五味順（介護福祉士）
この記事の監修者
湘南国際アカデミーで資格取得後に、訪問介護事業所やデイサービスでの所長兼生活相談員として勤務。現在は、湘南国際アカデミーのキャリアアドバイザーとして受講生・修了生の就労サポート及び介護事業所への人材採用支援を担当。
こんにちは、湘南国際アカデミーの就労サポート責任者の五味です。
今回は、介護職員初任者研修の現場実習を行わずに取得できることについての情報をまとめました。
本記事では、初任者研修の実習がなくても学ぶべき知識やスキル、メリット・デメリット、研修機関の選び方などを詳しく解説していきます。実習なしでも安心して初任者研修を取得していくことができるポイントを押さえ、介護職としての一歩をしっかりと踏み出すための参考にしていただけましたら幸いです。
初任者研修は実習なしで取得できるの？
介護職員初任者研修では、旧ホームヘルパー2級と異なり現場実習が必須ではありません。どうしてこのような仕組みになったのか、その背景を確認してみましょう。
ホームヘルパー2級から初任者研修への移行
- ホームヘルパー2級
かつては現場実習が必須でしたが、実習先の確保や指導者不足などの課題が指摘されていました。 - 初任者研修
厚生労働省による見直しで、現場実習必須を外し、座学や実技演習を中心としたカリキュラムに移行。より多くの人が学びやすい仕組みになっています。
制度導入当初、実習は利用者やスタッフとの関わりを直接学ぶ重要な体験と考えられていました。しかし、受け入れ先の調整の難しさから資格取得がスムーズにいかないケースも多かったのです。そこで、講義やスクーリングを充実させる形へと方針転換が進められました。
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実習の義務についての厚生労働省の規定
厚生労働省は資格要件を定める際、現場実習の意義を認めつつ、多様な学習スタイルや地域事情を考慮して制度を見直しています。現行の初任者研修では、座学や実技演習を一定時間以上こなせば、実習と同等の基礎力を身につけられると判断されています。
ただし、施設側の協力が得にくい地域や指導者確保が難しい状況も考慮され、現場実習なしでも学習を完結できる選択肢が用意されているのです。
初任者研修の実習なしの研修が可能な理由と背景
- 基礎知識の座学を重視
現場実習の代わりに、利用者の尊厳や認知症ケアなど、多面的な講義を組み合わせることで基礎をしっかり固める設計がされています。 - 実技演習の強化
車いす操作や身体介助などの演習時間を充実させ、短期間でも効率よく介護技術を学べるよう工夫されています。
実習受け入れ側の人手不足
- 介護施設や訪問介護事業所は、慢性的な人手不足が大きな課題です。
- 実習生を受け入れるための指導者配置や利用者との調整が難しく、結果的に学習機会が限られる地域もありました。
こうした状況をふまえて、誰もが一定レベルの内容を学べるよう、実習なしでもカリキュラムを完結させる方針が定着しています。
ホームヘルパー2級では実習が義務付けられていた
ホームヘルパー2級時代の研修では、現場実習が要件に組み込まれていました。しかし、実習先の状況により研修内容にばらつきが出やすく、受講を断念せざるを得ない方も少なくありませんでした。
初任者研修への移行により、受講生にとって公平で学びやすい環境が整備され、結果的により多くの介護人材を育てる土台が整ったといわれています。
実習がない場合の初任者研修の学習内容
実習の代わりに、以下の内容をバランスよく組み合わせて学びます。
- 介護の基礎知識
利用者の尊厳や介護福祉の理念、関係法規などを座学で習得。 - 実技演習
身体介助、車いす移動、口腔ケアなどを演習し、必要な技術を身につける。 - 事例学習・ロールプレイ
シーツ交換や生活援助などを想定したグループワークやロールプレイによって、疑似体験をしながら学習。
湘南国際アカデミーのように、模擬試験やロールプレイに力を入れているスクールでは、より実践に近い形で学べるメリットがあります。特に湘南国際アカデミーは、独自に開発した教材やオンラインコンテンツを組み合わせた学習法が好評で、自分のペースで確実にスキルを身につけたい方にも適しています。
実習なしの初任者研修を受けるメリットとデメリット
メリット：時間や費用の節約
- スケジュール調整がしやすい
現場実習がないため、受講生と施設側の日程調整の手間が省けます。 - 受講費用も比較的抑えやすい
実習に伴う交通費や備品費用が発生しづらく、比較的安価になる傾向があります。- 例：受講費用は地域や機関により異なりますが、約5～10万円前後が目安（※通信＋通学コースの場合）。
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デメリット：現場での実践体験不足
- 利用者とのコミュニケーションに不安
実際に対面する経験がないため、空気感や利用者の状態に合わせる勘どころをつかみにくい面があります。 - 就職後の現場OJTが重要
現場に出てから先輩職員の指導を受ける機会が必須となり、最初は戸惑うことが多いかもしれません。
就職や転職時への影響
結論として、多くの事業所では「初任者研修を修了している」こと自体に大きな価値を見出しています。実習がないことを理由に大きく不利になるケースは少ないでしょう。
むしろ、「学ぶ意欲」や「さらなるキャリアアップへの意識」 が重視される傾向があります。面接時には、研修で習得したスキルや学びをどのように活かしたいかを具体的に伝えるのが効果的です。
実習がない初任者研修に対しての介護事業所側からのコメント
多くの事業所は「現場実習がなくとも、基礎知識を一定水準で習得していれば問題ない」というスタンスです。特に、大手介護施設や研修制度が整った事業所では、新人研修やOJTでフォローアップが可能なため、就職後に必要な力を育てる仕組みが整っています。
実習なしでの初任者研修学習の進め方とポイント
1. 学習計画を立てる
- 週単位・月単位の目標設定
例：「今週は講義をすべて視聴する」「来週は演習を2回受講する」など細分化すると実行しやすいです。 - 自分の生活リズムに合わせる
仕事や育児がある方は夜間・早朝、休日を活用すると効率よく学べます。
2. 通信講座や座学を賢く活用する
- 講義動画や補助教材の充実度を確認
疑問点をすぐに解消できるサポート体制も要チェック。 - スクーリングの活用
実技は実際に身体を動かしながら学ぶことで習得が早まります。通信＋通学のハイブリッド形式を選ぶ方も増えています。
3. 修了試験対策
- 模擬試験の利用
スクールによっては、過去の出題例や模擬試験を提供しています。 - 苦手分野の克服
繰り返し演習し、不十分なところは講師に確認しておくと安心です。
湘南国際アカデミーのように模擬試験や過去の出題傾向を把握できるスクールなら、実際の試験形式に合わせた練習が可能です。こうした取り組みを通じて苦手分野を洗い出し、効率的に克服することができます。
ただし合格自体が最終目標ではありません。学んだ介護技術や知識を現場で活かせるように理解を深めていく姿勢こそ大切です。
ちょっとした事例紹介：育児中のM・Aさんの場合
M・Aさん
オンライン講義を併用したコースを利用して、実習なしで初任者研修を取得
30代のM・Aさんは小さいお子さんを育てながら介護の世界に興味を持ち、実習なしの初任者研修を受講。オンライン講義を併用したコースを利用し、昼間は育児・夜間に講義動画を視聴というスタイルで学びを進めました。
通学が必要なスクーリング日も、あらかじめ夫婦で家事や育児の分担を相談しスケジュールを確保し、結果的に計画的に学習をこなして、修了試験も無事に合格することができました。
現在は有料老人ホームで働きながら、先輩職員のOJT指導を通じてスキルアップを続けています。
適切な研修機関（介護スクール）の選び方
1. 職場体験や見学ができるスクールを選ぶ
実習がないコースの場合でも、施設見学や職場体験を対応しているスクールであれば、現場の雰囲気を感じやすいです。利用者とコミュニケーションをとる機会があると、「自分に向いているか」を見極めやすくなります。
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2. 通信とスクーリングのバランス
通信講座だけだと対面指導が不足しがちです。スクーリングで直接講師のレクチャーを受けながら演習できるコースを選ぶと、実践的な技術を効率よく習得できます。
3. 口コミや実績の確認
受講生や卒業生の体験談は、スクールの雰囲気やサポート体制を知るうえで大切です。就職実績が高い機関は、施設との連携がしっかりしていることが多く、修了後の就職活動もスムーズに進みやすいです。
4. 多くの介護施設と連携している研修機関
現場で求められる最新の介護技術を、カリキュラムに反映しやすい点が強み。就職サポートが充実しているケースが多く、条件に合った施設を紹介してもらえる可能性があります。
5. 就職サポートが充実したスクール
求人紹介や面接対策、履歴書指導などを行うスクールだと、実習なしでも安心して学習に集中できます。特に初めて介護業界に入る方は、こうしたサポート体制があると心強いでしょう。
なお、湘南国際アカデミーでは、独自のネットワークを活かして多彩な就職先を紹介できるのが魅力のひとつ。講義や実技だけでなく、卒業後のキャリアサポートにも力を入れているため、学習から就職までをトータルにサポートしてもらえる点が大きな強みです。
初任者研修修了後のキャリアステップ
実務者研修へのステップアップ
介護職員初任者研修で基礎を学んだ後、より高度な医療的ケアやチームリーダー業務を学ぶなら実務者研修がおすすめ。修了後は一定の実務経験を経て介護福祉士受験資格を得られるため、キャリアアップに有利です。
介護福祉士の資格取得
介護福祉士は国家資格であり、経験を積みつつ試験に合格すると給与やポジションで優遇されることが多いです。将来的にはケアマネジャーや社会福祉士など、他の福祉関連資格への道も開けます。
訪問介護や施設介護での活躍
- 訪問介護（ホームヘルパー）
在宅での生活援助や身体介助を通じ、利用者の日常を支える仕事です。 - 施設介護（特別養護老人ホームや有料老人ホームなど）
チームとして働く機会が多く、他職種連携の経験を積みやすいのが特徴です。
まとめ｜現場実習なしの初任者研修を取得して介護職としての一歩を踏み出す
現場実習なしでも、カリキュラム内容をきちんと理解し、計画的に学ぶことで十分な基礎力を身につけられます。資格取得後は現場研修や先輩の指導を通じて、実際の介護技術を磨くチャンスが広がるでしょう。
- ポイント1：サポート体制の整った研修機関を選ぶ
通信・スクーリング・就職サポートなど、自分のライフスタイルや目標に合わせて選択してください。 - ポイント2：実務者研修や介護福祉士を視野に入れる
初任者研修はあくまで入り口。キャリアアップの可能性は大きく広がります。 - ポイント3：実際の現場で学ぶ姿勢を大切にする
OJTや職場研修で経験を積み、利用者の生活を支えるやりがいを感じながらステップアップしていきましょう。
介護業界は今後ますます需要が高まる分野です。最初の資格として初任者研修を取得し、意欲的に学ぶ姿勢があれば、必ず次のキャリアステージへと進めるはずです。ぜひ自分に合った学習方法を見つけて、一歩を踏み出してみてください。
湘南国際アカデミーは実習なしでもしっかりと学べる初任者研修カリキュラムを提供しているだけでなく、実務者研修や介護福祉士受験に向けたサポート体制も充実しています。学習環境やサポート内容を比較検討し、自分に合ったスクールを選ぶことで、より安心して介護の現場へ飛び込むことができるでしょう。
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現在はキャリアアドバイザーとして、求職者の就労サポートや企業支援を担当。採用担当経験者としての豊富な経験を活かし、求職者の強みを引き出す面接対策にも定評がある。介護業界の発展に貢献するべく、求職者・企業双方の支援に尽力。
プライベートでは息子と共にボーイスカウト活動を再開し、奉仕活動を通じて心を磨くことを大切にしている。
