本記事は、介護福祉士・介護支援専門員・福祉用具専門相談員の資格を持つ江島一孝(湘南国際アカデミー)が監修しています。
介護福祉士は、介護業務に関する専門知識とスキルを証明する介護職唯一の国家資格です。資格を取得するには国家試験に合格する必要があるため、その合格率が気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、介護福祉士国家試験の直近10年間の合格率の推移や受験資格別・年齢別の傾向を整理し、合格に近づく効果的な勉強法を現役講師の視点で解説します。
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介護福祉士の概要
介護福祉士とは
介護福祉士は、介護職の中で唯一の国家資格です。1987年に制定された「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づき、介護福祉士資格制度が創設されました。一定の条件を満たした人が試験を受けられ、合格すると正式に介護福祉士として認められます。参照元:厚生労働省「社会福祉士及び介護福祉士法」
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介護福祉士試験の受験資格
介護福祉士試験を受験するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。ルートは全部で4つあり、それぞれ必要な条件が異なります。
| ルート名 | 具体的な条件 |
|---|---|
| 実務経験ルート | 介護の実務経験が3年以上(従業期間1,095日以上かつ従事日数540日以上)あり、なおかつ介護福祉士実務者研修を修了していること |
| 福祉系高校ルート | 指定された福祉系高校で新カリキュラムを履修して卒業していること(特例高校卒業の場合は卒業後9か月以上の実務経験が必要) |
| 養成施設ルート | 専門学校や短期大学などの介護福祉士養成施設を卒業していること |
| EPAルート | 経済連携協定(EPA)に基づき来日した、インドネシア・フィリピン・ベトナム国籍の介護福祉士候補者であること |
なお、在留資格「特定技能1号」「技能実習」で働く外国籍の方は、実務経験ルートでの受験となります。参照元:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験 受験資格(資格取得ルート図)」
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介護福祉士に合格すると何ができるようになるのか
介護福祉士の資格を取得すると、より責任ある業務を任せてもらえるようになります。介護計画の作成や指導する立場での業務遂行など、より専門的な役割の仕事ができます。また、介護に関連する詳しい知識を持つ介護福祉士は施設側からの需要が大きく、就職や転職にも有利に働きます。さらに、将来的にはケアマネジャー(介護支援専門員)などの上位資格へのステップアップも視野に入れられるため、キャリアアップの可能性が広がることも特徴です。
介護福祉士試験の合格率
直近で実施された第38回(2026年1月)介護福祉士国家試験の合格率は70.1%でした。前回の第37回(78.3%)から8.2ポイント低下しましたが、過去10年では3番目に高い水準です。合格率は近年70〜80%台で推移しており、国家資格の中では比較的高い傾向が続いています。
過去10年の合格率・合格点の推移
出典:厚生労働省「介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移」
| 試験回(実施年月) | 受験者数 | 合格者数 | 合格点 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 第38回(2026年1月) | 78,469人 | 54,987人 | 64点 | 70.1% |
| 第37回(2025年1月) | 75,387人 | 58,992人 | 70点 | 78.3% |
| 第36回(2024年1月) | 74,595人 | 61,747人 | 67点 | 82.8% |
| 第35回(2023年1月) | 79,151人 | 66,711人 | 75点 | 84.3% |
| 第34回(2022年1月) | 83,082人 | 60,099人 | 78点 | 72.3% |
| 第33回(2021年1月) | 84,483人 | 59,975人 | 75点 | 71.0% |
| 第32回(2020年1月) | 84,032人 | 58,745人 | 77点 | 69.9% |
| 第31回(2019年1月) | 94,610人 | 69,736人 | 72点 | 73.7% |
| 第30回(2018年1月) | 92,654人 | 65,574人 | 77点 | 70.8% |
| 第29回(2017年1月) | 76,323人 | 55,031人 | 75点 | 72.1% |
合格基準は、総得点(125点)の60%程度を基準に、その年の問題の難易度で補正した点数以上を得点し、かつ11科目群すべてで得点があることの2つを満たすことです。第38回の合格点64点は過去20年で最も低く、問題の難易度がやや高かったと考えられます。参照元:厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験の合格基準及び正答について」
第38回のパート別合格者数・合格基準点
第38回試験から導入されたパート合格制度では、試験科目をA・B・Cの3つのパートに分けてパートごとの合否も判定されます。第38回のパート別の結果は以下のとおりです。
出典:厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験合格発表について」
| パート | 満点 | 合格基準点 | パート合格者数 |
|---|---|---|---|
| Aパート | 60点 | 32.23点 | 5,697人 |
| Bパート | 45点 | 20.43点 | 7,247人 |
| Cパート | 20点 | 11.33点 | 4,367人 |
パート合格者とは、全パートの総得点の合格基準を満たさなかったものの、各パートの合格基準点以上を得点し、かつ当該パートを構成する科目群すべてで得点があった方です。合格したパートは翌年・翌々年の受験が免除されます。

介護福祉士・ケアマネジャー
「合格率70%超なら大丈夫」と油断する方がいますが、注意したいのは11科目群すべてで1問は得点しないと不合格になる点です。総得点が足りていても、1科目でも0点があるとそこで終わってしまいます。苦手科目こそ「最低1問は確実に取る」意識で、まんべんなく対策してください。
受験資格別・年齢別の傾向
受験者の大半は、働きながら受験する実務経験ルートの方です。年齢層では20代が最も多く合格者全体の約26%を占めますが、40代以上の合格者も全体の半数近くを占めており、社会人になってから資格取得を目指す方が多いのが介護福祉士試験の特徴です。
一方で、在留資格「特定技能1号」「技能実習」で受験する外国籍の方の合格率は30〜40%台にとどまり、日本語の壁もあって全体平均より低い水準が続いています。第38回では外国人受験者が10,406人と前年の約2倍に増加しており、今後もこの傾向が続くと見られています。
他の福祉系資格と比べた難易度
介護福祉士の合格率は、社会福祉士(30%台)や精神保健福祉士(60%台)など他の福祉系国家資格と比べて高めです。これは、受験に実務経験や養成施設の修了などの要件があり、一定の知識を持った人が受験する母集団になっていること、出題が5択のマークシート方式であること、合格基準が総得点の60%程度であることなどが背景にあります。ただし、全科目群で得点が必要なため、対策をしないまま合格できる試験ではない点には注意が必要です。
パート合格制度(科目群免除)について
2026年1月の第38回試験から「パート合格制度」が導入されました。1回の試験ですべてに合格できなくても、基準を満たしたパート(科目群)は次回以降の試験で免除され、段階的に合格を目指せる仕組みです。働きながら受験する方や、日本語学習と並行して受験する外国籍の方にとって、負担を軽減できる制度として注目されています。
パート合格制度の詳細はこちら
介護福祉士の資格取得に向けて知っておきたいこと
介護福祉士国家試験の形式
介護福祉士試験は年に1回、1月下旬に全国各地で実施されます。合否が発表されるのは3月下旬です。試験形式は筆記試験のみで、マークシート方式の問題です。試験問題は全125問で、複数の分野からバランスよく出題されます。試験は午前と午後に分かれていて、午前の部が110分(Aパート・63問)、午後の部が120分(B・Cパート・62問)です。かつては実技試験がありましたが、2022年度をもって廃止となりました。
介護福祉士国家試験の出題範囲(13科目群)
介護福祉士国家試験は以下の13科目群で構成されています。注意すべき点は、すべての科目群で1問以上の正解が必須となっていることです。無得点の科目があると、他の科目の得点にかかわらず不合格となります。
| パート | 科目群 |
|---|---|
| Aパート | ①人間の尊厳と自立 ②人間関係とコミュニケーション ③社会の理解 ④介護の基本 ⑤コミュニケーション技術 ⑥生活支援技術 ⑦介護過程 |
| Bパート | ⑧発達と老化の理解 ⑨認知症の理解 ⑩障害の理解 ⑪こころとからだのしくみ |
| Cパート | ⑫医療的ケア ⑬総合問題 |
介護福祉士国家試験の申し込み方法
次回の第39回試験の主な日程は以下のとおりです。受験申込受付は2026年7月22日〜9月2日のわずか42日間です。
※引用元:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験・受験申し込み手続き」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日 | 2027年1月31日(日)予定 |
| 合格発表日 | 2027年3月23日(火)予定 |
| 受験申込受付期間 | 2026年7月22日(火)〜9月2日(火) |
| 申し込み方法 | 全員インターネット申込(第39回より変更) |
| 受験手数料 | 18,380円(第38回実績) |
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介護福祉士国家試験の勉強時間の目安
介護福祉士試験の合格を目指すには、一般的に300〜500時間程度の学習が必要とされています。試験の1年前から、1日1〜2時間の学習を開始する計算です。ただし、実務経験の程度や基礎知識の習熟レベルによって必要な勉強量には個人差があります。
介護福祉士の合格率を高める勉強法
過去問を徹底的に解く
試験対策の要となる勉強法が過去問演習です。過去問で出題傾向を把握し、頻出するテーマを重点的に復習できます。現在の試験傾向を反映している直近5年分の過去問を解くと良いでしょう。間違えたときは単に答えを覚えるのではなく、なぜそのような解答になるのかを理解することが大切です。また、本番と同じ試験時間内で解くことで時間配分の感覚も養えます。
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参考書と問題集を活用する
参考書は、自分の学習スタイルに合ったものを選ぶことが重要です。図や表を多用した視覚的な参考書や、要点をコンパクトにまとめた参考書など、幅広いタイプがあります。問題集は分野別・レベル別に使い分けて、無理なくステップアップできるものを選びましょう。音声講義や動画講座も併用することで、通勤時間や家事の合間などのスキマ時間を効率よく活用できます。
計画を立てて学習を継続する
試験日から逆算して月単位・週単位の学習計画を作成しましょう。自分の生活リズムや仕事の状況を考慮し、無理なく続けられるようにすることが重要です。また、定期的に進捗を見直して調整することで、より現実的な計画に改善できます。模擬試験や小テストを計画に組み込むことで、モチベーション維持と現在地の把握にもなります。
受験対策講座を活用する
独学での合格に不安がある場合は、受験対策講座の活用も有効です。湘南国際アカデミーの介護福祉士受験対策講座では、出やすい問題を確実に正解する「満点を目指さない勉強法」を採用しており、当校講座の合格実績は93.1%です(国家試験全体の合格率とは算出方法が異なります)。実務者研修と国家試験対策講座をセットで受講でき、過去問演習・模擬試験・講師による解説まで、初めての方でも安心して学べる環境を整えています。
FAQ|介護福祉士の合格率に関するよくある質問
- Q1.介護福祉士国家試験の合格率は高いのですか?
- A
ここ数年は70〜80%台で推移しており、国家資格の中では比較的高い合格率です。直近の第38回(2026年1月)は70.1%でした。ただし、合格のためには11科目群すべてで得点が必要なため、出題範囲をバランスよく学習することが重要です。
- Q2.どれくらい勉強すれば合格できますか?
- A
一般的には300〜500時間が目安とされます。1日1〜2時間、約1年かけて計画的に取り組む方が多いですが、実務経験や知識量に応じて調整が必要です。
- Q3.過去問はどれくらいやるべきですか?
- A
直近5年分を中心に繰り返し取り組むのがおすすめです。出題傾向や頻出テーマの把握に役立ちます。間違えた問題は復習して理解を深めましょう。
- Q4.実技試験はありますか?
- A
現在は筆記試験のみです。実技試験は2022年度をもって廃止されましたので、筆記に集中して対策を進めてください。
- Q5.湘南国際アカデミーでは介護福祉士試験の対策講座もありますか?
- A
介護福祉士の合格率を理解して計画的に対策しよう
今回は介護福祉士試験の合格率について解説しました。近年の合格率は70〜80%前後で推移しており、国家資格の中では比較的高い水準です。とはいえ、全科目群で得点が必要なため、計画的な準備とコツコツとした努力が欠かせません。今回紹介した勉強法を参考に、過去問や参考書を活用し、出題傾向を把握して効率よく学んでいきましょう。
湘南国際アカデミーでは、介護福祉士を目指す皆さまに向けて、実務者研修+国家試験対策講座をセットでご提供しています。過去問演習、模擬試験、質問対応、給付金制度の活用など、合格に向けたトータルサポートで皆さまの一歩を支えます。資料請求・無料相談はいつでも受け付けています。
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