2026年1月に実施された第38回介護福祉士国家試験Cパートは、午後試験の後半に位置づけられる事例中心のパートとして実施されました。
Cパートでは、介護過程や総合問題が中心となり、単なる知識の正誤を問うのではなく、利用者の状態像を多角的に捉えたうえで、根拠をもって適切な支援を選択できるかどうかが問われました。とくに今回は、情報を整理しながら課題を抽出し、優先順位を判断する力が重視される構成となっており、実践現場を想定した思考力が試される内容でした。
こうした出題傾向から見えてきた合格の鍵は、アセスメント力を土台に、状況に応じた根拠ある判断ができること、そして介護過程の流れを正しく理解していることにあります。
本記事では、第38回介護福祉士国家試験Cパートの出題傾向を丁寧に分析するとともに、全問の解答と湘南国際アカデミー講師陣による独自解説を掲載しています。さらに、難易度評価や合格ライン予測、そして次年度(第39回)試験に向けた具体的な学習対策まで、現場経験と国家試験指導実績に基づいてわかりやすく解説します。
※本記事は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表する試験情報および厚生労働省の関連資料を基に、湘南国際アカデミー講師陣が独自に分析・解説しています。
参照元:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」
第38回介護福祉士国家試験Cパートの試験概要
第38回介護福祉士国家試験Cパートは、午後試験の後半に実施される事例中心のパートです。Aパート・Bパートが基礎知識や専門知識の理解を問う「知識理解型」であるのに対し、Cパートはそれらの知識をどのように活用するかが問われる「統合・応用型」の位置づけとなっています。
Cパートでは、利用者の生活全体を踏まえた支援を考える力が重視され、介護過程の理解を土台に、多角的な視点から判断する力が求められました。主な出題領域は以下のとおりです。
| Cパート科目群【全20問】 | 主な内容 |
|---|---|
| 介護過程【8問】 | アセスメント、課題抽出、目標設定、評価の流れ |
| 総合問題【前12問】 | 事例を通した支援選択・優先順位判断 |
| その他出題領域 | 主な内容 |
| チームアプローチ | 多職種連携、情報共有の視点 |
| 倫理的判断 | 尊厳保持、意思決定支援 |
| 多職種連携 | 医療・福祉職との協働 |
| 家族支援 | 家族の心理理解と支援の方向性 |
※本試験は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが実施しています。試験制度や出題基準の詳細は、同センター公式サイトをご参照ください。
参考:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」
特に第38回試験では、単なる場面対応ではなく、事例全体を読み解いたうえで判断する問題が目立ちました。具体的には、次のような思考力が問われる構成でした。
- 利用者の状態像を正確に読み取る力
- 生活歴や家族背景を踏まえた生活全体の把握
- 支援の優先順位を判断する力
- 介護過程に沿った論理的な展開力
これらを整理すると、今回のCパートで求められた力は次のとおりです。
| 視点 | 主な内容 |
|---|---|
| 状態像の把握 | 身体・心理・社会面を統合的に理解できるか |
| 背景理解 | 生活歴・家族関係・環境要因を考慮できるか |
| 優先理解 | 緊急性・安全性・尊厳の観点で判断できるか |
| 介護過程 | アセスメントから評価までの流れを理解しているか |
Cパートでは、単純な正誤判断ではなく、「この利用者に今、何が最も必要か」を考える実践的な判断力が問われました。知識を“知っている”だけでは得点につながらず、知識を“使える形”で整理できているかどうかが合否を左右するパートだったといえるでしょう。
【解答・解説一覧】第38回介護福祉士国家試験Cパート
介護過程
問題106
次のうち,介護過程における生活課題への対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護福祉職が望む支援を実現すること
2 利用者が望む暮らしを実現すること
3 他職種が望む連携を実現すること
4 家族が望む経済状況を実現すること
5 施設が望む運営を実現すること
解答:2
解説:介護過程は「利用者が望む暮らし」を実現するための道筋です。支援者の都合を優先するとズレが生まれます。本人の価値観を出発点に、目標と方法を整えることが要です。
問題107
次のうち,短期目標に関する説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護福祉職の介護目標を設定する。
2 利用者の1年後の状態を記載する。
3 利用者の家族を主体にして表現する。
4 アセスメントに基づく利用者の具体的な生活課題から検討する。
5 目標達成時の介護福祉職の満足度を記載する。
解答:4
解説:短期目標はアセスメントで捉えた具体的な生活課題から検討します。達成が見える表現にすることで、本人の実感とチームの共有が進みます。目標は“できた”を生む設計です。
問題108
次のうち,介護計画の実施に関するものとして,適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者の実践状況は評価日にまとめて記載する。
2 介護福祉職が結果に満足できるまで実践を続ける。
3 介護福祉職の実践経験を積むことを目的にする。
4 他職種が立案した介護計画をチームで実践する。
5 利用者に支援内容を説明して同意を得る。
解答:5
解説:介護計画の実施では、支援内容を説明し同意を得ることが大前提です。本人が納得してこそ協働が成立します。実践と記録を重ね、必要に応じて柔軟に調整していきます。
問題109
次のうち,サービス担当者会議にサービス管理責任者が出席する目的として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 個別支援計画の取り組みの報告
2 障害支援区分の判定
3 支給が必要かどうかの決定
4 サービス等利用計画の説明
5 相談支援専門員への個別支援計画作成の指示
解答:1
解説:サービス担当者会議でサービス管理責任者が出席するのは、個別支援計画の取り組み状況を共有するためです。情報を持ち寄り、支援の整合性を取ることがチーム支援の要になります。
問題110・問題111
次の事例を読んで,問題110、問題111について答えなさい。
〔事例〕
Aさん(78歳,女性,要介護1)は,軽度の認知症(dementia)があり,通所介護(デイサービス)を利用しながら一人暮らしをしている。一人娘が近くに住んでいる。最近,近所の人から娘に,「決められた日以外にごみを出しているので,そっと片づけているの」と連絡があった。
翌日,娘がAさんの自宅に行くと,部屋の中に弁当の空の容器がそのまま残されていた。心配した娘が同居を勧めたが,Aさんは,「これからも,この家からデイサービスに通いたい」と強い口調で言った。話し合いの結果,娘が夕方に様子を見に行くことになった。
Aさんは,通所介護(デイサービス)を休むことなく利用していたが,ある日の迎えのとき,担当の介護福祉職に,「今日は行きたくない」と言って利用を拒否した。娘が理由を聞くと,「クイズの時間になると利用者のBさんに,あなたの答えはいつも間違えていると何度も注意される。情けない・・・」と話した。娘はAさんの様子を介護福祉職に伝えた。
問題110
次のうち,Aさんのニーズとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 娘の家で同居すること
2 自宅での生活を続けること
3 通所介護(デイサービス)を休めること
4 弁当のメニューを変更すること
5 ごみ出しを近所の人に任せること
解答:2
解説:Aさんの中心ニーズは「自宅で生活を続けること」です。困りごとがあっても願いは変わりません。本人の希望を軸に体制を組み立てることが支援です。
問題111
Aさんの娘から連絡を受けた通所介護(デイサービス)では,介護過程の再アセスメントをすることになった。
次のうち,Aさんの再アセスメントで重視すべき情報として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 通所介護(デイサービス)を利用しない日の過ごし方
2 通所介護(デイサービス)での様子
3 通所介護(デイサービス)の利用継続に関する娘の意見
4 通所介護(デイサービス)の迎えを担当した介護福祉職の印象
5 通所介護(デイサービス)以外のサービスを利用することへの意向
解答:2
解説:再アセスメントでは通所中の具体的な様子を重視します。拒否の背景にはBさんとの関係や場面のつらさがあります。本人の体験を丁寧に捉えることで、再び安心して通える工夫が見えます。
問題112・問題113
次の事例を読んで,問題112、問題113について答えなさい。
〔事例〕
Aさん(50歳,男性,障害支援区分3)は,中度の知的障害がある。身体機能に問題はないが,遂行機能に障害がある。短い言葉での意思表示はできる。両親は亡くなっている。姉が近くに住んでいるが,同居は難しく,共同生活援助(グループホーム)へ入居した。入居時に短期目標を「生活のリズムを整える」と設定し,順調に進んでいた。日中は就労継続支援B型事業所に通っている。
共同生活援助(グループホーム)の生活に慣れてきた頃,Aさんは日中活動を休むようになった。心配した生活支援員が居室を訪ねると,Aさんが,「昨日も,遊びに来た隣室の友人が,散らかっている部屋をみて笑った。前はきれいにできていたのに」と自信をなくしている様子であった。
生活支援員がAさんの居室を確認すると,趣味で集めているアニメグッズや衣服が増えていて,きれいにしていた自室内に散乱していた。
問題112
次のうち,日中活動を休むようになったAさんの状態を理解するために必要な情報として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 Aさんの家族構成
2 隣室の友人がAさんの部屋に行った時間
3 Aさんが自信をなくした理由
4 生活支援員がAさんの部屋を訪ねた心情
5 Aさんが隣室の友人と遊ぶことになった理由
解答:3
解説:状態理解に必要なのは、Aさんが自信をなくした理由です。行動の背景をつかまないと支援はずれます。笑われた体験えお整理し、回復の糸口を一緒に探ります。
問題113
後日,カンファレンスが開かれ,短期目標についての見直しが検討された。
次の記述のうち,見直された短期目標として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 趣味を変更する。
2 現在の自室の状態を維持する。
3 衣服を部屋の隅に寄せる。
4 日中活動の事業所を変更する。
5 自室を整理整頓する。
解答:5
解説:短期目標は現状の課題に合い、達成が具体的にイメージできるものが適切です。自室の整理整頓は生活リズムと自信回復につながります。小さな成功を積み上げる設計が重要です。
総合問題
(総合問題1)
次の事例を読んで,問題114、問題115、問題116について答えなさい。
〔事例〕
Aさん(66歳,女性)は,一人息子と二人で暮らしている。会社の趣味サークルや地域活動に熱心に参加してきた。半年前に,長年勤めた仕事を定年退職して,継続雇用で週2日の勤務になった。その頃から不眠を訴え,疲れやすく気持ちが落ち込む日が増えてきた。しばらくすると,睡眠中に大声をあげたり,息子の部屋までふらふらと歩いてきたり,自室のカーテンの花柄が動いて怖いと話したりするようになった。近隣の大学病院を受診した結果,手足の震え,小刻みな歩行,顔のこわばりなどみられ,レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の診断を受けた。
Aさんは,趣味活動や自宅で息子と過ごすことを優先し,これからの生活を楽しみたいと考えて,仕事を辞めた。そして,安全に歩く力を維持するために介護サービスを活用しようと考えた。Aさんは要支援2の認定を受けて,介護予防通所リハビリテーションの利用を始めた。
問題114
Aさんの手足の震えは,ある体内物質の影響によって生じている。
次のうち,その体内物質に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 メラトニン(melatonin)
2 ドーパミン(dopamine)
3 アドレナリン(adrenaline)
4 コルチゾール(cortisol)
5 グルカゴン(glucagon)
解答:2
解説:レビー小体型の運動症状はドーパミン機能の低下が関係します。身体の変化を脳内物質の視点で捉えると理解が深まります。症状の揺れも踏まえ、安全な生活動線を整えます。
問題115
ある日,送迎のときに,介護予防通所リハビリテーション事業所のB介護福祉職は,息子から,日々の症状に変動がある母を自宅で介護するときにどのようなことに注意すべきか,と聞かれた。B介護福祉職は事業所で他職種ミーティングを行ってから返答することにした。
次の記述のうち,B介護福祉職の息子への助言として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 視覚的環境からの影響を防ぐために,自室のカーテンを無地のものに変更する。
2 下肢筋力を維持するために,毎日決まった時間に同じ運動をする。
3 転倒を防止するために,Aさんの外出の機会を減らす。
4 夜間は部屋をできるだけ明るく照らすために,直接照明を用いる。
5 着脱をしやすくするために,ボタン止めの衣服を使用する。
解答:1
解説:幻視など視覚の影響が出やすいため、刺激となる柄や影を減らす工夫が有効です。カーテンを無地にするのは環境調整の具体例。安心できる空間づくりが落ち着きにつながります。
問題116
サービス利用開始から2か月後,担当介護支援専門員(介護福祉士)はモニタリングを行うために,Aさんの自宅を訪れた。Aさんは,「もっとほかの人と交流したいが,自宅で生活しながら利用できると安心だ。とにかく息子に心配をかけずに一緒に暮らしていきたい」と語った。
息子は,「最近仕事が忙しくなり,今後泊まりの出張もあるので,リハビリ以外のサービスもうまく使ってほしい」と語った。
次のうち,Aさんに利用を勧めるサービスとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護予防認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
2 日常生活自立支援事業
3 訪問介護(ホームヘルプサービス)
4 介護予防小規模多機能型居宅介護
5 介護予防・生活支援サービス事業の通所型サービス
解答:4
解説:自宅生活を続けつつ交流も確保したいAさんと、息子の不在も想定するなら小規模多機能が適します。通い・訪問・泊まりを柔軟に組み合わせ、安心と生活の広がりを両立できます。
(総合問題2)
次の事例を読んで,問題117、問題118、問題119について答えなさい。
〔事例〕
Aさん(85歳,女性,要介護1)は,B住宅型有料老人ホームで暮らしている。子どもはなく,親族もいない。Aさんは現在,外部の事業所から訪問介護サービスを週2回利用している。Aさんは駐車場を経営していて,毎月その収入がある。
最近,C訪問介護員(ホームヘルパー)は,Aさんの居室内の冷蔵庫の中に同じ食材がたくさん入っていることが多く,気になっていた。ある日,C訪問介護員(ホームヘルパー)がAさんに尋ねると,「近所のスーパーに買物に行くのが楽しみだが,冷蔵庫の中に何があるのか忘れてしまい,同じ物ばかり買ってしまう」と答えた。また,「今は,毎月振り込まれる駐車場収入の管理ができているが,今後管理できなくなることが不安だ」と話した。その後,Aさんは,初期のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)の診断を受けた。
問題117
次のうち,Aさんが不安に思っている駐車場収入の管理について,訪問介護事業所のサービス提供責任者がAさんに提案する制度として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 成年後見制度
2 生活保護制度
3 老齢年金制度
4 継続雇用制度
5 後期高齢者医療制度
解答:1
解説:収入管理が将来不安なら成年後見制度が選択肢になります。本人の意思を尊重しつつ、財産管理と生活支援を整える仕組みです。早めに相談先を持つことが安心の土台になります。
問題118
その後,Aさんは認知症(dementia)が進行することを心配し,介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談して,同じ市内のD介護付き有料老人ホームに転居することになった。
転居してから2年後,Aさんの認知症(dementia)の症状は進行してきた。Aさんの担当となったE介護福祉職はサービス担当者会議で,「現在,Aさんの,認知症高齢者の日常生活自立度判定基準は,ランクⅢaと考えられる。そこで,このランクに合った介護計画を立案したい」と提案し,他職種の承諾を得た。
次のうち,Aさんの介護計画立案時にE介護福祉職が意識する,認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅲaに該当する状態として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 日常生活が自立している状態
2 見守りがあれば自立できる状態
3 日中を中心に意思疎通の困難さがみられ,介護を必要とする状態
4 意思疎通の困難さが頻繁にみられ,常に介護を必要とする状態
5 専門医療の導入が必要な状態
解答:3
解説:Ⅲaは日中を中心に意思疎通が難しく、介護が必要となる状態です。できる時間帯と難しい時間帯の差を捉え、活動や見守りを設計します。状態像を共有すると支援が揃います。
問題119
D介護付き有料老人ホームに転居してから3年が経過した。Aさんの認知症(dementia)の症状は,さらに進行してきた。D介護付き有料老人ホームでは,施設の方針として,新たにパーソン・センタード・ケアを取り入れることになった。
次の記述のうち,E介護福祉職が介護計画を見直すときの方向性として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 認知症(dementia)の人の共通点に着目したケアマニュアルをつくる。
2 認知症(dementia)を治療する。
3 認知症(dementia)の人のその人らしさを支える。
4 認知症(dementia)の人を特別な存在として保護する。
5 行動・心理症状(BPSD)をなくす。
解答:3
解説:パーソン・センタード・ケアは「その人らしさ」を中心に支援を組み立てます。症状を消すより、尊厳と安心を守る方向性が大切。生活歴や好みを反映し、意味ある日常を支えます。
(総合問題3)
次の事例を読んで,問題120、問題121、問題122について答えなさい。
〔事例〕
Aさん(42歳,男性)は,知的障害がある。父親(72歳)と二人暮らしをしている。半年前,Aさんに血便がみられたため病院を受診したところ,大腸がん(colorectal canser)と診断され,S状結腸ストーマを造設した。パウチの交換に支援が必要となり,退院後は父親が自宅で介護をしていた。父親の介護負担が大きくなったため,居宅介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。
問題120
次のうち,Aさんの正常時の便の性状として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 水様から粥状
2 流動状から液状
3 半流動から粥状
4 泥状から軟便
5 軟便から固形状
解答:5
解説:正常便は軟便〜固形状が目安です。水様便や泥状便は体調変化のサインになります。ストーマ管理では、便性状の変化を早期に捉え、皮膚トラブル予防につなげる視点が重要です。
問題121
ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)にAさんから,「今度,父親と温泉に行くことになったが,便のにおいが気になる」と相談があった。
次のうち,訪問介護員(ホームヘルパー)がAさんに勧める食品として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 チーズ
2 たまねぎ
3 ヨーグルト
4 にら
5 アスパラガス
解答:3
解説:ヨーグルトは腸内環境を整え、便臭の軽減に役立つことがあります。におい対策は「隠す」より体内から整える発想が有効です。本人の楽しみを守りながら工夫を一緒に考えます。
問題122
ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)がAさんの自宅を訪問したところ,Aさんの父親から,「地震のニュースを見たら,知的障害があり,ストーマの管理が必要な息子に対する災害時の対応が心配になった」と相談があった。訪問介護員(ホームヘルパー)は,相談支援専門員に状況を報告し,相談支援専門員とともにほかの利用者家族に確認したところ,同様に災害時の不安を感じている親が多く,この地域では個別避難計画の作成が遅れていることがわかった。そこで,訪問介護員(ホームヘルパー)はこの課題を地域の課題としてとらえ,サービス提供責任者や相談支援専門員とともに対応することを確認した。
次のうち,この地域課題の検討を働きかける場として,最も適切なものを1つ選びなさい。
(注)「協議会」とは,障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第89条3第1項に規定するものである。
1 協議会
2 運営適正化委員会
3 介護保険審査会
4 障害者政策委員会
5 地方更生保護委員会
解答:1
解説:地域の課題として検討を働きかける場は協議会です。個別の不安を地域の仕組みに転換する視点が大切。災害時の備えは平時の連携で決まり、家族の安心にもつながります。
(総合問題4)
次の事例を読んで,問題123について答えなさい。
〔事例〕
Aさん(50歳,男性,障害支援区分4)は,1年前の交通事故の後遺症で,右片麻痺,高次脳機能障害(higher brain dysfunction),失語症(aphasia)となった。現在は障害者支援施設で生活している。日中は,車いすに座って過ごしているが,すぐに右肩が下がり上半身は右へ傾いた姿勢になる。ある日,B介護福祉職がAさんに姿勢の傾きを直す方法を伝えようとすると,Aさんは大声でどなり,物を投げた。B介護福祉職は,以前からAさんとのコミュニケーションに悩んでいたため,C介護主任に相談することにした。C介護主任の問いかけに答えるなかで,B介護福祉職は自分自身の言動を振り返ることができ,Aさんに伝わらない焦りと,子どもに言い聞かせるような口調が,Aさんの感情を害していたことに気づいた。その後,コミュニケーション方法を工夫し,Aさんに姿勢の傾きを直す方法を説明し,同意を得ることができた。
毎週,Aさんは妻との面会を楽しみにしている。しかし,妻はAさんの将来に不安を感じて,B介護福祉職に,「夫の障害について,情報交換や勉強がしたい。そのようなところがあれば紹介してほしい」と相談した。
問題123
次のうち,C介護主任がB介護福祉職への対応に用いた手法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 コンサルテーション(consultation)
2 コーチング(coaching)
3 フォロワーシップ(followership)
4 ティーチング(teaching)
5 メンバーシップ(membership)
解答:2
解説:C主任は問いかけを通じてB職員の気づきを促し、自己の言動を振り返らせています。これはコーチングです。指示ではなく内省を支える関わりが、現場の対応力を育てます。
問題124
B介護福祉職は,Aさんが車いすで良肢位を保つことができるように,クッションを使用することにした。まず,B介護福祉職はAさんの上半身を起こし深く座り直してもらった。
次のうち,B介護福祉職がクッションを挿入する位置として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 背中とバックサポートの間
2 左大腿部と座面の間
3 両下腿とレッグサポートの間
4 右大腿部と左大腿部の間
5 右上肢と右アームサポートの間
解答:5
解説:右上肢と右アームサポートの間にクッションを入れ、上肢支持を確保します。麻痺側のぶら下がりは肩痛や亜脱臼の原因に。良肢位は姿勢保持だけでなく痛み予防にも直結します。
問題125
妻の相談を受けたB介護福祉職がサービス管理責任者に報告をしたところ,ある社会資源を紹介することになった。
次のうち,B介護福祉職が妻に紹介した社会資源として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 福祉事務所
2 公共職業安定所(ハローワーク)
3 家族会
4 地域包括支援センター
5 地域障害者職業センター
解答:3
解説:右上肢と右アームサポートの間にクッションを入れ、上肢支持を確保します。麻痺側のぶら下がりは肩痛や亜脱臼の原因に。良肢位は姿勢保持だけでなく痛み予防にも直結します。
Cパート難易度分析
第38回介護福祉士国家試験Cパートの難易度は、全体としてやや難しい水準でした。
単純な知識問題は少なく、事例の中から複数の情報を整理し、統合して判断する力が求められました。特に、支援の優先順位を問う設問や、介護過程の流れを理解していなければ解けない問題で差がついたと考えられます。
知識量そのものよりも、「情報を構造化する力」と「根拠をもって判断する力」が問われたパートだったといえるでしょう。
| 分類 | 評価 |
|---|---|
| 介護過程 | やや難しい |
| 総合事例 | やや難しい |
| 倫理・連携 | 標準 |
Cパートの合格ライン予測
第38回介護福祉士国家試験は全125問構成で実施され、合格基準は総得点の約60%前後を目安に補正方式で決定されます。
Cパートは20問構成のため、安定して6割以上(12問以上)を得点できているかが一つの目安となります。ただし、事例中心のパートであるため得点がぶれやすく、事例の読み違いや優先順位の判断ミス、倫理的視点の見落としが積み重なると失点につながります。
自己採点で不安がある場合は、知識不足というよりも、介護過程に沿った情報整理や判断の組み立て方を見直すことが重要です。
※合格基準は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターの公表基準に基づき、総得点の約60%を基準として補正方式で決定されます。
引用元:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「合格基準について」
第38回試験のCパートで差がついた3つのポイント
① 情報を構造化する力
第38回Cパートの事例文は長文化傾向にあり、身体状況だけでなく、心理面や生活環境、家族関係など多面的な情報が提示されました。これらを断片的に読むのではなく、相互に関連づけながら整理し、どこに優先課題があるのかを見極める力が求められました。
重要だったのは、情報を単に「読む」ことではなく、「意味のある形に構造化すること」です。複数の要素を整理し、全体像を描けるかどうかが得点差につながりました。
② 優先順位を判断する力
今回のCパートでは、「どの支援が適切か」だけでなく、「今この場面で最も優先すべきことは何か」を問う設問が目立ちました。
緊急性や安全性、そして利用者の尊厳といった観点を踏まえて判断できるかどうかがポイントでした。選択肢自体はどれも一見正しく見えるため、優先順位を見誤ると正答にたどり着けない構成となっていました。
③ 介護過程を理解しているかどうか
アセスメントから課題抽出、目標設定、支援の実施、そして評価へとつながる介護過程の流れを理解していなければ、選択肢の微妙な違いを見抜くことはできません。
単なる丸暗記ではなく、「なぜその順序になるのか」「なぜ今それを行うのか」という根拠まで理解しているかどうかが、合否を分ける要素となりました。
パート合格で落ちてしまった場合|有効期限について
万が一、パート合格で落ちてしまった場合の対応や、一部のパートが合格した場合の有効期限については、各パートごとにパート合格した最終年から翌年・翌々年(2年)まで有効となります。以下の表を参照してください。
引用元;社会福祉振興・試験センターHP「パート合格(合格パートの受験免除)がスタートします!」
| 令和7年度 第38回試験 (初回受験) | 令和8年度 第39回試験 | 令和9年度 第40回試験 | 令和10年度 第41回試験 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 午前試験 Aパート | パート試験結果 | 合格〇 | 合格〇 | ー | ー |
| パート有効期限 | 第40回試験 まで有効 | 第41回試験 まで有効 | 第41回試験まで有効⇒ | ||
| 午後試験 Bパート | パート試験結果 | 不合格✕ | 合格〇 | ー | ー |
| パート有効期限 | 第41回試験 まで有効 | 第41回試験まで有効⇒ | |||
| 午後試験 Cパート | パート試験結果 | 不合格✕ | 不合格✕ | 不合格✕ | 合格〇 |
| パート有効期限 | ー | ー | ー | ||
| 資格取得 | ー | ー | ー | 資格取得 | |
パート合格はあくまで「一部免除」であり、全パートに合格しなければ介護福祉士の資格は取得できません。 また、パート合格者は介護福祉士としての配置基準や報酬算定の対象にもなりません。
つまり、パート合格はゴールではなく「途中段階」です。制度を正しく理解し、どのパートをどの年度で突破するのか、戦略的な学習計画を立てることが重要になります。
パート合格制度に関する詳細は以下の関連記事をご覧ください。
⇒「介護福祉士国家試験のパート合格とは?2026年1月開始の新制度を解説」
FAQ|介護福祉士国家試験Cパートに関するよくある質問
- Q1.Cパートからは何問出題されますか?
- A
Cパートは午後試験の後半に実施される20問構成のパートです。主に介護過程や総合事例問題が出題され、利用者の状態像を総合的に読み取り、適切な支援を判断する力が問われます。単純な知識問題ではなく、複数の情報を整理して答えを導く応用型の設問が中心となっています。
- Q2.Cパートは難しいですか?
- A
第38回試験のCパートは、全体としてやや難しい水準でした。特に、長めの事例文から重要な情報を抽出する力や、「今この場面で何を最優先すべきか」を判断する力が求められました。知識量そのものよりも、情報整理力や優先順位の見極めが得点差につながる傾向が見られました。
- Q3.Cパートだけ合格すれば資格は取れますか?
- A
いいえ。Cパートのみ合格しても、介護福祉士の資格は取得できません。第38回試験から導入されたパート合格制度により、基準を満たしたパートは翌年・翌々年の受験が免除されますが、最終的にはすべてのパートに合格する必要があります。パート合格はあくまで一部免除であり、資格取得のゴールではありません。
- Q4.Cパート対策は何をすればいいですか?
- A
Cパート対策では、介護過程を「流れ」で理解することが最も重要です。アセスメントから課題抽出、目標設定、支援、評価へとつながる一連の構造を理解したうえで、事例問題を繰り返し解くことが効果的です。問題を解いた後は、「なぜその選択肢が最も適切なのか」を説明できるように振り返ることで、応用力が身につきます。
第39回介護福祉士国家試験に向けた学習アドバイス
第39回介護福祉士国家試験に向けてCパート対策で最も重要なのは、知識を単に覚えるのではなく、“使える形”にまで高めることです。Cパートでは事例を通して判断力が問われるため、知識があっても活用できなければ得点にはつながりません。
そのためには、日頃から事例問題に触れる習慣をつくることが効果的です。目安として週に3問程度を継続的に解き、設問の意図を読み取る練習を重ねることで、思考の型が身についていきます。また、介護過程の流れを図式化して整理し、アセスメントから評価までの構造を視覚的に理解することも重要です。さらに、「なぜその支援が最優先なのか」を自分の言葉で説明できるようにすることで、優先順位判断の精度が安定していきます。
湘南国際アカデミーでは、こうした実践的な力を養うために、事例に特化した演習講座や介護過程の集中対策講座を実施しています。また、一人ひとりの弱点を分析し、得点戦略を明確にする個別サポートも行っています。
Cパートを戦略的に突破したい方は、自分の課題を明確にしながら計画的に学習を進めていきましょう。必要に応じて、専門的なサポートを活用することも有効な選択肢の一つです。
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その他、介護技能実習評価試験評価者として外国人介護士の受け入れ機関への評価業務や、介護事業所や医療機関において「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
また、湘南国際アカデミーが発行する「介護業界マンスリーレポート」の企画・監修にも関わり、介護事業所の人材課題や育成ニーズについて、継続的に現場情報の収集・分析を行っている。






