こんにちは!
湘南国際アカデミーで介護職員初任者や実務者研修、介護福祉士受験対策講座の講師及び総合サポートを担当している江島です!
第37回(2025年1月26日実施)介護福祉士国家試験を受験された皆さま、本当にお疲れ様でした。
受験を終えた皆さまは、インターネット上の解説速報などで自己採点はされましたか?
まずは、解答を知りたいという方は、当校ホームページの「解答速報」をご覧ください。
このページでは、【発達と老化の理解】から出題された問題の解答・解説を致します。
全国の介護福祉士合格者が愛用した受験対策テキスト
<領域: こころとからだのしくみ>発達と老化の理解
問題31
次の記述のうち,子どもの標準的な成長として,適切なものを1つ選びなさい。
1 1歳半から2歳ごろに,ハイハイをして移動できるようになる。
2 生後9か月から1歳ごろに,指をさして自分の関心や欲求を他者に伝えられるようになる。
3 子どもが使う言葉が急に増える語彙爆発は,5歳を過ぎたころに生じる。
4 人見知りの反応は,2歳を過ぎたころに生じる。
5 イヤイヤをしてすぐに泣く行動は,第二反抗期に生じる。
解答:2
社会的機能の発達としては、生後4週間ほどで人の声や顔に反応して笑うようになり、これを社会的微笑といいます。生後9か月から1歳ごろになると、他の人と同じように物や人に対して注意を向けたり、指をさして自分の関心や欲求を他社に伝えられるようになるとされています。
問題32
次の記述のうち,神経性無食欲症(anorexia nervosa) に関するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 活動性が高まる。
2 学童期に最も生じやすい。
3 太ることへの恐怖はみられない。
4 低体重の深刻さを理解している。
5 多くが男性である。
解答:1
神経性無食欲症は、拒食症ともいわれます。10代~20代前半に発症が多いとされており、やせることへの願望が強く、極端にやせていても、まだ太っていると訴え、過剰にカロリーを気にする、過度な運動をしたりするなどの行動がみられます。
問題33
Aさん(73歳,男性)は、会社の役員として勤めていたが,3年前に退職した。地域の老人クラブへの入会を勧められたが拒否している。毎年,敬老の日に記念品が配布されても,不快感を示して受け取らない。退職後も会社の状況を気にしていて,後輩とときどき連絡をとっている。Aさんは,身体が衰えることに強い不安を感じて,筋力トレーニングを毎日行っている。会社の後輩から,「いつも若々しいですね」と言われることに喜びを感じている。
ライチャード(Reichard,S.) による,引退後の男性の5つの適応タイプのうち,Aさんに相当するものとして,適切なものを1つ選びなさい。
1 外罰(憤慨)型
2 内罰(自責)型
3 円熟成熟)型
4 自己防衛(装甲)型
5 ロッキングチェアー(安楽椅子)型
解答:4
ライチャードによる高齢男性の人格特性は5つに分類され、選択肢の1、2は不適応型、選択肢の3、4、5は適応型とされています。Aさんの情報から、老化への不安を活動し続けることで抑える自己防衛(装甲)型がよみとれます。
問題34
次の記述のうち,結晶性知能に関する説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 感覚や運動に基づく知能である。
2 過去に得た知識を活用して問題を解決する能力である。
3 40~50歳で急激に低下する。
4 知識や文化の影響よりも,生理的な老化の影響を受けやすい。
5 その場で新しい問題を解決する能力である。
解答:2
結晶性知能の説明は、選択肢2のとおりで、具体例としては様々ありますが冠婚葬祭のマナーなどがあたります。結晶性知能は、高齢期になっても低下しにくいといわれています。
問題35
次の記述のうち,加齢に伴う感覚機能の変化として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 皮膚感覚が敏感になる。
2 高音域の聴力が高まる。
3 暗順応の時間が延長する。
4 味覚が敏感になる。
5 嗅覚が敏感になる。
解答:3
暗いところに目が慣れ、見えるようになることを暗順応といいます。加齢に伴い、暗順応の時間が延長する傾向にあるため、高齢者が夜間暗い部屋のなかで移動をする際のリスクを考えるためにも必要な知識です。
問題36
Bさん(74歳,女性)は,地方で一人暮らしをしている。持病はなく,認知機能の異常もない。ダンスサークルに通い,近所との付き合いも良好で,今の暮らしに満足している。最近, 白髪が増え,友人との死別もあり,年をとったと感じている。ある日,一人息子(50歳,未婚) から, 東京で一緒に住むことを提案された。 Bさんは,「ここには知り合いがいるが,東京には誰もいない。ここが一番いい」と言った。すると息子は,Bさんに,「年をとると頑固になる。あと数年したら認知症(dementia)になるかもしれないので,自分と一緒に暮らすべきだ」と言った。
次のうち,Bさんに関する記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 Bさんには,老性自覚はみられない。
2 Bさんには,友人との死別による悲嘆がみられる。
3 Bさんは,今,住んでいる環境や生活に適応できていない。
4 Bさんには,エイジズム(ageism)の考え方がみられる。
5 Bさんには,住み慣れた環境や仲間を喪失することへの不安がみられる。
解答:5
高齢期では、様々なものを喪失する確率が上がり、喪失体験が増える傾向にあります。喪失する可能性があるものは、選択肢5のような環境や仲間の他にも身体機能などもあります。
問題37
次の記述のうち,サクセスフル・エイジング(successful aging)として適切なものを1つ選びなさい。
1 長生きすることが,最大の目的である。
2 一人暮らしで,周囲の人と交流をしないようにしている。
3 膝に痛みがあるので,一日中ベッド上で過ごすようにしている。
4 難聴があるので,補聴器をつけてパソコン教室に通い始めた。
5 歌を上手に歌えなくなったので,カラオケに誘われても行かないようにしている。
解答:4
サクセスフルエイジングとは、生きがいをもち、幸福に老いて寿命をまっとうするという意味の言葉です。選択肢4が適切です。
問題38
次のうち,老年症候群に直接関わる疾患として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 高血圧症 (hypertension)
2 糖尿病(diabetes mellitus)
3 骨粗鬆症 (osteoporosis)
4 心筋梗塞 (myocardial infarction)、
5 脂質異常症 (dyslipidemia)
解答:3
老年症候群とは、高齢期に多くみられ対処せずにいると生活の自立度低下につながる可能性がある症状や症状の組み合わせを指す言葉です。選択肢3の骨粗鬆症は骨折しやすくなり、生活の自立度低下につながりますので最も適切となります。
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
