介護助手は無資格・未経験から始めやすい一方で、「実際の給料はいくらか」「介護士と比べてどう違うか」と不安に感じる方も少なくありません。この記事では、介護助手の給料相場を雇用形態・施設形態・地域別に整理したうえで、手当の確認ポイントと収入アップの具体策(資格取得・キャリア)を体系的に解説します。
☑ 雇用形態別の給料相場(パート時給・正社員月給・年収の目安)
☑ 施設形態・地域・手当の違いが給料に与える影響
☑ 求人票で見落としがちな処遇改善・賞与・固定残業代の確認ポイント
☑ 2024年4月からの義務:認知症介護基礎研修の受講要件と費用
☑ 初任者研修取得で給料を上げる具体的なステップ
本記事は、当校の独自調査「介護ニュース最新情報|介護職動向&意識マンスリーレポート」と厚生労働省の統計データを参照しています。
※参照:厚生労働省「介護従事者処遇状況等調査結果」
介護助手の給料相場|雇用形態別の目安
介護助手は統計上の独立した区分としてのデータが少ないため、求人ごとの比較がより重要です。まず雇用形態別の目安を確認しましょう。
| 雇用形態 | 給与目安 | 備考 |
|---|---|---|
| パート・アルバイト(時給制) | 時給1,000〜1,200円程度 | 地域・施設によって差あり。交通費・手当別途 |
| 正社員(月給制) | 月収15〜20万円程度 | 夜勤手当・処遇改善加算の配分次第で変動 |
| 契約社員 | 月収15〜19万円程度 | 賞与・退職金は正社員と条件が異なる場合あり |
参考として、厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」によると、介護職員(処遇改善加算取得事業所・月給制・常勤)の平均給与額は月約338,200円、非常勤(時給制)は月約129,880円となっています。介護助手はこれより低めに設定されやすい構造になっています。
介護助手の仕事内容・役割・職種の違いはこちら
パートと正社員の実質的な差
パートは時給が同じでも、週の勤務日数・1日の時間次第で月収が大きく変わります。たとえば時給1,100円で週3日・1日6時間なら月収目安は約79,200円、週5日・8時間なら月収目安は約176,000円です。働き方を決める前に月の想定勤務時間を計算しておくことが重要です。
正社員は月給が安定している一方、「手当込みの金額」かどうかの確認が必要です。「処遇改善含む」「一律手当含む」と記載がある場合は基本給が低く、昇給の伸びしろが限られることがあります。

国家資格キャリアコンサルタント
【監修者コメント】
令和6年度の調査では、介護職員(非常勤・時給制)の平均給与は月額約129,880円となっています(参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」)。
転職相談の現場では、「給料が上がらない」という悩みをよく聞きますが、多くの場合は手当の仕組みや昇給基準を把握していないことが原因です。時給・月給の数字だけでなく、処遇改善の配分ルールと昇給基準を最初に確認することが、実質的な収入を見極める第一歩です。
施設形態・地域・経験年数による給料の差
施設形態別の給料と働き方の特徴
| 施設形態 | 給与の傾向 | 夜勤 | 家庭との両立 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 特養・老健 | 手当込みでやや高め | 施設次第 | △ | 手当が充実しやすい |
| 有料老人ホーム | 同上 | 施設次第 | △ | 施設差が大きい |
| デイサービス | 基本給中心・低め | なし | ◎ | 日勤のみ・時間を選びやすい |
| グループホーム | 中程度 | 施設次第 | △ | 少人数・家庭的な雰囲気 |
入所施設は早番・遅番などのシフト手当が付きやすく月収が上がりやすい一方、生活リズムへの影響も出やすいです。通所施設は手当が限定的になりやすい分、家庭との両立や体力面の不安がある人に向いています。
地域差の影響
地域差は最低賃金の影響が大きく、都市部の方が時給は高く出やすい一方、生活コストも上がります。単純な時給比較だけでなく、通勤費・家賃も含めた「生活として成り立つか」で判断する視点が必要です。自治体によっては介護人材確保の補助事業があり、採用・研修・賃金の一部に支援が入るケースもあります。
経験年数と昇給制度
経験年数による差は、明確な昇給テーブルがある職場ほど出やすいです。面接時に「どういう行動が評価されるか」「昇給は何を基準に決まるか」を確認すると、制度の有無が見抜けます。昇給が「評価次第」「法人の業績次第」と曖昧な職場では収入が伸びにくいことがあります。
手当・賞与・処遇改善の確認ポイント
求人票の時給・月給だけで判断すると、実質の年収を見誤ることがあります。必ず確認すべき手当の種類と確認方法を整理します。
| 手当の種類 | 確認ポイント | 見落としリスク |
|---|---|---|
| 夜勤手当 | 介護助手が対象か・1回あたりの金額 | 「夜勤あり」でも助手は除外の施設あり |
| 早番・遅番手当 | 月の想定回数×単価 | 少額でも月に多ければ収入に大きく影響 |
| 処遇改善手当 | 介護助手が配分対象か | 法人内ルールで異なる。求人票に記載なし多い |
| 交通費 | 実費か上限ありか | 上限が低いと実質減収になる場合あり |
| 資格手当 | 初任者研修修了で付くか・金額 | 取得後の月収変化に直結する重要項目 |
| 固定残業代 | 何時間分が含まれているか | 含む場合は基本給が実質低い可能性あり |
処遇改善加算について
介護職員等処遇改善加算は、法人内でどう配分するかがルールとして定められており、介護助手を配分対象に含める施設とそうでない施設があります。求人票に記載がない場合でも、面接で「処遇改善に相当する手当の有無」と「誰が対象か」を直接確認することをおすすめします。政府は令和7年度の介護報酬改定でも処遇改善をさらに進める方針を示しており、今後は介護助手への配分が広がる可能性もあります。
賞与の確認方法
賞与は「あり」の記載だけで判断せず、支給対象(正社員のみか、勤続何ヶ月以上からかなど)と支給実績(何ヶ月分、昨年度実績)まで確認しましょう。ここが曖昧だと年収見込みが大きくズレます。
介護助手の給料を上げる方法
介護助手の収入を上げる現実的な方法は「シフト・手当の最大活用」と「資格取得によるキャリアアップ」の2軸です。
シフトと手当で短期的に上げる
夜勤・早番遅番手当は月収への影響が大きく、即効性があります。夜勤は介護助手が対象外とする職場もあるため、まず対象かどうかを確認しましょう。早番遅番手当は1回あたり数百円でも月の回数が多いと差になります。残業は、月の想定勤務時間と平均残業時間をセットで確認することで、現実的な月収を見積もれます。
資格取得で中長期的に上げる
資格取得は収入の根拠になり、任される業務と責任の範囲が広がるため、賃金アップの土台になります。その前提として、まず知っておくべき重要なルールがあります。
2024年4月から、介護サービス事業所で直接介護に携わる無資格者は、入職後1年以内に「認知症介護基礎研修」を修了することが義務付けられています。初任者研修・実務者研修・介護福祉士などの資格保有者は免除されます。eラーニングで受講でき、費用は3,000〜5,000円程度が目安です。職場が費用や手続きを支援してくれるか、面接時に確認しておきましょう。(参照:厚生労働省「介護に関する資格等について」)
認知症介護基礎研修の義務化・対象者・受講方法はこちら
認知症介護基礎研修を修了したうえで、さらに介護助手から収入を上げる王道のルートを整理します。
| ステップ | 資格 | 取得期間 | 費用目安 | 給料への影響 |
|---|---|---|---|---|
| 🔴 義務 | 認知症介護基礎研修 | 入職後1年以内(eラーニング可) | 3,000〜5,000円程度 | 直接介護に従事するための法定要件。職場負担のケースあり |
| ① 入門 | 介護に関する入門的研修 | 1日〜(オンライン可) | 低価格〜 | 入職・採用で有利(認知症基礎研修の免除対象外) |
| ② 基礎 | 介護職員初任者研修 | 1〜2ヶ月 | 5〜10万円 | 資格手当・時給アップ・業務拡大。認知症基礎研修も免除に |
| ③ 中級 | 介護福祉士実務者研修 | 4〜6ヶ月 | 10〜20万円 | 介護福祉士受験資格・さらなる昇給 |
| ④ 国家資格 | 介護福祉士 | 実務3年+試験 | 受験料18,380円 | リーダー職・月収大幅アップ |
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は介護の入門資格で、修了すると基本的な身体介助が可能になり、施設によっては資格手当として月3,000〜10,000円程度が加算されるケースがあります。受講期間の目安は1〜2ヶ月、費用相場は5万〜10万円程度です。教育訓練給付金(受講費用の最大50%給付)も活用できます。
初任者研修の受講料が補助される制度について
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は初任者研修の次段階で、介護福祉士国家試験の受験要件になります。修了まで4〜6ヶ月、費用は10万〜20万円程度が目安です。資格取得支援のある職場を選ぶと、費用負担だけでなく勤務調整の面でも続けやすくなります。
介護福祉士(国家資格)
介護福祉士は介護分野唯一の国家資格で、リーダー業務や新人指導などを担う機会が増え、賃金面でも大きく上がりやすい傾向があります。湘南国際アカデミーの受験対策講座利用者の合格率は94.7%(2025年度実績)です。

介護福祉士
ケアマネジャー
求人票の給料を正しく読む方法
介護助手の求人は、同じ職種名でも中身が大きく異なります。給料の見方を押さえておくと、ミスマッチを防げます。
パートの時給→月収換算の方法
時給は月収換算して比較します。たとえば時給1,100円で週3日・1日6時間の場合、月の労働時間はおおむね72時間程度となり月収は約79,200円が目安です。週5日・8時間なら月収は約176,000円と大きく変わります。同じ時給でも働き方次第で年収が倍近く異なるため、想定シフトとセットで計算することが重要です。
正社員の月給に含まれるものを確認する
月給欄に「処遇改善手当含む」「一律手当含む」などの表記がある場合は、基本給の伸びしろが小さい可能性があります。また固定残業代が何時間分含まれているかは必ず確認しましょう。賞与は「年2回」と書いてあっても金額や月数が不明なら、年収比較ができません。直近の支給実績(何ヶ月分か)を面接で確認するのが確実です。
面接で確認すべき5つの質問
☑ 処遇改善手当は介護助手も対象ですか?配分はどのように決まりますか?
☑ 昇給はどのような基準で決まりますか?昨年度の実績は?
☑ 賞与の支給実績(月数・対象者条件)を教えてください
☑ 早番・遅番手当の金額と月の想定回数はどれくらいですか?
☑ 資格取得支援制度(受講料補助・勤務調整)はありますか?

国家資格キャリアコンサルタント
【監修者コメント】
キャリア支援の中で、「給料が低い」と感じながら働き続けた結果、気づいたときには転職のタイミングを逃していた方を多く見てきました。
給与の不満を感じたら、まず「現在の職場で確認できることはないか」から始めてください。処遇改善の配分ルールを知っているだけで、交渉や職場選びの軸が変わります。
(参照:湘南国際アカデミー独自調査「介護ニュース最新情報|介護職動向&意識マンスリーレポート」)
介護助手の給料に関するよくある質問
- Q1.介護助手の給料はパートと正社員でどれくらい違いますか?
- A
パート・アルバイトは時給1,000〜1,200円程度が目安で、週5日・8時間勤務なら月収目安は約176,000円です。正社員は月給15〜20万円程度からスタートするケースが多く、夜勤手当・処遇改善加算・賞与が上乗せされると年収が大きく変わります。単純な時給・月給の比較だけでなく、手当の内訳と賞与実績をセットで確認しましょう。
- Q2.介護助手でも処遇改善加算の恩恵を受けられますか?
- A
施設の方針によって異なります。介護職員等処遇改善加算は法人内でどう配分するかがルールとして定められており、介護助手を配分対象に含める施設とそうでない施設があります。求人票に記載がなくても、面接で「処遇改善に相当する手当の有無」と「誰が対象か」を直接確認することをおすすめします。
- Q3.初任者研修を取得すると給料はどれくらい上がりますか?
- A
施設によって異なりますが、資格手当として月3,000〜10,000円程度が加算されるケースが多く見られます。それ以上に、任される業務の幅が広がることで正社員への転換や昇給が現実的になります。教育訓練給付金(受講費用の最大50%給付)も活用できるため、費用面の負担を抑えた取得が可能です。詳しくは初任者研修のページをご覧ください。
- Q4.介護助手の給料を上げるために最初にすべきことは何ですか?
- A
まず現在(または応募先)の職場の手当体系・昇給ルール・処遇改善の配分対象を確認することです。次に、初任者研修の取得を検討してください。資格取得と同時に担当業務が広がり、収入の根拠が生まれます。費用面では教育訓練給付金(受講費用の最大50%給付)も活用できます。
- Q5.介護助手から介護士になると年収はどれくらい変わりますか?
- A
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」によると、介護職員(処遇改善加算取得事業所・月給制・常勤)の平均給与額は月約338,200円となっています(参照:厚生労働省「介護従事者処遇状況等調査」)。初任者研修修了後に介護職へ転換することで、担当業務の拡大と資格手当が加わり、同一施設内でも年収が大きく変わることがあります。
まとめ
介護助手の給料は、雇用形態・施設形態・地域・手当・賞与の条件で実質が大きく変わります。パートは時給1,000〜1,200円程度、正社員は月収15〜20万円程度が一つの目安ですが、相場は単体の数字ではなく同条件の求人比較でレンジとしてつかむのが確実です。
求人票では基本給だけでなく、処遇改善手当の対象条件・賞与実績・固定残業代の有無を必ず確認しましょう。収入アップを狙うなら、まずは手当と勤務時間の見積もりを最適化し、次に資格取得支援のある職場で初任者研修から段階的にキャリアアップするのが王道です。
介護助手の仕事内容・役割・将来性について詳しく知りたい方はこちら
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湘南国際アカデミーでは初任者研修・実務者研修・介護福祉士受験対策の講師を務めるほか、受験対策テキストの執筆も担当。
介護技能実習評価試験評価者として外国人介護士の受け入れ支援、事業所向けスキルアップ研修のプロデュースなど、人材確保・育成・定着に向けた幅広い活動を展開している。






