この記事は連載コラム「はじめまして!ここからはじまる障害者支援の世界」の第3回です
「身体障害者の方ってどんな方?」とたずねて、みなさんはどんな方を思い浮かべますか?車いすで電車に乗っている方、白い杖を持って街を歩いている方、手話で友達と会話をしている方。きっと、思い浮かべる人・シチュエーションは人それぞれだと思います。
今回のコラムでは「身体障害者」について、お話をさせていただきたいと思います。「身体障害者」については、3回にわけてお伝えしていきます。今回は、その1回目「身体障害者とは、どのような人なのか」からスタートしていきます。
身体障害者とは:身体障害者福祉法の背景から知る
身体障害者とは、法律的な定義はもちろんあります(身体障害者福祉法)。もともとは、第二次世界大戦により多くの人たちが戦場に出て、手や足をなくしてしまったり、一般市民の人たちが爆撃などで身体に障害を負いました。この事実も背景のひとつとなり、みんなが幸せに生活できるためにとできたのが「身体障害者福祉法」です。
身体障害者福祉法では、身体障害者を「別表に掲げる身体上の障害がある18歳以上の者であって、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたもの」と定義しています。(参照:身体障害者福祉法(e-Gov法令検索))
身体障害の5つの種類
「身体障害」と言っても、様々な障害があります。大きく分けると以下の5つに分かれていきます。
① 視覚障害(目が見えない・見えにくい)
② 聴覚・言語障害(耳が聞こえない・話すことが難しい)
③ 肢体不自由(身体が動かない・動きづらい)
④ 内部障害(見た目には分からないけれど、身体の内側に障害がある)
⑤ 平衡機能障害(バランスを保つことが難しい)
身体に障害があることで、生活の中で困ることはたくさんあります。でも、その「困ること」は、本人の身体だけが理由なのでしょうか?
「見え方」を変えると、世界が変わる
本人の中にある障害と、本人のまわりにある障害——この2つの考え方で「障害」をみていくと、同じ「身体障害者」の方がまったく違うように見えてきます。
「車いすで歩けない人」とみるか、「車いすなら好きな場所へ出かけられる人」とみるか。
「目が見えなくて困っている人」とみるか、「ガイドヘルパーさんと一緒に買い物を楽しめる人」とみるか。
「耳が聞こえない人」とみるか、「手話を使って友達とカフェで時間を過ごしている人」とみるか。
本人が変わるのではなく、まわりが(社会が)変わっていけば、困ることはひとつ、またひとつと、なくなっていきます。

介護福祉士・保育士
前回の「社会モデル」の話を覚えていますか?この「見え方を変える」という視点は、まさに社会モデルの実践です。「できないこと」ではなく「できること・できる可能性」に目を向ける——それが、障害者支援の現場で働くうえでとても大切な姿勢だと、現場で実感してきました。
テクノロジーが変える、身体障害者の未来
私は、未来を想像します。「ドローン型車いすで段差を気にせず外出ができる未来」を、「AIカメラ内蔵のサングラスをすれば、一人で街に買い物ができる未来」を、「AI機能が思いをすべて言葉にして誰とでも話せる未来」を。
社会や技術が発達すれば、すべての障害がなくなるとはさすがに言えません。ただ、今日よりはよくなるのではないかなと。
その向こう側に、身体障害者の方、一人ひとりの「自分らしさ」「幸せ」があるのではないでしょうか。
身体障害・障害者支援に関するよくある質問
- Q1.身体障害者手帳とは何ですか?
- A
身体障害者手帳は、身体障害者福祉法に基づき、一定の障害がある方に都道府県知事から交付される手帳です。障害の程度によって1級から6級に区分されており、所持することで各種福祉サービスや税制優遇、公共交通機関の割引などを受けることができます。(参照:厚生労働省「身体障害者手帳について」)
- Q2.内部障害とはどのような障害ですか?
- A
内部障害とは、心臓・腎臓・呼吸器・膀胱・直腸・小腸・免疫機能(HIV)・肝臓などの内臓機能に障害がある状態を指します。外見からは分かりにくいため「見えない障害」とも呼ばれます。電車内の優先席利用や長時間の立位が困難なケースも多く、周囲の理解が特に重要な障害のひとつです。
- Q3.介護職員初任者研修を持っていると、身体障害者支援の仕事に活かせますか?
- A
はい、大いに活かせます。初任者研修で学ぶ身体介護技術(移乗・移動の介助など)や、コミュニケーションの基礎は、身体障害者の居宅介護や訪問介護の現場でそのまま活用できます。特に肢体不自由のある方への介助では、介護資格で学んだ知識が直接役立ちます。
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次回(第4回)は、「身体障害者②」として、身体障害のある方が利用できるサービスや支援制度について詳しくお伝えします。
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2023年11月より湘南国際アカデミー専任講師として、初任者研修・実務者研修・介護福祉士受験対策講座及びガイドヘルパーや同行援護従事者養成研修など、障害福祉分野の研修を担当。
「福祉=幸せ」をテーマに、知識・技術に加えて「心」の大切さを重視し、一期一会の精神で受講生に寄り添っている。






