こんにちは!
湘南国際アカデミーで介護職員初任者や実務者研修、介護福祉士受験対策講座の講師及び総合サポートを担当している江島です!
第37回(2025年1月26日実施)介護福祉士国家試験を受験された皆さま、本当にお疲れ様でした。
受験を終えた皆さまは、インターネット上の解説速報などで自己採点はされましたか?
まずは、解答を知りたいという方は、当校ホームページの「解答速報」をご覧ください。
全国の介護福祉士合格者が愛用した受験対策テキスト
このページでは、【介護の基本】から出題された問題の解答・解説を致します。
<領域: 介護>介護の基本
問題64
介護福祉に関連する法律に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1「高齢者虐待防止法」は,福祉六法の1つである。
2「障害者総合支援法」は,障害者基本計画の策定を義務づけている。
3 社会福祉法によって,社会福祉士の定義が規定されている。
4 介護保険法は,国民の共同連帯の理念に基づいて介護保険制度を設けている。
5 医師法によって,介護福祉の業務の一部として医行為が認められている。
(注)1「高齢者虐待防止法」とは,「高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。 2「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
解答:4
2000年に施行された介護保険法では、これまで家庭内で家族が担ってきた介護を社会的に支えようという考えのもと、介護保険制度が設けられました。介護を社会的に支えることは、介護の社会化ともいわれます。
問題65
社会福祉士及び介護福祉士法に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 資質向上のために,5年に1回,資格更新研修を受けなければならない。
2 社会福祉士の業務を介護福祉士が行うことは禁じられている。
3 介護福祉士の信用を傷つける行為をしてはならない。
4 介護福祉士は,その業を辞した後は秘密保持義務が解除される。
5 介護福祉士国家試験に合格した日から,介護福祉士を名乗ることができる。
解答:3
介護福祉士や社会福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法に基づき定められており、6つの義務があります。6つの義務は「誠実義務」「信用失墜行為の禁止」「秘密保持義務」「連携」「資質向上の責務」「名称の使用制限」であり、選択肢3は「信用失墜行為の禁止」の説明となり適切です。
問題66
Aさん(75歳,女性)は,3か月前に,血管性認知症 (vascular dementia) を発症し,軽度の左片麻痺で杖歩行となり,要介護3と認定された。Aさんは,料理が大好きで,娘と一緒に食事を作ることを楽しみに生活していた。1か月前から認知症(dementia)が進行し,ユニット型介護老人福祉施設に入所した。Aさんは夕方になると,「ご飯の支度をしないといけないから帰ります」と言いながら,興奮して歩き回る様子がみられるようになった。
Aさんへの介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 居室に鍵をかけて,自室で過ごしてもらう。
2 介護福祉職と一緒に,夕食の準備をしてもらう。
3 杖を預かり,低めの丸椅子に座ってもらう。
4 介護福祉職の判断で,向精神薬を服用してもらう。
5 ここがAさんの自宅であることを理解してもらう。
解答:2
Aさんは料理が大好きで、娘と一緒に食事を作ることを楽しみに生活していたという情報から、選択肢2がAさんの個別性に合わせた対応として最も適切です。
問題67
ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health: 国際生活機能分類)における「参加」と「活動」の2つが関連した,認知症の人の支援に関する記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 若年性アルツハイマー型認知症 (dementia of the Alzheimer's type with early onset)があり,治療している。
2 認知症カフェに通い,体操をしている。
3 近所に住む長男が,買物を代行している。
4 自宅にある広い庭を,バリアフリー化している。
5 見当識障害があり,GPS装置を身に着けている。
解答:2
ICFは「健康状態」「心身機能・身体構造」「活動」「参加」「環境因子」「個人因子」が相互に関係しあい、全体的にその人を捉える考え方です。選択肢2は、認知症カフェに通っている「参加」と、体操をしている「活動」にあたるため適切です。
問題68
次の記述のうち,介護保険制度における訪問介護員(ホームヘルパー)が行うサービス内容として,最も適切なものを1つ選びなさい
1 利用者が大切にしている庭の植木に,水やりをする。
2 利用者が長年飼っている猫のペットフードを,購入してくる。
3 掃き掃除をする習慣のある利用者と一緒に,寝室をほうきで掃除する。
4 利用者と一緒に,近所のラーメン屋に行く。
5 利用者のクレジットカードを預かって,買物を代行する。
解答:3
訪問介護サービスの生活援助では、利用者本人の日常生活の援助が該当します。「利用者本人」の援助であるかどうか、「日常生活」の援助であるかどうかという視点でみると選択肢3が適切です。
問題69
次の記述のうち,介護従事者を守る法制度として,正しいものを1つ選びなさい。
1 労働安全衛生法では,年に1回以上の健康診断を行うことを義務づけている。
2 労働者災害補償保険法では,労働時間、賃金、休暇などの労働条件を定めている。
3 環境基本法では,快適な職場環境の形成の促進を定めている。
4 介護休業は,対象家族1名につき,毎年93日間を取得できる。
5 出生時育児休業は,子の出生後から8週間取得できる。
解答:1
労働安全衛生法は「職場における労働者の安全と健康を確保」するとともに、「快適な職場環境を形成する」目的で制定された法律です。目的のために職場が実施することは複数ありますが、年に1回以上の健康診断を行うことは、そのひとつとなります。
問題70
Bさん(68歳,女性,要介護1)は,ヨーロッパで生まれ育ち,50歳のときに日本人と結婚した。65歳で夫と共に日本で暮らすようになったが,日本語は十分に理解できない。半年前に, 脳梗塞 (cerebral infarction)を起こし,利き手に麻痺があり,立ち上がりも不安定である。現在は,介護老人保健施設に入所し,在宅復帰へ向けたリハビリテーションを行っている。Bさんはこれまでの生活様式を守り,自宅で自分のペースで食事ができるようになりたいと希望している。
次の記述のうち,Bさんへの介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 入所中は母語を使わずに,日本語を話すように伝える。
2 居室の床に布団を敷いて寝起きができるようにする。
3 自分で食事ができるように,自助具の使用状況を確認する。
4 ほかの利用者と同じ時間に食べ終えるように伝える。
5 日本の生活に合わせるように,余暇活動の内容は介護福祉職が判断する。
解答:3
Bさんは、これまでの生活様式を守り,自宅で自分のペースで食事ができるようになりたいという希望を持っています。道具や環境にアプローチすることも介護福祉職として大切な視点です。
問題71
次の記述のうち,チームアプローチに関するものとして,適切なものを 1つ選びなさい。
1 介護福祉職が利用者のところに行って,相談,支援を行う。
2 障害者が,地域の資源を活用して,共生社会の実現を目指す。
3 複数の専門職が共通の目標に向かって協働し,課題解決に取り組む。
4 利用者に代わって,専門職がサービスを決定する。
5 当事者が集まって体験談を話し,共に支えあう。
解答:3
チームアプローチとは、利用者の課題を解決するための目標を多職種間で共有し、その目標に向かって医師、看護師、保健師、介護福祉職、作業療法士、臨床心理士など様々な職種が連携し、それぞれの専門性を発揮して、1人の利用者の支援を行うことです。
問題72
介護保険施設における防災対策に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護福祉士は,災害派遣福祉チームで活動することが義務づけられている。
2 介護福祉士は,防災スキル向上のために,防災士の資格取得が義務づけられている。
3 災害対策基本法に基づき,個別避難計画の作成が施設長に義務づけられている。
4 一般的に,飲料水と非常食は1日分の備蓄が義務づけられている。
5 災害時等に備えて,業務継続計画(BCP: Business Continuity Plan) の策定が義務づけられている。
解答:5
業務継続計画(BCP)とは、災害や感染症などの緊急事態が発生した際に、業務を中断させない、または中断しても短期間で復旧させるための計画です。すべての介護サービス・障害福祉サービス等事業者はBCPを策定することや、その内容を従業者に周知し、必要な研修及び訓練を定期的に実施することが義務付けられました。
問題73
次のうち,結核 (tuberculosis) の予防対策に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 便座のアルコール消毒
2 肺炎球菌ワクチンの接種
3 紫外線を避けた生活
4 年に1回の胸部X線検査
5 50℃以上の温水によるリネン類の洗濯
解答:4
結核は、胸部X線検査(胸部レントゲン検査)で発見できる可能性があります。結核はゆっくり進行することが多く、年に1回の検査を受けることが予防対策につながります。
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
