
江島一孝(介護福祉士)
この記事の監修者
介護福祉士、実習指導者、介護支援専門員として10年以上の経験を持ち、湘南国際アカデミーで介護職員初任者研修や実務者研修の講師、介護福祉士国家試験の対策テキスト執筆を担当。
かつて介護の現場で必須とされた「ヘルパー2級」は、現在「介護職員初任者研修」に再編されています。
本記事では、ヘルパー2級と初任者研修とのスクーリングの相違点、共通する部分、そして資格取得後のキャリアまでを簡潔にまとめました。
ヘルパー2級は 訪問介護に必要な知識とスキルを学ぶための研修でした。初任者研修に受け継がれている内容も多くあります。この記事を読むことで、ヘルパー2級からの移り変わりや資格取得後の仕事の選択肢が整理できるはずです。
ヘルパー2級のスクーリングと初任者研修の違いとは?
ヘルパー2級は訪問介護員として知識や技術を学ぶものでした。それに対し、初任者研修は、訪問介護と施設介護、両方に対応できる知識と技術を身に着けることを目的としています。とはいえ、共通して学ぶことも多く、旧ヘルパー2級を保有している人は初任者研修と同等の資格として評価されています。
ヘルパー2級、初任者研修共に学習時間は130時間ですが、ヘルパー2級のスクーリングで実施していた介護施設での実習30時間が初任者研修では廃止されました。
ヘルパー2級と現在の初任者研修との比較
介護職員初任者研修では、ヘルパー2級で廃止された施設実習30時間分がスクーリングに充てられています。学習時間そのものは変わらないので、ヘルパー2級よりもスクーリング時間が長くなり、実技を学ぶ時間が多くなりました。
なぜ、初任者研修では現場実習がなくなってしまったのか?
介護職員初任者研修のカリキュラムが整備される際、大きな課題となったのが「実習先の確保」と「受講生・スクール・現場」の三者間での予定調整でした。介護業界は慢性的な人手不足のため、実習を受け入れられる施設が限られています。さらに、各施設で行われるケアの内容や規模が異なることから、実習の質にバラつきが生じやすく、同じヘルパー2級資格(現在の初任者研修)を取得しても修了時点でのスキルレベルに大きな差が出るという問題がありました。
実際、現場研修に行ったものの「1日中洗濯物をたたんでいた」「食器洗いに終始した」という声もありました。
こうした背景から、介護職員初任者研修では現場実習を必須とせず、座学や実技演習を中心としたカリキュラムに移行。より多くの人が学びやすい仕組みになっています。
※現在も一部の介護スクールや公共職業訓練においては現場実習を取り入れている場合があります。
ヘルパー2級は介護職員初任者研修に変わった
2013年4月、ヘルパー2級が廃止され、初任者研修に移行しました。変更の主な目的は、 介護職のキャリアパスをシンプルで分かりやすいものにするというものです。旧制度では、ヘルパー2級、1級、介護職員基礎研修など、複数の資格があり、介護福祉士を目指すにも複数の選択肢があり、キャリアパスを描くうえで煩雑でわかりづらいという問題がありました。
そのようにわかりづらい介護の資格を、「初任者研修→実務者研修→介護福祉士」と、シンプルに、わかりやすく一元化したのが現行制度です。
旧称ヘルパー2級の位置づけ
ヘルパー2級は、正式名称を訪問介護員養成研修2級養成研修といい、その名称通り、訪問介護員を養成するための知識と技術を学ぶものでした。
訪問介護員の養成を目的としたものでありましたが、実際は、介護業界で入門資格として広く認知されていました。現状通信講座と通学講義を併用するコースも多く、また、座学、実技の他に施設実習もカリキュラムに含まれていました。
介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級資格)の現在の内容
介護職員初任者研修では、ほとんどのスクールで通信と通学を組み合わせて学べるスタイルが採用されています。最短1ヶ月ほどの短期コースや、平日週1回・平日週2回、土日・夜間開催コースなどあります。ただし、夜間コースの設定は、非常にまれで、スクール探しの選択肢に入れるのは現実的ではないでしょう。
短期集中コースの選択肢
短期集中コースでは、週に3~4回といった高い頻度で通学し、最短1ヶ月ほどで修了を目指すことが可能です。まとまった時間を確保できる人にとっては、一気に学習を進められるメリットがあります。
早期に資格を取得して就職・転職したい場合や、スキルアップを急ぐ人に特に人気があるコースです。ただし、短期間に多くのことを学ばないとならないため、計画的な復習と自己管理がより重要になるでしょう。
最新の介護職員初任者研修コース一覧はこちらから
仕事との両立が可能なスクール選択
週1回の通学コースや土日開講コースを選べば、その他の日は働きながら計画的ににスキルを磨くことができます。勤務先の理解を得ながら通学のスケジュールを組み立てることで、仕事と資格取得の両立がスムーズに進むでしょう。
助成金やキャッシュバックの活用法
ハローワークの教育訓練給付金制度やスクール独自のキャッシュバック制度を活用することで、費用負担を軽減できる場合があります。キャンペーン時期をチェックすることで、お得に受講できるチャンスを逃さないようにしましょう。
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初任者研修(旧ヘルパー2級資格)のスクール選びと受講のポイント
スクール選びは、受講期間や立地、サポート体制など多角的に検討することが大切です。
数多くのスクールが初任者研修を開講しているため、それぞれの特徴をしっかり比較する必要があります。通学のしやすさや講座のバリエーション、費用だけでなく、講師の質や就職支援があるかどうかも重要な判断材料です。
また、学習環境が自分に合っているかどうかも大きく影響します。たとえば、受講生同士が互いにフォローできるような小規模クラスを好む人もいれば、多様な意見が得られる大規模クラスを好む人もいます。自分の性格や目標に合わせて選択することで、より充実した研修を受けられるでしょう。
資格取得後の進路も視野に入れ、将来的にどのようなケアの現場で働きたいかを想定しておくのもポイントです。
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通いやすい立地やアクセス
どんなに授業内容が良くても、自宅からあまりに遠かったり、登下校の時間の交通機関のダイヤが不便だったりすると、学校から足が遠のく原因となります。自宅からの通いやすさも学校選びのポイントの一つです。
口コミや評判、講師の質の確認
受講生の口コミや評判は、パンフレットではわからないリアルな情報源になります。SNSや口コミサイトでの感想を参考にしつつ、可能であれば説明会や体験講座に参加し、自分に合った学習スタイルかを見極めましょう。
サポート体制と学習環境の充実度
質問や補講、就職支援などのサポートが手厚いと、初めての介護分野でも安心して学べます。資格取得後のキャリア相談やフォローアップ研修があるかどうかも、スクールを選ぶ際の重要な要素です。
湘南国際アカデミーでは、在学中から就労のためのアドバイス、情報発信を行っています。
初任者研修(旧ヘルパー2級資格)取得後のキャリア展望
介護職員初任者研修修了後は、デイサービスや特別養護老人ホーム、訪問介護など多様な職場で働けるようになります。介護現場で経験を積み、実務者研修を受講すると、さらなる上位資格である介護福祉士にチャレンジできます。経験を積み資格を取得することで給与アップや昇進などにつながっていきます。
訪問介護や施設介護の選択肢
訪問介護は1対1で利用者と向き合う機会が多く、コミュニケーション力が必要となります。また、利用者様によってサービス内容が異なるので、幅広い介護スキルが身につきます。施設介護は、複数のスタッフで複数の利用者とかかわります。身体介護を必要とする利用者が多いので、身体介護のスキルアップが望めます。自分の得意なことや、身に着けたいスキルなどに合った職場選びをしましょう。
次のステップとしての介護福祉士や実務者研修
介護職員初任者研修を取得した後は、実務者研修を受講し、介護福祉士(国家資格)を目指すのがおすすめです。訪問介護事業所重要な役割をもつサービス提供責任者になるには、実務者研修修了が必須ですし、介護福祉士国家試験も実務者研修を修了しないと受験できません。
資格取得によるキャリアアップと需要
超高齢社会に突入した現在の日本では、介護の人材需要は高止まりが続くと予想されます。初任者研修で得た基礎技術をベースに現場経験を積むことで、専門職としての評価や昇進にもつながりやすく、長期的なキャリアを築けます。
まとめ|介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級資格)を取得しよう
ヘルパー2級としてスタートした資格は、現在の初任者研修として改良され、学ぶ内容や制度がより整備されました。スクーリングで実技をしっかり学び、通信学習で理論を効率よく理解できるため、忙しい人でも学びやすい環境が整っています。
介護職はやりがいが大きく、社会的にも必要とされる分野です。資格取得を通じて利用者や家族とのコミュニケーションの大切さを実感し、介護の専門性を高めることで、多くのキャリアパスが開けます。
資格取得からプロフェッショナルへの第一歩
初任者研修(旧ヘルパー2級資格)の取得は、介護職のプロフェッショナルへの第一歩です。実務者研修や介護福祉士へのステップアップもしやすくなり、キャリアアップだけでなく、より質の高い介護サービスを提供できるようになります。
湘南国際アカデミーは神奈川県内11か所のスクールで、平日、土日など多くのクラスを用意しています。また、キャリアアップのサポート体制も充実しています。
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その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
