「介護施設で働きたいけれど、どんな場所があるのだろう?」「それぞれの施設で、どんな働き方ができるのだろう?」
そんな疑問を抱いていませんか?高齢化が進む社会において、介護の仕事はますます重要性を増しており、活躍の場は多岐にわたります。
この記事では、介護職を目指す人向けに、介護施設の種類や特徴、さらに働くために必要な資格についても解説します。
介護施設についての基礎知識
高齢化が進む現代では、介護が必要な人やその家族をサポートするための施設が多様化しています。まずは、介護施設を理解するうえで基本となる「公的施設」と「民間施設」の違いを押さえておきましょう。
公的施設とは?
公的施設は、国や自治体などの公的機関が運営している介護施設のことです。基本的に介護保険制度を主体としたサービスを提供しています。公的施設は費用負担が比較的少ないため、多くの利用希望者がいます。
働く側にとっては、公的機関が運営するゆえの安定した雇用が期待できる点が魅力です。一方で、入居を待つ人が多い傾向にあるため、多くの利用者の生活を効率的にサポートするチームワークや対応力が求められます。
民間施設とは?
民間施設は、企業などの法人が運営している介護施設のことです。多彩なサービスやこまやかな個別対応を提供しています。利用料金は公的施設に比べて高額になる傾向がありますが、施設によってはホテルのような豪華な設備や、手厚い人員配置による質の高いサービスを受けられるのが特徴です。
こうした手厚い介護や充実した設備を提供する施設で働く職員は入居者のニーズに合わせた柔軟な対応力が求められます。その分、キャリアアップや専門スキルの向上につながる機会が多いのが特徴です。また、公的施設に比べ、施設ごとの理念や雰囲気が大きく異なるため、自分の価値観に合った職場を見つけやすい一面もあります。
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公的施設の種類・特徴
公的施設と一口にいっても、入所対象や目的によっていくつかの種類があります。ここからは、公的に運営されている介護施設を紹介します。
特別養護老人ホーム(特養)
特別養護老人ホームは、要介護3以上の高齢者を主な対象として長期的な介護を提供します。24時間体制で職員が常駐しており、重度の介護が必要な人でも安心して生活できる環境が整っています。働く職員は、医療的ケアを含めた幅広い知識やスキルを習得できるほか、多職種連携を学ぶ機会が豊富です。一方で、利用希望者が多く忙しい場面もあるため、効率的な業務遂行能力も求められます。
介護老人保健施設(老健)
介護老人保健施設は、在宅復帰を目指す人のリハビリに特化した施設です。医師の管理の下で作業療法士や理学療法士などが協力し、リハビリから、食事・入浴などの日常サービスも併せて提供するのが特徴です。働く職員は、利用者の在宅復帰という明確な目標に向かってチームで支援するやりがいを感じられるでしょう。
介護医療院
介護医療院は、医療ケアと介護が一体となった長期療養施設です。かつては介護療養型医療施設と呼ばれていました。
慢性的な病状や医療が必要な要介護者が安心して暮らせる環境が整備されており、医師や看護師が常駐していることも大きな特徴です。人生の最終段階でのケア(看取り)も行っているため、働く職員は高度な医療知識を学びながら、終末期ケアという専門性の高い介護に携わることができます。
ケアハウス(軽費老人ホーム)
ケアハウスは、家庭での生活が困難な60歳以上の高齢者が、低料金で食事や洗濯などの生活支援サービスを受けられる施設です。
食事の提供や生活相談が中心の「一般型」では、比較的自立度の高い利用者とコミュニケーションを取りながら生活を支えます。一方、施設内で介護も提供する「介護型」では、生活支援に加えて身体介護のスキルも求められます。
民間施設の種類・特徴
民間施設は多彩なサービスや充実した設備、居住環境を提供しているのが特徴です。そのため、働く職員も民間施設ならではの業務を担当することがあります。
介護付き有料老人ホーム
24時間体制で介護職員が常駐している介護付き有料老人ホームは、要介護度の高い人でも手厚いサポートを受けやすいのが特徴です。働く職員は、食事や入浴などの日常的なケアだけでなく、健康管理やレクリエーションなども幅広く担当します。その分、専門的な知識やスキルを活かせる場面が多く、自分のアイデアや工夫を活かしたい人に向いています。
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住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、基本的には生活支援サービスや食事の提供が中心です。また、入居者が楽しめるようレクリエーションやイベントが充実している施設も多いです。基本的に住宅型有料老人ホームの職員は介護サービスを提供しないため、入居者が要介護となった場合は、外部の訪問介護などの介護サービスを契約します。働く職員は、レクリエーションの企画や運営に携わりながら、利用者一人ひとりの自立した生活を支えることができます。
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サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
サービス付き高齢者向け住宅はバリアフリー設計の住宅です。サ高住は厳密にいうと有料老人ホームではなく、あくまでも高齢者の住まいの場である賃貸住宅です。そのため、職員は、高齢者の暮らしを見守る安否確認や生活相談が主な役割になります。ただし、施設によっては介護サービスを提供する「介護型」のサ高住もあり、その場合は介護職員として身体介護なども行います。
グループホーム
グループホームは、認知症の人を対象に少人数で共同生活する施設です。家庭的な雰囲気の中で相互にコミュニケーションを取りながら暮らせるため、働くスタッフは、利用者とじっくり向き合い、認知症の進行を穏やかにするようなこまやかなケアに専念できます。
グループホームは看護師の配置が義務ではないため、看護師が必要な高度な医療ケアを行わない施設も多いです。そのため、職員として高度な医療ケアに関わる機会は少ないと言えるでしょう。
施設に入居しないタイプの介護サービス
介護サービスには、入居型施設だけでなく、自宅で暮らしながらでも利用できるものもあります。利用者の「住み慣れた家で暮らしたい」という思いに寄り添って働きたいなら、デイサービス、訪問介護といった在宅介護サービスが適しているでしょう。
デイサービス(通所介護)
デイサービスとは、日中だけ施設に通い、食事や入浴、レクリエーションなどのサポートを受ける通所介護のことです。利用者や職員との会話などによって、外出の機会が少ない人でも交流が増え、身体面だけでなく精神面のリフレッシュにも役立ちます。デイサービスではレクリエーションやイベントを行うことも多いため、こうした催しの企画や準備も職員の仕事です。
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デイケア(通所リハビリテーション)
デイケアは、医師の指示のもとで行われるリハビリに重点を置いた通所サービスです。デイケアには理学療法士や作業療法士が配置されていて、利用者は日常生活の動作を向上させるためのプログラムを受けます。
働く職員は、リハビリ専門職と連携しながら利用者の機能回復を間近で支援できるため、チームで目標を達成することに手応えを感じられる仕事です。
訪問介護
訪問介護は、ヘルパーが自宅を訪れて食事や入浴などの身体介護や生活支援を行うサービスです。さらに医療的管理が必要な場合には訪問看護を組み合わせることで、在宅療養を続けながら専門的なケアを受けることも可能です。
働く職員は基本的に一人で利用者の自宅を訪問し、利用者と1対1でじっくり関わります。そのため、一人ひとりの生活スタイルを尊重した個別性の高いケアを実践したい人にとっては、大きなやりがいを感じられるでしょう。
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ショートステイ
ショートステイとは、家族が用事や休息を必要とする際に、数日から数週間ほどの短期間だけ施設に滞在できる介護サービスです。介護者の負担軽減はもちろん、緊急時の一時的な受け入れ先としても利用されることがあります。
利用者の入れ替わりが比較的早いため、働く職員は多様な状況の方と関わる機会が豊富です。短期間で利用者の情報を的確に把握し、信頼関係を築くスキルが身につきます。
介護施設で働くための要件や資格
介護施設で働くには、必ずしも最初から専門資格が必要なわけではありません。未経験からスタートできる職場も多く、働きながら資格を取得してステップアップするのが一般的です。
- 介護職員初任者研修
介護の基礎を学べる入門資格。訪問介護や施設勤務の入り口となります。 - 介護福祉士実務者研修
より高度な知識・技術を習得し、介護福祉士国家資格の受験資格にもつながる講座です。 - 介護福祉士(国家資格)
介護分野の専門職としての資格。リーダー職や管理職を目指すキャリアアップに直結します。 - その他の資格
レクリエーション介護士、認知症介護基礎研修、喀痰吸引等研修など、施設の役割や職務によって必要になるものもあります。
湘南国際アカデミーでは、これらの資格取得をサポートする講座を提供し、未経験からでも安心して介護業界で活躍できるよう支援しています。
FAQ|介護施設の種類に関するよくある質問
介護施設は、公的・民間・在宅型と多様であり、それぞれ特徴や仕事内容が異なります。ここでは、介護施設の種類を知りたい方や、実際に働きたいと考えている方から寄せられる代表的な質問にお答えします。
- Q1.公的な介護施設にはどのような種類がありますか?
- A
主な公的施設は以下の通りです。
- 特別養護老人ホーム(特養):要介護3以上を対象に長期的な介護を提供。
- 介護老人保健施設(老健):在宅復帰を目指し、リハビリと生活支援を行う。
- 介護医療院:医療と介護を一体で提供する長期療養型施設。
- ケアハウス:比較的自立度の高い高齢者が低料金で生活支援を受けられる施設。
- Q2.民間の介護施設にはどのような種類がありますか?
- A
民間施設はサービスや雰囲気が多様です。
- 介護付き有料老人ホーム:24時間体制で介護が受けられる。
- 住宅型有料老人ホーム:生活支援が中心で、必要に応じて外部の介護サービスを利用。
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住):バリアフリー住宅で安否確認や生活相談が中心。
- グループホーム:認知症の方が少人数で共同生活を送る家庭的な施設。
- Q3.入居型ではなく在宅で利用できる介護サービスはありますか?
- A
代表的な在宅介護サービスには以下があります。
- デイサービス(通所介護):日中に施設で入浴・食事・レクリエーションを受けられる。
- デイケア(通所リハビリ):理学療法士などによるリハビリ中心のサービス。
- 訪問介護:ヘルパーが自宅に訪問し、身体介護や生活援助を行う。
- ショートステイ:短期間だけ施設で過ごす一時的なサービス。
- Q4.介護施設で働くためにはどんな資格が必要ですか?
- A
未経験からでも働けますが、資格を取得すると仕事の幅が広がります。
- 介護職員初任者研修:入門資格で、多くの介護施設で就労可能。
- 介護福祉士実務者研修:専門性を高める資格で、介護福祉士国家試験の受験資格にも必須。
- 介護福祉士(国家資格):介護の専門職として信頼性が高まり、キャリアアップにつながる。
その他、レクリエーション介護士や認知症介護基礎研修なども現場で役立ちます。
たくさんの介護施設の種類の中から、働きたい職場を見つけよう
今回は介護施設の特徴や仕事の内容を種類ごとに解説しました。「介護の仕事」と一口に言っても、働く場所によって役割、働き方、求められるスキル、特養や老健、有料老人ホームやグループホームなど多くの種類があり、さらにデイサービスや訪問介護といった在宅型のサービスもあります。それぞれ特徴や仕事内容が異なるため、自分に合った施設を選ぶことが大切です。
湘南国際アカデミーでは、介護資格の取得から就職・転職支援までをワンストップでサポート。介護業界でのキャリア形成を目指す方は、まずはお気軽にご相談ください。
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