無料資料請求する
資料請求
講座一覧から探す

初心者も安心のおすすめ講座多数!

無料資料請求する

研修内容を詳しく!

講座一覧から探す

0円講座も受付中!

資料請求

ご希望講座の資料を無料でお届け

Instagram X FaceBook

介護福祉士ができる同行援護の基礎知識と実践方法

  • 全身性障害者ガイドヘルパー養成研修

介護福祉士が担うことのできるサービスは多岐にわたりますが、視覚障害者の方の外出をサポートする同行援護はその一つとして注目されています。視覚障害を抱えた方が安心して外出できるよう、移動時のサポートや必要な情報を提供することは福祉を通し社会的にも大変重要な役割です。

ここでは、同行援護の概要やメリット、必要な資格要件、そして実際に求められるケアのポイントなどを幅広く解説していきます。利用者の視点に立った具体的な支援事例や、介護福祉士としての専門的アプローチも含め、実践に役立つ知識を見ていきましょう。

また、同行援護の最新動向やICTの活用例なども交えながら、より充実したケアを提供するためのヒントを提供します。介護福祉士としてキャリアアップを図る上でも、専門性と質の高い支援を目指すために欠かせない内容です。

同行援護とは何か?

同行援護は視覚障害者の外出支援に特化したサービスです。

視覚障害者が外出する際には、歩行の安全確保や周囲の状況把握が大きな課題となります。同行援護では、本人が主体的に外出を楽しんでいただくために、同行援護従業者が利用者の立場に立って移動しやすいよう誘導・説明を行っていきます。外出時に必要な視覚的情報を伝える、あるいは段差や障害物に対する注意喚起を行うなど、利用者の意思を最優先に考えた、安全と情報提供サポートが求められます。

視覚障害者支援の重要性

視覚障害のある方にとって外出は単なる移動ではなく、自分らしく生活していくための社会参加です。安全確認をはじめ周囲の状況を説明する同行援護従業者がいることで、外出の機会が増えて行き自立や生活の質の向上になります。こうした支援があることで、利用者は自分のペースで活動範囲を広がり、日常生活をさらに豊かに過ごせるのです。

視覚障害者支援では、バリアフリーな空間づくりやICT技術の導入なども注目されています。しかし、実際の現場では、同行援護従業者のきめ細やかな声かけやサポートが欠かせません。社会全体で支援体制を整えていくとともに、同行援護従業者が利用者一人ひとりの状態や希望を正しく把握することが重要とされています。

具体的なサービス内容

同行援護では、対象者の外出時の歩行誘導だけでなく、周囲の様子や景観などの視覚情報を声で伝える工夫が欠かせません。また、必要に応じて買い物や役所での手続き、病院受診時の補助なども行うのが一般的です。これにより、利用者の生活が充実し、社会的な交流機会を得ることにもつながっていきます。

加えて、場合によっては日常的な身辺介護として、雨天時での傘の差し方や段差の昇降方法、飲食店でのメニュー説明など、細かな配慮が求められる場合もあります。単なる介護サービスにとどまらず、利用者が私らしくあるような趣味や目的に合わせた外出先選びをサポートすることで、利用者が自信をもって生活を楽しむ環境づくりにもつながります。

移動支援・行動援護との違い

視覚障害者への支援に類似するサービスとして、移動支援や行動援護が挙げられます。これらは障がいの種類に合わせて対象者や支援内容が異なり、移動支援は障害全般にわたる外出での移動補助が主な目的です。一方、行動援護は知的障害や精神障害のある方が外出時に困らないような行動をとれるよう支援するサービスとなっています。

同行援護はあくまで視覚障害者に特化したものであり、視覚情報の補完や安全確保が大きな役割です。そのため、利用者が持つ障害の程度や生活背景を把握し、柔軟に支援内容を調整することが求められます。移動支援や行動援護とうまく区別することで、より専門性の高いケアを提供できるのです。

以下の関連記事も読まれています

☑同行援護とは?視覚障害者の移動支援と必要な資格

介護福祉士として同行援護を担うメリット

介護福祉士の専門知識と経験は、同行援護において強みとして活かすことができます。

介護福祉士は、身体機能の変化やコミュニケーション支援にも精通しているため、視覚障害者への支援でもより安全かつ効率的な援助を行えます。特に身体介護の知識を有していることで、移動時の姿勢保持や段差のサポートなども、利用者に合わせて科学的に実施できるのが大きな強みです。

また、介護福祉士の資格を活かすことで、同行援護のみならず日常生活全般のケアを一貫してサポートできます。利用者のニーズを多角的に捉え、在宅支援や福祉用具の選定など幅広い視点で支援計画を立案できる点も大きなメリットと言えるでしょう。

利用者に合わせた多様なケアの提供

視覚障害者の状況は一人ひとり異なり、視力の残存度合いや合併症の有無によって求めるケアも様々です。介護福祉士はこれまでの現場経験を活かし、利用者ごとに異なるニーズを察知しながら柔軟に対応することが可能です。例えば、歩行誘導のスピードやコミュニケーション手段を変えたり、訪問介護員としてサービスを行えば自宅での生活環境を整えるサポートを行ったりと、最適なケアを提案できるのです。

また、利用者が長期的に自立した生活を送れるよう、リハビリ分野と連携を取りながら足腰の筋力維持や手先の訓練支援といった身体的サポートを組み合わせるケースもあります。こうした総合的なケアを提供できる点が、介護福祉士として同行援護に携わる際の大きな利点と言えます。

キャリアアップと資格の活かし方

介護福祉士として実務を積むなかで、同行援護従業者研修を修了すれば、さらに専門性を高めたキャリアを築くことができます。特に福祉業界では、専門分野に特化したスキルを評価する事業所や施設が増えており、加算制度により利用者や事業所からのニーズも高い傾向にあります。

また、同行援護のノウハウはその他の支援領域でも応用可能です。例えば、高齢者支援での歩行援助や視力低下が進んだ方へのアプローチなど、ジェネラリストとしての介護福祉士の強みと、同行援護の専門性を組み合わせて多彩なキャリアパスを描けるでしょう。

サービス提供責任者としてのスキル拡大

同行援護事業でのサービス提供責任者は、事業所内でのスタッフ教育や利用者のケアプラン作成など、管理業務を担います。介護福祉士として培った指導力と専門知識を活かし、チーム一丸となって支援を行うための土台を構築する重要なポジションです。

加えて、他職種との連携や市町村との調整などマネジメント能力も発揮できるため、キャリアアップを狙う方にとっては絶好の機会となります。自らの経験を下支えに、働く仲間と共に質の高い同行援護サービスを提供できるよう体制を整えられる点が、大いなるやりがいにつながります。

同行援護従業者になるための資格要件

同行援護を行うには、一定の研修を修了することや、介護福祉士であることが要件とされています。

資格を取得するためには、視覚障害者への障害特性の理解や制度の把握、そして支援技能を身につける研修が必要となるため、介護職経験の有無や事業所ごとに求められる条件を事前に確認することが大切です。資格を取得することで、より専門性の高い支援やサービス提供責任者としての道も開かれます。

介護福祉士の場合は、すでに身体介護やコミュニケーションスキルの基盤があるため、養成研修を受けた際にも内容をスムーズに理解できるというメリットがあります。資格要件を満たすことで、自身のキャリアをさらに広げるだけでなく、多くの利用者の生活を支える力にもなれるでしょう。

介護福祉士が持っている強み

介護福祉士は、実務経験や国家資格を通じて身体機能の衰えや障害特性に関する知識を十分に習得している点が強みです。安全と情報提供をメインとする資格のため、実際の介助スキルを現場ですぐに活かせるでしょう。

また、コミュニケーション技術やリスクマネジメントの知識も豊富なため、同行援護の場面でも自発的に危険を予知して対策をとることができます。介護福祉士としてのこれらの強みが、視覚障害者支援の質をさらに高める重要な要素となります。

同行援護従業者養成研修(一般課程・応用課程)

同行援護従業者として活動するには、一般課程と呼ばれる視覚障害の基礎知識と援助技術を学ぶ研修を修了する必要があります。一般課程では、視覚障がいの特性やガイド技術、介護過程の基本などをしっかりと習得します。

さらにサービス提供責任者として活動する場合は、応用課程の修了が求められます。応用課程ではリスクマネジメントや高度な相談援助技術など、より専門的なカリキュラムが組まれているのが特徴です。これにより、利用者の外出支援を総合的にコーディネートできる能力が身につきます。

同行援護従業者養成研修(一般課程)に関しての詳細は、以下のページをご覧ください

☑視覚障害者の外出支援に必要な知識と技術を学ぶ「同行援護従業者養成研修(一般課程)」

受講条件・学習期間・費用

同行援護従業者養成研修の受講には、特に要件はありません。学習期間も数日から数週間にわたり、座学と実技両面の学習を行います。研修機関によってはオンライン学習を取り入れている場合もありますが、実技研修は対面で行われることが一般的です。

受講費用は地域や研修実施機関、助成制度の有無によって大きく変わります。自治体によっては補助金や助成金を受けられる場合もあるため、事前に情報を収集し、負担を軽減できる方法を探しておくと良いでしょう。

視覚障害者への視覚的情報支援

同行援護の現場では、本人が必要とする情報を適切に提供し、スムーズな外出をサポートします。目が見えないことにより周囲の環境や標識、書類の内容などの認識が難しい場合があります。そのため、同行援護従業者は適切な声かけや説明を行い、利用者が状況を把握できるようサポートしていきます

また、場所によっては点字ブロックが完備されていない、あるいは案内表示が少ないこともあり、利用者の迷いや不安を引き起こしやすいです。こうした場面での情報提供がきちんと行われれば、利用者の不安軽減と安全確保に大きく寄与します。

外出先での誘導方法

歩行誘導の基本は利用者が支援者の腕や肩を軽くつかんでもらうなど、相手が安心でき、支援者の身体の動きも情報であることを理解しながら、支援者の適正な姿勢を確保することです。段差や障害物がある場所では、言葉でしっかりと注意を促すと同時に、歩幅やスピードを合わせながらゆっくりと移動する必要があります。

誘導の際、本人が望んでいる声のトーンで具体的に状況を説明すると利用者も安心できます。急な方向転換が必要な場合は「右に曲がります」など事前に声をかけによる配慮すると安全で安心です。

文字情報・音声ガイドの活用

視覚障害者にとって文字情報は困りごとのひとつです。同行援護の場面では、看板やフロア案内の文字を読み上げることに加え、利用者が迷わないよう道順をわかりやすく要約して伝える工夫も重要となります。

最近ではスマートフォンの音声読み上げアプリや連携デバイスを活用するケースが増えています。外出先での情報提供手段が多様化しているため、本人のニーズに合わせて音声ガイドを組み合わせることで、スムーズな移動と高い情報取得の両立が実現しやすくなります。

コミュニケーションの工夫

相手の状況を見ながらレスポンスのタイミングや言葉の選び方を工夫することで、利用者は情報を整理しやすくなります。また、「今、右手側に大きな看板があります」「あと数歩で階段があります」といったように、具体的なイメージを描きやすい言葉を選ぶことも大切です。

必要に応じて利用者の心情面にも配慮し、焦りや不安が大きくならないようスローダウンしたり、適度に休憩をはさんだりするのも効果的です。単に目的地へ誘導するだけでなく、利用者自身が安心感をもって行動できるよう心がけることが同行援護の核心と言えます。

移動の援助と安全管理

外出時の移動を支援する際には、利用者の安全を最優先に考えた行動が求められます。ここでは移動の援助と安全管理について確認します。

駆けつけ支援とリスクマネジメント

緊急対応が必要となるケースに備え、常に緊急連絡先や医療機関の場所を把握しておくことが大切です。同行中に予期せぬトラブルや体調不良が起きたときに適切に対処できるよう、事前にシミュレーションを行っておくとリスクを最小限に抑えられます。

また、事業所やチーム内で責任分担を明確にすることもリスク管理において欠かせません。誰が連絡役を担うか、トラブル時の報告ルートはどうするかなど、システムを整えておくことで利用者に対するサポートの質が向上します。

ただし、基本は自分で判断できない場合は責任者や事業所に連絡を取りましょう。ヘルパーはその場では一人で支援していますが、事業所のチームでサービスを行っていることは忘れないでください。支援者が困ったときは一人で対応しようとせず、連絡を取って、みんなで解決していきましょう。

乗車・降車時のサポート

公共交通機関を利用するときは、乗り場や降りる場所を事前に確認しておくことでスムーズな移動が可能になります。利用者が乗車口を見逃さないように、バスや電車の到着時には声をかけて位置を知らせるといった細かな配慮も必要です。

段差の大きいバスや電車では、手すりを確実につかめるよう誘導し、利用者の身体バランスにも気を配ります。降車時は、足元の段差や周囲の混雑を説明しながらゆっくりと誘導してあげることで、転倒などの事故を防ぎやすくなります。

排せつ・食事など必要となる援助の実践

同行援護では外出先での排せつや食事介助など、日常的なケアも担うことがありません。ただし、トイレや食事に関して、間接的なサポートは行うことがあります。

食事の場面や衛生面での配慮

利用者が外出先で食事をする場合は、手洗いのタイミングやテーブルの清潔度などにも注意を払いましょう。 レストランなどでは利用者が状況を把握しやすいよう、席の配置や注文システムを丁寧に説明すると安心につながります。店員が対応しきれていないことは、支援者が伝えたりサポートしていきましょう。

映画館やイベント会場での軽食などでも、手が汚れやすい場合はおしぼりの用意や、ゴミを捨てる場所の案内などささいな気配りが重要です。こうした細かい衛生管理を徹底することで、利用者は外出先でも快適に過ごすことができます。

利用者の尊厳を守るケア

トイレの際は、基本は支援者は一緒に個室トイレの中には入りません。そのため、情報提供が大きなポイントとなります。ペーパーや流すボタンの場所、便座や手洗い場の位置などを説明しながら一緒に確認したのち、退出するのが基本です。個人のプライバシーを尊重することがとても大切です。同行援護従業者は、利用者の身体的・精神的負担を最小限にするように配慮し、必要な声かけと言葉遣いを続けることで安心感を提供します。

また、本人の意思を尊重し、支援を求められた際には的確に応じる一方、自分だけでできる部分はできる限り自立を促すことも大切です。介護福祉士としての知識を活かし、利用者の立場を尊重しながらスムーズな援助を行うことが理想とされます。

ガイドヘルパーとの違いと連携

視覚障害を含め、さまざまな障害に対応したガイドヘルパーサービスがありますが、同行援護とは異なる点もあります。

ガイドヘルパーは、移動に困難を抱える障害者全般を対象とした支援者として位置づけられています。一方、同行援護は特に視覚障害者への支援に特化しているため、両者は支援の内容や専門性が異なる部分があります。

しかし、利用者の多様なニーズに応えるためには、ガイドヘルパーや行動援護従業者など他の支援者との連携も欠かせません。それぞれが役割と専門性を持ち寄り、利用者一人ひとりに適した最適なケアを提供することが理想のチームケアとなります。

全身障害者ガイドヘルパー・行動援護との比較

全身障害者ガイドヘルパーは、身体に重度の障害を抱える利用者の外出への手伝いが主な支援対象としています。行動援護は知的障害・精神障害のある方の外出へのサービスで、本人が困らないように安心しできるような支援を心がけます。

同行援護は視覚障害の方への外出支援なので、必要となる支援技術や用途が異なると同時に、コミュニケーションの取り方も変わってきます。利用者が安心して過ごせるよう、それぞれの支援サービスが相互にカバーし合うことが大切です。

チームケアにおける役割分担

訪問介護員や看護師、リハビリ職などの多職種と協力することで、利用者の生活のすべてを包括的にサポートできるようになります。同行援護従業者がコミュニケーション面や外出時の安全確保を担当し、ガイドヘルパーが日常の移動支援を担当するなど、柔軟に役割を分担することが可能です。

定期的に情報共有の機会を設定し、利用者の状態に変化があった場合にはすぐに共有することで適切なフォローアップができます。こうしたチームアプローチこそが、利用者の自立とQOL向上につながる重要な要素と言えるでしょう。

同行援護に活用できるICTや福祉用具

ICTや福祉用具の進歩は、視覚障害者の外出をよりスムーズにする多くの可能性をもたらしています。ここでは同行援護に活用できるICTや福祉用具を紹介します。

音声読み上げ機能やアプリの活用例

スマートフォンの音声アシスト機能や、視覚障害者向けの地図アプリを使うことで、細かな道案内や目的地までの所要時間の把握が容易になります。同行援護従業者は利用者と一緒にアプリを操作しながら移動することで、アプリからの情報と実際の状況を照合し、安全性を高めることができます。

さらに、電子書籍や動画サイトの音声読み上げ機能を利用すれば、自宅から外出先までの情報収集もスムーズになります。利用者が事前に情報を把握できれば、外出の不安も軽減され、同行援護の負担も少なくなるでしょう。

白杖・歩行補助具との併用

白杖は視覚障害者にとって重要ですが、同行援護従業者が一緒にいる場合でも利用者自身である程度の安全確認を行えることがポイントです。白杖と同行援護を併用することで、利用者の自律性を損なわずに安全を確保しやすくなります。白杖には「視覚障害」であることを周りにアピールする役割もあります。そのため、とてもデリケートであり、人にとっては使うのをためらう方がいるのも現実です。「安全だから白杖をつかいましょう」というのではなく、本人の心の部分にこそ私たちは向き合っていく必要があるのではないでしょうか。

歩行補助具としては、センサー付き白杖やGPS機能が内蔵されたデバイスなど、多様な選択肢があります。利用者の希望やライフスタイルを踏まえて最適な用具を提案し、必要に応じて使い方の指導やメンテナンスのアドバイスを行いましょう。

就職・転職先の選び方と勤務形態

同行援護に携わる場としては、訪問介護事業所や施設など多様な選択肢があります。ここでは就職・転職先の選び方と勤務形態を紹介します。

訪問介護事業所・居宅介護事業所

訪問介護事業所では、利用者の自宅に訪問し日常生活のサポートを行うため、利用者のケアにじっくり関わることが可能です。特に視覚障害のある方が外出する際に家の周辺環境や交通状況を把握していると、より安心感のある援助を実践できるでしょう。

勤務形態もパートや正社員など柔軟に選べる場合が多く、家庭やプライベートと両立しやすいメリットがあります。利用者と深い信頼関係を築きたい方には、訪問介護事業所ならではのやりがいを感じるでしょう。

デイサービスや施設介護での活かし方

デイサービスや老人ホームなどの施設には、視覚障害の高齢者が利用しているケースがあります。同行援護の知識があれば、施設内での移動援助やレクリエーション参加の支援など、日々の暮らしを一層快適にする取り組みが可能になります。生活介護や放課後等デイサービスなどを利用している、障害者や障害児の人たちの中にも視覚障害の方がいらっしゃいます。さらに、車いすを利用している視覚障害の方ももちろんいらっしゃいます。高齢者分野・障害者分野さらに児童分野と多種多様なかかわり方ができます。

また施設系の場合、スタッフ同士の連携が取りやすい環境でもあるため、利用者の状況をチーム全体で共有しながら統一した介護方針をとれます。多職種と協力しながら視覚障害者のQOL向上を目指すという点で、大きなやりがいを感じられるでしょう。

非常勤・フリーランスとしての働き方

非常勤やフリーランスとして同行援護を行う場合、より柔軟な働き方が可能です。自分の得意分野を活かして複数の利用者を掛け持ちすることで、収入や働きがいの面で幅を広げることができます。

ただし、安定した収入や所属先からのサポートが得にくいこともあるため、事前に契約内容やリスクを十分に確認しておく必要があります。自らのキャリアを自由に設計したい方にとっては、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

同行援護従業者としての実務で注意すべきポイント

同行援護従事者は、利用者の生活やプライバシーに深く関わるため、ここでは実務上の配慮やリスク管理、注意すべきポイントを確認しましょう。

プライバシー保護と情報共有のバランス

同行援護の現場では、利用者の身体状況や障害の程度だけでなく、生活習慣や家族関係などデリケートな情報も扱うことがあります。そのため、常に情報管理には注意を払い、必要最小限の内容をしかるべき相手にのみ伝えるようにしましょう。守秘義務は介護・支援に携わる者の絶対条件です。

一方で、ケアの質を保つためには、同じ利用者に関わる他職種や関係機関との情報共有が必要不可欠です。利用者の同意を得ながら適切な範囲で情報を共有し、周囲と連携を図ることで、より包括的で質の高い支援を行えるでしょう。

利用者との信頼関係構築

視覚障害の方は、同行援護従業者を自分の「目」として大きく頼りにします。そのため、言葉遣いや態度が利用者の安心感を左右することが多く、特に初対面や慣れない環境では丁寧なコミュニケーションが求められます。また、人によっては「世間話などは必要ありません」と最初から教えてくれる方もいます。私たち支援者は「何がしたい」のかではなく、利用者が「何を望んでいるか」です。本人に合わせた関係作りも、同行援護従業者の大きな魅力です。

支援者側のコミュニケーションの苦手意識や不安を取り除くためにも、利用者が疑問を持った時には遠慮なく質問できる雰囲気を作り、何か問題が起きた際には迅速かつ誠実に対応する姿勢が大切です。先回りせず、「相手がこう思っている」と決めつけず、わからないことがあったら正直に本人に尋ねる。同行援護の利用者は、目が見えないこと以外は何でもできます。「してあげる」ではなく、「寄り添いながら本人が必要な支援だけを行う」。こうした関係の積み重ねが、長期的に信頼される同行援護従業者への道につながります。

FAQ|介護福祉士と同行援護に関するよくある質問

Q1.
A

ガイドヘルパーの資格同行援護従業者養成研修は異なります。介護福祉士であっても視覚障害者への外出支援を担うためには、同行援護従業者研修の修了が求められるのが一般的です。ただし、1年以上の視覚障害の方への支援を行っていれば同行援護従業者養成研修を修了していなくても同行援護のお仕事は可能です。ガイドヘルパーの研修は、視覚障害とは別の研修を受講していても関係はありません。ただし、介護福祉士であっても視覚障害に関する知識や技術・考え方など学んでいない場合が多いため、視覚障害者支援に特化した知識と技術を身につけるためにも研修受講は受けることをお勧めいたします。

同行援護有業者養成研修の応用課程研修を修了すればサービス提供責任者として業務を担当できる場合もあり、介護福祉士としての経験値が多いほど、利用者や事業所からも高い評価を得やすくなります。

Q2.
同行援護従業者の履歴書での書き方やスキルアピールのコツは?
A

履歴書には、介護福祉士の資格や関連する実務経験を明記するとともに、視覚障害者支援に興味があること、あるいは研修受講中もしくは修了済みであることをきちんとアピールすることが大切です。具体的な経験例や学びの内容を盛り込むと、採用担当者に意欲が伝わりやすくなります。

さらに、コミュニケーション能力や安全管理のスキルといった、同行援護に欠かせない要素を強調することも効果的です。同行援護従業者は外出中、多くの時間歩きます。体力や歩くことが好きなことはアピールポイントになります。さらに、本人が中心であるので「やってあげたい」感は控えた方がよいと思います。あくまでも、情報提供とシルクマネジメントが基本となります。そして自分が現場でどう貢献できるかを明確に示すことで、就職・転職活動を有利に進められるでしょう。

Q3.
同行援護従業者の給料相場や待遇面の実情は?
A

同行援護従業者の給与は、所属する事業所や地域によって差があります。正社員として働く場合は安定性が高い一方、非常勤やパートなどでは時給制であるケースが多いです。資格手当や研修修了手当が支給される場合もあり、経験やスキルによって待遇が上がることも期待できます。

また、福祉業界全体としては人材不足の傾向があり、視覚障害者支援に詳しい介護福祉士は特に重宝される傾向があります。自身のスキルアップや事業所選びを工夫することで、より良い待遇を手にするチャンスが高まるでしょう。

まとめ・総括

同行援護は視覚障害者の社会参加や生活の質向上に不可欠なサービスであり、介護福祉士にとっても新たな専門領域を切り開く機会となります。

視覚障害者に特化した同行援護のスキルは、外出支援を中心とした社会参加サポートだけでなく、日常生活全般のケアにも密接にかかわってきます。特に、介護福祉士としての基礎知識や実務経験を活かせるため、質の高いサービス提供が見込める分野と言えるでしょう。

今後も研修制度や法改正の面で変化が続くため、常に最新の情報を収集し、利用者のニーズに沿ったスキルアップを図ることが大切です。同行援護がより広く認知され、高度な専門領域として発展していくことで、多くの視覚障害者の生活の質が向上し、介護福祉士の活躍の場もさらに広がることが期待されています。

無料資料請求やお問い合わせはこちらからお気軽にお問い合わせください。
介護の資格 湘南国際アカデミー
▶「介護資格に関する無料資料請求
▶「各種ご相談やお問い合わせ
▶「お電話でのお問い合わせ:0120-961-190
 (受付時間:9:00〜18:00/年中無休)

この記事を書いた人
2006年に異業種から福祉業界へ転身。障害児者福祉を中心に、高齢者福祉や児童福祉に幅広く従事し、責任者、管理者、施設長として現場、管理業務、そして研修指導にも尽力。2023年11月より湘南国際アカデミー専任講師。「福祉=幸せ」をテーマに、利用者だけでなく関わる全ての人々が幸せを実感できる福祉を目指す。授業では知識や技術に加え、「心」の大切さを重視し、「一期一会」の精神で受講生に寄り添っている。好きなものは、ケンタッキー、お酒、中島みゆき、そして「笑顔」と「ありがとう」。
久保田 穂
藤沢校・横須賀校・海老名校・相模大野校・横浜戸塚校・横浜馬車道関内校・小田原校・横浜二俣川校
【所持資格】
介護福祉士・保育士
介護職のキャリアアップに役立つ講座多数!まずは資料請求!