
江島一孝(介護福祉士)
この記事の監修者
介護福祉士、実習指導者、介護支援専門員として10年以上の経験を持ち、湘南国際アカデミーで介護職員初任者研修や実務者研修の講師、介護福祉士国家試験の対策テキスト執筆を担当。
介護福祉士は、高齢者や障がいのある方を支える介護のプロフェッショナルです。従来は身体介護や生活援助が中心でしたが、超高齢社会の進展とともに働き方や役割の幅が拡大し、様々な現場で活躍できるようになりました。
資格を持つ人の個性や経験によって活躍の場も多様化するため、これから介護福祉士国家資格の取得を目指す方も、すでに資格をお持ちの方も、自身の可能性を最大限に活かし、キャリアの幅を広げるチャンスがあります。
本記事では、介護福祉士の仕事内容や資格の意義、さらにキャリアパスを詳しく解説。国家資格をフル活用して介護業界はもちろん、他業界へスキルを展開する方法もご紹介します。今後のキャリアプランを考える際の参考にしていただければ幸いです。
介護福祉士とは|価値ある国家資格であることを再確認
まずは、介護福祉士が国家資格であることの意義を見直してみましょう。介護福祉士は高齢者や要介護者、障がいのある方の生活を支える専門職です。身体介護や生活援助、相談業務だけでなく、訪問介護や施設でのチームケアにも大きく貢献します。
- 介護福祉士の資格は、一定の知識と技術を証明するもの
- 特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、病院などの幅広い現場で信頼を得やすい
- 看護師やリハビリスタッフとの連携が重要視されるチームケアで、要となる役割を担う
社会福祉士やケアマネジャーなどへのキャリアアップルートもあり、介護職の中心的存在としての役割は今後さらに拡大する見通しです。特に、介護業界の安定性や将来性を考える上でも、介護福祉士は非常に価値の高い資格と言えます。
介護福祉士の基本概要と役割
介護福祉士は、高齢者や要介護者を身体的・心理的両面から支援する専門職です。具体的な業務内容には以下が含まれます。
- 身体介護(食事・入浴・排泄介助、移乗サポートなど)
- 生活援助(居住空間の整備、掃除・洗濯、調理など)
- 相談・アセスメント(介護保険制度や福祉サービスの提案)
- リハビリ補助(看護師やリハビリスタッフとの連携)
訪問介護や施設、病院など多様な現場で、利用者やその家族と信頼関係を築きながらケアを提供し、総合的な生活の質(QOL)を向上させることが目的です。
超高齢社会が介護福祉士の必要性・価値を更に高める
日本は世界トップクラスの高齢化社会を迎えており、介護ニーズが爆発的に増加しています。介護福祉士は専門知識を活かし、利用者の身体・心理状況に応じた個別ケアを行うことで、高齢者の生活を支えます。
- 在宅介護や地域包括ケアシステムの普及により、訪問介護やデイサービスなどでの活躍の場が拡大
- 施設を超えた広範なフィールドでの活動が期待され、需要が高まっている
介護福祉士の仕事内容|資格をフル活用してキャリアの可能性を広げる
介護福祉士であるからこそ広がる業務内容やキャリアパスを紹介します。
介護福祉士国家資格を取らないともったいない理由
介護福祉士の資格を持つことで、下記のメリットが得られます。
- 給与や役職面での優遇(資格手当や昇進のチャンス)
- 職場や利用者の家族からの信頼度向上
- 特養や訪問介護、老健、病院など全国どこでも通用する汎用性
実際に「介護福祉士を取得するか否か」でキャリアの選択肢が大きく変わり、長期的なキャリアアップにも繋がります。
介護福祉士だからこそできる講師業・教育業務
介護福祉士の実務経験を活かし、新人研修や専門学校で講師として活躍するケースも増えています。教育分野でスキルを磨くことは、リーダーや管理職としての資質向上にもつながります。
リーダー・管理職業務
施設や訪問介護事業所でのシフト管理、スタッフ教育、利用者情報の共有など、マネジメントスキルが求められるポジションもあります。資格を持つことで管理職候補としての評価が高まり、より高いステージでの活躍が期待できます。
利用者に直接関係する主な仕事内容
- 介護記録・業務管理:ケア内容の詳細記録、チーム連携のための申し送りやシフト調整
- 身体介護:食事・入浴・排泄介助、移乗サポート。自立支援を意識したケアが重要
- 生活援助:掃除、洗濯、調理など在宅介護での家事支援
- 相談業務:介護保険制度や福祉サービスの提案、家族の悩み相談
他職種との連携
看護師、リハビリスタッフ、薬剤師などとの情報共有を徹底し、最適なケアプランを提供します。介護福祉士がリーダーシップを発揮し、チーム内のコミュニケーションをスムーズにする場面も多々あります。
社会活動の支援|地域社会との交流支援
利用者の社会参加や地域交流をサポートするのも、介護福祉士の大切な役割です。外出支援やイベント企画を通じて、孤立を防ぐと同時に地域全体の福祉向上に寄与します。
介護以外でのキャリア転職も可能
介護現場で培ったコミュニケーション力、観察力、状況判断力は多くの業界で重宝されるスキルです。実際にヘルスケア系のITスタートアップや介護関連企業への転職例も増えています。
介護福祉士は業種や仕事内容に関係なく活躍できる
介護福祉士は介護施設だけでなく、教育機関や自治体、一般企業からも求められる専門職です。高齢者支援に関するノウハウは、商品開発・地域福祉・相談業務など、多様な分野で応用が可能です。
- 介護用品メーカーでの商品企画
- 自治体の福祉部門での地域支援や窓口業務
- IT企業での遠隔ケアシステム開発やサービス企画
湘南国際アカデミーでも他業種からの相談が増加中
湘南国際アカデミーには、介護教育を新入社員教育に導入したい、あるいは商品開発に介護知識を活かしたいなど、他業界企業からの問合せが年々増えています。介護福祉士は、すでに介護業界を超えて必要とされる存在です。
実際に湘南国際アカデミーにおいても、電子機器メーカーからマッサージ機器の共同開発なども手掛けております。
介護福祉士・介護職のメリット・魅力は仕事のやりがい
介護福祉士の仕事は大変な面もありますが、その分やりがいが大きい職業です。
仕事のやりがい
- 利用者の変化に寄り添う:身体介護やリハビリ、レクリエーション企画などを通じて利用者の生活の質を高める
- 感謝の言葉や笑顔:直接「ありがとう」と言われることが多く、モチベーションに繋がる
- 人の役に立つ実感:誰かの生活を支える使命感が、介護福祉士の仕事をより価値あるものにしてくれる
利用者や家族からの感謝
さまざまなケアを行う中で、利用者や家族からの「助かりました」「安心できます」という言葉をもらう機会が多いのも介護福祉士の魅力。こうした言葉が日々の励みとなり、やりがいを実感できます。
高齢者支援を通じた社会貢献
超高齢社会を支える仕事として、地域の安定や家族の負担軽減に直接貢献できます。社会への貢献度が高く、誇りをもって続けられる職業です。
介護業界に入ろうとした時の想い・きっかけを忘れない
介護の道を志した時、多くの人が「人の役に立ちたい」「高齢者に安心を届けたい」という思いを抱いていたはずです。その初心を忘れずに持ち続けることで、日々の業務にも前向きに向き合えます。
忙しさの中で利用者主体の視点を見失いがちですが、定期的に原点を振り返ることでモチベーションを維持できます。仲間や先輩と想いを共有し、知識や技術を磨きながらより良いケアを提供することが大切です。
初心を忘れずに前進する姿勢が、利用者の笑顔と自身の成長につながる

介護福祉士
講師
私も10年以上務めた特別養護老人ホームでは、忙しい時にいつのまにか業務に追われて初心を見失い、利用者主体ではなく自分が主体になりがちな時もありました。定期的に自分の原点に立ち返ることで自己のモチベーションを維持させる効果がありました。
因みに、私が高校生の時に「介護福祉士になろう、介護業界に入ろう」と思った理由は「人にやさしくなれる仕事をしたい」というものでした。現在は湘南国際アカデミーで講師業や受講生、介護事業所様へのサポート業務に従事していますが、今でも「人にやさしくなれる仕事をしたい」という思いを常に維持できるように心がけています。
皆さんもご自分の原点が、様々な困難に遭遇した時に乗り越えられるエネルギーになっているのではないでしょうか。
FAQ|介護福祉士の仕事に関するよくある質問
- Q1.
- A
- Q2.介護福祉士の仕事内容はどんな職場でどのように変わりますか?
- A
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、訪問介護、病院など、働く現場によって業務内容が若干異なります。例えば特養では生活全般のサポートが中心、訪問介護では居宅でのケア、病院では看護師やリハビリスタッフとの連携が重視されます。いずれも、資格を活かしてチームケアを行う点は共通です。
- Q3.介護福祉士を取得すると本当に給与が上がりますか?
- A
施設や事業所によりますが、資格手当が支給されるケースが多く、給与面の優遇が期待できます。また、リーダー職や管理職などキャリアアップの道が開けるため、長期的にも収入面・待遇面でプラスになります。
- Q4.介護福祉士は夜勤が必須ですか?
- A
勤務先や雇用形態によって異なります。特養や老健などでは夜勤があるケースが多いですが、訪問介護やデイサービスであれば基本的に夜勤はありません。夜勤手当がつく分、収入面ではメリットがありますが、体調管理も大切です。
まとめ:介護福祉士国家資格を仕事やキャリアアップに活用
介護福祉士は、現場でのケアから教育やマネジメントに至るまで、幅広く活かせる国家資格です。多様な働き方が選べるうえ、超高齢社会のニーズ拡大とともに需要が高まり続ける分野でもあります。
- 資格取得や現場経験は確かに大変ですが、専門性とやりがいを同時に得られる仕事
- リーダーシップや地域支援などさまざまな役割を担えるため、自分に合ったキャリアパスを見つけやすい
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