こんにちは!
湘南国際アカデミーで介護職員初任者や実務者研修、介護福祉士受験対策講座の講師及び総合サポートを担当している江島です!
2023年(令和5年)第35回介護福祉士国家試験を受験された皆さま、本当にお疲れ様でした。
受験を終えた皆さまは、インターネット上の解説速報などで自己採点はされましたか?
まずは、解答を知りたいという方は、当校ホームページの「解答速報」をご覧ください。
このページでは、【介護の基本】から出題された問題の解答・解説を致します。
<領域: 介護>介護の基本
問題 64
利用者主体の考えに基づいた訪問介護員(ホームヘルパー)の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 トイレの窓は換気が必要であると判断し, 開けたままにしておいた。
2 認知症 (dementia) の人が包丁を持つのは危険だと判断し, 訪問介護員(ホームヘルパー)が調理した。
3 煮物を調理するとき、利用者に好みの切り方を確認してもらった。
4 糖尿病 (diabetes mellitus) のある利用者には,買い物代行で菓子の購入はしないことにした。
5 次回の掃除のために, 訪問介護員(ホームヘルパー) が使いやすい場所に掃除機を置いた。
解答:3
解説:自立支援とは、本人の主体性を尊重することが重要です。その人の自立を支援するために、調理における食材の切り方などを好みに合わせることは大切な視点です。
問題 65
「求められる介護福祉士像」で示された内容に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。
1 地域や社会のニーズにかかわらず,利用者を導く。
2 利用者の身体的な支援よりも, 心理的・社会的支援を重視する。
3 施設か在宅かに関係なく、家族が望む生活を支える。
4 専門職として他律的に介護過程を展開する。
5 介護職の中で中核的な役割を担う。
(注) 「求められる介護福祉士像」 とは,社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会「介護人材に求められる機能の明確化とキャリアパスの実現に向けて」(2017年(平成29年)10月4日) の中で示されたものを指す。
解答:5
解説:介護福祉士は、介護の実践、職員への教育、チームマネジメントなど、介護職のなかでも中核的な役割を担うことが求められています。
問題 66
社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている介護福祉士の責務として最も適切なものを1つ選びなさい。
1 地域生活支援事業その他の支援を総合的に行う。
2 介護等に関する知識及び技能の向上に努める。
3 肢体の不自由な利用者に対して必要な訓練を行う。
4 介護保険事業に要する費用を公平に負担する。
5 常に心身の健康を保持して,社会的活動に参加するように努める。
解答:2
解説:社会福祉士及び介護福祉士法に規定される介護福祉士の義務としては、「誠実義務」「信用失墜行為の禁止」「秘密保持義務」「連携」「資質向上の責務」「名称の使用制限」があります。選択肢2は、資質向上の責務の説明となるため正解です。
問題 67
Aさん (85歳, 女性, 要介護1) は夫と二人暮らしで, 訪問介護 (ホームへルプサービス)を利用している。 Aさんは認知症 (dementia) の進行によって理解力の低下がみられる。 ある日、Aさんが訪問介護員(ホームヘルパー)に,「受けているサービスをほかのものに変更したい」「夫とは仲が悪いので話したくない」と,不安な様子で話した。
意思決定支援を意識した訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 Aさんとの話し合いの場に初めから夫に同席してもらった。
2 Aさんにサービス変更の決断を急ぐように伝えた。
3 Aさんと話す前に相談内容を夫に話した。
4 サービスを変更したい理由についてAさんに確認した。
5 訪問介護員(ホームヘルパー)がサービス変更をすることを判断した。
解答:4
解説:Aさんの不安を支えるために、Aさんの思い、考えを確認することは、意思決定支援の際に、大切なポイントです。選択肢4が正解となります。
問題 68
すべての人が暮らしやすい社会の実現に向けて、どこでも、だれでも,自由に、使いやすくという考え方を表す用語として、適切なものを1つ選びなさい。
1 ユニバーサルデザイン (universal design)
2 インフォームドコンセント (informed consent)
3 アドバンス・ケア・プランニング (advance care planning)
4 リビングウィル(living will)
5 エンパワメント (empowerment)
解答:1
解説:ユニバーサルデザインとは、問題文の考え方を表したものです。障害のあるなしに関わらず、だれもがいきいきと活動できる社会を目指す、ノーマライゼーションの考え方とも深く関わっています。
問題 69
Bさん (82歳, 女性, 要介護2) は, 若いときに夫を亡くし、家で仕事をしながら子どもを一人で育てた。 夫や子どもと過ごした家の手入れは毎日欠かさず行っていた。 数年前に, アルツハイマー型認知症 (dementia of the Alzheimer'stype) と診断され,認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居した。夕方になると, 「私、家に帰らないといけない」と介護福祉職に何度も訴えている。
Bさんに対する介護福祉職の声かけとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「仕事はないですよ」
2 「ここが家ですよ」
3 「外に散歩に行きますか」
4 「家のことが気になるんですね」
5 「子どもさんが 『ここにいてください』 と言っていますよ」
解答:4
解説:「私、家に帰らないといけない」と何度も訴えているBさんに対して、まずはその思いに共感する選択肢4が正解です。
問題70
介護保険施設の駐車場で,下記のマークを付けた車の運転手が困った様子で手助けを求めていた。
介護福祉職の対応として, 最も適切なものを1つ選びなさい
1 手話や筆談を用いて話しかける。
2 杖を用意する。
3 拡大読書器を使用する。
4 移動用リフトを用意する。
5 携帯用点字器を用意する。
※マークの掲載が必要
解答:1
解説:設問のマークは、聴覚障害者標識と言われ、内閣府などのウェブサイトでは「聴覚障害者マーク」と記載されています。したがって、選択肢1が正解となります。
問題 71
介護保険施設における専門職の役割に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者の栄養ケア・マネジメントは, 薬剤師が行う。
2 認知症 (dementia) の診断と治療は,作業療法士が行う。
3 利用者の療養上の世話又は診療の補助は,社会福祉士が行う。
4 日常生活を営むのに必要な身体機能改善や機能訓練は, 歯科衛生士が行う。
5 施設サービス計画の作成は、介護支援専門員が行う。
解答:5
解説:介護支援専門員(ケアマネジャー)の役割として、ケアプランの作成があります。ケアプランは、居宅サービスでは「居宅サービス計画」と呼び、施設サービスでは「施設サービス計画」と呼びます。選択肢5が正解です。
問題 72
介護の現場におけるチームアプローチ (team approach) に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 チームメンバーが得た情報は,メンバー間であっても秘密にする。
2 チームメンバーの役割分担を明確にする。
3 利用者を外してチームを構成する。
4 医師がチームの方針を決定する。
5 チームメンバーを家族が指名する。
解答:2
解説:介護福祉士として、チームをうまくまとめて質の高いサービスを提供する、チームマネジメントが求められます。効果的なチームアプローチとして、選択肢2が適切です。
問題 73
利用者の危険を回避するための介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 スプーンを拾おうとして前傾姿勢になった車いすの利用者を,目視で確認した。
2 廊下をふらつきながら歩いていた利用者の横を、黙って通り過ぎた。
3 食事介助をしていた利用者の姿勢が傾いてきたので,姿勢を直した。
4 下肢筋力が低下している利用者が,靴下で歩いていたので,スリッパを履いてもらった。
5 車いすの利用者が, フットサポートを下げたまま立ち上がろうとしたので,またいでもらった。
解答:3
解説:食事中に姿勢が傾くことは、誤嚥や窒息のリスクを高めます。選択肢3が最も適切です。
各科目ごとの解説はこちら
- 人間の尊厳と自立
- 人間関係とコミュニケーション
- 社会の理解
- こころとからだのしくみ
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- 医療的ケア
- 介護の基本 (当ページ)
- コミュニケーション技術
- 生活支援技術
- 介護過程
- 総合問題
引用:上記の各問題は、2023年(令和5年)第35回介護福祉士国家試験問題より抜粋
この解答・解説は湘南国際アカデミー独自の見解によるものですので、実際の正解とは異なる場合があります。
この速報の内容は事前の予告なく、内容を修正する場合があります。
自己採点結果による「合否判定」のお問い合わせはお受けできませんので、ご了承ください。
元ユニットリーダー研修指導者。10年在籍した介護老人福祉施設の現場では、研修受け入れ担当者として、年間100名以上の研修生の指導にあたる。湘南国際アカデミーでは、介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士国家試験受験対策講座の講師や介護福祉士受験対策テキストの執筆などを担当する傍ら、ケアする側もケアするという立場で、介護をする側のQOL向上のためのイベントや総合的なサポートを手掛けている。
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
【所持資格】
介護福祉士、介護福祉士実習指導者、介護支援専門員、福祉用具専門相談員