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第37回(令和6年度) 介護福祉士国家試験 解答解説『認知症の理解』

  • 介護福祉士受験対策講座
第37回介護福祉士国家試験解答と解説「認知症の理解」

こんにちは!
湘南国際アカデミーで介護職員初任者実務者研修介護福祉士受験対策講座の講師及び総合サポートを担当している江島です!
第37回(2025年1月26日実施)介護福祉士国家試験を受験された皆さま、本当にお疲れ様でした。
受験を終えた皆さまは、インターネット上の解説速報などで自己採点はされましたか?
まずは、解答を知りたいという方は、当校ホームページの「解答速報」をご覧ください。

このページでは、【認知症の理解】から出題された問題の解答・解説を致します。

全国の介護福祉士合格者が愛用した受験対策テキスト

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テキストの詳細はこちら

<領域: こころとからだのしくみ>認知症の理解

問題39

次の記述のうち,2019年 (令和元年)の認知症施策推進大綱に関する説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。  

1 「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していく。  

2 「予防」とは,「認知症 (dementia) にならない」という意味である。  

3 「認知症高齢者等にやさしい地域づくり」を推進する7つの柱が示された。  

4 「普及啓発・本人発信支援」として,家族が積極的に本人の意思を代弁することが  

示された。  

5 策定後は,毎年施策の進捗を確認することが示された。  

解答:1 

解説

選択肢1は、下記、認知症施策推進大綱の「基本的考え方」に記載があります。 

認知症はだれもがなりうるものであり、家族や身近な人が認知症になることなどを含め、多くの人にとって身近なものとなっている。認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症の人や家族の視点を重視しながら、「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していく。 

問題40

Aさん(84歳,女性,要介護3)は、アルツハイマー型認知症 (dementia of the Alzheimer's type) で,介護老人福祉施設に入所している。赤ちゃんの人形を持っていて,「はなちゃん」と呼んで話しかけている。  

昼食のため,介護福祉職が居室を訪問すると,Aさんは不安そうな顔で,「はなちゃんがいなくなった。どこへ連れて行ったの? 返して」と大声を出した。人形は Aさんのロッカーの上に置かれていた。  

Aさんに対する介護福祉職の最初の声かけとして,最も適切なものを1つ選びなさい。  

1 「私を疑っているんですか」  

2 「置いた場所を忘れたんですか」  

3 「心配ですね,一緒に探しませんか 」  

4 「ご飯を食べてから探してはどうですか」  

5 「ロッカーの上にあるのが見えないんですか」  

解答:3 

解説

Aさんが感じている不安を受容し、一緒に探すことを提案する選択肢3は、最初の声かけとして最も適切です。 

問題41

 認知症 (dementia) の高齢者にみられる,せん妄に関する記述として,適切なものを1つ選びなさい。  

1 覚醒レベルが重度に低下した状態である。  

2 症状の変動が少ないことが特徴である。  

3 夜間よりも日中に生じやすいことが特徴である。  

4 認知機能障害がみられることはまれである。  

5 関与する因子を特定することが重要である。  

解答:5 

解説

せん妄とは、一時的な脳の機能低下により、幻覚や妄想、興奮状態が表れるもので、夕方から夜間にかけて生じやすいといわれています。様々な要因が考えられるため、関与する因子を特定することが重要です。 

問題42

次の記述のうち,アルツハイマー型認知症 (dementia of the Alzheimer's type)の特徴として,適切なものを1つ選びなさい。  

1 近時記憶(新しい記憶)の障害は,初期から始まる。  

2 特徴的な症状として幻視がある。  

3 脳にアミロイドβが沈着し始めると,すぐに発症する。  

4 歩行障害が多く現れるのは,初期の段階である。 

5嚥下障害が多く現れるのは,初期の段階である。 

解答:1 

解説

 アルツハイマー型認知症は、βたんぱくやタウたんぱくが脳に異常蓄積されることで発症し、記憶障害やもの盗られ妄想、実行機能障害などがみられることが多い認知症の原因疾患です。初期から近似記憶の障害がみられます。 

問題43

次のうち,認知症(dementia)のリスクを高める要因として,最も適切なものを1つ選びなさい。  

1 身体活動  

2 不飽和脂肪酸の摂取  

3 歯がなくなることによる咀嚼機能の低下  

4 難聴による補聴器の使用  

5 ボランティア活動  

解答:3 

解説

認知症のリスク要因として、フレイル(虚弱)状態であることがあげられます。また、食事、運動、睡眠、活動などが関わっていると考えられていますので、選択肢3が最も適切です。 

問題44

次のうち,全般的な認知機能を評価する尺度であり,30点満点で20点以下を認知症の目安とするものとして,正しいものを1つ選びなさい。  

1 バーセルインデックス (Barthel Index)  

2 改訂長谷川式認知症スケール (HDS-R)  

3 FAST (Functional Assessment Staging)  

4 認知症高齢者の日常生活自立度判定基準  

5 臨床的認知症尺度 (CDR: Clinical Dementia Rating)  

解答:2 

解説

改訂長谷川式認知症スケールは、記憶・見当識・計算などに関する9項目の質問で構成されている認知機能の評価スケールです。30点満点で、20点以下の場合に認知症の疑いがあるとされますが、あくまでもひとつの尺度であり、診断は総合的に行われます。 

問題45

次の記述のうち,「認知症(dementia)の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」(2018年(平成30年)(厚生労働省))で示されている意思決定支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。  

1 認知症(dementia)の人の家族の意思を支援することである。  

2 意思決定支援者は特定の職種に限定される。  

3 一度,意思決定したら,最後まで同じ内容で支援する。  

4 看取りの場面になってから支援を開始する。  

5 身振りや表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行う。  

解答:5 

解説

ガイドラインでは、認知症の人であっても、その能力を最大限活かして、日常生活や社会生活に関して自らの意思に基づいた生活を送ることができるようにすることを重視しています。選択肢のなかでは選択肢5が最も適切です。 

問題46

次の記述のうち,回想法として,最も適切なものを1つ選びなさい。  

1 肩や背中から優しくゆっくりと触れる。  

2 共感を通して,認知症 (dementia) の人が体験している現実を受け入れる。  

3 見当識を高めるために,時間や場所,現在の状況を説明する。  

4 昔の写真や音楽を活用して,記憶を活性化する。  

5 残存能力を活用し,共同作業を通して仲間をつくる。  

解答:4 

解説

回想法とは、過去の出来事を語り、振り返ることをつうじて、自分の人生を肯定的に再評価できるようになることをねらいとします。昔の写真や音楽を活用することは回想法の代表的な手法となります。 

問題47

次の記述のうち,認知症疾患医療センターの説明として,適切なものを1つ選びなさい。  

1 事業の実施主体は,市町村である。  

2 都道府県ごとに,1か所の設置が義務づけられている。  

3 認知症 (dementia)の鑑別診断を行う。 

4 主に認知症 (dementia)が進行した人の入院治療を行う。 

5 介護保険法に定められている。 

解答:3 

解説

認知症疾患医療センターは、認知症に関するくわしい診断や症状への対応、相談などを行う認知症専門の医療機関です。地域の病院や介護施設、行政と連携して認知症ケアや治療を行います。 

問題48

Bさん(87歳,男性)は,一人暮らしである。 玄関前で,脱水で倒れているところを発見され,救急搬送された。入院中,認知症 (dementia)の疑いがある行動が見られた。Bさんは, 「自宅で暮らしたい」と強く希望していた。退院後,Bさんは外出して自宅に戻れなくなることがあった。近所の人たちが,Bさんの生活を心配して,地域包括支援センターに相談した結果,認知症初期集中支援チームが編成された。  

次の記述のうち,Bさんに対して認知症初期集中支援チームが行う支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。  

1 金銭管理を行う。  

2 支援方針を検討する。  

3 居宅サービス計画書を作成する。  

4 介護保険サービスを契約する。  

5 法定後見を行う。  

解答:2 

解説

認知症初期集中支援チームは、認知症が疑われる人、初期段階にある人、その介護者を訪問し、必要な医療や介護の導入、調整や家族支援などの初期の支援を包括的、集中的に行うチームです。支援方針を検討するという選択肢2が最も適切となります。 

この記事を書いた人
元ユニットリーダー研修指導者。10年在籍した介護老人福祉施設の現場では、研修受け入れ担当者として、年間100名以上の研修生の指導にあたる。湘南国際アカデミーでは、介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士国家試験受験対策講座の講師や介護福祉士受験対策テキストの執筆などを担当する傍ら、ケアする側もケアするという立場で、介護をする側のQOL向上のためのイベントや総合的なサポートを手掛けている。
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
江島 一孝
藤沢校・横須賀校・海老名校・相模大野校・横浜戸塚校・横浜馬車道関内校・小田原校・大和校・横浜二俣川校
【所持資格】
介護福祉士・介護福祉士実習指導者・介護支援専門員・福祉用具専門相談員