子育てが落ち着いたタイミングで、新しい仕事を探す人も多いでしょう。福祉の資格は、安定した仕事に就くための強い味方です。
この記事では、湘南国際アカデミーがキャリア支援してきた介護職員の方達と長年培ってきた教育ノウハウをもとに、福祉の代表的な資格や特徴、資格取得のメリットをわかりやすく解説します。皆様のキャリアアップや社会復帰の参考にして頂ければ幸いです。
福祉の資格を取得するメリット
福祉資格は大きく「介護系」「相談援助系」「障がい者福祉系」の3種類に分けられます。いずれの種類も、資格取得によって得られるメリットには共通する点があります。ここでは資格取得によって得られる4つのメリットを解説します。
福祉や介護に関する専門知識が身につく
資格の勉強を通じて、介護保険や福祉サービスの仕組みを体系的に理解できます。実際の介護現場で働く際に学習したことが大いにいかせるでしょう。
また、学んだことを活用して家族の介護に備えたり、自身の生活設計に役立てたりすることもできます。
再就職や転職活動に役立つ
福祉の資格は、現場で働く際に必要な知識とスキルを持っていることの証明になります。そのためブランクがあっても、即戦力の人材として採用担当者から評価されやすくなります。介護施設や福祉関連の相談支援事業所などにおいては、資格重視の求人も多く、資格があることで就職・転職の選択肢が大きく広がります。
将来のキャリアアップ・スキルアップの基盤になる
福祉系の資格はキャリアの第一歩としても有効です。幅広い福祉知識が身に付けば、ケアマネジャーや管理職など、さらに専門的な資格の取得や役職へのステップアップも目指せます。子育てが落ち着いた後の新たなキャリア形成のスタートとして大いに役立ちます。
福祉資格の種類:介護系
介護系の資格は、高齢者や障がいのある人が安心して自分らしい生活を送れるよう支援するための専門知識や技術を証明するものです。ここでは代表的な介護系資格と、その特徴を紹介します。
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
介護職員初任者研修は、介護の基本的な知識と技術を学ぶ入門的な資格です。食事や入浴、着替えなど日常生活の介助方法を習得し、訪問介護やデイサービス、有料老人ホームなどで働く際の基礎資格として広く認知されています。研修は座学と実習を組み合わせて行い、修了後は介護職として現場での仕事に役立てられます。
以下の関連記事も読まれています
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、初任者研修よりも専門的な知識と技術を習得できる資格です。医療的ケア(たんの吸引や経管栄養)などの技術も学べるため、より高度な介護職を目指す人に適しています。
以下の関連記事も読まれています
介護福祉士
介護福祉士は、介護系資格の中で唯一の国家資格です。取得すると利用者の介助や支援に加え、現場スタッフの指導や管理業務も担えるようになります。また、訪問介護のサービス提供責任者や施設のリーダーとしても活躍できます。キャリアアップを目指す多くの介護職員が取得する代表的な資格の一つです。
以下の関連記事も読まれています
ケアマネジャー(介護支援専門員)
ケアマネジャーは、介護サービス利用者に合わせたケアプランを作成し、サービスの調整や給付管理を行う専門職です。利用者や家族、医療・福祉関係者との橋渡しを担う、現場に欠かせない存在です。
受験資格には、介護福祉士をはじめとする福祉・医療系の国家資格を取得し、一定年数以上の実務経験を積んでいることが求められます。
ケアマネジャー(介護支援専門員)に関しての詳細は、以下のページをご覧ください
介護予防運動指導員
介護予防運動指導員は、高齢者が要介護状態に陥るのを防ぎ、健康で自立した生活を維持できるよう、専門的な運動プログラムの作成や実施を行うための資格です。転倒予防や筋力強化、認知症予防を目的とした運動指導が中心で、資格を取得した人は地域の介護予防事業や福祉施設で活躍できます。
福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員は、要介護者や障がい者が安全に生活できるように、介護保険を活用して適切な福祉用具の選定と利用方法のアドバイスを行う専門職の資格です。利用者の身体の状態や住環境を把握し、適切な車イスや介護ベッド、歩行補助具などを提案します。福祉用具の使い方の説明やメンテナンス、アフターサービスまで担当し、利用者の生活の質を向上させる重要な役割を担っています。
福祉用具専門相談員に関しての詳細は、以下のページをご覧ください
福祉資格の種類:相談援助系
福祉の相談援助系資格は、生活に困難を抱える人やその家族の相談に応じ、適切な支援やサービスをつなぐ専門職に必要な知識と技術を証明します。代表的なものを紹介します。
社会福祉士
社会福祉士は、生活や社会参加に困難を抱える人に対して相談支援や助言を行う国家資格です。社会福祉士の資格を取得して働く人は高齢者や障がい者、児童など多様な対象に向けて支援を実施し、福祉サービスの活用や自立支援を促進します。行政機関や医療・福祉施設など、資格を持つ人は幅広い現場で活躍しています。
社会福祉士に関しての詳細は、以下のページをご覧ください
精神保健福祉士
精神保健福祉士は、精神疾患を持つ人の生活支援と社会復帰を専門に担当する国家資格です。心の健康と生活環境の両面からサポートを行えるようになり、利用者の社会生活の質を高める役割を担います。
臨床心理士・公認心理師
臨床心理士と公認心理師は、心理的な問題や心の健康に関する専門的な相談を受ける資格です。心理療法やカウンセリングを通じて、利用者の精神的な問題の解決をサポートします。資格を取得すれば医療機関だけでなく、福祉施設や教育機関など幅広い分野で活躍できます。
二つとも心理支援を行う専門職ですが、臨床心理士は民間資格、公認心理師は国家資格という点で違いがあります。
社会福祉主事任用資格
社会福祉主事任用資格は、自治体の福祉事務所などで生活相談や家庭訪問を担当するための資格です。福祉事務所の公務員として、高齢者や障がい者を支援する際に必要となります。
社会福祉士と名前が似ていますが、社会福祉主事任用資格は「任用資格」です。通常の資格取得ルートとは違って試験がありません。大学や短大で指定科目を履修する、指定の通信教育を修了するなどの方法で取得できます。
児童福祉司
児童福祉司は、児童相談所や福祉事務所で子どもやその家庭に関する相談・支援を行う専門職です。虐待や家庭内問題を抱える子どもの安全確保や健全育成を支援するため、法律に基づいた対応やサービス調整を行います。地域の子どもたちが安心して成長できる環境を作る重要な役割で、福祉の中でも特に児童福祉に特化した資格と言えます。
福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障がい者が安全・安心に暮らせる住環境の設計や改修の提案を行う専門資格です。福祉と建築の知識を融合させ、バリアフリー住宅の普及や適切な環境整備を促進します。介護現場だけでなく、住宅メーカーや行政など幅広い分野で活躍できるため、福祉業界でのニーズが高まっています。
福祉資格の種類:障がい者福祉系
障がい者福祉系の資格は、身体や精神に障がいを持つ人の生活支援やリハビリテーション、社会参加をサポートする専門知識や技術を証明します。医療的なケアや専門的な支援が求められるため、医療・福祉の現場で幅広く必要とされている資格です。代表的な資格とその特徴を紹介します。
作業療法士(OT)
作業療法士は、ケガや病気、障がいによって日常生活に支障がある人を支援するための国家資格です。手や身体の動きを改善したり、日常生活の動作を訓練したりする仕事ができるようになります。作業療法士の資格を持つ人は病院や福祉施設、地域リハビリセンターなどで幅広く活躍しています。
理学療法士(PT)
理学療法士は、身体機能の回復や痛みの緩和を目的に運動療法などを行うための国家資格です。歩行訓練や筋力アップなどのサポートを通じて、障がいのある方の生活の質向上に貢献できるようになります。
言語聴覚士(ST)
言語聴覚士は、言語や聴覚、発声、嚥下障がいのある人を対象に、専門的なリハビリを行う国家資格です。コミュニケーション能力の回復や飲み込み機能の改善を支援できるようになります。
義肢装具士
義肢装具士は、身体の機能を補助する義肢や装具をつくる国家資格です。一人ひとりの身体に合った義手や義足、コルセットなどを設計・製作・調整ができるようになります。医療や福祉の現場で、リハビリテーションの一環として活躍する専門職の人が持つ資格です。
盲導犬訓練士
盲導犬訓練士は、視覚障がい者をサポートする盲導犬を育成・訓練する専門資格です。訓練だけでなく、利用者とのマッチングや生活指導まで行い、安全で自立した生活を支えます。国家資格ではありませんが、専門的な訓練機関で学ぶことで習得できる資格です。
手話通訳士
手話通訳士は、聴覚障がい者と健聴者の間の意思疎通を支援する国家資格です。手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)に合格することで資格取得となります。手話通訳士になると、聴覚障がい者のサポートができるようになります。手話を使った情報伝達で仕事や生活のあらゆる場面で円滑なコミュニケーションをサポートします。
FAQ|福祉の資格に関するよくある質問
福祉の資格取得を検討している方の中には、「どの資格から始めればいいの?」「未経験でも取れるの?」「子育てや仕事と両立できるの?」といった不安や疑問を抱える方も多くいらっしゃいます。
ここでは、福祉の資格に関するよくある質問をQ&A形式でまとめました。ご自身のライフスタイルや目標に合った資格選びの参考にしてください。
- Q1.初めてでも取りやすい福祉の資格はありますか?
- A
もっとも基礎的でおすすめなのが「介護職員初任者研修」です。未経験者を対象に基礎から学べる内容となっており、湘南国際アカデミーでも働きながら通える講座を開講しています。
- Q2.子育てやパートと両立して資格を取ることはできますか?
- A
可能です。多くの講座が土日開催や短期間集中コース、通信併用型など柔軟に選べます。湘南国際アカデミーでは、ご家庭やライフスタイルに合わせたスケジュールの相談も承っており、受講生の多くが家庭と学びを両立しています。
以下の関連記事も読まれています
- Q3.介護以外の福祉の資格も将来性はありますか?
- A
はい。社会福祉士や精神保健福祉士などの相談援助系資格、福祉住環境コーディネーターなど、今後ますます必要とされる専門職です。キャリアの幅を広げるうえでも大変有効です。
- Q4.福祉の資格は就職・転職に本当に有利ですか?
- A
有利です。求人の多くが資格保有者を条件としているため、未経験でも採用されやすくなります。湘南国際アカデミーでは資格取得後の就職支援や施設見学の機会も提供しており、ブランクのある方でも安心です。
介護の教育機関に集まる厳選された求人情報・サポートは、以下のページをご覧ください
- Q5.資格取得後もステップアップできますか?
- A
福祉の資格でキャリアアップを目指そう
この記事では、介護・相談援助・障がい者支援など、幅広い分野で活かせる代表的な資格とその特徴を紹介しました。
これから新しい仕事に挑戦したい方、再就職を目指している方、社会に役立つ仕事をしたい方にとって、福祉の資格は心強い味方になります。まずは「どんな働き方をしたいか」「どんな支援をしたいか」を考えながら、自分に合った資格を選んでみましょう。
湘南国際アカデミーでは、未経験から資格取得を目指す方や、再就職・転職を検討されている方に向けたサポート体制を整えています。働きながらでも学びやすい講座設計と丁寧な個別フォロー、提携施設との就業支援で、多くの受講生が新たなキャリアを築いています。
まずは資料請求や無料説明会へのご参加から、お気軽にお問い合わせください。あなたの未来に寄り添う一歩を、私たちが全力でサポートいたします。
「いつか自分も老いる。介護はジブンゴト。」という思いを胸に、介護を受ける人・する人の双方が幸せになれる社会づくりを目指している。
