介護職の動向&意識調査の集計結果と所見
【2026年4月度】 介護職の最新動向&意識調査マンスリーレポート
このたび湘南国際アカデミーでは、以下の方針で「介護職の最新動向と意識」に関するアンケート調査を実施しました。
- 介護のやりがいや課題、働きやすさについて
- 現場で働く方々の“リアルな声”を社会へ届ける
- 介護業界の未来づくりに役立つヒントを探る
介護の仕事が社会でどのように捉えられているのか。
そして、実際に現場で働く皆さまが何を感じ、何を望んでいるのか。
その「本音」に耳を傾け、可視化することで、介護という仕事の価値や可能性を、より多くの人に正しく届けたい——
そんな思いから、この調査を行いました。
本調査は今回限りではなく、マンスリーで実施していく予定です。
今後も介護職員の皆様を中心に現場の声を拾い上げ、介護業界の理解と発展に貢献してまいります。
各企業様や各業界関係者様からのご意見やご要望も賜れますよう、ご協力の程お願い申し上げます。
新たな商品・サービスの共同研究から開発に関しましても、積極的に取り組んでおりますので、お気軽にお問い合わせください。
※この一覧に表示されている数値は、小数点以下第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しています。
Q
1.あなたの性別を教えてください。
A
| 回答内容 | 回答数 |
|---|
| 男性 | 91 |
| 女性 | 316 |
| その他 | 1 |
| 回答しない | 5 |
Q
2.あなたの年齢を教えてください。
A
| 回答内容 | 回答数 |
|---|
| 20歳未満 | 0 |
| 20-29歳 | 14 |
| 30-39歳 | 31 |
| 40-49歳 | 94 |
| 50-59歳 | 189 |
| 60歳以上 | 85 |
Q
3.現在の雇用形態を教えてください。
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 正社員 | 169 |
| 契約社員 | 25 |
| パート・アルバイト | 199 |
| 業務委託契約 | 2 |
| その他 | 18 |
Q
4.あなたの現在の勤務先の事業所種別を教えてください\
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 40 |
| 介護老人保健施設(老健) | 12 |
| 介護医療院 | 2 |
| グループホーム | 51 |
| 有料老人ホーム | 74 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 20 |
| 小規模多機能型居宅介護 | 20 |
| デイサービス(通所介護) | 59 |
| 訪問介護(ホームヘルプ) | 46 |
| 訪問看護 | 1 |
| 居宅介護支援(ケアマネ事業所) | 3 |
| 病院(介護職として勤務) | 28 |
| 障がい者支援施設 | 30 |
| その他 | 27 |
Q
5.あなたが現在保有している介護資格を教えてください。(該当するものをすべて選択)
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 介護職員初任者研修 | 259 |
| 介護職員実務者研修 | 206 |
| 介護福祉士 | 188 |
| 認定介護福祉士 | 2 |
| 介護支援専門員(ケアマネジャー) | 5 |
| 社会福祉士 | 6 |
| 精神保健福祉士 | 0 |
| 介護予防運動指導員 | 1 |
| 福祉用具専門相談員 | 13 |
| ガイドヘルパー(移動支援従事者) | 36 |
| 介護事務資格(ケアクラーク、介護保険事務など) | 4 |
| その他 | 64 |
Q
6.介護業界での勤務経験を教えてください。
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 1年未満 | 42 |
| 1~3年 | 97 |
| 4~6年 | 111 |
| 7~10 | 89 |
| 11年以上 | 74 |
Q
7.現在の職種を教えてください。
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 介護職員 | 344 |
| ケアマネジャー | 2 |
| 生活指導員 | 10 |
| 管理職 | 12 |
| 役員・経営者 | 3 |
| その他 | 42 |
Q
8.介護職の魅力を感じる瞬間はどのようなときですか?(複数選択可
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 利用者から感謝の言葉をもらったとき | 322 |
| 利用者のQOL向上や回復を実感したとき | 191 |
| チームワークを発揮したとき | 163 |
| 昇格したとき | 30 |
| 昇給したとき | 71 |
| 賞与をもらった時 | 78 |
| その他 | 37 |
Q
9.介護職を選んだ理由を教えてください。(複数選択可)
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 人の役に立ちたいから | 241 |
| 資格を活かせる仕事だから | 143 |
| 仕事の安定性があるから | 99 |
| 友人や知人からのすすめ | 53 |
| その他 | 71 |
Q
10.介護職として働く上での不安を教えてください。(複数選択可)
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 身体的な負担 | 315 |
| 精神的な負担 | 246 |
| 将来のキャリア | 76 |
| 収入面・経済的な不安 | 228 |
| その他 | 23 |
Q
11.介護職の仕事で最もストレスを感じる要因を選んでください。
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 人間関係 | 184 |
| 業務内容の難しさ | 38 |
| 業務量の多さ | 82 |
| 給与・待遇 | 89 |
| その他 | 20 |
Q
12.夜勤の負担について、どのように感じていますか?
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| とても負担に感じる | 176 |
| ある程度負担に感じる | 134 |
| あまり負担に感じない | 47 |
| 全く負担に感じない | 56 |
Q
13.仕事を続けるために必要なサポートは何ですか?(複数選択可)
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 身体的負担の軽減策 | 235 |
| 精神的負担の軽減策 | 238 |
| 人材不足の解消 | 289 |
| 経済的負担の軽減策①(福利厚生・手当の充実) | 223 |
| 経済的負担の軽減策②(昇給) | 233 |
| 職員の家族の介護の負担軽減策 | 69 |
| 職員の育児の負担軽減策 | 47 |
| その他 | 12 |
Q
14.介護ロボット・ICTの活用に対する意向を教えてください。
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 活用すべきだと思う | 239 |
| どちらとも言えない | 161 |
| 活用しなくてもよい | 13 |
Q
15.現在の給与・待遇に満足していますか?
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| とても満足している | 15 |
| ある程度満足している | 140 |
| あまり満足していない | 154 |
| 全く満足していない | 104 |
Q
16.経済的な安定度について、現在の収入で生活できていますか?
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 余裕がある(貯蓄などもできている) | 21 |
| ある程度の収入は得ている | 81 |
| なんとか生活できる | 170 |
| 生活が厳しい | 114 |
| 生活できない | 27 |
Q
17.今後のキャリアプランについて教えてください。
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 介護職を続けたい | 193 |
| 介護職を続けるか迷っている | 75 |
| 他法人の介護職に転職を考えている | 80 |
| 介護職ではない他の業種・職種への転職を考えている | 28 |
| 独立を考えている | 8 |
| 何も考えていない | 29 |
Q
18.転職する際に重要視する点を教えてください。
A
| 非常に重要 | 重要 | 普通 | あまり重要でない | 全く重要でない |
|---|
| 給与・待遇 | 53.5% | 37.9% | 7.2% | 1.2% | 0.2% |
| 職場の人間関係 | 62.9% | 30.0% | 6.7% | 0.0% | 0.5% |
| 勤務地・通勤の利便性 | 51.0% | 38.1% | 9.7% | 0.5% | 0.7% |
| 仕事内容 | 37.4% | 49.0% | 12.4% | 0.5% | 0.7% |
| キャリアアップの機会 | 24.3% | 43.6% | 25.7% | 5.2% | 1.2% |
| 勤務時間の柔軟性 | 37.6% | 44.1% | 16.1% | 2.0% | 0.2% |
Q
19.介護業界への就職・転職を知人に勧めますか?
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| ぜひ勧めたい | 28 |
| どちらかというと勧めたい | 147 |
| あまり勧めたくない | 181 |
| 全く勧めたくない | 57 |
Q
20.介護職の離職理由として考えられる要因を教えてください。(複数選択可)
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 仕事の内容が合わない | 123 |
| 将来的なキャリア形成に対し懸念がある | 76 |
| 給与・待遇 | 306 |
| 人間関係 | 303 |
| 身体的負担 | 284 |
| 精神的負担 | 274 |
| 家族の介護 | 61 |
| 育児 | 35 |
| その他 | 13 |
Q
21.現在の職場の満足度を5段階で評価してください。
A
| 非常に満足 | 満足 | 普通 | 不満 | 非常に不満 |
|---|
| 満足度 | 4.8% | 29.5% | 34.9% | 21.5% | 9.2% |
Q
22.あなたの国籍について教えてください。
A
Q
23.【外国籍の方のみ】 国籍を教えてください。
A
Q
24.あなたの職場では外国人スタッフが働いていますか?
A
| 回答内容 | 回答数 |
|---|
| はい | 190 |
| いいえ | 206 |
| わからない | 17 |
Q
25.外国人スタッフとのコミュニケーションで困った経験はありますか?
A
| 回答内容 | 回答数 |
|---|
| よくある | 39 |
| たまにある | 107 |
| ない | 96 |
| 外国人スタッフがいない | 171 |
Q
26.2024年以降、働き方や現場の雰囲気に変化を感じましたか?
A
| 回答内容 | 回答数 |
|---|
| はい | 66 |
| いいえ | 210 |
| どちらとも言えない | 137 |
Q
27.どのような点で変化を感じましたか(自由記述欄)
A
自由記述の回答概要は以下の通りです。
| 人員・体制の変化(人手不足・離職) |
|---|
| どんどん人がやめていってしまいました |
| 人手不足で忙しくなった |
| 常に辞める人、入って来る人で、落ち着かない。大してスキルが付いたわけでも無いのに、要求される |
| リーダーが一気に4人辞めました。仕事ができる人が辞めていく |
| 離職者が増えて介護の質が著しく低下した |
傾向:離職の増加や人手不足により、現場の負担増や体制変更が発生しているという声が多く見られました。
| 業務内容・負担の変化 |
|---|
| ICT化が進んだが、上手く活用しきれておらず、妙に負担だけが増えた |
| 人員も増えて仕事の仕方自体が変わったので、良い面もありましたがスタッフの仕事に対して緊張感が増えて疲れるようになった |
| 介護職員の業務が増えている |
| 効率化を進めすぎ |
傾向:業務フローの変化やICT導入、役割増加などにより、現場の負担や働き方が変化している様子が見られます。
| 職場の雰囲気・人間関係 |
|---|
| 職員の人間関係で問題視することがあり、人事面で移動等の処置がとられた |
| 職員が良い人ばかりが残りお互いに助け合いがしやすくなった |
| 意地悪なお局が原因で新入社員が辞めてしまう為、意地悪をくれぐれもしないようにと会社側から注意があった |
| セクハラ(職員から)、パワハラ。一般企業と比べると対策が遅い |
傾向:人間関係は「良くなった」「悪化した」の両極の声があり、職場ごとの差が大きいことがうかがえます。
| 処遇・賃金・評価 |
|---|
| 5年にいちど連続5日間のリフレッシュ休暇が新設された。処遇改善が定期的に行われており、給与は増えている |
| 休みがとりやすくなった |
| 残業が少なくなった。希望休をとりやすくなった |
| 処遇改善手当てが加算された |
傾向:処遇面での改善を実感する声が一定数あり、休暇制度や残業削減など具体的な変化が挙がりました。
| その他 |
|---|
| 経営母体が変わった |
| 何も変わらない。むしろ悪化したような気がする |
| 3月末まで特養で勤務していましたが、外国人材を入れ過ぎて日本人職員の負担が劇的に増加しました |
傾向:上記に分類しきれない個別要因(管理者変更、意識差、外国人スタッフ増加など)に関する意見が見られました。
Q
28.あなたが日々の業務で重要だと感じる知識・技術・学びについて、各項目をそれぞれ評価してください。
A
| 項目 | 非常に重要 | 重要 | 普通 | あまり重要 でない | 全く重要 でない |
|---|
| 認知症介護の基礎知識 | 48.7% | 40.4% | 9.0% | 1.5% | 0.5% |
| 認知症高齢者とのコミュニケーション技術 | 51.1% | 39.0% | 7.5% | 1.7% | 0.7% |
| 高齢者虐待防止に関する知識・対応方法 | 46.2% | 40.2% | 12.8% | 0.2% | 0.5% |
| 身体介護技術(移乗・排泄・入浴・食事介助など) | 48.9% | 42.6% | 7.7% | 0.2% | 0.5% |
| 基本的な介護知識(加齢による身体変化や疾病の理解など) | 39.2% | 50.4% | 9.4% | 0.5% | 0.5% |
| 緊急時対応 | 60.5% | 34.1% | 6.4% | 5.1% | 0.2% |
| 記録の書き方 | 27.4% | 46.2% | 24.0% | 1.7% | 0.7% |
| 介護計画、ケアプランの立案や多職種連携に関する知識 | 28.8% | 43.8% | 24.9% | 1.5% | 1.0% |
| ストレスマネジメント・メンタルケア | 41.6% | 44.6% | 13.3% | 0.0% | 0.5% |
| 家族対応・相談支援力 | 32.7% | 47.2% | 18.6% | 1.0% | 0.5% |
| 終末期の介護・ターミナルケアの知識・技術 | 33.9% | 46.7% | 16.5% | 2.2% | 0.7% |
Q
29.介護業界をより良くするために、現場から伝えたいことがあればお聞かせください。(自由記述欄)
A
自由記述の回答概要は以下の通りです。
| 給与・待遇の改善 |
|---|
| とにかくお給料を上げてください。一般的に介護の仕事はきつくて給料が低いと思われています |
| 人の命を預かる仕事なのに、あまりにも、待遇が、わるすぎる! |
| 身体的精神的な負担が多い上に給料が見合ってないから見合った給料にしてくれれば離職率も減る |
| 他業種に比べて、とにかく給料が安い。やり甲斐のある、とても良い仕事なので、若い方の為にも給料を上げるべき |
傾向:最も多かったのが賃金・待遇に関する意見で全体の約3割を占めました。給与水準の低さや、仕事の責任・負担との不釣り合いへの不満が繰り返し挙げられています。
| 人材不足・人材定着 |
|---|
| とにかく人手が足りません |
| 国単位で本気で人不足を考えてください |
| 人材不足の為、ご利用者の事を考えなくても仕事が出来る状況になっている施設がある |
| 人手不足の解消を本気で考えてほしい |
傾向:給与・待遇に次いで多かったのが人手不足に関する声で、約2割を占めました。採用難だけでなく、既にいる職員の負担増や離職への懸念とセットで語られるケースが目立ちます。
| 職場環境・マネジメント |
|---|
| 現場の本音を吸い上げて欲しい。理想ばかりでは、問題は解決していかない |
| 現場の分からない管理者が揉め事を起こす |
| 現場で働く中で介護業界をより良くするためには、まず、職員の待遇改善が必要だと感じています |
| 管理者、経営者が職員を守る |
傾向:管理職の対応や、現場の声を運営に反映する仕組みへの課題意識が挙げられました。
| 人間関係・チームワーク |
|---|
| 新人に意地悪をするな!! |
| 言ったところで何もならないことが多いので、求めるだけ無駄だと思います。お局様の天下です |
| 利用者様に対してや利用者様からのハラスメントにばかり注目や注意喚起があるが、実際には職場内でのパワハラはとても多いです |
傾向:件数としては多くありませんが、新人いじめやパワハラなど、深刻度の高い訴えが複数寄せられました。
| 仕事の価値・社会的評価 |
|---|
| 介護職だと誇りを持って言えるような業界になったらいいと思う |
| 資格を持っていても今の職場では使うことがなく、スタッフも資格を持っていることも知らない |
| 無資格・未経験可の求人はしない方がいい。「介護なんて誰にでもできる簡単な仕事」と思われがちだが、そんな甘い世界ではない |
| 介護業界は体の負担がキツい。機械化しないと無理だと思う |
傾向:介護職の専門性や社会的評価の低さへの問題提起があり、「もっと評価されるべき」という声が印象的でした。
※当マンスリーレポート「介護職の動向&意識調査」の情報は、無償で公開しておりますが、引用や転載などをする際には引用した資料やURLを明確に記載することをお願い致します。
まとめ
介護職動向&意識マンスリーレポート 担当者
湘南国際アカデミー学院長。介護福祉士や社会福祉士などの資格を持ち、教育者としての豊富な経験を活かして次世代の介護人材育成に尽力。受講生合格率95.5%を達成した介護福祉士国家試験対策講座や200名以上の教員育成の実績を持つ。著書やeラーニング教材も手掛けるなど、幅広い活動を展開中。
感謝と厳しさが同居する現場——「人間関係」が定着のカギを握る
〜413人アンケート調査より〜
本調査から、介護職として働く人々の意識には、「やりがい」と「厳しさ」の両面が明確に表れていることが分かりました。
まず、給与・待遇面については、「あまり満足していない」「全く満足していない」と回答した割合が6割を超えており、依然として処遇に対する不満が大きい状況がうかがえます。仕事内容の重要性や責任の大きさに対して、十分な評価や報酬が伴っていないと感じている職員が多いことが、離職や人材不足の背景の一つと考えられます。
一方で、今回の調査で改めて浮き彫りになったのは「人間関係」の重要性です。転職時に最も重視される項目として給与を上回り、同時に最もストレスを感じる要因としても最多となっていることから、職場内のコミュニケーションやチームづくりへの支援が、定着率向上のカギになると言えるでしょう。自由記述からも、人員不足や業務負担の増加に加え、職場ごとのマネジメントの質によって現場の実感に大きな差があることが読み取れます。
また、介護職の専門性や社会的評価に対する課題意識も根強く、「専門職として正しく評価されたい」という声が多く寄せられています。これは単なる待遇改善にとどまらず、職業としての価値向上が求められていることを示しています。
これらの結果から、今後の介護業界においては、処遇改善はもちろんのこと、人材定着を見据えた職場環境の整備やマネジメントの質の向上、そして介護職の社会的価値の向上に向けた取り組みが、これまで以上に重要になると考えられます。
クロス分析から見えること
単純集計だけでなく、設問同士を掛け合わせて見ると、いくつかの示唆的な傾向が浮かび上がりました。
満足度が高いほど、継続意向・推奨意向は跳ね上がる:職場満足度が「非常に満足」の層では8割が「介護職を続けたい」と回答し、知人への推奨も45.0%と高水準でした。一方「非常に不満」層では継続意向はわずか18.4%に落ち込み、「全く勧めたくない」が39.5%にのぼります。満足度の向上は定着だけでなく、口コミによる人材確保にも直結する構造がはっきり表れています。
給与不満と生活の厳しさは強く連動:給与・待遇に「全く満足していない」と回答した層のうち、66.4%が「生活が厳しい」または「生活できない」と回答しました。「とても満足している」層ではこの割合は0%で、待遇の差がそのまま生活の安定度に反映されている実態がうかがえます。
事業所種別で満足度に大きな開き:「訪問介護(ホームヘルプ)」は満足計54.3%と最も高く、次いで「小規模多機能型居宅介護」40.0%、「病院」39.3%と続きました。一方、「有料老人ホーム」27.0%、「特別養護老人ホーム(特養)」22.5%は満足計が2割台にとどまり、事業所の形態によって職員の実感が大きく異なることが分かります。
勤務経験7〜10年の中堅層で不満が最大に:勤務経験別に満足度を見ると、「7〜10年」層で不満計(不満+非常に不満)が35.9%と最も高く、他の経験年数層より突出しています。管理業務や後輩指導などの役割が増える一方で、待遇面の変化が伴わないことへのギャップが背景にある可能性があります。
男性は経済的不安・将来キャリア不安がより強い:働く上での不安を性別で比較すると、男性は「収入面・経済的な不安」64.8%、「将来のキャリア」23.1%と、いずれも女性(52.2%、17.1%)を上回りました。家計を担う意識の違いなどが背景にあると考えられます。
この記事を書いた人
元学校法人九里学園 浦和短期大学実習指導担当、元学校法人帝京大学 帝京大学福祉・保育専門学校 講師。社会福祉法人神奈川社会福祉協議会かながわ福祉人材センターキャリア支援専門員などを経て、湘南国際アカデミー学院長へ就任。現場経験も豊富な教育のプロとして、心に響く講座が大人気。特に介護福祉士国家試験の受験対策講座においては受講生の合格率が94%(2025年4月現在)まで向上し、直前対策講座や模擬試験など数々の人気講座をプロデュース。その他、次世代の教育者の育成にも力を入れており、湘南国際アカデミーの実務者研修教員講習会の講師を務め、今までに300名以上の教員育成の実績がある。執筆活動においては、湘南国際アカデミーの介護福祉士受験対策講座のテキストや同じく介護福祉士受験対策のeラーニング「受かるんです」をはじめ、過去には「うかる!介護福祉士合格コーチ」「現場に役立つ介護福祉士実習の手引き」などがある。
また、湘南国際アカデミーが発行する「介護業界マンスリーレポート」の企画・監修にも関わり、介護事業所の人材課題や育成ニーズについて、継続的に現場情報の収集・分析を行っている。
仲川 一清
藤沢校・横須賀校・海老名校・相模大野校・横浜戸塚校・横浜馬車道関内校・小田原校・大和校・横浜二俣川校・横浜みなとみらいサテライト校
【所持資格】
介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員