介護福祉士国家試験の"本当の難しさ"と、
湘南国際アカデミーが受験対策講座を行う理由
当記事は、2026年3月9日に湘南国際アカデミーで開催した「第38回介護福祉士国家試験の振り返り」にて、当校学院長の仲川から介護福祉士国家試験の構造と、受験対策講座が存在する背景と意義についての内容をまとめたものです。
1介護福祉士国家試験とはどのような試験か
介護福祉士の国家試験は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが実施主体となり、厚生労働省の管轄のもとで行われる国家資格試験です。試験はマークシート方式の筆記試験で、五肢択一形式の125問が出題されます。
第38回介護福祉士国家試験では、パート合格制度の導入により試験時間の区分が変更され、午前60問・午後65問という構成となりました。
- 実施主体参照元:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
- 試験形式筆記試験(マークシート方式・五肢択一)
- 出題数125問
- 試験時間午前 105分(60問)/ 午後 115分(65問)
第38回介護福祉士国家試験から、パート合格制度が新たにスタートしました。筆記試験がA・B・Cの3つのパートに分けられ、それぞれのパートに合格基準が設けられます。
- Aパート(午前)人間と社会・介護の一部など 60問
- B・Cパート(午後)残りの領域 65問
- 制度のポイント不合格となったパートのみ翌年以降に再受験できる(合格パートは2年間有効)
※ パート合格制度の詳細は、 こちらの解説記事「介護福祉士国家試験のパート合格とは?」 もあわせてご覧ください。
2介護福祉士試験の出題範囲は562の小項目にわたる
国家試験で問われる内容は、領域・科目・大項目・中項目・小項目という階層で体系的に整理されており、試験センターのホームページにも公開されています。試験において学習しなければならない内容の全体量は、次の通りです。
| 領域 | 大項目数 | 中項目数 | 小項目数 |
|---|---|---|---|
| 人間と社会 | 10 | 38 | 125 |
| 介護 | 27 | 77 | 220 |
| こころとからだのしくみ | 21 | 64 | 176 |
| 医療的ケア | 3 | 9 | 41 |
| 合計 | 61 | 188 | 562 |
4つの領域にまたがる小項目の合計は、実に562項目にのぼります。なお、「総合問題」は上記4領域の知識を横断的に問う事例形式の問題であり、独立した学習項目はありません。
3介護福祉士は本来、1,280時間をかけて学ぶべき内容
介護福祉士に限らず、医師や看護師なども含めたすべての国家資格において、養成施設のカリキュラムは国家試験の出題基準に沿って設計されています。介護福祉士の養成施設(専門学校・大学等)では、次のような時間数で教育が行われています。
| 領域 | 学習時間数 |
|---|---|
| 人間と社会 | 120時間 |
| 介護 | 810時間 |
| こころとからだのしくみ | 300時間 |
| 医療的ケア | 50時間 |
| 合計(国家試験対応科目) | 1,280時間 |
※ 養成施設の総カリキュラムは、上記に基礎教養・介護実習等を加えた計1,800時間となっています。
つまり、国家試験で問われる562項目を習得するために、養成施設では1,280時間の授業時間が充てられているということです。
4実務経験ルート(実務者研修)では830時間が不足する
一方、実務経験ルートで国家試験を受験する方が受講する「実務者研修」の時間数は450時間です。国家試験に対応した学習内容を習得するために本来必要な1,280時間と比較すると、その差は明らかです。
この差が生じている背景について、学院長の仲川は次のように説明しています。現場で働きながら資格取得を目指す方にとって、ハードルを高く設定しすぎると受験者が集まりにくくなるという実情があること、また現場での実務経験がある程度の補完になるという考え方があること、こうした事情がハードル設定に影響しているということです。
5介護福祉士試験対策で効率的な学習が不可欠である理由
養成施設の学生が1,280時間をかけて習得する内容を、実務者研修では450時間で学ぶことになります。これは単純に計算しても、約3分の1の時間で同等の学習内容をこなさなければならないということを意味します。しかも、多くの方が現場での仕事と並行して学習を進めているという環境にあります。
こうした状況を踏まえると、やみくもに学習時間を確保しようとするだけでは限界があります。何を、どの順番で、どのように学ぶかという学習の効率性が、合否を左右する重要な要素となります。
6介護福祉士の受験対策講座・直前対策講座が存在する理由
湘南国際アカデミーが受験対策講座・直前対策講座を提供しているのは、まさにこの構造的な課題に向き合うためです。830時間分の差をすべて補填することは難しいとしても、限られた時間の中で最大限の成果を引き出すための支援を行うことが、アカデミーとしての使命と捉えています。
よくある質問(FAQ)
主な受験ルートは2つあります。①養成施設ルート:介護福祉士養成施設(専門学校・大学等)を卒業すること。②実務経験ルート:介護等の業務に3年以上(従業期間1,095日以上・従事日数540日以上)従事した上で、実務者研修を修了すること。いずれも、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターへの受験申請が必要です。
例年、1月下旬に筆記試験が実施されます。合格発表は例年3月中旬頃です。試験日程や申込期間の詳細については、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターの公式サイトでご確認ください。
第38回(2026年)より導入された制度で、筆記試験がA・B・Cの3パートに分けられ、それぞれに合否が判定されます。不合格となったパートのみ翌年以降に再受験でき、合格したパートは2年間有効です。すべてのパートに合格することで、国家試験の合格となります。
詳しくはこちらの解説記事「介護福祉士国家試験のパート合格とは?」もご覧ください。
パートごとに合否が判定されるため、自分の得意・不得意な領域を把握した上で、どのパートを優先的に強化するかという視点が重要になります。一方で、試験で問われる内容・範囲そのものは変わりません。全体の学習範囲をカバーした上で、パートごとの傾向を意識した対策が有効です。
実務者研修(450時間)は、国家試験対応の学習内容(1,280時間)と比較して830時間の差があります。実務者研修はあくまでも受験資格を得るための要件であり、国家試験合格に必要な学習内容をすべてカバーするものではありません。合格を目指すためには、実務者研修に加えて自己学習や受験対策講座の活用が重要です。
もちろん可能です。実際に、実務経験ルートで受験する方の多くが現場で働きながら合格されています。ただし、本記事でご説明した通り、学習時間に制約がある分、効率的な学習計画と優先順位の設定が鍵になります。湘南国際アカデミーの受験対策講座や、eラーニング「マナリエプラス」は、こうした方のサポートを目的として設計されています。
国家試験の出題範囲に沿って、限られた学習時間の中で効率よく得点力を高めることを目的とした講座です。重要項目の解説や模擬問題への取り組みを通じて、実務者研修では補いきれない学習時間のギャップを埋める内容となっています。詳しくは受験対策講座のページをご覧ください。
湘南国際アカデミーが提供するeラーニングサービスで、スマートフォンやPCからいつでも・どこでも学習できる環境を提供しています。現場で働きながら学ぶ方のスキマ時間を活かした効率的な学習をサポートします。詳しくはマナリエプラスのページをご覧ください。
介護福祉士国家試験は、562の小項目・本来1,280時間分の学習内容を問う試験です。実務経験ルートで受験する方は、実務者研修の450時間という限られた学習時間の中で、養成施設の学生と同じ試験に臨むことになります。この現実を正しく理解した上で、効率的・戦略的に学習を進めることが合格への近道です。湘南国際アカデミーは、受講生の皆さまの挑戦を、引き続き全力でサポートしてまいります。
その他、介護技能実習評価試験評価者として外国人介護士の受け入れ機関への評価業務や、介護事業所や医療機関において「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
また、湘南国際アカデミーが発行する「介護業界マンスリーレポート」の企画・監修にも関わり、介護事業所の人材課題や育成ニーズについて、継続的に現場情報の収集・分析を行っている。






