
江島一孝(介護福祉士)
この記事の監修者
介護福祉士、実習指導者、介護支援専門員として10年以上の経験を持ち、湘南国際アカデミーで介護職員初任者研修や実務者研修の講師、介護福祉士国家試験の対策テキスト執筆を担当。
「実技って難しそう…」そんな不安はありませんか?
介護職員初任者研修は、介護の基礎知識と技術を身につける入門資格として知られています。本記事では特に「実技」に焦点を当て、実技授業や試験内容、そして合格のための秘訣について詳しく解説します。
実技では、移乗や着脱といった身体介助の基本から、利用者への声かけや安全な姿勢確保まで、現場で即役立つノウハウを学べるのが大きな特長。湘南国際アカデミーでは、初心者でも安心して学べる指導体制を整えており、多くの受講生から「わかりやすい」「現場対応がしやすくなった」と高い評価を得ています。
本記事は、介護現場歴10年以上の介護福祉士である筆者(監修者)が、実技対策に不安を感じている方へのポイントをまとめました。これから初任者研修を受講しようとしている方や、すでに学習を進めている方に役立つ内容となっています。
介護職員初任者研修 実技の概要と特徴

実技では何を学ぶのか?
介護職員初任者研修の大きな柱の一つである「実技」では、身体介護の基本的な動作(移乗や排泄介助など)や、日常生活支援に欠かせない技術を具体的に学びます。座学で得た知識を“身体で覚える”ことで、テキストだけでは得られない感覚や利用者目線の理解を深められる点が特長です。
座学と実技の違い

- 座学
- 介護保険制度、倫理、コミュニケーション理論などの理解
- テキスト中心の学習が多い
- 実技
- 車いすやベッドへの移乗、衣類着脱サポートなど、実際に体を使う介助技術
- 利用者役とのコミュニケーションも合わせて習得
実技は、現場で必要な「即戦力」を育むための大切なプロセスです。講師や仲間と演習を行うことで、安全で正しい介護動作を身に付けると同時に、利用者への配慮や声かけの方法を実践的に学べます。
実技の時間数
介護職員初任者研修のカリキュラムは、合計130時間程度が標準とされています。そのうち、実技演習は60時間前後が目安(自治体やスクールにより若干の違いあり)。人によっては最初は戸惑うかもしれませんが、授業を重ねるうちに自然とコツがつかめるようになります。
介護職員初任者研修の主な実技内容

ここでは介護職員初任者研修の実技授業で重点的に学ぶ内容と、その具体的な手法を見ていきます。
初任者研修に関しての詳細は、以下のページをご覧ください
1)移乗・移動の介助
車いすへの乗り移りや、ベッドからの起き上がりサポートなど。利用者が腰や膝に負担をかけず、安全に姿勢を変えられるようにする技術です。
- 声かけタイミング:利用者が安心できるよう事前説明を入れる
- ボディメカニクスの活用:介護者自身が腰を痛めない正しい姿勢を学ぶ
2)排泄介助
排泄時に利用者が快適に過ごせるよう、トイレ誘導やオムツ交換などを行います。匂いや衛生面への配慮が重要で、利用者の尊厳を守りながら進めるのがポイント。
- おむつの外し方・当て方:肌トラブルを防ぐための適切な装着方法
- プライバシー確保:パーテーションやカーテンなどを使用して羞恥心を低減
3)食事介助

口腔ケアや誤嚥予防の方法、スプーンの使い方など、介護者がサポートすべきポイントを実践で習得します。食材の形状や嚥下状態に合わせた配慮も学べます。
- 利用者のペースを尊重:焦らせず、飲み込みを確認しながら食事を進める
- 姿勢の保持:誤嚥を防ぐためにも、食事中の上体起こしを徹底する
4)衣類の着脱サポート
衣服の交換時に負担が少ない手順を学びます。利用者の動きに合わせつつ、自分の体にも過度な負担をかけない方法を体得することが大切。
- 患側優先(半身麻痺など):麻痺がある方の着脱手順を学ぶ
- プライバシー保護:肌の露出を最小限にするタオル掛け技術など
5)コミュニケーション実技

実技では、声かけや表情など非言語コミュニケーションも重視されます。利用者の表情読み取りや和やかな雰囲気づくりが実務で大きく役立つ要素です。
初任者研修の実技試験がある場合のポイントと対策

介護職員初任者研修の中には、実技試験を行うスクールも存在します(多くは筆記試験が中心ですが、学校により試験形式が異なる)。ここでは、実技試験へ備えるための主なポイントを整理します。
- 安全性と手順の正確さ
移乗介助などで正しい姿勢と声かけを行い、安全第一を意識することが重要。
指示された動作や段取りをミスなくこなせるかどうかが評価対象。 - 利用者目線の声かけ
「いまから○○しますね」と相手に安心感を与える声かけができるか。
無言で作業を進めると不合格のリスクあり。 - 身体の使い方(ボディメカニクス)
自分自身の体を守るためにも、腰を落として持ち上げる姿勢を習慣化する。
手本通りに進めつつ、スムーズで負担が少ない介助を心がける。
実技試験対策:何をすれば良い?
- 問題点を講師に相談
細かい動きや声かけのタイミングなど、自己判断しづらい部分は積極的に質問する。講師のフィードバックで理解が深まる。 - 講師や仲間との反復練習
実技授業で行った操作を、自宅でもイメージトレーニングしたり、クラスメートとロールプレイを繰り返すと上達が早い。 - 動画やテキストの再確認
スクール配布のテキストや、公式の介護技術動画(※厚生労働省や福祉関連機関が公開している場合あり)を見直し、手順を頭に叩き込む。
実技試験や筆記試験に落ちた場合の再試験
実技試験や筆記試験に万が一落ちてしまっても、研修機関によっては再試験や補習を受ける機会が設けられます。自分の弱点を明確にして重点的に学習すれば、次の試験で合格を勝ち取る可能性は十分に高いです。諦めずに何度でもチャレンジし、実技力と知識を総合的に高めることが大切です。
湘南国際アカデミーの初任者研修は、落とすための試験ではなく知識や技術を身に付けるために行っています。合格率もほぼ毎回100%なので安心して受講してください。
介護職員初任者研修 実技授業のメリット

介護職員初任者研修の実技をしっかり学ぶことで、介護の現場で即戦力となるだけでなく、自身の視野を広げることができます。実技を通じて学ぶのは技術だけではありません。利用者との信頼関係を築くコミュニケーション力や、柔軟な対応力といった「介護の本質」に迫るスキルも磨かれます。
実技をしっかり学ぶことで得られる恩恵は多岐にわたります。ここでは主なメリットをいくつか挙げましょう。
- 現場で即戦力として働ける
経験不足でも、基礎的な身体介助や生活援助ができるようになるため、就職しやすい。
施設や在宅ケアなど、幅広い介護現場での活躍が可能。 - 利用者とのコミュニケーションが取りやすい
声かけの仕方や対人スキルを実技で体得することで、信頼関係を築きやすくなる。 - 身体の負担を減らせる
正しい姿勢やボディメカニクスを学ぶことで、腰痛や肩こりなど職業病を予防。 - 資格手当や就職の優位性
初任者研修修了者は資格手当が付く職場もあるため、収入面のメリットが期待できる。
「初任者研修 実技経験あり」とアピールできることで、転職時の選択肢も増える。
FAQ|初任者研修の実技に関するよくある質問
- Q1.実技が苦手な場合、どのように克服すればいいですか?
- A
まずはテキストで正しい手順を理解し、スクールや演習で積極的に練習することが大切です。講師や仲間からのフィードバックをもらいながら繰り返し実施し、少しずつ慣れていきましょう。
- Q2.初任者研修の実技試験がないスクールもあると聞きましたが、大丈夫でしょうか?
- A
多くのスクールでは筆記試験のみが中心ですが、実技授業自体は必修となる場合がほとんどです。修了判定時に“実技演習への参加状況”や“テスト”といった形式が異なるだけで、習得が重要なのは変わりません。
- Q3.初任者研修を働きながら受講する際、実技の練習時間が十分に取れないかもしれません…
- A
仕事と両立する受講生も多いため、スクールによっては週末や夜間のコースが選べることがあります。短い時間でも集中してロールプレイを行う、動画を活用して自主学習するなど、工夫次第で十分カバー可能です。
以下の関連記事も読まれています
- Q4.介護職員初任者研修の実技授業ではどんな服装や道具が必要ですか?
- A
動きやすく、清潔感のある服装が基本です。足元はスリッパなど滑りにくいものを選びましょう。スクールや研修機関によってはエプロンや筆記用具などの準備を求められる場合がありますので、事前に確認しておくと安心です。
- Q5.実技で学んだ介護技術は家族の介護にも活かせますか?
- A
はい、介護職員初任者研修の実技で身につける移乗や排泄、食事介助などの基本的な技術は、家族介護でも大変役立ちます。安全な身体の使い方や声かけのコツなどは家庭でも同様に応用できるため、家族の介護負担軽減や快適な生活支援につながります。
まとめ|介護職員初任者研修の実技に取り組むポイント
「介護職員初任者研修の実技」は、座学で学んだ知識を“身体で活かす”ための大きな一歩です。
- 安全かつ正確な介護動作を身につけ、利用者へ安心感を与える
- 声かけやコミュニケーションを通して人間関係を円滑にし、ケアの質を高める
これらを習得することで、就職時に優位に働くだけでなく、利用者の尊厳を守りつつサービスを提供する**“プロの介護人材”**としての基盤が築かれます。
さらに、初任者研修修了後は実務者研修や介護福祉士などへキャリアアップの道が開けるため、将来の選択肢も広がります。自分に合った学び方や学校を選びながら、無理なく実技を身につけていきましょう。
もし不安がある方は、湘南国際アカデミーなど実績のあるスクールに相談するのがおすすめです。講師や仲間と共に学ぶことで、実技への抵抗感が減り、自然と技術が身についていきます。ぜひ、安心できる介護者としての一歩を踏み出してみてください!
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
