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第37回(令和6年度) 介護福祉士国家試験 解答解説『総合問題』

  • 介護福祉士受験対策講座
第37回介護福祉士国家試験解答と解説「総合問題」

こんにちは!
湘南国際アカデミーで介護職員初任者実務者研修介護福祉士受験対策講座の講師及び総合サポートを担当している江島です!
第37回(2025年1月26日実施)介護福祉士国家試験を受験された皆さま、本当にお疲れ様でした。
受験を終えた皆さまは、インターネット上の解説速報などで自己採点はされましたか?
まずは、解答を知りたいという方は、当校ホームページの「解答速報」をご覧ください。

全国の介護福祉士合格者が愛用した受験対策テキスト

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このページでは、【総合問題】から出題された問題の解答・解説を致します。

総合問題

(総合問題1)  

次の事例を読んで,問題114から問題116までについて答えなさい。  

〔事例〕 

 Aさん(70歳,男性)は,妻と二人で暮らしている。旅行や釣りが趣味で,会社員として勤務していたころは,活動的な生活を送っていた。66歳のときにパーキンソン病 (Parkinson disease) と診断されたが,内服治療が開始され,症状はあまり気にならなかった。1年前から顔の表情が乏しくなり,歩行開始時に,はじめの一歩が出にくくなった。3か月前からは,歩き始めると方向転換が難しく,急に止まることができないことがある。  

Aさんは,今後の生活について相談するために,地域包括支援センターに行った。センターで対応してくれたB主任介護支援専門員は,介護福祉士としての実務経験が豊富だった。Aさんは信頼して,気になっていたことをすべて話すことができた。Aさんは,要介護認定を申請することを勧められ,後日,市役所に行き,要介護認定の申請を行った。  

問題114

現在のAさんの症状に該当するホーエン・ヤール重症度分類として,最も適切なものを1つ選びなさい。  

1 ステージⅠ  

2 ステージⅡ  

3ステージⅢ 

4 ステージⅣ  

5 ステージⅤ  

解答:3 

解説

ホーエン・ヤール重症度分類は、パーキンソン病の進行度を示す指標です。ステージⅢは、小刻みに歩く。すくみ足がみられる。方向転換のとき転びやすくなるなど、日常生活に支障が出る状態です。Aさんの状態から選択肢3が最も適切となります。 

問題115

要介護認定を申請してから2週間が経過した。Aさんは要介護認定の認定結果が届かないことが気になった。そこで,以前に対応してくれたB主任介護支援専門員に電話で相談した。  
次のうち,B主任介護支援専門員の応答として,最も適切なものを1つ選びなさい。 

1 「次の受診時に主治医に相談しましょう」  

2 「通常1か月程度かかるので,あと2週間くらい待ってみましょう」  

3 「以前に自宅に来てくれた認定調査員に相談しましょう」  

4 「念のためにもう一度要介護認定を申請してください」  

5 「通常であれば認定結果は出ていると思います」  

解答:2 

解説

要介護認定は原則として申請から30日以内に結果が本人に通知されます。2週間が経過したという問題文の記述から、選択肢2の応答が最も適切です。 

問題116

最近,Aさんは急に体の動きが悪くなる時間帯があり,不安を感じた。そこでAさんは,週に2回利用している訪問介護員(ホームヘルパー) に相談した。相談を受けた訪問介護員(ホームヘルパー)はAさんに,日々の症状の変化とその時間,さらにもう一点をメモして,医師に伝えるようにと助言した。  
 日々の症状の変化とその時間に加えて,Aさんが医師に伝える内容として最も優先度の高いものを1つ選びなさい。  

1 服薬の時間  

2 起床の時間  

3 食事の時間  

4 排便の時間  

5 入浴の時間  

解答:1 

解説

パーキンソン病は服薬による影響が出やすい側面があります。Aさんは急に体の動きが悪くなる時間帯があり不安を感じたという問題文の記述から、日々の症状の変化とその時間に加えて服薬時間を医師に伝えることは、適切な診断のための情報となります。 

(総合問題2)  

次の事例を読んで,問題117から問題119までについて答えなさい。  

〔事例〕  

Cさん(90歳,女性)は,動物好きで長年ペットのオウムを飼っている。5年前に夫が亡くなったときも,ペットが大きな心の支えになった。2年前,身体の衰えから買物や調理などの家事が難しくなり,一人暮らしが困難になったので,ペットと入所できる健康型有料老人ホームに入所した。  
 最近Cさんは,毎週楽しみにしていたレクリエーションがある曜日や時間を忘れてしまう,トイレの場所がわからず失禁するなどの症状が繰り返し生じるようになってきた。心配した娘がCさんと病院を受診したところ,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type) と診断を受けた。  

健康型有料老人ホームでは対応が困難になってきたため,心配した娘はCさんが入所できる施設に移ることを検討し始めた。 

問題117

次のうち,最近のCさんの症状に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。  

1 妄想  

2 見当識障害  

3 失語  

4 遂行機能障害  

5 観念失行  

解答:2 

解説

 レクリエーションがある曜日や時間を忘れてしまう、トイレの場所がわからず失禁するなどの症状が繰り返し生じるようになってきたという問題文の記述から、「時間の見当識」「場所の見当識」「人の見当識」のうち、時間と場所の見当識障害があらわれていると考えられます。

問題118

娘はCさんの病状を心配して,「お父さんが残してくれた貯金があるから,もっとお母さんのお世話をしてくれる施設に移ろう」と提案した。Cさんは,「ペットと一緒に暮らせなくなるのは嫌だ」とつぶやき,うつむいた。困った娘は健康型有料老人ホームの介護福祉士に相談した。  

次のうち,娘への介護福祉士の応答として,最も適切なものを1つ選びなさい。  

1 「Cさんがペットを大事にしている意思を尊重してはいかがですか」  

2 「Cさんが新しい施設に行くことが最優先です」  

3 「あなたの意向を優先してはいかがですか」  

4 「Cさんがペットを飼うことは優先度の高いニーズとは言えません」

5 「Cさんが新しい施設に行くことを受け入れるように説得してください」  

解答:1 

解説

 「ペットと一緒に暮らせなくなるのは嫌だ」とつぶやき、うつむいたというCさんの思いを代弁し、娘へ伝えることは介護福祉職として選択肢のなかで最も適切です。

問題119

 Cさんと娘は介護福祉士と相談し,希望に沿った施設を見つけることができた。  
次のうち,Cさんが入所する施設として,最も適切なものを1つ選びなさい。 

1 経過的軽費老人ホーム (B型)  

2 介護医療院  

3 介護老人保健施設  

4 養護老人ホーム  

5 介護付有料老人示一厶  

解答:5 

解説

健康型有料老人ホームでは対応が困難になったCさんが入所する施設として、介護サービスが提供されることが条件となります。医療に関するサービスやリハビリテーションに関するサービスは必要と考えられないことから、選択肢のなかでは介護付き有料老人ホームが最も適切です。 

(総合問題3)  

次の事例を読んで問題120から問題122までについて答えなさい。  

〔事例〕  

Dさん(男性,障害支援区分4)は,ベッカー型筋ジストロフィー(Becker muscular dystrophy) である。自宅で家族と生活をしている。Dさんは,食事は自立しているが,排泄,入浴に介護が必要である。歩行はできず,移動は電動車いすを使用している。絵を描くことが趣味であり,日中は創作活動に取り組んでいる。  

これまでDさんは自宅で家族の介護を受けながら生活してきたが,Dさんの身体機能の低下に伴い,家族の介護負担が増えたため居宅介護を利用することになった。 

問題120

Dさんの疾患で生じる病態として適切なものを1つ選びなさい。 

1 筋線維の変性  
2 運動神経の変性  
3 網膜の変性  
4 自己免疫の低下  
5 脳細胞の変性  

解答:1 

解説

筋ジストロフィーは、骨格筋の壊死、再生を主とする遺伝性筋疾患の総称で、選択肢1が適切です。なおベッカー型は、一般的なタイプの筋ジストロフィーとされているデュシェンヌ型筋ジストロフィーより症状は軽いといわれています。 

問題121

E居宅介護事業所に勤務するF介護福祉職は,Dさん宅を初回訪問するにあたりフェイスシートのジェノグラムを確認した。以下のジェノグラムからF介護福祉職が把握した内容として適切なものを1つ選びなさい。 

1 Dさんは,Dさんの母親と同居している。  

2 Dさんには息子がいる。  

3 Dさんの兄は結婚している。  

4 Dさんの父親は生存している。  

5 Dさんの妻には兄弟姉妹がいる。  

解答:2 

解説

ジェノグラムとは、家族や親族の関係を図式化した家系図のようなもので、世代関係図や家族関係図とも呼ばれます。厳密なルールはありませんが、一般的に本人を二重のマークとし、男性女性を図形の形で表し、結婚関係、親子関係を図形とつなぐ線、同居を点線で表します。問題のジェノグラムを確認すると選択肢2が適切です。 

問題122

Dさんが居宅介護を利用してから数年が経過し,Dさんの身体機能は徐々に低下して,着替えに時間がかかるようになった。Dさんは自分のことはできるだけ自分で行いたいという思いがあり,時間がかかっても自分で着替えをしていた。  
ある日,DさんはF介護福祉職に,「着替えをすると疲れてしまい,絵を描くことができない」とつぶやいた。F介護福祉職は,「着替えは私たちや家族の介護を利用して,Dさんは好きな絵を描いたらいいのではないですか」と伝えた。その後,Dさんは介護福祉職と家族の介護を利用して,短時間で着替えを済ませ,絵を描くことに専念できるようになった。  

F介護福祉職が発言した自立観を示した人物として,最も適切なものを1つ選びなさい。 

1 ヴィクトール・フランクル (Frankl, V.)

2 バンクーミケルセン (Bank-Mikkelsen, N.)  

3 エド・ロバーツ (Roberts, E.)  

4 フェリックス・バイステック (Biestek, F.)  

5 ミルトン・メイヤロフ (Mayeroff, M.)  

解答:3 

解説

1960年代~1970年代にアメリカではじまった自立生活運動(IL運動)において、エド・ロバーツ当事者運動の代表者として知られています。自立生活運動(IL運動)は、自立とは自己決定であるという概念を提唱し、F介護福祉職が発言した自立観を示した人物として最も適切です。

(総合問題4)  

次の事例を読んで,問題123から問題125までについて答えなさい。  

〔事例〕  

Gさん(38歳,女性)は,母親(65歳)と暮らしていた。両側性感音難聴 (sensorineural hearing loss)があり,雑音がある場所では話を聞き取りにくい。相手の口の動きや表情から会話の内容を理解することはできる。Gさんは,脳梗塞 (cerebral infarction)を発症し,左片麻痺で車いすの生活となり,障害支援区分4と認定された。母親による介護が難しくなったため,障害者支援施設に入所することになった。  

Gさんは,写真を撮ることが好きで,施設で近くの公園に出かけたときに,介護福祉職に手伝ってもらいながら好きな風景を撮影している。Gさんは,その写真をアルバムにして,母親にプレゼントしたいと考えている。 

ある日,Gさんから,「アルバムを作りたい。 飾りの付け方やメッセージの書き方を教えてほしい」と相談があった。介護福祉職は,Gさんとアルバムを作ることにした。

問題123

次のうち,Gさんが施設入所支援と同時に利用している障害福祉サービスとして,適切なものを1つ選びなさい。  
 
1 自立生活援助

2 療養介護  

3 短期入所  

4 生活介護  

5 居宅介護  

解答:4 

解説

主に昼間において、日常生活上の支援、創作的活動・生産活動の機会提供のほか、身体機能や生活能力の向上のために必要な援助を行うサービスを生活援助といいます。選択肢4が、施設入所支援と同時に利用している障害福祉サービスとして適切です。

問題124

次のうち,Gさんの難聴の原因となっている損傷部位に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。  

1 内耳から聴神経  
2 外耳道から中耳  
3 耳介から中耳  
4 耳介から外耳道  
5 耳介  

解答:1 

解説

両側性感音難聴という情報から、音を感じる役割のある内耳または聴神経が原因と考えられます。 

問題125

次の記述のうち,Gさんに介護福祉職がアルバムの作り方を説明するときに配慮することとして,最も適切なものを1つ選びなさい。  

1 Gさんの左側に座る。  
2 閉じられた質問を用いる。  
3 小さな声で話す。  
4 Gさんの好きな音楽を流す。  
5 1対1で向かい合って話す。 

解答:5 

解説

Gさんは、雑音がある場所では話を聞き取りにくく、相手の口の動きや表情から会話の内容を理解することはできる。という記述から、口の動きや表情を読み取りやすい選択肢5が最も適切です。 

この記事を書いた人
元ユニットリーダー研修指導者。10年在籍した介護老人福祉施設の現場では、研修受け入れ担当者として、年間100名以上の研修生の指導にあたる。湘南国際アカデミーでは、介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士国家試験受験対策講座の講師や介護福祉士受験対策テキストの執筆などを担当する傍ら、ケアする側もケアするという立場で、介護をする側のQOL向上のためのイベントや総合的なサポートを手掛けている。
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
江島 一孝
藤沢校・横須賀校・海老名校・相模大野校・横浜戸塚校・横浜馬車道関内校・小田原校・大和校・横浜二俣川校
【所持資格】
介護福祉士・介護福祉士実習指導者・介護支援専門員・福祉用具専門相談員