こんにちは!
湘南国際アカデミーで介護職員初任者や実務者研修、介護福祉士受験対策講座の講師及び総合サポートを担当している江島です!
2023年(令和5年)第35回介護福祉士国家試験を受験された皆さま、本当にお疲れ様でした。
受験を終えた皆さまは、インターネット上の解説速報などで自己採点はされましたか?
まずは、解答を知りたいという方は、当校ホームページの「解答速報」をご覧ください。
このページでは、【介護過程】から出題された問題の解答・解説を致します。
<領域: 介護>介護過程
問題 106
介護過程を展開する目的として, 最も適切なものを1つ選びなさい。
1 業務効率を優先する。
2 医師と連携する。
3 ケアプランを作成する。
4 画一的な介護を実現する。
5 根拠のある介護を実践する。
解答:5
解説:勘や経験に頼るのではなく、根拠のある介護が必要です。選択肢5が正解です。
問題 107
次のうち, 介護過程を展開した結果を評価する項目として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
1 実施に要した日数
2 情報収集に要した時間
3 評価に要した時間
4 介護福祉職チームの満足度
5 短期目標の達成度
解答:5
解説:選択肢5は、利用者の目標を評価する視点となり、正解です。その他の選択肢は、介護職を主体とした評価項目となっています。
問題 108
次の記述のうち, 居宅サービス計画と訪問介護計画の関係として最も適切なものを1つ選びなさい。
1 訪問介護計画を根拠に、居宅サービス計画を作成する。
2 居宅サービス計画の目標が変更されても,訪問介護計画は見直しをせず継続する。
3 居宅サービス計画と同じ内容を,訪問介護計画に転記する。
4 居宅サービス計画の方針に沿って, 訪問介護計画を作成する。
5 訪問介護計画の終了後に, 居宅サービス計画を作成する。
解答:4
解説:介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成した、居宅サービス計画(ケアプラン)の方針に沿って、介護職が訪問介護計画を作成します。選択肢4が正解です。
問題 109, 問題 110
次の事例を読んで,問題 109, 問題 110 について答えなさい。
〔事例〕
Lさん(76歳,女性, 要介護1) は, 自宅で娘と暮らしている。 軽度の認知症(dementia) と診断されたが,身体機能に問題はなく, 友人との外出を楽しんでいる。
ある日、外食の後、自宅近くで保護されたとき, 「ここはどこなの」と言った。 その後,自宅から出ようとしなくなった。 心配した娘が本人と相談して, 小規模多機能型居宅介護を利用することになった。
利用開始時に, Lさんの短期目標を,「外出を楽しめる」 と設定した。 2週間が過ぎた頃,Lさんから,近くのスーパーへの買い物ツアーに参加したいと申し出があった。
当日,他の利用者や介護福祉職と笑顔で買い物をする様子が見られた。 買い物が終わり, 歩いて戻り始めると、笑顔が消え, 急に立ち止まった。
介護福祉職が声をかけると,「ここはどこなの。 どこに行くの」と不安そうに言った。
問題 109
Lさんが急に立ち止まった行動の解釈として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 買い物ツアー時間の延長の要求
2 自分のいる場所がわからない不安
3 休憩したいという訴え
4 店での介護福祉職の支援に対する不満
5 一人で帰りたいという訴え
解答:2
解説:ある日、自宅近くで保護されたときに、「ここはどこなの」と言ったという情報。また、買い物ツアーの際に「ここはどこなの。どこに行くの」と不安そうに言ったという情報から、選択肢2が適切です。
問題 110
Lさんの状況から, 短期目標と支援内容を見直すためのカンファレンス(conference)が開かれた。
担当する介護福祉職の提案として,最も優先すべきものを1つ選びなさい。
1 外出先から帰れなくなる不安への対応が必要である。
2 表情がかたくなったときは帰り道を変更する。
3 外出する意欲を持つ必要がある。
4 歩くために身体機能の改善が必要である。
5 事業所をなじみの生活空間にする。
解答:1
解説:外出や買い物を楽しみにしているが、外出先から帰れなくなる不安を抱えるLさんに対して、選択肢1が適切です。
問題 111, 問題 112
次の事例を読んで, 問題 111, 問題 112 について答えなさい。
〔事例〕
Mさん(35歳,男性, 障害支援区分5) は,脳性麻痺 (cerebral palsy) による四肢麻痺で筋緊張がある。 日常生活動作は全般に介護が必要であり,電動車いすを使用している。これまで, 本人と母親(70歳)の希望で,自宅で二人暮らしを続けてきた。Mさんは3年前から,重度訪問介護を利用している。 軽度の知的障害があるが,自分の意思を介護者と母親に伝えることができる。 相談支援専門員が作成したサービス等利用計画の総合目標は, 「やりたいことに挑戦し, 生活を充実させる」となっている。
Mさん自身も, やりたいことを見つけたいと介護福祉職に話していたことから,次の個別支援会議で検討する予定になっていた。
ある日、重度訪問介護の利用時、パラリンピックのテレビ中継を見ていたMさんが,介護福祉職に, 「ボール投げるの、おもしろそう」と話した。
問題 111
次のうち,Mさんの発言から, 個別支援計画を立案するために, 介護福祉職が把握すべき情報として,最も優先すべきものを1つ選びなさい。
1 競技で使われるボールの種類
2 話を聞いた介護福祉職の感想
3 競技に対するMさんの意向
4 母親のパラリンピックへの関心
5 テレビ中継を見ていた時間
解答:3
解説:パラリンピックのテレビ中継を見ていたMさんが、介護福祉職に、「ボール投げるの、おもしろそう」と話したという情報から、やりたいことにつながる可能性を考えることができます。把握すべき情報として、選択肢3が適切です。
問題 112
いくつかのスポーツクラブを見学後,介護福祉職はMさんから,「このスポーツクラブが近いから, 入会前に体験したい」と伝えられた。
Mさんへの介護福祉職の対応に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。
1 筋緊張から回復する訓練を行うように伝える。
2 母親が決めたスポーツクラブを選ぶように勧める。
3 スポーツクラブにすぐに入会するように勧める。
4 意思決定に必要な情報を提供する。
5 相談支援専門員の許可を得るように勧める。
解答:4
解説: Mさんの自己決定を支援するために、必要な情報を提供することは重要です。選択肢4が適切となります。
問題 113
介護福祉職が事例研究を行う目的として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 事業所の介護の理念の確認
2 介護福祉職の能力を調べること
3 介護過程から介護実践を振り返ること
4 介護報酬の獲得
5 介護福祉職自身の満足度の充足
解答:3
解説:介護実践を振り返ることで、さらに根拠のある介護の提供につなげることができます。選択肢3が正解です。
各科目ごとの解説はこちら
- 人間の尊厳と自立
- 人間関係とコミュニケーション
- 社会の理解
- こころとからだのしくみ
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- 医療的ケア
- 介護の基本
- コミュニケーション技術
- 生活支援技術
- 介護過程 (当ページ)
- 総合問題
引用:上記の各問題は、2023年(令和5年)第35回介護福祉士国家試験問題より抜粋
この解答・解説は湘南国際アカデミー独自の見解によるものですので、実際の正解とは異なる場合があります。
この速報の内容は事前の予告なく、内容を修正する場合があります。
自己採点結果による「合否判定」のお問い合わせはお受けできませんので、ご了承ください。
元ユニットリーダー研修指導者。10年在籍した介護老人福祉施設の現場では、研修受け入れ担当者として、年間100名以上の研修生の指導にあたる。湘南国際アカデミーでは、介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士国家試験受験対策講座の講師や介護福祉士受験対策テキストの執筆などを担当する傍ら、ケアする側もケアするという立場で、介護をする側のQOL向上のためのイベントや総合的なサポートを手掛けている。
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
【所持資格】
介護福祉士、介護福祉士実習指導者、介護支援専門員、福祉用具専門相談員