インテークは、ケアマネジャーが利用者様・ご家族から最初に相談を受ける「初回面接/初回対応」の場面を指します。ここでの聴き取りや説明の質が、その後の信頼関係やケアマネジメントの進みやすさを大きく左右します。
本記事では、インテークの定義と目的、アセスメントとの違い、事前準備や基本マナー、面接の手順・流れ、注意点までを体系的に整理します。ケアマネ試験で問われやすい観点もあわせて押さえます。
インテークとは?ケアマネと利用者様との最初の確認作業
インテークは、利用者様の主訴(中心となる訴え)や希望を丁寧に聴き取り、ケアマネジメントとして関われる内容か、どのように進めるかを確認するプロセスの第一段階です。
インテークは、利用者の「いま何に困っているのか」「どうしたいのか」を整理するための最初のプロセスです。
単なる情報収集ではなく、以下のような役割があります。
- 主訴(中心となる困りごと)の把握
- 本人・家族の希望の確認
- 緊急性の判断
- 支援の方向性の初期整理
この段階で大切なのは、問題を早く結論づけないことです。初回相談は話が散らかったり、家族の意見が強く出たりしやすいため、ケアマネ側が整理して言語化し、本人・家族の認識をそろえる役割を担います。

介護福祉士
ケアマネジャー
【監修者コメント】
インテークは単なる聞き取りではなく、「相談者の状況を整理し、支援の方向性を一緒に見つけていく場」です。
現場では、最初の関わり方によって、その後の関係性や支援の進み方が大きく変わるため、非常に重要なプロセスだと感じています。
インテークの目的は主に3つ
インテークの目的は単なる情報収集ではなく、相談内容の整理と適否判断、そして支援の土台となる信頼関係づくりにあります。
第一の目的は、主訴と希望を整理して「何を課題として扱うのか」を合意することです。課題が曖昧なまま進むと、後のアセスメントやケアプランが的外れになり、結果として不満や不信につながります。
第二の目的は、ケアマネジメントで支援できる範囲と、今後の流れを説明することです。利用者様は制度や手続きが分からず不安になりやすいため、できること・できないこと、必要な手続き、次回までに準備してほしいことを分かりやすく伝えると安心感が生まれます。
第三の目的は信頼関係の形成です。インテークで「話を遮られた」「否定された」「急かされた」と感じると、その後に必要な本音(転倒、服薬、家族関係、金銭など)が出にくくなります。共感的に聴き、秘密が守られると理解してもらうことが、情報の質と支援の質を決める土台になります。
インテークとアセスメントの違い
インテークとアセスメントは似て見えますが、位置づけと目的が異なります。違いを理解すると、質問の仕方や記録の取り方も明確になります。
| 項目 | インテーク | アセスメント |
|---|---|---|
| 位置づけ | 初回対応 | 継続的な分析 |
| 目的 | 相談内容の整理 | 課題の原因分析 |
| 深さ | 概要把握 | 生活全体の分析 |
| 役割 | 入口 | 見立て |
インテークは初回対応として、主訴・希望・緊急性・関係者・次の手続きといった「入口の確認」を行う段階です。相談者の不安を受け止めながら、支援を開始するための枠組みをつくることが中心になります。
一方アセスメントは、収集した情報をもとに生活全体を捉え、課題の背景や原因、強み、阻害要因を整理して、目標と支援方針につなげる「分析のプロセス」です。単なる現状把握ではなく、なぜ困りごとが起きているのか、どの条件が整えば改善するのかを見立てます。
なお、ケアマネジメントは厚生労働省においても、「利用者の課題を把握し、適切なサービスにつなげる一連の過程」とされており、インテークはその出発点にあたります。
(参考:厚生労働省「ケアマネジメントの基本」)
インテークの事前準備
安心して話してもらうには、面接前の準備が欠かせません。連絡手段(電話・訪問)に応じた配慮と、必要物品・質問項目の整理がポイントです。
事前準備では、まず面接の目的とゴールを自分の中で明確にします。初回で確定すべきことは、主訴の把握、緊急性の有無、関係者、次の動き(訪問日程、申請、情報提供の同意など)です。ここが曖昧だと、話は長くなるのに必要情報が抜けやすくなります。
インテークの基本マナー
インテークでは、相手が不安や緊張を抱えている前提で接することが基本です。言葉遣いを整えるだけでなく、声のトーンを落ち着かせ、相づちや間の取り方で「急かされていない」と感じてもらうことが重要です。
否定しない姿勢を徹底します。たとえば家族の訴えが強くても、まずは受け止めてから「ご本人はどう感じておられますか」と視点を戻すと、対立を煽らずに整理できます。
インテークで注意したいポイント
インテークでは「何に困っているのか」を合意し、安心して話せる場をつくり、利用者様の意思決定を支えることが重要です。
注意点は、以下のステップのように情報を集める前に「相談の交通整理」をすることです。困りごとは複数同時に出やすいため、優先順位を一緒に決め、今日扱う範囲を共有すると面接の満足度が上がります。
インテークの流れ(5ステップ)
相談のきっかけ・背景を確認
一番困っていることを明確にする
話を整理し優先順位をつける
制度や今後の流れを説明
訪問日程や手続きなどを決定
この時点で大事なポイントは、「すべてを深掘りする」のではなく、輪郭を整えることが重要です。
実務では、以下のような観点で情報を整理します。
| カテゴリ | 主な確認内容 |
|---|---|
| 生活 | 食事・排泄・移動・日常生活 |
| 健康 | 既往歴・服薬・通院状況 |
| 家族 | 支援体制・関係性 |
| 環境 | 住環境・転倒リスク |
| 希望 | 本人の意向・価値観 |
ここでのポイントは、すべてを聞き切るのではなく、主訴に関連する部分を中心に確認することが大切です。
問題の明確化と確認をする
最初に、困りごと・心配・要望を項目立てして整理します。相手の話を途中で切らずに聴き、出てきた論点を「安全のこと」「介護負担のこと」「手続きのこと」などに分けると、混乱を避けられます。
信頼関係をつくる(秘密保持・安心感)
インテークでは、個人情報や家族事情などの機微情報を扱うため、守秘義務の説明が信頼関係の前提になります。誰に、どの範囲で情報共有する可能性があるのか、同意の考え方と合わせて明確に伝えます。
なお、ケアマネジャーには個人情報の適切な取り扱いが法的にも求められており、介護保険制度においても守秘義務が定められています。
(参考:厚生労働省 「守秘義務に係る法令の規定例」)

介護福祉士
ケアマネジャー
自己決定を促し尊重する
支援の中心は利用者様の意向と価値観です。インテークでは、本人が何を大切にしてきたか、今後どう暮らしたいかを確認し、支援の方向性を「本人の言葉」に寄せていきます。
こうした考え方は、厚生労働省が示す「利用者本位」の原則にも基づいており、本人の意思を尊重した支援が求められています。
(参考:厚生労働省「基本指針の構成について」)
「インテーク」はケアマネ試験(介護支援専門員実務研修受講試験)にも出やすい
インテークはケアマネジメントの第一段階として頻出論点です。目的・環境整備・説明責任・記録など、問われやすい要点を整理しておくと得点につながります。
試験では、インテークを「最初の面接で何をするか」という観点で問われやすいです。主訴の把握、支援の進め方の説明、話しやすい環境整備、守秘義務の説明など、基本行動が正しく押さえられているかがポイントになります。
FAQ|インテークに関するよくある質問
インテークは、ケアマネジメントの出発点となる大切なプロセスです。
ここでは、「インテークとは何か」「アセスメントとの違い」「実務や試験で押さえるべきポイント」など、読者が疑問に感じやすい内容を簡潔にまとめました。
- Q1.インテークとは何ですか?何をする場面ですか?
- A
ンテークとは、利用者様・ご家族から最初に相談を受ける初回面接(初回対応)のことです。
主な目的は以下の3点です。
- 主訴(いちばん困っていること)と希望の整理
- 支援の適否や緊急性の確認
- 今後の流れの説明と信頼関係づくり
単なる情報収集ではなく、「何を課題として扱うのか」を合意し、安心して話せる土台をつくることが大きな役割です。
- Q2.インテークとアセスメントの違いは何ですか?
- A
インテークは“入口の確認”、アセスメントは“生活全体の分析”です。
<<表を入れます>>項目インテークアセスメント位置づけ初回対応継続的な分析目的主訴・希望の整理、適否判断課題の背景や原因を分析深さ概要を把握生活全体を見立てる
インテークで深掘りしすぎると、利用者様が負担を感じることがあります。
まずは「困りごとの輪郭を整える」ことが大切です。
- Q3.インテークで特に注意すべきポイントは何ですか?
- A
“決めつけない・急がない・否定しない”が基本です。
特に重要なのは次の点です。
- ① 決めつけない:早く結論を出そうとしない
- ② 急がない:相手のペースを尊重する
- ③ 否定しない:まずは受け止める
- ④ 優先順位を整理する:複数の課題を交通整理する
- ⑤ 守秘義務を説明する:安心して話せる環境をつくる
初回対応の印象は、その後の本音の出やすさや支援の質を大きく左右します。
まとめ
インテークは、利用者様の主訴と希望を丁寧に聴き取り、支援の方向性を整理するケアマネジメントの出発点です。単なる情報収集ではなく、「何を課題として扱うのか」を合意し、安心して相談できる関係性を築く重要なプロセスといえます。
また、インテークはその後のアセスメントにつながる土台でもあります。アセスメントが生活全体を分析し支援方針を導く段階であるのに対し、インテークはその前提を整える「入口」の役割を担います。この違いを理解することで、面接の深さや進め方がぶれにくくなります。
実務では、事前準備や基本マナー、守秘義務の説明、自己決定の尊重といった基本を押さえることが欠かせません。初回対応での小さな配慮の積み重ねが信頼関係を生み、結果として支援の質を大きく高めます。インテークの質を高めることが、より良いケアマネジメントにつながります。
その他、介護技能実習評価試験評価者として外国人介護士の受け入れ機関への評価業務や、介護事業所や医療機関において「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
また、湘南国際アカデミーが発行する「介護業界マンスリーレポート」の企画・監修にも関わり、介護事業所の人材課題や育成ニーズについて、継続的に現場情報の収集・分析を行っている。






