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【2024年度廃止】特定処遇改善加算の要件と新制度を分かりやすく解説

  • 介護事業所向け研修
【2024年度廃止】特定処遇改善加算の要件と新制度を分かりやすく解説

特定処遇改善加算は、経験や技能のある介護職員の処遇改善を目的に導入された制度でした。しかし、2024年度より新制度として介護職員等処遇改善加算が設けられ、従来の特定処遇改善加算は廃止となりました。

この記事では、特定処遇改善加算の要件や背景、計算方法、対象職員や配分ルールなどを確認しながら、2024年度廃止後に一本化される新制度との違いについても分かりやすく解説します。

そもそも特定処遇改善加算とは

特定処遇改善加算は、2019年に創設された制度で、経験や技能のある介護職員の給与改善を目的としています。従来の処遇改善加算では対応しきれなかった課題に対応し、月額8万円相当の賃金アップや年収440万円超の待遇向上を支援する仕組みです。

慢性的な人手不足に悩む介護業界において、離職防止と人材の定着、さらに高品質なサービス提供を目指す重要な施策とされてきました。特定処遇改善加算を取得するには、処遇改善加算(Ⅰ~Ⅲ)のいずれかを取得していることが前提条件となります。

特定処遇改善加算の背景と目的

高齢化に伴う介護需要の増加と人材不足の深刻化により、介護職員の待遇改善は重要な課題でした。特定処遇改善加算は、賃金の引き上げに加えて、キャリアパスの明確化や職場環境の整備を通じて、人材の確保と定着を促進するために導入されました。

勤続年数だけでなく、スキルや役職などによっても対象者が決まる柔軟な制度であり、制度の背景には「介護人材を育て、定着させ、業界全体を支える」という政策的な狙いがあります。

該当する介護サービスと必要条件

特定処遇改善加算の対象サービスは、訪問介護や通所介護、入所施設など多岐にわたりますが、訪問看護や福祉用具貸与など一部は対象外です。まずは、自事業所が対象かどうかの確認が必要です。

取得には、処遇改善加算の取得が前提となり、職場環境要件への対応や各種書類の提出も求められます。これらを整えることで、技能や資格を持つ職員に対して、より手厚い処遇が可能となり、結果的にサービスの質と利用者満足度の向上にも寄与します。

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特定処遇改善加算の種類と単位数

特定処遇改善加算には複数の区分があり、それぞれで加算される単位数が異なります。どのような種類があるのか確認しましょう。

特定処遇改善加算は大きく分けてⅠとⅡが存在し、どの区分を適用できるかは事業所が満たす条件によって異なります。例えば訪問介護では、Ⅰを取得するための基準が比較的厳しい反面、より高い加算率が設定されているのが特徴的です。

加算区分が変われば、算定される単位数や加算率も大きく変動するため、各事業所は自社の提供するサービスや人員体制に合わせて最適な区分を選ぶことが重要です。また、実際の支給額は、サービス提供時間・日数に応じて単位数を積み上げる形で算定されます。

特定処遇改善加算の種類を正しく把握することで、職員への適切な賃金改善策を打ち出しやすくなります。事業運営上の報酬計画を立てる際には、まずどの区分が自施設に合致するかを見極めることがポイントとなっています。

介護職員等特定処遇改善加算の算定要件

特定処遇改善加算を算定するためには、一定の要件を満たさなければなりません。加算区分ごとの具体的な内容を整理してみましょう。

実際に特定処遇改善加算を取得するには、処遇改善加算との併用条件や職場環境等要件など、多岐にわたる要素を総合的に満たす必要があります。特に、最優先されるべきは技能や経験を有する介護職員の処遇改善である点です。

算定要件をクリアするためには、毎年の計画書の作成と実績報告をきちんと行うことが重要です。これらを怠ると加算が認められないだけでなく、事後的に返還を求められるリスクもあります。

さらに、算定要件を踏まえて配分にかかるルールや評価基準を適切に運用することが、職員のモチベーションや定着率向上につながります。そのため、事業者側は最新の通知やガイドラインを常にチェックすることが不可欠です。

介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)の算定要件

特定処遇改善加算(Ⅰ)を取得する場合、介護福祉士をはじめとした経験豊富な職員が月額8万円相当の賃金改善、または年収440万円以上を達成できるように配分を行う必要があります。これは最も高い水準の加算を受けるための条件であり、取得には高いレベルの改善目標を設定することが求められます。

加えて、経験・技能のある介護職員に対して重点的な配分を行う計画書を策定し、職場全体がこの趣旨を理解していることを確認する仕組みが欠かせません。なお、具体的な運用には、国や自治体が示すガイドラインのチェックが必須となります。

(Ⅰ)を取得するためには、計画や実績の報告だけでなく、事業者が独自に行う職場環境の改善策も要件に含まれるケースがあります。例えば働きやすい勤務体制の整備や、研修・キャリアアップ制度の充実が該当します。

介護職員等特定処遇改善加算(Ⅱ)の算定要件

特定処遇改善加算(Ⅱ)は、(Ⅰ)に比べると要件が緩和されており、高度な技術を持つ介護職員を中心としながらも、より幅広い人材が対象となります。ただし、経験・技能のある介護職員を優先的に処遇改善する基本的な考え方は変わりません。

(Ⅱ)を取得するには、依然として処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれかを取得していることが前提です。また、加算率自体は(Ⅰ)より低めに設定される場合が多いものの、一定の処遇改善効果を狙うことで、中堅・若手職員の育成や定着にも寄与することが期待できます。

この区分でも定期的な計画や実績報告が必要であり、適切な手続きや職場環境整備が怠られると加算の継続が難しくなります。職員の賃金改善と事業運営の安定を両立させるためにも、要件をしっかり把握することが重要です。

対象職員と配分ルール

加算を受けた場合、どのように対象職員を決定し、賃金を配分するのかは重要なポイントです。配分ルールについて詳しく見ていきましょう。

特定処遇改善加算においては、経験や技能のある介護職員への重点的な配分が大きな特徴です。事業所ごとに「経験・技能のある職員」の基準を明確に設定し、給与改善を適切に行う必要があります。

さらに、配分計画は事業者が独自に作成し、国家資格の有無や勤続年数だけでなく、役割や実際の業務スキルまで細かく検討するところがポイントです。これにより、長年の勤務実績がなくても高度な技術を持つスタッフが加算対象となる可能性が広がります。

加算は介護職員だけでなく、事務や看護など他職種にも一定の割合で配分できるとされていますが、その際には介護職員が優先であることを踏まえつつ、バランスよく行われる体制が望ましいと考えられています。

経験・技能のある介護職員の基準

「経験・技能のある介護職員」とは、資格や勤続年数だけにとどまらず、実際に業務上でリーダーシップを発揮できるかどうかなども考慮されます。たとえば、勤続10年以上の介護福祉士で現場のマネジメントを担っている方は典型的な例となります。

一方で、勤続年数がそこまで長くなくても専門的な研修を修了し、高度なケア技術を身につけている人も対象となる場合があります。事業所独自の評価指標を用意することで、より公正な配分が図れます。

このような基準作りは、人材の定着やモチベーション向上に大きく寄与します。特に若手職員のキャリアアップへの意欲を高めるためには、自分の努力次第で優遇されることが明確化されている職場環境が望まれています。

その他の職種への配分と考え方

特定処遇改善加算では、介護職員以外の職種にも要件次第で配分が可能ですが、基本的には介護職員を最優先する狙いがあります。配分の際には、事務職員や看護職員が受け取れる金額が介護職員を上回らないようにするなど、ルール上の制限も一部で設けられていました。

他職種への配分はチームケアを充実させる観点から重要ですが、介護サービスの品質向上に直結しやすい介護職員を手厚く処遇する仕組みを保つことが大切です。利用者への安全・安心なケアの実現は、現場の介護職員が担う負荷が大きいのも理由の一つです。

したがって、配分割合を決める際は事業所全体のバランスを見極め、職場内での公平性を保ちながら、介護職員への優遇措置を確保することが望まれています。

特定処遇改善加算の計算方法と具体例

特定処遇改善加算をどのように算定し、どのように分配するのか、具体的な手順やモデルケースを示して解説します。

特定処遇改善加算の算定は基本報酬や既存の処遇改善加算の単位を基に計算します。さらに、取得している加算区分に応じて設定された算定率を乗じ、その合計単位数を実際のサービス提供量などと掛け合わせて算出する仕組みです。

この算出方法はサービス形態によって大きく異なるため、まずは自施設が提供するサービス(例:訪問介護、通所介護、特別養護老人ホームなど)ごとに報酬基準を確認します。また、その後の配分は対象となる介護職員数や勤務実績、職位などを踏まえて行われます。

具体的な金額の算定事例を知ることで、事業者は自社の経営と職員への適切な報酬をバランスよく調整しやすくなります。実際の配分では、複数の職員の給与アップをどの程度行うかを見極めることが非常に重要となります。

算定額を計算する手順

まず、既存の介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のどれを取得しているかを確認します。次に、特定処遇改善加算取得区分(ⅠまたはⅡ)を決定し、その区分の算定率を基本報酬等に掛け合わせて加算単位数を算出します。

合計単位数が算出できたら、実際の請求に反映させ、毎月の報酬として加算される形になります。最終的には、その報酬をもとに職員への賃金改善を具体化します。ここで重要なのは、配分ルールにのっとり、経験・技能のある介護職員を優先することです。

このように、一連の手順を踏むことで特定処遇改善加算を適切に利用できます。ただし、書類作成や報告手続きには多くの時間と労力がかかるため、スムーズに行うための事前準備が重要となります。

モデルケースから見る配分例

例えば訪問介護事業所で、介護福祉士が5名、その他の介護職員が5名在籍しているケースを想定します。特定処遇改善加算(Ⅰ)を取得し、全体の加算額が月に100万円分あるとした場合、経験・技能のある介護福祉士には月額8万円の引き上げを達成できるよう重点的に配分します。

残りの加算分を、その他の介護職員や看護・事務スタッフへバランスよく分配します。ただし、特定処遇改善加算の原則により、介護福祉士の処遇改善を最優先する意識を忘れずに行う必要があります。

こうしたモデルケースをシミュレーションすることで、自社の人員構成やサービス提供量に合わせた最善の配分方法を検討しやすくなります。人件費の確保と職員満足度の両立を図るためにも、定期的な見直しが重要です。

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FAQ|特定処遇改善加算の要件に関するよくある質問

Q1.
職場環境等要件と介護福祉士の配置要件は?
A

特定処遇改善加算を受けるには、賃金改善だけでなく「職場環境等要件」の取り組みが必要です。教育研修や健康管理の充実など、職員が働きやすい環境整備が評価対象となります。また、専門性を持つ介護福祉士の配置は欠かせません。特にケアプラン作成や複雑な業務を担える人材、現場をリードできる介護福祉士の存在が重要です。

Q2.
特定処遇改善加算の留意点と注意事項はありますか?
A

活用にあたっては以下の点に注意が必要です。

  • 加算対象となる職員の定義を曖昧にしないこと(国の基準との整合性が必須)
  • 実績報告や配分状況を正確に記録すること(不備や遅延は返還リスクあり)
  • 配分は介護職員を優先すること(他職種への過度な配分は監査対象になり得る)

制度の趣旨を踏まえ、適正な運用を行うことが求められます。

Q3.
2024年度廃止後の新制度「介護職員等処遇改善加算」とは?
A

2024年度からは「特定処遇改善加算」などが廃止され、新たに「介護職員等処遇改善加算」に一本化されました。制度がシンプルになり、配分方法や報告手続きの負担が軽減される点が特徴です。引き続き経験・技能のある介護職員を優先しつつ、幅広い職員への処遇改善を行いやすくなります。中堅・若手のキャリア支援やリーダー人材の育成も重視され、職場環境改善と利用者目線のケアの実現が求められています。

まとめ

特定処遇改善加算の仕組みと廃止後の新制度についての理解を深めましょう。

特定処遇改善加算は、経験や技能のある介護職員を中心に賃金改善を行い、業界全体の人材定着とサービス品質向上を目指す仕組みでした。2024年度の廃止に伴い新設される介護職員等処遇改善加算では、制度が一本化されることで、より分かりやすく効率的な運用が期待されています。

ただし、要件を満たすためには、これまでと同様に計画書や実績報告の提出、職場環境の改善、介護福祉士の配置など、多角的な取り組みが欠かせません。特に経験・技能のある職員への配分優先や、若手のキャリアアップ施策なども継続的に課題となります。

加算を上手に活用し、職員への適切な処遇を図ることで、高品質で継続的な介護サービスの提供が可能になります。新制度への移行時には改めて算定方法や配分ルールを確認し、適正な運営に努めることが求められるでしょう。

この記事を書いた人
元ユニットリーダー研修指導者。10年在籍した介護老人福祉施設の現場では、研修受け入れ担当者として、年間100名以上の研修生の指導にあたる。湘南国際アカデミーでは、介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士国家試験受験対策講座の講師や介護福祉士受験対策テキストの執筆などを担当する傍ら、ケアする側もケアするという立場で、介護をする側のQOL向上のためのイベントや総合的なサポートを手掛けている。
その他、介護技能実習評価試験評価者として外国人介護士の受け入れ機関への評価業務や、介護事業所や医療機関において「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
江島 一孝
藤沢校・横須賀校・海老名校・相模大野校・横浜戸塚校・横浜馬車道関内校・小田原校・大和校・横浜二俣川校
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