参照元:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」
第38回介護福祉士国家試験Aパートの試験概要
第38回介護福祉士国家試験より、パート合格制度が導入されました。Aパートは午前試験(60問)で構成され、以下の領域から出題されました。
| Aパート科目群【全60問】 | 主な出題内容 |
|---|---|
| 人間の尊厳と自立【2問】・介護の基本【10問】 | ノーマライゼーション・人権・権利擁護 介護福祉士の倫理・安全確保・多職種連携 |
| 社会の理解【12問】 | 介護保険制度・障害福祉制度・社会保障 |
| 人間関係とコミュニケーション【4問】 コミュニケーション技術【6問】 | チームケア・対人関係 |
| 生活支援技術【26問】 | ADL・移乗・排泄・食事・環境整備 |
※本試験は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが実施しています。試験制度や出題基準の詳細は、同センター公式サイトをご参照ください。
参考:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」
【解答・解説一覧】第38回介護福祉士国家試験Aパート
人間の尊厳と自立【2問】
問題1
社会福祉の理念を発展させた人物に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 バンク-ミケルセン(Bank-Mikkelsen,N.)は,「ソーシャルロール・バロリゼーション(Social Role Valorization)」を提唱した。
2 ニイリエ(Nirje,B.)は,「ノーマライゼーション(normalization)の8つの原理」を提唱した。
3 ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger,W.)は,「エーデル改革」を提唱した。
4 リッチモンド(Richmond,M.)は,「ケースワークの7原則」を提唱した。
5 エリクソン(Erikson,E.)は,「自立生活運動の理念」を提唱した。
解答:2
解説:ノーマライゼーションは障害の有無に関わらず普通の生活を保障する思想です。理念は支援姿勢そのものに直結します。制度理解だけでなく、日々の関わりにどう表れるかを考えることが大切です。
問題2
Aさん(62歳,男性,要介護2)は,2年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と診断された。妻と自宅で過ごしたいと希望し,訪問介護(ホームヘルプサービス)と訪問看護を利用している。最近,症状が進行し,サービス担当者会議で,Aさんは,「人工呼吸器はつけないで,最期まで自宅で生活したい」と言った。
会議のあと,妻は訪問介護員(ホームヘルパー)に,「夫にはなかなか言えないのですが,一日でも長く一緒にいたいので,私は人工呼吸器をつけてほしいと思っています」と気持ちを伝えた。
次のうち,Aさんの妻に対する訪問介護員(ホームヘルパー)の提案として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「会議で話されていたAさんの意思が大切なので,尊重しませんか」
2 「私にはわからないので,医師に決めてもらってはどうですか」
3 「Aさんに人工呼吸器をつけてもらったほうがいいですよね」
4 「Aさんとお互いの気持ちを話し合う時間をつくりませんか」
5 「病院や施設の情報がほしいと介護支援専門員に伝えてはどうですか」
解答:4
解説:自己決定を尊重しつつ家族の思いにも耳を傾ける姿勢が重要です。対立を裁くのではなく対話を支えることが介護職の役割。意思決定支援は関係性の中で育まれます。
介護の基本【10問】
問題3
介護施設における介護ロボットに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 導入した施設は,人員配置基準が撤廃される。
2 使用方法は,職員個人の判断で行う。
3 導入することによって,利用者の自立支援や生活の質の向上が期待される。
4 導入の目的は,職員と利用者とのかかわりを最小限に抑えることである。
5 導入によって,職員の巡回は不要になる。
解答:3
解説:介護ロボットの目的は人員削減ではなく自立支援と生活の質向上です。技術をどう使うかは介護観が問われます。人を中心に据えた活用視点が欠かせません。
問題4
次の記述のうち,指定避難所での要配慮者に対する生活支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 避難所内の情報提供には,音声やピクトグラム(pictogram)も取り入れる。
2 避難所内では,二次避難に備えて土足で過ごしてもらう。
3 食事は,被災者の平等性,公平性の観点から同じものを提供する。
4 トイレは,感染予防のために和式便器が望ましい。
5 生活範囲は,区画されたスペースに限定する。
解答:1
解説:災害時の支援では情報保障が最優先です。音声や文字など複数手段を組み合わせる配慮が安心につながります。非常時ほど個別性への理解が求められます。
問題5
ユニバーサルデザイン(universal design)の7原則に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 安全で使いやすいデザインにする。
2 要介護高齢者を対象とする。
3 個別対応より標準化を優先する。
4 介護福祉職にとって操作しやすいことを優先する。
5 デザインの美しさを優先する。
解答:1
解説:ユニバーサルデザインはすべての人に使いやすい設計思想です。特定対象向けの特別仕様ではありません。環境整備は尊厳を守る基盤になります。
問題6
Aさん(51歳,男性,障害支援区分5)は,知的障害がある。共同生活援助(グループホーム)で生活をしている。日中は,生活介護を利用して軽作業を行っている。Aさんは,タオルに強いこだわりを持っていて,なじみの店で自分が選んだタオルしか使用しない。これまでタオルは,両親と買いに行っていたが,両親が高齢になり行けなくなった。Aさんの両親から,サービス管理責任者に,「強いこだわりがあるので,いつも行く店で本人にタオルを選ばせてほしい。何か良いサービスはありませんか」と相談があった。
次の記述のうち,サービス管理責任者の助言として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 店までの移動に不安があるため,同行援護を勧める。
2 身体機能の維持・向上のために,自立訓練(機能訓練)を勧める。
3 一人で外出できるように,自発的活動支援を勧める。
4 自立した日常生活が送れるように,自立生活援助を勧める。
5 本人が買物に行けるように,行動援護を勧める。
解答:5
解説:行動援護は外出時に危険回避が必要な人を支える制度です。制度名と支援内容を結びつけて理解することで、適切な支援選択が可能になります。
問題7
次の記述のうち,介護保険制度における一人暮らしの要支援者を支えるサービスの内容として,適切なものを1つ選びなさい。
1 夜間を安心して過ごすために,夜間対応型訪問介護を利用する。
2 自宅で安全に移動するために,介護予防住宅改修を利用する。
3 趣味のカラオケに行くために,小規模多機能型居宅介護を利用する。
4 身元保証や死後の財産処分のために,高齢者等終身サポート事業を利用する。
5 金銭管理のために,日常生活自立支援事業を利用する。
解答:2
解説:要支援者への給付は予防重視が基本です。住宅改修は転倒予防と自立支援に直結します。制度の目的を踏まえた活用が生活継続を支えます。
問題8
Aさん(91歳,女性,要支援2)は,長年診療所の医師として地域医療に貢献してきた。婚姻歴はなく,診療所敷地内の自宅で3匹の猫と暮らしている。85歳で医師を引退した後も,近隣にはAさんをしたう地域住民が多く,定期的に,「先生,元気にしてますか」とAさんの自宅を訪ねている。
Aさんは昨年から歩行の不安を訴え,現在は地域住民の見守りのほか,訪問型サービスを週2回利用している。人の世話になることに慣れていない様子もあるが,最期まで自宅で暮らすことを望んでいる。
次の記述のうち,Aさんの生活史を尊重した訪問介護員(ホームヘルパー)の声かけとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「3匹の猫は,今後は地域の皆さんに預けましょう」
2 「近所の方の力も借りて,この地域で暮らしていけるように考えていきましょう」
3 「介護を受けることにも,今後は慣れてください」
4 「医師であったことは忘れて,私たちを頼ってください」
5 「一人暮らしで自宅で最期を迎えるのは,不安がありますよね」
解答:2
解説:生活史を尊重する関わりは自己効力感を守ります。役割や経験を活かす視点がその人らしさを支えます。尊厳を守るためには日々の言葉選びも大切な視点です。
問題9
次の記述のうち,介護老人保健施設における在宅復帰に向けたカンファレンスで,介護福祉士が連携する職種の役割として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 歯科衛生士が,義歯を作成する。
2 看護師が,車いすを貸与する。
3 介護支援専門員(ケアマネジャー)が,訪問介護計画を作成する。
4 福祉用具専門相談員が,下肢の機能訓練をする。
5 作業療法士が,自宅の玄関の段差を確認する。
解答:5
解説:作業療法士はリハビリテーションに関わる専門職です。住環境や動作の工夫を通じても生活再建を支えます。職種の役割理解は連携の第一歩になります。
問題10
次の記述のうち,介護老人福祉施設におけるリスクマネジメントとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 安全対策担当者を置き,事故発生予防のための委員会を定期的に開催する。
2 家族からの苦情は,介護福祉士が,その場で解決する。
3 利用者の私物を壊したときは,介護福祉職の自己判断で弁償する。
4 入浴介助時のインシデントの報告は,職員間の口頭による伝達に統一する。
5 事故防止のため,地域のお祭りへの参加は控える。
解答:1
解説:リスク管理は組織で取り組むものです。個人の注意力に頼るのではなく仕組みで事故を防ぐ視点が重要。報告と共有が安全文化を育てます。
問題11
次の記述のうち,介護現場におけるレジオネラ菌の感染対策として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 感染者の衣類は,熱湯で煮沸消毒する。
2 提供する食品は,加熱調理を徹底する。
3 循環式浴槽は,塩素系薬剤を使用して消毒する。
4 ドアノブは,次亜塩素酸ナトリウム液で消毒する。
5 家庭用加湿器のタンクの水は,常に貯めておく。
解答:3
解説:レジオネラ対策では浴槽や配管の衛生管理が中心です。水系感染は環境整備が鍵になります。目に見えないリスクへの配慮が必要です。
問題12
介護福祉職が受けるストレスチェック制度に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 3年に1回の実施が義務づけられている。
2 労働者数が常時100名の事業場は受検が免除される。
3 結果は労務管理を行う介護主任へ提供され,面接指導に活用する。
4 心理的な負担の程度を把握するためのものである。
5 高ストレスと判定された場合は,産業医による治療が必須である。
解答:4
解説:ストレスチェックは心理的負担の把握が目的です。早期の気づきが職員の健康維持と職場環境の改善につながります。自己理解も重要な力です。
社会の理解【12問】
問題13
民法の親族に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 三親等内の血族を家族と規定している。
2 六親等内の姻族を親族と規定している。
3 いとこは互いに扶養する義務があると規定している。
4 同居する親族は互いに扶け合わなければならないと規定している。
5 養子と養親の間には,親族関係は生じない。
解答:4
解説:民法では同居親族の扶助義務が定められています。家族関係の法的枠組みを理解することは、支援の背景を整理する助けになります。
問題14
次の記述のうち,「令和4(2022)年 国民生活基礎調査」(厚生労働省)における,高齢者に関する調査結果として,適切なものを1つ選びなさい。
1 65歳以上の者のいる世帯の世帯構造で最も多いのは,親と未婚の子のみの世帯である。
2 高齢者世帯は5割以上を占めている。
3 要介護者等と同居の主な介護者の年齢の組合せでは,65歳以上同士が約6割を占めている。
4 介護が必要となった理由の第1位は,骨折・転倒である。
5 1世帯当たりの平均所得金額では,高齢者世帯では600万円を超えている。
解答:3
解説:老老介護は高齢者同士が支え合う現実を示します。身体的・精神的負担が重なりやすく、地域支援の重要性が増しています。
問題15
Aさん(78歳,女性)は,一人暮らしである。家事や買物は,時間はかかるが,できるだけ自分で取り組んでいる。近くに頼れる親族がいないため,緊急時にすぐに通報できる公共サービスを利用している。Aさんは,定期的に市の窓口や,地域包括支援センターに今後の生活支援について相談している。近所には,毎日散歩を一緒にしている友人グループがいて,散歩に来ない仲間がいると訪問して声をかけあっている。
次のうち,Aさんの生活を支える自助に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 Aさんが身辺のことを,時間をかけてもやること
2 緊急時にすぐに通報できる公共サービスを利用していること
3 市の窓口の職員が相談に応じること
4 地域包括支援センターの職員が相談に応じること
5 散歩仲間が声をかけあっていること
解答:1
解説:自助とは自らの力で生活を維持する姿勢です。できることを続ける支援が生活の土台を守ります。共助や公助との違いを整理して考えましょう。
問題16
介護保険制度における介護サービス利用に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 65歳未満の者は,保険給付の対象外である。
2 保険給付には,支給限度額がある。
3 要介護認定の有効期限は,原則として3か月である。
4 保険給付による福祉用具の貸与は,要介護3以上の者が対象である。
5 地域包括支援センターに相談する前に,要介護認定を受ける必要がある。
解答:2
解説:介護保険には支給限度額があります。計画的なサービス利用が生活の安定につながります。制度の枠組み理解がケアの質を左右します。
問題17
次の記述のうち,障害者福祉の歴史的展開として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 国際連合の障害者の権利に関する条約の影響を受け,障害者基本法に「社会的障壁の除去」が規定された。
2 第二次世界大戦後5年以内に,優生保護法が廃止された。
3 「精神薄弱者福祉法」の制定によって,知的障害者の入所施設からの地域移行が推進された。
4 社会福祉基礎構造改革によって,高齢者より先に障害者の福祉制度が利用契約制度となった。
5 身体障害,知的障害,精神障害のうち,福祉に関する法律の制定が最も早かったのは知的障害である。
解答:1
解説:社会的障壁の除去は共生社会の基盤です。障害を個人の問題とせず環境との関係で捉える視点が支援の質を高めます。
問題18
次の記述のうち,障害者福祉の関係する機関やシステムとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 地域活動支援センターは,補装具の判定を行う。
2 基幹相談支援センターには,介護福祉士の配置が義務となっている。
3 都道府県は,身体障害者更生相談所を設置しなければならない。
4 都道府県は,障害支援区分の認定を行う。
5 利用者負担の額は,市町村障害福祉計画によって決められる。
解答:3
解説:更生相談所は都道府県が設置主体です。実施主体の違いを整理することは制度理解の基礎となります。
問題19
障害者虐待防止に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 養護者による虐待が疑われる障害者を発見した場合,都道府県へ通報する義務がある。
2 著しく拒絶的な対応は身体的虐待に当てはまる。
3 使用者による障害者虐待は含まれない。
4 行政職員が障害者福祉施設等に,立ち入り調査を行うことは許されていない。
5 虐待を発見した障害者福祉施設従事者が通報した場合,業務上の守秘義務違反にはならない。
解答:5
解説:虐待通報は守秘義務違反にはなりません。早期発見と迅速な通報が被害拡大を防ぎます。迷ったときほど行動が重要です。
問題20
Aさん(82歳,女性,要介護1)は,自宅で一人暮らしをしている。外出機会が少ないAさんを心配して,民生委員が定期的に見守りを行っている。ある日,民生委員から地域包括支援センターに,「Aさんのように,家に閉じこもりがちな要介護者が増えている。民生委員だけでは十分な見守りができない」と相談があった。
次の記述のうち,地域包括支援センターの職員の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 高齢者本人による相談が原則のため,Aさん自身が相談に来るように促す。
2 介護サービスを利用するため,Aさんのケアプランを作成する。
3 フォーマルな社会資源の活用を優先し,民生委員のかかわりを制限する。
4 地域ケア会議において,関係者と地域課題について話し合う。
5 要介護者の実態を把握するために,介護保険審査会を設置する。
解答:4
解説:地域ケア会議は個別課題と地域課題を結びます。支援は点ではなく面で考えることが重要。連携の質が地域力を高めます。
問題21
法定後見制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 65歳未満の者は利用することができない。
2 判断能力が十分ある者には,後見人をつけることができない。
3 市町村長は,後見開始の審判を請求することができない。
4 法人を後見人に選任することはできない。
5 後見人は財産管理を行うことはできない。
解答:2
解説:後見制度は判断能力が低下した人を支える仕組みです。対象要件を理解することが適切な活用につながります。
問題22
有料老人ホームに関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 入居する高齢者に,介護,食事の提供,家事,健康管理のうち1つ以上のサービスを提供する。
2 状況把握サービスと生活相談サービスの提供が義務づけられている。
3 自立した高齢者は,入居の対象外である。
4 共生型サービスとして,指定を受けることができる。
5 介護保険制度の指定対象外である。
解答:1
解説:有料老人ホームは生活支援サービスの提供が要件です。サービス種別ごとの役割を把握することで介護が必要な人や家族のケアにつながります。
問題23
生活困窮者自立支援法に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 障害者は対象から除外されている。
2 生活困窮者自立相談支援事業は,社会福祉法人へ委託できない。
3 生活困窮者自立相談支援事業は,市にとって任意事業である。
4 生活困窮者住居確保給付金の支給は,市にとって必須事業である。
5 都道府県の責務は規定されていない。
解答:4
解説:住居確保給付金は必須事業です。生活困窮支援は早期対応が重要。住まいの安定が生活再建の第一歩になります。
問題24
次の記述のうち,生活保護制度における補足性の原理として,適切なものを1つ選びなさい。
1 申請に基づいて保護を行う。
2 国の定める基準によって測定された需要をもとに保護を行う。
3 個人の必要に応じてできるだけ早く保護を行う。
4 資産・能力を活用した上で保護を行う。
5 世帯を単位として保護を行う。
解答:4
解説:補足性の原理は資産や能力の活用を前提とします。生活保護の枠組みは自立支援の視点で理解すると本質が見えます。
人間関係とコミュニケーション【4問】
問題25
新人職員のAさん(20歳)は,子どものころからの夢だった介護福祉職になり,がんばって働いていた。ただ,介護の技術をもっと学ぶ必要があるといつも感じていた。ある日,利用者のBさんに,「Aさんじゃダメだ,別の人を呼んで」と言われて,ショックを受けた。悩むうちに利用者とかかわりたくないと感じるようになり,眠れなくなってしまった。
次の記述のうち,このような状況にあるAさんが,ストレスを取り除くためにまず行うべき対処方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 つらさから逃げず,学びが足りないことを自覚する。
2 介護の技術がうまくなるために,全力で取り組む。
3 眠れるように,毎晩飲酒する。
4 上司や同僚などに悩みを話して,助言を受ける。
5 介護福祉職には向かないと判断して,転職する。
解答:4
解説:ストレス対処ではまず相談することが大切です。抱え込まず共有する姿勢が専門職としての持続可能性を支えます。
問題26
Aさんは有料老人ホームに入所したばかりである。ある日,廊下を行ったり来たりしているAさんに,B介護福祉職が声をかけた。Aさんは,「私の部屋はどこですか」と困った様子で答えた。B介護福祉職が,「ここから2つ隣の部屋です」と伝えると,Aさんは,「どこですか」と不安そうな表情で聞いた。B介護福祉職は非言語的コミュニケーションを用いて伝えることにした。
次の記述のうち,B介護福祉職が用いた非言語的コミュニケーションとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ゆっくり話した。
2 大きな声で伝えた。
3 Aさんの部屋の番号を紙に書いて渡した。
4 Aさんに近づいた。
5 Aさんの部屋のドアを指さした。
解答:5
解説:非言語は言葉以外で伝える手段です。場所案内は指さし等で視覚的に示すと不安が減り理解も早まります。言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションの使い分けは現場でも非常に大切です。
問題27
次のうち,介護福祉施設におけるコンプライアンスの意味として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 法令を遵守すること
2 給与を引き上げること
3 連携を促進すること
4 介護技術の向上に努めること
5 管理体制を強化すること
解答:1
解説:コンプライアンスは法令・規程・倫理を守ることです。現場では手順遵守と記録、報告を徹底し信頼を守ります。迷ったときほど基準に立ち返り、チームで共有して改善します。
問題28
入社して3か月のA介護福祉職は,はじめて夜勤を経験したとき,排泄チェック表の記入でミスをしてしまった。起床介助で忙しい時間に記入したために,記載箇所を間違えてしまった。A介護福祉職は自身のミスを受け入れられず,落ち込んでいる。
次の記述のうち,A介護福祉職に対する支持的スーパービジョンとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 同僚と一緒に排泄チェック表を確認する。
2 施設長から再発防止に向けた対応を指示する。
3 上司がA介護福祉職の気持ちの理解に努めつつ,状況を確認する。
4 看護師が利用者のその後の状況を確認する。
5 業務マニュアルを見直して,上司が必要な修正を行う。
解答:3
解説:ミスは隠さず報告し原因を振り返ることが再発防止になります。責めるより仕組みで支える姿勢が成長につながります。上司による支持的スーパービジョンとして選択肢3が適切です。
コミュニケーション技術【6問】
問題29
次のうち,利用者とのコミュニケーション場面で,介護福祉職が行う自己開示の目的として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 自己の潜在意識を活用するため
2 利用者との信頼関係を評価するため
3 利用者に自分自身の情報を知らせるため
4 利用者との信頼関係を形成するため
5 自己を深く分析し,客観的に理解するため
解答:4
解説:自己開示は距離を縮め信頼を築くために用います。話題は相手中心にし境界を守りながら共感を深めます。話しすぎは負担になるため反応を見て量を調整します。
問題30
A介護福祉職は,認知症(dementia)のあるBさん(80歳,女性)と会話をしている。Bさんは,「私は小さい頃毎年お祭りに行くことが楽しみでね」「なんだか最近ひざが痛いような気がしてね」「今から何をしようかしらね」と,次々に話している。A介護福祉職は,Bさんが混乱しないように,「Bさん,子どもの頃の思い出や体調のことをお話しくださっているのですね」と返答した。
次のうち,A介護福祉職が行ったコミュニケーション技術として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 要約
2 承認
3 賞賛
4 共感
5 同意
解答:1
解説:話が次々に移るときは遮らず受け止め、要点を整理して返します。安心を保ちつつ今の気がかりを一つずつ確認しながら話題を要約し、流れを作ります。
問題31
次の記述のうち,利用者の家族との関係づくりにおける介護福祉職の基本姿勢として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 お互いの緊張が解けるまでじっと待つ。
2 介護福祉職のペースで話を進める。
3 利用者の意向よりも家族の意向を優先する。
4 家族への連絡は最小限にする。
5 利用者支援で協働するパートナーとして接する。
解答:5
解説:家族は支援のパートナーです。情報共有と傾聴で不安を受け止め、役割分担を調整して負担軽減につなげます。連絡方法も決めて行き違いを減らします。
問題32
Aさん(80歳,女性,要介護3)は中途障害の全盲である。介護老人福祉施設に入所している。最近,食堂の席の入れ替えがあった。Aさんは同じテーブルの利用者同士の会話を,自分に向けて話しかけられていると思って,応答した。しかし,誰からも反応はなく,Aさんは下を向いてしまった。その様子を見たB介護福祉職は,Aさんの状況に対応するために,同じテーブルの利用者にAさんの事情を話し,協力を求めた。
次の記述のうち,B介護福祉職が同じテーブルの利用者に協力を依頼した内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 Aさんは疲れているので,部屋で休むように伝えてほしい。
2 Aさんは不安なので,そっと手を握ってほしい。
3 Aさんにもわかるように,話す相手の名前を呼んでから話してかけてほしい。
4 Aさんが混乱するので,食堂での会話は控えてほしい。
5 Aさんは施設の予定がわからないので,これから食事だと教えてほしい。
解答:3
解説:全盲の方は会話の方向が分かりにくいことがあります。呼名してから話し、位置関係も説明して安心を支えます。席替えなど変化は事前に伝え、必要なら同行して確認します。
問題33
Aさん(72歳,男性)は記憶障害があり,介護施設に入居している。ある日,介護福祉職にAさんが,「あの,ちょっとお願いがあるんです。ええとね,実は,お昼ご飯をほとんど残しちゃいました…。それでね…,あ,あれかな,調理師さんはがっかりしたかな,私はずっと食堂をやっていたんですよ。店はけっこう繁盛していたけど閉めることになってね。あ,ええと何の話だったかな…」と話しかけてきた。
次のうち,このときのAさんの発言を促すための介護福祉職の応答として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「Aさんは,お店を閉めたくなかったのですね」
2 「Aさんは,どんな料理が得意だったのですか」
3 「調理師さんのことは気にしなくていいですよ」
4 「どこかからだの具合が悪いのではないですか」
5 「何かお願いがあるのではありませんか」
解答:5
解説:記憶障害があるという記載がポイントです。最初にお願いがあると話しかけてこられていることに注目している選択肢5が適切です。
問題34
次のうち,客観的事実に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者Aは,楽しかったはずだ。
2 利用者Aは,朝食のパンを残した。
3 利用者Aは,何か言いたそうだった。
4 利用者Aは,不安だったと思う。
5 利用者Aは,退屈そうにしていた。
解答:2
解説:客観的事実とは誰がみてもそうだという事実のことです。現場では客観的事実なのか、評価や推測が入っているのかを分けて考えると共有が正確になります。
生活支援技術【26問】
問題35
次の記述のうち,介護福祉職が行う利用者の生活支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者ができないことを代わりに行うことに重点を置く。
2 利用者の全体像をとらえて支援する。
3 利用者がすべてを自分一人でできるようにする。
4 利用者の生活の効率化を図ることを目標にする。
5 利用者に同情する気持ちで寄り添う。
解答:2
解説:生活支援はできる力を活かし補うのが基本です。本人の選択を尊重し、過介助を避けて自立と安全を両立します。そのためには利用者の全体像をとらえる視点が欠かせません。
問題36
介護老人福祉施設における,快適な室内環境に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 風の通り道をつくって,換気を行う。
2 手すりは,壁紙と同じ色を使う。
3 ベッドライトの光源は,利用者の目に直接あたるように調整する。
4 カビの発生を予防するために,湿度は高く保つ。
5 靴音を小さくするために,硬い床材にする。
解答:1
解説:快適な環境は温湿度・換気・照明・騒音の調整が要点です。体調変化を観察し季節に応じて整えます。乾燥や暑熱は不調に直結するため、訴えも丁寧に拾います。
問題37
パーキンソン病 (Parkinson disease)の人の住まいに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 玄関の段差には,スロープを設置する。
2 廊下の床には,歩幅に合わせて目印をつける。
3 リビングの床には,大きさの違うカーペットを重ねて敷く。
4 移動空間が狭くなるように,家具を配置する。
5 リビングは1階,浴室は2階にして,階段で行き来する。
解答:2
解説:すパーキンソン病の症状として、歩行時に一歩目が出づらいというものがあります。選択肢2は本人が歩行をしやすくする環境づくりとして適切です。
問題38
次の記述のうち,歩行が不安定になり,移動の意欲が低下している利用者に対する介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 福祉用具の使用は避けて,自力での歩行を目指すように促す。
2 移動の目的を伝えるよりも,歩行機能の改善を優先する。
3 成功体験を積み重ねることができるように,達成可能な歩行の目標距離を設定する。
4 歩行の不安定さに合わせて,移動範囲を縮小する。
5 本人が希望しなくても,介護福祉職の判断で毎日歩くことを目標にする。
解答:3
解説:意欲低下には成功体験が鍵です。短距離から安全に練習し、できた点を言語化して自信を回復させます。不安が強い場合は環境を整え、段階目標で無理なく増やします。
問題39
次の記述のうち,右片麻痺のある利用者に対する,仰臥位(背臥位)から車いすへの移乗の介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者に右側臥位になって起き上がるように促す。
2 端座位になった利用者の左側に立つ。
3 端座位になった利用者の右側に,車いすを置く。
4 車いすのフットサポートは下げておく。
5 移乗するときは,利用者に前傾姿勢をとるように促す。
解答:5
解説:車いすは健側に近づけ、患側を守りながら立位と回旋を支えます。麻痺の有無に関わらず、立ち上がりやすい姿勢をサポートすることが必要です。
問題40
視覚障害者の歩行時の誘導に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護福祉職は,利用者の半歩後ろで背中を支えながら歩く。
2 介護福祉職は,白杖に触れながら歩く。
3 狭い通路では,介護福祉職は利用者の後ろを歩く。
4 階段利用時は,介護福祉職は階段の前で声かけして止まる。
5 介護福祉職は,利用者が握っている上肢を振って歩く。
解答:4
解説:視覚障害者の歩行時の誘導は腕や肩をつかんでいただき歩きます。段差や方向を先に言葉で伝え、急な引っ張りは避けます。曲がり角や段差は一拍前に告げ、合図をそろえると安心感につながります。
問題41
身じたくの目的に関する次の記述のうち,国際生活機能分類(ICF)における「心身機能・身体構造」の観点が考えられるものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 体温を調整する。
2 身体を清潔に保つ。
3 セルフケアを行う。
4 自分を表現する。
5 周囲との人間関係を調整する。
解答:1
解説:心身機能・身体構造は、心や身体の機能面、筋力・関節可動域・感覚など身体面を指します。選択肢1が適切です。
問題42
次のうち,介護が必要な利用者への口腔ケアとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 仰臥位(背臥位)で行う。
2 歯垢を除去するためにうがいをしてもらう。
3 歯ブラシで歯を1,2本ずつ磨く。
4 スポンジブラシは乾いた状態で使用する。
5 部分床義歯(局部床義歯)はつけたまま行う。
解答:3
解説:口腔ケアは誤嚥性肺炎予防にも重要です。姿勢を整え粘膜を傷つけないよう保湿しながら丁寧に清掃します。義歯や乾燥も確認し、痛みがあれば方法を変えます。
問題43
次のうち,右片麻痺の利用者が前開きの上着を着脱するときに介護福祉職が行う説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「脱ぐときは,左肩の衣服を下げてから,右側の袖から腕を抜きましょう」
2 「脱ぐときは,右肩の衣服を下げてから,右側の袖から腕を抜きましょう」
3 「襟元を手前にして,腿の上に置きましょう」
4 「着るときは,右袖を肘まで通してから,左袖を通しましょう」
5 「着るときは,右袖を肩まで通してから,左袖を通しましょう」
解答:5
解説:麻痺側は動かしにくいので脱ぐとき後・着るとき先が基本です。手順を短く示し、できる動作は見守ります。一つずつ、できた部分への声かけも意欲のサポートにつながります。
問題44
次のうち,介護老人福祉施設における食事に関する支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 食堂の換気は,不要である。
2 食事中は,会話を控えるようにする。
3 食事が楽しくなるような雰囲気をつくる。
4 食べ終わった利用者の食器は,すぐに下膳する。
5 照明は,明るさを25ルクス(lx)以下にする。
解答:3
解説:食事支援は栄養だけでなく楽しみと尊厳を守ります。環境と姿勢を整え、ペースに合わせて見守りや介助をします。嗜好や文化にも配慮し、食の楽しみを支えます。
問題45
次の記述のうち,椅子に座って食事をするときに,利用者が食事をしやすい姿勢を確保するための介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 足底を床につけてもらう。
2 テーブルと身体の間は30cm離してもらう。
3 椅子に浅く座ってもらう。
4 体幹を後方に傾けてもらう。
5 顎を上げてもらう。
解答:1
解説:食事姿勢は足底接地と骨盤の安定が要点です。背もたれ調整とテーブル高さで前傾を防ぎ、嚥下を助けます。座面高さが合わない時はクッション等で調整し首も安定させます。
問題46
咀嚼機能が低下した利用者の食事介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 大きめのスプーンで吸い込むように食べてもらう。
2 一口量は,ティースプーンに軽く一杯を目安にする。
3 食べる順番は,介護福祉職の判断で行う。
4 スプーンは,舌の奥にのせるように入れる。
5 咀嚼が始まったら,すぐに次の食べ物を口に入れる。
解答:2
解説:咀嚼機能が低下している場合は一口量を少なくし、必要に応じて軟菜や刻み等で形態調整します。飲み込みにくさが増えたら無理をせず、専門職へ相談します。
問題47
Aさん(80歳,女性,要介護3)は,介護老人福祉施設で生活している。食事は見守りのもとでほぼ自立しているが,嚥下機能は低下してきている。医師からは,食事摂取に配慮するように指導されている。ある日の昼食中,Aさんは食事を1/3ほど食べたところで箸を止め,表情がこわばり,呼吸もやや浅くなった。
次の記述のうち,介護福祉職が医療職に報告すると同時に,最初に行う対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 血圧を測定する。
2 口腔の状況を観察する。
3 口すぼめ呼吸を促す。
4 その場で仰臥位(背臥位)になってもらう。
5 すぐに薬を服用してもらう。
解答:2
解説:嚥下低下でむせや呼吸の変化が出たら中止し観察します。姿勢を整え医療職へ報告し、食形態や介助方法を見直します。再開は独断せず指示を確認し安全を優先します。
問題48
ベッド上で行う陰部洗浄に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 滅菌手袋を使用して行う。
2 上半身はベッドの手前端に移動する。
3 バスタオルで両下肢を包む。
4 洗浄するときは,43℃のお湯を用いる。
5 終了後は,蒸しタオルで水分を拭き取る。
解答:3
解説:陰部洗浄は前から後ろへが基本で感染予防になります。羞恥に配慮し保温と露出最小で手早く行います。洗浄後は水分をよく拭き取り、皮膚トラブルを予防する必要があるため乾いたタオルで水分を拭きとります。
問題49
腹部の清拭の方法を図に示す。矢印は拭く方向を表している。
次のうち,基本的な清拭の方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。





解答:2
解説:腹部の清拭は、腸の走行に沿って行います。身体の仕組みを理解していることが、快適な介護の提供につながります。
問題50
Aさん(55歳,男性,会社員)は,20歳のときに交通事故で第5頸髄(C5)を損傷した。現在,電動車いすを使用し,自宅で自立した生活を送っている。身体状況は安定しているが,ときどき仙骨部に褥瘡ができることがある。入浴は,居宅介護(ホームヘルプサービス)を利用していて,訪問介護員(ホームヘルパー)が福祉用具を用いて入浴介護をしている。
次のうち,Aさんが入浴時に使用している福祉用具として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 移乗台
2 バスボード
3 入浴用リフト
4 浴槽用手すり
5 滑り止めマット
解答:3
解説:第5頸髄(C5)を損傷し、現在電動車いすを使用しているという情報から、用具の選定として選択肢3が適切です。
問題51
Aさん(85歳,男性,要介護3)は,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)と診断され,認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)で生活をしている。入所時,Aさんは,尿意や便意はあり,自分でトイレに行って排泄できていた。最近,認知機能の低下によって,トイレ以外の場所で排泄するようになった。
次のうち,Aさんの状態に合わせた介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 骨盤底筋訓練を行う。
2 紙おむつを使用する。
3 一日の水分摂取量を減らす。
4 ほかの利用者と同じ時間にトイレへ誘導する。
5 トイレの出入口に「トイレ」と書いた紙を貼る。
解答:5
解説:認知機能低下で場所の見当が難しくなることがあります。視覚的手がかりを増やすことで行動を支えます。環境を整える支援は、能力を奪わず自立を守る大切な工夫です。
問題52
次のうち,下痢をしている利用者の水分補給として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 白湯
2 牛乳
3 炭酸水
4 コーヒー
5 冷水
解答:1
解説:下痢時は腸への刺激が少ない白湯が適しています。冷水やカフェイン、乳製品は腸を刺激する可能性があります。脱水予防のため、少量ずつこまめな補給が基本です。
問題53
Aさん(83歳,男性,要介護1)は,一人暮らしで,少額の年金で生活している。Aさんは軽度の認知症(dementia)と診断を受けている。近所には親しくしている人が複数いる。ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると,近所のスーパーで購入した未開封の健康食品が山積みになっていた。Aさんが財布を持ってきて,「買いたいものがたくさんあるが,お金が足りない。どうしたらよいか」と訪問介護員(ホームヘルパー)に相談した。
このときの訪問介護員(ホームヘルパー)の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「お金は足りているから安心して大丈夫ですよ」と伝える。
2 近所の親しい人に,財布を預かってもらえるか,聞いてみる。
3 鍵付きの引き出しに財布を入れ,訪問介護員(ホームヘルパー)が鍵を管理する。
4 「お金の使い方について,一緒に考えてみませんか」と提案する。
5 健康食品のクーリング・オフを勧める。
解答:4
解説:本人の判断力を尊重しつつ、金銭管理を一緒に考える姿勢が重要です。一方的に管理するのではなく、意思決定を支える関わりが自立支援につながります。
問題54
繊維や衣類の性質と洗濯方法に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 綿の柄物シャツには酸素系漂白剤を使う。
2 ナイロンのレインウエアは脱水時間を長くする。
3 ウールのニットセーターは乾燥機を使う。
4 レーヨンのパジャマはすすぎ時間を長くする。
5 絹のブラウスには弱アルカリ性洗剤を使う。
解答:1
解説:綿製品は比較的丈夫で酸素系漂白剤が使用できます。素材の特性を理解することが衣類を長持ちさせる基本です。誤った洗濯方法は縮みや傷みの原因になります。
問題55
Aさん(82歳,女性,要介護1)は,訪問介護(ホームヘルプサービス)を週1回利用し,生活援助を受けながら,自宅で一人暮らしをしている。調理はAさん本人が行うなど,できることは自分で行いたいと思っている。ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)はAさんから買物リストを渡されて,近くのスーパーで食材を購入してきた。
次の記述のうち,Aさんへの生活援助における訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 依頼された食材が安かったので,リストに書かれた数より多く購入した。
2 おつりとレシート,購入した食材の確認を,Aさんにすべて任せた。
3 冷蔵庫を開けたとき,賞味期限切れの食材があったため廃棄した。
4 買物リストは,次から訪問介護員(ホームヘルパー)が書くことを提案した。
5 購入した食材で調理しにくいものがないか,Aさんに確認した。
解答:5
解説:生活援助は本人の主体性を尊重することが前提です。購入品が調理しやすいかを確認する姿勢は、自立した生活を支える支援につながります。
問題56
次の記述のうち,良質な睡眠のための環境づくりとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 日中は,強度の高い運動を多く取り入れる。
2 夜食は,就寝直前にとる。
3 入浴は,就寝の1~2時間前に行う。
4 眠気がなくても,決まった時間に目を閉じる。
5 寝ている間も,照明は明るくしておく。
解答:3
解説:入浴は就寝1~2時間前が適切です。体温がゆるやかに下がることで自然な眠気が生まれます。睡眠は生活リズムと環境調整の積み重ねで整います。
問題57
Aさん(83歳,女性,要介護3)は,脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺があり,介護老人福祉施設に入所している。ある日の夜間,仰臥位(背臥位)で寝ていたAさんが,「背中が重く感じて,眠れない」と介護福祉職に訴えた。
次の記述のうち,介護福祉職がAさんに行う介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ファーラー位にして,左下肢にクッションを入れる。
2 両上肢の下に,クッションを入れる。
3 両膝窩部に,クッションを入れる。
4 右側臥位にしてクッションを抱いてもらう。
5 右下肢の足部に,クッションを入れる。
解答:4
解説:「背中が重く感じて,眠れない」という訴えから、除圧の必要が考えられます。麻痺のある利用者には健側を下にした側臥位が安定します。抱き枕を使うことで安心感と体圧分散が得られます。体位調整は苦痛軽減の基本です。
問題58
次の記述のうち,介護老人福祉施設で,終末期にある利用者とその家族に行う介護福祉職の支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者の苦しそうな姿を見せないように,家族には面会を控えてもらう。
2 利用者と家族の関係が良好でない場合は,家族と連絡を取らないようにする。
3 好きなものや食べたいものがある場合は,家族に持ってきてもらう。
4 苦痛を訴える場合は,家族から激励してもらう。
5 家族が不安になるため,体調の変化は伝えないようにする。
解答:3
解説:終末期では特に「その人らしさ」を大切にします。食べたいものを家族が持参することは、思い出や安心感を支える関わりになります。
問題59
次の記述のうち,施設で亡くなった利用者家族への介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 悲しみの表出があった時点からかかわりを開始する。
2 傾聴よりも励ますことを重視する。
3 悲嘆は特異な反応のため注意する。
4 故人との思い出には触れないようにする。
5 悲嘆が長期化した場合は,専門医等へ相談するように助言する。
解答:5
解説:悲嘆が長期化し生活に支障が出る場合は専門職への相談を勧めます。無理に励まさず、自然な悲しみを受け止める姿勢が大切です。
問題60
次のうち,固定式歩行器が適した利用者として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 対麻痺で,下肢を交互に出すことができない人
2 片麻痺があって,麻痺側の指関節の拘縮がある人
3 両上肢の筋力が弱く,手関節に痛みがある人
4 両手の握力が保たれていて,数秒程度の立位保持ができる人
5 右の足根骨を骨折して,右下肢に体重をかけることができない人
解答:4
解説:固定式歩行器は両手で支持し、一定時間立位保持ができる人に適しています。上肢機能と握力が保たれていることが安全使用の条件です。
Aパート難易度分析
第38回国家試験のAパートの総合的な難易度は標準からやや難しい内容でした。特に「制度横断型問題」が増加傾向にありました。
| 分類 | 評価 |
|---|---|
| 理念問題 | 標準 |
| 制度問題 | やや難しい |
| 生活支援技術 | 標準 |
| 事例問題 | やや増加 |
Aパートの合格ライン予測
第38回介護福祉士国家試験は全125問構成で、合格基準は例年通り総得点の約60%前後を目安に、問題の難易度によって補正されます。
つまり、単純計算では75点前後が基準になりますが、近年の傾向を見ると、より確実な合格を目指すのであれば80点以上を安全圏と考えておくのが現実的です。
Aパートは60問構成ですので、少なくとも40点以上を安定して確保できているかどうかが一つの目安になります。自己採点の段階でこのラインに届いていない場合は、弱点分析を行い、次年度に向けた対策が必要になります。
※合格基準は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターの公表基準に基づき、総得点の約60%を基準として補正方式で決定されます。
引用元:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「合格基準について」
~・介護福祉士合格の秘訣は満点を目指さない勉強法でした・~
介護福祉士国家試験では、講師陣や専門家でも間違えてしまうような「難問」が必ず出題されます。
しかし、それら全てを解くために「重箱の隅をつつくような勉強法」は効率的ではありません。
出題の可能性が低い内容は省き、「間違えてはならない問題を確実に解く」という合格するためのテキストと勉強法が必要です。
介護福祉士国家試験「受かるんですシリーズ」
「受かるんですシリーズ」とは?
介護福祉士合格請負人のプロが作った湘南国際アカデミー独自の受験対策テキスト教材です。
テキストはこちら⇒「丸わかりテキスト」
動画版はこちら⇒「丸わかり動画」
eラーニングはこちら⇒「解説付きWeb問題集」
第38回試験のAパートで差がついたポイント
今回のAパートでは、いくつか明確に“差がついた”ポイントがありました。
まず一つ目は、条文の丸暗記に頼った学習です。
単語だけを覚えている受験生は、選択肢の言い回しが少し変わるだけで迷ってしまう傾向が見られました。背景や目的まで理解しているかどうかが得点差につながりました。
二つ目は、事例問題の読解力です。
問われているのは何か、誰の立場で答えるのか、設問の意図を正しく読み取れるかどうか。知識量よりも「読み解く力」が求められました。
三つ目は、理念と制度を結びつけられるかどうかです。
人間の尊厳や自立支援といった理念を、介護保険制度や具体的支援場面と関連付けて考えられるか。この“統合力”が合否を分けたといえるでしょう。
パート合格で落ちてしまった場合|有効期限について
万が一、パート合格で落ちてしまった場合の対応や、一部のパートが合格した場合の有効期限については、各パートごとにパート合格した最終年から翌年・翌々年(2年)まで有効となります。以下の表を参照してください。
引用元;社会福祉振興・試験センターHP「パート合格(合格パートの受験免除)がスタートします!」
| 令和7年度 第38回試験 (初回受験) | 令和8年度 第39回試験 | 令和9年度 第40回試験 | 令和10年度 第41回試験 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 午前試験 Aパート | パート試験結果 | 合格〇 | 合格〇 | ー | ー |
| パート有効期限 | 第40回試験 まで有効 | 第41回試験 まで有効 | 第41回試験まで有効⇒ | ||
| 午後試験 Bパート | パート試験結果 | 不合格✕ | 合格〇 | ー | ー |
| パート有効期限 | 第41回試験 まで有効 | 第41回試験まで有効⇒ | |||
| 午後試験 Cパート | パート試験結果 | 不合格✕ | 不合格✕ | 不合格✕ | 合格〇 |
| パート有効期限 | ー | ー | ー | ||
| 資格取得 | ー | ー | ー | 資格取得 | |
パート合格はあくまで「一部免除」であり、全パートに合格しなければ介護福祉士の資格は取得できません。 また、パート合格者は介護福祉士としての配置基準や報酬算定の対象にもなりません。
つまり、パート合格はゴールではなく「途中段階」です。制度を正しく理解し、どのパートをどの年度で突破するのか、戦略的な学習計画を立てることが重要になります。
パート合格制度に関する詳細は以下の関連記事をご覧ください。
⇒「介護福祉士国家試験のパート合格とは?2026年1月開始の新制度を解説」
FAQ|介護福祉士国家試験Aパートに関するよくある質問
- Q1.第38回介護福祉士国家試験Aパートは何問でしたか?
- A
午前60問で構成されています。
- Q2.Aパートの合格基準は何点ですか?
- A
正式な基準は総得点の約60%前後とされ、難易度補正が行われます。
- Q3.Aパートのみ合格した場合はどうなりますか?
- A
翌年・翌々年はAパートが免除されます。ただし全パート合格しなければ介護福祉士の資格取得はできません。
- Q4.パート合格の有効期限は?
- A
最終合格年から2年間有効です。
- Q5.次年度に向けてAパートの対策で最優先で勉強すべきことは?
- A
制度の目的理解と事例問題演習です。
次年度の第39回介護福祉士国家試験に向けた学習アドバイス
来年度に向けて意識したいのは、表面的な暗記から一段階踏み込んだ理解です。
まず、介護保険法の目的条文は必ず理解しておきましょう。
制度問題の多くは、この目的と理念に立ち返ることで整理できます。
次に、生活支援技術はICF(国際生活機能分類)の視点で整理することが重要です。単なる動作介助ではなく、「その人の生活全体をどう支えるか」という視点で考える練習を積みましょう。
さらに、事例問題は量が力になります。週に3問を目安に継続して解く習慣をつけることで、設問のパターンが見えてきます。
湘南国際アカデミーでは、
・添削式の事例演習
・パート別強化講座
・個別の弱点分析サポート
を通して、一人ひとりの得点力向上を支援しています。
こんな方は要注意
もし今回の自己採点で、
・制度問題を半分以上落としている
・「なんとなく」で選択肢を選んだ問題が多い
・生活支援技術を感覚的に覚えている
こうした傾向が見られる場合は、来年度に向けた本格的な対策が必要です。
国家試験は“運”ではなく“再現性のある思考力”で突破するものです。早めに課題を明確にし、計画的に準備を進めていきましょう。
無料資料請求やお問い合わせはこちらからお気軽にお問い合わせください。
介護の資格 湘南国際アカデミー
▶「介護資格に関する無料資料請求」
▶「各種ご相談やお問い合わせ」
▶「お電話でのお問い合わせ:0120-961-190」
(受付時間:9:00〜18:00/年中無休)
その他、介護技能実習評価試験評価者として外国人介護士の受け入れ機関への評価業務や、介護事業所や医療機関において「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
また、湘南国際アカデミーが発行する「介護業界マンスリーレポート」の企画・監修にも関わり、介護事業所の人材課題や育成ニーズについて、継続的に現場情報の収集・分析を行っている。






