介護現場では高い専門性や多職種連携が求められており、介護福祉士資格を取得した後も継続的にスキルアップを図ることが重要とされています。2025年以降も今以上に介護人材の需要は拡大し、多様な業務を担える人材が求められる見通しです。
本記事では、介護福祉士資格からさらにキャリアを広げるためにおすすめの資格や研修について、具体的なメリットや取得ルートを解説していきます。
今後の介護現場では、医療面のケアやレクリエーションを含む総合的な支援が求められるようになります。資格を上手に活かして自分の得意分野を磨き、多様なキャリアチャンスを手に入れましょう。
介護福祉士の資格を活かしたキャリアパスの全体イメージ
まずは介護福祉士としての専門性を活かしながら、どのようなキャリアパスを描けるのか、全体像を把握しておきましょう。
介護福祉士の資格を取得している方は、対人援助の基本的なスキルを備えているため、実務経験を重ねることでさらに多岐にわたる業務を担えるようになります。例えば、施設ケアから在宅介護、福祉用具の活用やレクリエーション企画など、幅広く対応できる点が大きな強みです。新たな資格や研修を追加で取得することで、自分のキャリア目標に合わせて専門性を深めたり、業務範囲を広げることが期待できます。介護業務の領域に限らず、相談業務や教育分野へステップアップする道もあるため、まずは全体を俯瞰しながら行きたい方向性を明確にしていくことが大切です。
介護福祉士取得後におすすめの追加資格・研修
介護福祉士としての知識や実務経験を活かし、さらに専門的な技術や知識を身につけることで、業務の幅を広げられます。
介護の現場では、高齢者や障害のある方のニーズが多様化しており、専門的な研修や資格の取得は重要性を増しています。例えば、喀痰吸引など医療的ケアのスキルを取得することで、現場での存在感も高まります。また、認定介護福祉士や認知症介護の研修などより深い専門性を身につけることで、チームリーダーや指導的な立場に進む道も開けるでしょう。
認定介護福祉士の特徴とメリット
認定介護福祉士は、介護福祉士の上位資格として、介護現場のリーダーシップやマネジメント能力を高める研修内容が特徴です。利用者一人ひとりに合わせた支援計画を立て、それをチームで実践していくための調整力を身につけられます。さらに、多職種との連携を円滑に進めるコツを学ぶことで、利用者とその家族のみならず、職場全体をまとめる役割を担いやすくなるメリットがあります。
喀痰吸引等研修を受講して仕事の幅を広げる
喀痰吸引等研修を受講すると、医師からの指示を前提に、喀痰吸引や経管栄養といった医療的ケアに携われるようになります。喀痰吸引や経管栄養に関するニーズは高まっているため、スキルアップとして大きな要素となります。介護職の人材不足とともに看護師の人材不足も話題になっていますので、資格を取得して医療的ケアも行える介護職になることの意義は非常に大きいでしょう。
喀痰吸引等研修に関しての詳細は、以下のページをご覧ください
介護支援専門員(ケアマネジャー)の役割と取得メリット
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、ケアプランの作成や介護保険サービス事業所との連絡調整を担当する、いわば介護のコーディネーターといえる存在です。介護福祉士の現場経験を活かして利用者に適切なプランを提案できるため、取得後は現場と管理者側の橋渡し的な役割を担いやすくなります。デスクワークや相談業務が中心になるため、肉体的負荷を軽減しつつも介護全体の流れに深く関わり続けられる点もメリットです。
ケアマネジャー(介護支援専門員)に関しての詳細は、以下のページをご覧ください
認知症介護実践者研修・リーダー研修で専門性を高める
認知症介護実践者研修は、認知症のある方への支援方法を理論と実践の両面から学ぶ機会として非常に有益です。さらにリーダー研修を受講すれば、他のスタッフに対して認知症ケアに関する知識を伝える役割を担えるようになります。介護現場では認知症高齢者の割合が高まっているため、専門性が高い人材として活躍の場が幅広がるでしょう。
認知症介護実践者研修に関しての詳細は、以下のページをご覧ください
認知症介護実践リーダー研修に関しての詳細は、以下のページをご覧ください
レクリエーション介護士
レクリエーション介護士は、高齢者や障害のある方の心身機能を維持・向上させるためのプログラムを企画・実施できる資格です。介護の合間に行うアクティビティの内容を充実させることで、利用者の生活意欲や楽しみを支えるのに役立ちます。日々の介護業務だけでなく、利用者の感情面やコミュニケーション促進にも深く寄与するため、現場での存在感を高める資格といえます。
レクリエーション介護士に関しての詳細は、以下のページをご覧ください
ガイドヘルパー
ガイドヘルパーは、主に屋外での移動や外出の際にサポートを行う役割を担います。買い物や通院など、日常生活に不可欠な外出機会を支えるだけでなく、利用者にとっての社会参加を促進できる点が魅力です。介護福祉士の基礎知識と組み合わせることで、利用者の安心感をさらに高めることができます。
全身性障害者ガイドヘルパー養成研修に関しての詳細は、以下のページをご覧ください
同行援護従事者養成研修
同行援護は、視覚に障害のある方に特化した移動支援を行う際に必須となる研修です。歩行の誘導方法や安全確保の仕方を学ぶことで、利用者の外出意欲を高めるサポートができるようになります。介護福祉士としての総合的な支援スキルにプラスすることで、より幅広いニーズに応えられるようになるでしょう。
重度訪問介護従事者養成研修
重度訪問介護従事者養成研修は、障害支援区分4~6の認定を受けている重度障害をお持ちの方の自宅などでの介護を重点的に学ぶことができます。障害福祉に関する知識や医療に関連した知識を習得することができ、スキルアップにつながる資格といえます。
重度訪問介護従業者養成研修に関しての詳細は、以下のページをご覧ください
介護福祉士資格を活かして教育者・指導者を目指せる資格
介護スキルを指導する立場や、次世代の介護人材を育成するキャリアパスについて紹介します。
教育や指導の分野に進むことで、自分が培ってきた介護技術や知識を広く伝えることができます。特に現場経験のある講師や指導員は、具体的な事例を踏まえた実践的なアドバイスを行えるため、多くの受講生にとって頼れる存在となります。自分自身のスキルをさらに深めつつ、育成する喜びを得られる点も大きな魅力です。
実務者研修教員講習会で講師を目指す
実務者研修教員講習会では、教育の理論や指導方法に加え、研修の組み立て方を学ぶことができます。実務者研修介護過程Ⅲは、介護福祉士として5年以上の実務経験に加え、この講習会を修了することが講師要件となっています。実務者研修の講師として活躍すること以外にも、職場の教育担当者としてのスキルアップを目的として受講する方々も多いのが特徴です。また、講師という立場を経験することは、現場でのリーダーシップにもつながるので、将来的に管理職を目指す方にもメリットがあります。
実務者研修教員講習会に関しての詳細は、以下のページをご覧ください
認知症介護指導者研修
認知症介護指導者研修は、認知症ケアにおける専門知識をさらに深め、現場スタッフや家族への指導を担う人材を育成する研修です。認知症ケアは多様化や高度化が進んでおり、知識のアップデートと適切な対応スキルの習得が不可欠となっています。認知症介護実践者研修、認知症介護実践リーダー研修を修了した先にチャレンジが可能な上位資格となりますが、研修を修了すれば現場での相談役や研修講師としてだけでなく、地域を支える専門職として大きく貢献できます。
介護福祉士からさらにキャリアアップ|三福祉士を目指す
三福祉士という言葉を聞いたことがあるでしょうか。三福祉士とは、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士の3つの国家資格を指します。
介護福祉士は三福祉士の一角を担う資格であり、さらに社会福祉士や精神保健福祉士を取得すると、高齢福祉、障害福祉、児童福祉等での相談援助など、より幅広い業務に携われるようになります。各福祉士は共通点も多い一方で、専門領域が異なるため、取得後は自分の関心や職場のニーズに合わせて活躍の場を広げることができます。
社会福祉士が担う業務と取得までの流れ
社会福祉士は、生活に課題を抱えるあらゆる人に対して相談援助を行い、行政や医療、教育など様々な機関との連携をコーディネートするスペシャリストです。試験内容は相談援助理論や社会保障制度など幅広い範囲に及びますが、介護福祉士としての実務経験があれば理解を深めやすい分野も多いです。受験要件は福祉系大学の卒業や、一般大学卒業後に養成施設等を卒業するルート、相談援助実務経験ルート、さらにこれらの組み合わせ等、複数のルートがありますので、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページを確認するとよいでしょう。受験要件のハードルは高くなっていますが、より包括的な視点で利用者の生活全体を見つめたい方にとって、意義のある選択肢となります。
参照元:【公益財団法人社会福祉振興・試験センター公式HP】
社会福祉士に関しての詳細は、以下のページをご覧ください
精神保健福祉士が担う業務と取得までの流れ
精神保健福祉士は、精神障害や心の疾患を持つ方への相談援助に特化した国家資格です。医療機関や福祉施設だけでなく、行政機関や企業でのメンタルヘルス対応など、多彩なフィールドで活躍する機会があります。受験要件は保険福祉系大学等の卒業や、一般大学卒業後に養成施設等を卒業するルート、相談援助実務経験ルート、さらにこれらの組み合わせ等、複数のルートがありますので、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページを確認するとよいでしょう。受験要件のハードルは高くなっていますが、精神障害や心の疾患を持つ方への相談援助に興味がある場合のスキルアップにつながります。
参照元:【公益財団法人社会福祉振興・試験センター公式HP】
【他職種への転職】介護福祉士が目指せる職種別資格
介護領域以外の医療職種へ転向したい方に向けて、取得可能な資格とそのポイントを解説します。
介護福祉士資格を持っていると、利用者とのコミュニケーション力やケアの経験を強みに、関連する医療資格へ転身しやすい場合があります。看護師や理学療法士などの資格は、実務と座学の両面でハードルが高い部分もありますが、すでに介護現場で培った知識が活きる局面が多くあります。資格取得後は、単なる転職ではなく、さらなる専門領域のプロとしてキャリアを築くことも可能です。
看護師・准看護師への道と介護経験の活かし方
看護師や准看護師の資格を取得するには、専門の養成校や看護系大学への進学が必要となります。介護福祉士として身体介助の経験を豊富に積んでいれば、高齢者や重症患者へのケアにおいて即戦力として評価されやすいです。看護師免許を得た後も、介護の視点を併せ持つことで、利用者の心身両面を包括的に支援することができます。
理学療法士・作業療法士へのキャリア転換のポイント
理学療法士や作業療法士はリハビリテーションを専門とし、身体機能や日常生活動作の改善を目指す医療の要職です。介護福祉士の経験を通じて得た、利用者の状態把握やコミュニケーションスキルは、リハビリ計画の提案や実施にも大いに活かされます。学校での学習や国家試験の難易度は高いですが、その分取得後の専門性も高く、介護領域と併せればより幅広い活躍が期待できます。
ダブルライセンスとは?介護福祉士と看護師の取得メリット
介護と看護のダブルライセンスは、医療・福祉の両面で専門性を発揮でき、利用者満足度の向上にも貢献できます。
介護福祉士の視点は利用者の日常生活をしっかりと支えることにあり、一方で看護師の視点は医療的な観察力と処置に重点があります。この両者を併せ持つことで、処置後の生活支援からリハビリテーション的アプローチまで、一貫性のあるケアを実現しやすくなります。利用者や患者から信頼を得やすいだけでなく、チームの中心としてアドバイス役を果たせるなど、職場全体で重要なポジションを担う可能性が高まります。
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介護と医療でキャリアの幅拡大と業務範囲の広がり
看護師資格を取得すると、医師の指示のもと注射や点滴などの医療行為を行えるようになり、急変時の適切な判断や臨機応変な対応が求められます。一方で、介護福祉士の経験があるため、コミュニケーションを重視した接遇や日常生活面のケアなど、医療だけでは埋めにくい部分にもアプローチできます。結果として、需要が高い包括的ケアを提供できる人材として評価されるでしょう。
待遇・収入アップが期待できる理由
ダブルライセンスを持つ人材は、医療と介護の両面で対応可能なため、雇用先にとって非常に貴重な存在となります。職場での配置転換がしやすく、必要に応じて多様な業務をカバーできる点も評価を高める一因です。結果として、待遇面や給与面での優遇が期待でき、キャリアの選択肢が広がるというメリットがあります。
FAQ|介護福祉士 次の資格に関するよくある質問
「介護福祉士を取ったけど、次はどんな資格を目指せばいいの?」と悩む方は少なくありません。ここでは、現場でさらに活躍したい方や、キャリアアップを目指す方に向けて、介護福祉士の次に取るべき資格に関するよくある質問を分かりやすくご紹介します。
- Q1.介護福祉士の次におすすめの資格は何ですか?
- A
代表的なステップアップ資格としては、認定介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)があります。また、喀痰吸引等研修や認知症介護実践者研修も現場力を高めるうえで非常に有効です。自分の目指す働き方や強みを活かせる資格を選ぶことが大切です。
- Q2.
- A
ケアマネジャー(介護支援専門員)になるには、介護支援専門員実務研修受講試験を受験する必要があります。受験要件は、介護福祉士、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士などの指定資格を持ち5年以上の実務経験が必要です。介護福祉士としての経験を活かし、利用者に最適なケアプランを提案する専門職としてステップアップする方々は多くいます。一方で、ケアマネジャーの職種に就かず介護現場で活躍を続けたいと考える方々のなかにも、知識を深めてスキルアップすることを目的として受験に臨むケースも多くみられます。
- Q3.教育や講師としての道に進むにはどの資格が必要ですか?
- A
教育者・講師を目指すには、実務者研修教員講習会や認知症介護指導者研修の受講がおすすめです。受講後は、研修講師として活躍したり、職場の後進育成の中心を担ったり、キャリアの道が広がることは間違いありません。湘南国際アカデミーでは、実践経験豊富な指導者を目指す方を全力でサポートしています。
まとめ |介護福祉士の次のキャリアアップを目指しましょう
介護福祉士としての資格と経験は、キャリアの出発点にすぎません。医療的ケアやマネジメント、教育・相談業務など、あなたの可能性をさらに広げる「次の資格」は数多く存在します。自分の得意や興味、ライフスタイルに合った資格を選ぶことで、介護の現場での役割がさらに広がり、やりがいも深まっていくでしょう。
湘南国際アカデミーでは、初任者研修・実務者研修はもちろん、認知症介護実践者研修や教育者を目指す講習など、介護福祉士のその先を見据えたサポート体制を整えています。
資格取得後のキャリアアップに不安のある方も、まずは無料の資料請求や個別相談でお気軽にご相談ください。あなたの“次の一歩”を、湘南国際アカデミーが全力で応援します。
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
