介護の仕事はその内容やイメージから「きつい」と言われることがしばしばあります。しかし、そのイメージだけで判断するのではなく、どのような点がきついのか、正しく知ることが大切です。また、職場選びの工夫次第できつさを軽減することもできます。
この記事では、介護職がきついと言われる理由と大変さを和らげる方法、そして介護職に向いている人の特徴について解説します。
介護職がきついと言われる理由
介護職は他の職業と比較して特に「きつい」と言われることが多いです。中でも身体的な負担、精神的なストレス、勤務時間の長さ、人手不足などが介護職をきついと感じる原因となっています。それでは、介護職がきついと言われがちな理由について詳しく見ていきましょう。
身体的な負担
介護の仕事では、身体的な負担が伴います。これは、介護サービス利用者を移動させたり、持ち上げたりする作業があるからです。このような作業は、腰痛などを引き起こす原因になることがあります。
また、介護現場では長時間の立ち仕事も行われることが多く、疲労が蓄積する原因にもなりやすいです。
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精神的なストレス
介護職は、利用者やその家族との繰り返されるコミュニケーションが避けられない職種です。相手の感情に寄り添いながら必要なケアを行わなければならないため、心理的なプレッシャーはどうしても大きくなります。
そして、介護職の精神的なストレスは、一般的なコミュニケーションの難しさだけでは語れません。例えば、認知症を患う利用者との関わりです。こちらの思いが伝わらなかったり、ときには厳しい言葉をかけられたりすることもあります。
また、高齢者の介護は、一瞬の動作ミスが怪我につながるリスクがあるため、常に注意深く作業を行う必要があります。こうした緊張状態が続くことで、精神的なストレスが積み重なる人もいます。
勤務時間の長さ
介護職の勤務時間は比較的長くなる傾向があります。利用者に対するケアを常時提供する介護施設では24時間体制のシフト勤務が一般的であり、不規則な勤務時間や夜勤が求められる状況が発生します。そのため、シフトの組み方によっては、長時間労働が避けられない場合もあるでしょう。
夜勤シフトが頻繁に設定されている職場や、残業が常態化している環境では、体力的にも厳しくなりがちです。夜勤は生活のリズムを崩しやすいため、体力や健康への負担が大きくなります。
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人手不足
介護業界は慢性的な人手不足に直面しています。一人当たりの負担が大きくなりがちなため、職員が働き続けるのが難しくなってしまいます。施設や事業所によっては十分な経験を積む前に職を離れてしまうケースも多く、現場の負担軽減につながらない状況が見受けられます。
こうした人手不足の問題は、介護職のきつさをさらに際立たせる要因です。人員が足りないために、残された職員一人ひとりの業務負荷が増し、結果的に仕事の過酷さが増すという状況にあります。
介護職に向いている人の特徴
介護職は負担が大きい仕事ですが、その半面、多くのやりがいや満足感を得られる職業でもあります。では、どのような人が介護職でやりがいを感じやすいのでしょうか。介護職に適した特徴をいくつか紹介します。
共感力が高い
共感力が高い人は介護職に向いていると言えるでしょう。
例えば、利用者が不安や孤独を感じているとき、その気持ちを察して適切な声掛けや対応ができれば、利用者に安心感を与えることができます。
さらに、共感力があることで、利用者との信頼関係が築きやすくなります。信頼関係が築かれると、利用者は介護者に自分の気持ちをより積極的に伝えるようになるでしょう。
責任感がある
介護職には強い責任感が求められます。なぜなら、介護職は利用者の健康や安全に直接関与する仕事であり、一つのミスが大きなリスクを招く可能性があるからです。
例えば、介護施設では利用者の状態に異変が見られたときに迅速に対応するといった責任感ある行動が求められます。このような姿勢は、利用者の命を守るという役割を果たすために不可欠です。
柔軟性を持っている
介護職では、柔軟性が高い人が適していると言われています。利用者の体調や気分は日々変動します。そのため、都度適切な対応を変えることで、利用者に良いサービスを提供できるでしょう。
また、介護の現場では突然の事態、ときには予期せぬトラブルが発生することもあります。こうした事態でも落ち着いて迅速に行動できる人は、介護職に向いていると言えます。
そして、うまくいかないときがあっても気持ちを切り替えられる、そういった柔軟性も介護の仕事では重要です。
コミュニケーション能力がある
介護現場では、それぞれの利用者の体調や要望を正確に把握し、それに基づいて適切なケア計画を立てることが求められます。そのためには、必要な情報をきちんと共有し合うことができるコミュニケーションスキルが重要です。
また、コミュニケーション能力があると、チームワークを良好に保つことができます。スタッフ間での情報共有がスムーズなら、より効率的に業務ができるでしょう。
もちろん、今回紹介した特徴をすべて満たす必要はありません。いくつか該当する人は、その特性を介護の仕事で生かせる可能性があります。
介護職のきつさを軽減する方法
身体的にも精神的にも大変な仕事だからこそ、少しでも負担を軽減する方法を知ることが重要です。ここからは、どのようにすれば大変さを軽減できるかについて解説します。
適切な休息が取れる職場を選ぶ
体をしっかりと休められる休憩の時間や休日がしっかり確保できる職場を選ぶことが大切です。特に、夜勤がある施設の場合は、シフトの組み方が無理のない範囲かを確認しましょう。面接の際に勤務時間の目安や夜勤の頻度を質問してみるのも一つの方法です。
心身の健康を守りながら長く働くためには、オンとオフのメリハリをつけられる環境が重要になります。職場選びを重視するのに加えて、自分でリフレッシュできる趣味や安らぎの時間を持てるとなお良いでしょう。
相談しやすい環境があるか確認する
未経験から仕事を始める場合は、わからないことや不安がたくさん出てきます。そのため、新人へのサポート体制が整っている職場を選ぶと安心です。「入社後の研修制度はあるか」「困ったときに相談できる先輩がいるか」などを確認してみましょう。職場のスタッフが気軽にコミュニケーションを取っているかなど、職場の雰囲気も判断材料になります。職場の雰囲気は面接で職員に聞くほか、施設を見学して実際に確かめると良いでしょう。
技術や知識のスキルアップを図る
介護の技術や知識を身につけることは、自信を持って仕事に取り組むために不可欠です。スキルアップを図ることで、自信がつき、業務を効率的に進められるため、精神的な負担が軽減されます。
介護施設や事業所によっては働きながら資格取得を目指せる支援制度を設けています。スキルアップを応援してくれる環境であれば、将来のキャリアアップも見据えながら、より前向きに仕事に取り組めるでしょう。
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FAQ|介護の仕事を「きつい」と思われる方からの質問
介護の仕事に興味はあるけれど、「やっぱりきつそう…」という不安を感じている方も多いはずです。ここでは、介護職に関するよくある疑問と、その答えを分かりやすくご紹介します。事前に現場のリアルを知ることで、自分に合った働き方がきっと見つかります。
- Q1.介護の仕事が「きつい」と言われる一番の理由は何ですか?
- A
主な理由は、身体的な負担(腰痛・長時間の立ち仕事)や、精神的ストレス(認知症ケア・対人関係)、そして夜勤や人手不足による負担の増加です。
ただし、職場や働き方によって大きく異なり、「働きやすさ」に配慮された施設も増えています。
- Q2.介護の仕事でストレスを減らすにはどうすればいいですか?
- A
まずは、休息や休日がしっかり取れる職場を選ぶことが重要です。
さらに、相談しやすい雰囲気や、新人向けのサポート体制が整った環境を選ぶことで、心理的な安心感が生まれます。
湘南国際アカデミーでは、職場見学や個別相談を通じて、自分に合った就業先の見極めもサポートしています。
- Q3.未経験でも介護職に挑戦できますか?向いている人ってどんな人ですか?
- A
介護職は未経験・無資格から始められる数少ない専門職です。
特に「共感力」「責任感」「柔軟性」「コミュニケーション能力」のある方は、介護の現場で大きく活躍できます。
湘南国際アカデミーでは、初任者研修から国家資格まで段階的に学べる仕組みがあるため、キャリア形成も安心です。以下の関連記事も読まれています
介護職の「きつさ」を正しく理解して自分らしく働く方法を見つけよう
介護職は、身体的・精神的な負担や不規則な勤務形態、人手不足などにより「きつい」と言われがちです。しかし、その一方で人の役に立つ実感や感謝の言葉を通じて、大きなやりがいを得られる仕事でもあります。昨日まで心を開いてくれなかった利用者が、ふとしたときに名前を呼んでくれたり、「ありがとう」と感謝しながら手を握ってくれたりする瞬間に立ち会えることが、この仕事の何よりの喜びです。
そして、介護の現場はスタッフ同士が常に連携し、支え合うチームワークで成り立っています。「困難な場面では助け合い、嬉しい出来事は分かち合う」。仲間の存在があるからこそ、一人で問題を抱え込まずに、前向きに仕事に取り組むことができるのです。
一言で介護の仕事と言っても、提供するサービスや施設によって幅広い働き方があります。ぜひ、求人情報や介護施設のWebサイトなどを見て、自分に合った働き方を探してみてください。
湘南国際アカデミーでは、資格取得から就職・転職まで一貫してサポート。
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湘南国際アカデミーでは、介護関連資格の教育・職業紹介を通じ、「介護をする側のQOL向上」をテーマにイベントや研修を企画し、受講生や就労先企業から厚い信頼を獲得。これまで延べ約1万人を支援する中でグリーフケアの重要性を痛感し、仕事と人を結ぶだけでなくケアの視点を含む総合的なサポートを目指している。現在は上智大学グリーフケア研究所でさらなる学びを得ながら、各企業向け「事業所内レベルアップ研修」の企画・運営にも携わり「レクリエーション介護士2級講座」の講師も務める。介護とキャリアの両面から多面的に活動を展開している。
