介護職の動向&意識調査の集計結果と所見
【2026年8月度】 介護職の最新動向&意識調査マンスリーレポート
このたび湘南国際アカデミーでは、以下の方針で「介護職の最新動向と意識」に関するアンケート調査を実施しました。
- 介護のやりがいや課題、働きやすさについて
- 現場で働く方々の“リアルな声”を社会へ届ける
- 介護業界の未来づくりに役立つヒントを探る
介護の仕事が社会でどのように捉えられているのか。
そして、実際に現場で働く皆さまが何を感じ、何を望んでいるのか。
その「本音」に耳を傾け、可視化することで、介護という仕事の価値や可能性を、より多くの人に正しく届けたい——
そんな思いから、この調査を行いました。
本調査は今回限りではなく、マンスリーで実施していく予定です。
今後も介護職員の皆様を中心に現場の声を拾い上げ、介護業界の理解と発展に貢献してまいります。
各企業様や各業界関係者様からのご意見やご要望も賜れますよう、ご協力の程お願い申し上げます。
新たな商品・サービスの共同研究から開発に関しましても、積極的に取り組んでおりますので、お気軽にお問い合わせください。
※この一覧に表示されている数値は、小数点以下第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しています。
Q
1.あなたの性別を教えてください。
A
| 回答内容 | 回答数 |
|---|
| 男性 | 78 |
| 女性 | 296 |
| その他 | 2 |
| 回答しない | 6 |
Q
2.あなたの年齢を教えてください。
A
| 回答内容 | 回答数 |
|---|
| 20歳未満 | 0 |
| 20-29歳 | 12 |
| 30-39歳 | 29 |
| 40-49歳 | 72 |
| 50-59歳 | 190 |
| 60歳以上 | 79 |
Q
3.現在の雇用形態を教えてください。
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 正社員 | 146 |
| 契約社員 | 26 |
| パート・アルバイト | 186 |
| 業務委託契約 | 3 |
| その他 | 21 |
Q
4.あなたの現在の勤務先の事業所種別を教えてください\
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 43 |
| 介護老人保健施設(老健) | 6 |
| 介護医療院 | 0 |
| グループホーム | 47 |
| 有料老人ホーム | 70 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 17 |
| 小規模多機能型居宅介護 | 17 |
| デイサービス(通所介護) | 68 |
| 訪問介護(ホームヘルプ) | 46 |
| 訪問看護 | 2 |
| 居宅介護支援(ケアマネ事業所) | 1 |
| 病院(介護職として勤務) | 16 |
| 障がい者支援施設 | 33 |
| その他 | 16 |
Q
5.あなたが現在保有している介護資格を教えてください。(該当するものをすべて選択)
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 介護職員初任者研修 | 251 |
| 介護職員実務者研修 | 212 |
| 介護福祉士 | 153 |
| 認定介護福祉士 | 1 |
| 介護支援専門員(ケアマネジャー) | 5 |
| 社会福祉士 | 1 |
| 精神保健福祉士 | 0 |
| 介護予防運動指導員 | 1 |
| 福祉用具専門相談員 | 11 |
| ガイドヘルパー(移動支援従事者) | 35 |
| 介護事務資格(ケアクラーク、介護保険事務など) | 6 |
| その他 | 53 |
Q
6.介護業界での勤務経験を教えてください。
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 1年未満 | 37 |
| 1~3年 | 99 |
| 4~6年 | 117 |
| 7~10 | 68 |
| 11年以上 | 61 |
Q
7.現在の職種を教えてください。
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 介護職員 | 328 |
| ケアマネジャー | 2 |
| 生活指導員 | 8 |
| 管理職 | 13 |
| 役員・経営者 | 4 |
| その他 | 27 |
Q
8.介護職の魅力を感じる瞬間はどのようなときですか?(複数選択可)
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 利用者から感謝の言葉をもらったとき | 307 |
| 利用者のQOL向上や回復を実感したとき | 185 |
| チームワークを発揮したとき | 131 |
| 昇格したとき | 12 |
| 昇給したとき | 61 |
| 賞与をもらった時 | 57 |
| その他 | 28 |
Q
9.介護職を選んだ理由を教えてください。(複数選択可)
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 人の役に立ちたいから | 213 |
| 資格を活かせる仕事だから | 138 |
| 仕事の安定性があるから | 102 |
| 友人や知人からのすすめ | 41 |
| その他 | 67 |
Q
10.介護職として働く上での不安を教えてください。(複数選択可)
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 身体的な負担 | 276 |
| 精神的な負担 | 229 |
| 将来のキャリア | 67 |
| 収入面・経済的な不安 | 220 |
| その他 | 19 |
Q
11.介護職の仕事で最もストレスを感じる要因を選んでください。
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 人間関係 | 171 |
| 業務内容の難しさ | 38 |
| 業務量の多さ | 78 |
| 給与・待遇 | 76 |
| その他 | 19 |
Q
12.夜勤の負担について、どのように感じていますか?
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| とても負担に感じる | 166 |
| ある程度負担に感じる | 114 |
| あまり負担に感じない | 49 |
| 全く負担に感じない | 53 |
Q
13.仕事を続けるために必要なサポートは何ですか?(複数選択可)
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 身体的負担の軽減策 | 212 |
| 精神的負担の軽減策 | 220 |
| 人材不足の解消 | 279 |
| 経済的負担の軽減策①(福利厚生・手当の充実) | 205 |
| 経済的負担の軽減策②(昇給) | 210 |
| 職員の家族の介護の負担軽減策 | 46 |
| 職員の育児の負担軽減策 | 34 |
| その他 | 10 |
Q
14.介護ロボット・ICTの活用に対する意向を教えてください。
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 活用すべきだと思う | 206 |
| どちらとも言えない | 155 |
| 活用しなくてもよい | 21 |
Q
15.現在の給与・待遇に満足していますか?
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| とても満足している | 7 |
| ある程度満足している | 137 |
| あまり満足していない | 154 |
| 全く満足していない | 84 |
Q
16.経済的な安定度について、現在の収入で生活できていますか?
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 余裕がある(貯蓄などもできている) | 18 |
| ある程度の収入は得ている | 77 |
| なんとか生活できる | 161 |
| 生活が厳しい | 96 |
| 生活できない | 30 |
Q
17.今後のキャリアプランについて教えてください。
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 介護職を続けたい | 180 |
| 介護職を続けるか迷っている | 70 |
| 他法人の介護職に転職を考えている | 74 |
| 介護職ではない他の業種・職種への転職を考えている | 23 |
| 独立を考えている | 9 |
| 何も考えていない | 26 |
Q
18.転職する際に重要視する点を教えてください。
A
| 非常に重要 | 重要 | 普通 | あまり重要でない | 全く重要でない |
|---|
| 給与・待遇 | 51.3% | 38.7% | 8.9% | 1.0% | 0.0% |
| 職場の人間関係 | 66.5% | 26.2% | 6.8% | 0.5% | 0.0% |
| 勤務地・通勤の利便性 | 50.8% | 41.1% | 7.6% | 0.5% | 0.0% |
| 仕事内容 | 39.3% | 47.1% | 12.8% | 0.5% | 0.3% |
| キャリアアップの機会 | 21.7% | 38.0% | 33.8% | 5.5% | 1.0% |
| 勤務時間の柔軟性 | 41.4% | 41.6% | 15.2% | 1.6% | 0.3% |
Q
19.介護業界への就職・転職を知人に勧めますか?
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| ぜひ勧めたい | 19 |
| どちらかというと勧めたい | 160 |
| あまり勧めたくない | 162 |
| 全く勧めたくない | 41 |
Q
20.介護職の離職理由として考えられる要因を教えてください。(複数選択可)
A
| 回答一覧 | 回答数 |
|---|
| 仕事の内容が合わない | 118 |
| 将来的なキャリア形成に対し懸念がある | 68 |
| 給与・待遇 | 289 |
| 人間関係 | 283 |
| 身体的負担 | 268 |
| 精神的負担 | 238 |
| 家族の介護 | 58 |
| 育児 | 32 |
| その他 | 15 |
Q
21.現在の職場の満足度を5段階で評価してください。
A
| 非常に満足 | 満足 | 普通 | 不満 | 非常に不満 |
|---|
| 満足度 | 3.9% | 28.8% | 40.6% | 18.3% | 8.4% |
Q
22.あなたの国籍について教えてください。
A
Q
23.【外国籍の方のみ】 国籍を教えてください。
A
| 回答内容 | 回答数 |
|---|
| タイ | 1 |
| フィリピン | 1 |
| 台湾 | 1 |
| ベトナム | 2 |
| 中国 | 3 |
| その他 | 1 |
※その他:ブラジル 1
Q
24.あなたの職場では外国人スタッフが働いていますか?
A
| 回答内容 | 回答数 |
|---|
| はい | 182 |
| いいえ | 177 |
| わからない | 23 |
Q
25.外国人スタッフとのコミュニケーションで困った経験はありますか?
A
| 回答内容 | 回答数 |
|---|
| よくある | 44 |
| たまにある | 110 |
| ない | 85 |
| 外国人スタッフがいない | 143 |
Q
26.2024年以降、働き方や現場の雰囲気に変化を感じましたか?
A
| 回答内容 | 回答数 |
|---|
| はい | 60 |
| いいえ | 175 |
| どちらとも言えない | 147 |
Q
27.どのような点で変化を感じましたか(自由記述欄)
A
自由記述の回答概要は以下の通りです。
| 処遇・賃金・評価 |
|---|
| 管理者が変わり仕事を評価してくれるようになった。サービス残業をなくす動きが出てきた |
| 外国の職員が多くなった、処遇改善が増えた |
| 休みが取りやすくなった |
| 介護職に対して賃上げ等の動きは非常に感じるし、ありがたいが、それによって他の職種と比べるとどうかというと、まだまだ追い付けていないと思う |
傾向:遇改善や休暇の取りやすさなど、制度面でのプラスの変化を挙げる声がある一方、他業種との賃金格差はまだ大きいと感じる声も見られました。
| 業務内容・負担の変化 |
|---|
| システムを導入したことで夜勤の人数が減り実質は負担が増えた |
| 業務改革。無駄を減らしたりAIを導入したりする予定。少ないスタッフで現場をまわす。無理だと感じるときがある |
| よりハードになり、休憩時間が取れず困っています |
| 時間に追われて利用者様とのコミュニケーションをとる事が出来なくなった |
傾向:ICT・AI導入や効率化が進む一方、人員が増えないまま業務負担だけが増しているという声が目立ちました。
| 外国人材の増加 |
|---|
| 外国人がとても増えた |
| 新人職員に外国人職員が多く入社してきている。人材不足なので業務の見直しを行い、効率化をはかっている |
| 外国人スタッフとの意思の疎通が無理だから、日本人の負担が増えた |
| 日本人だけで職場を回していくのは限界があるんだろうなあと痛感した |
傾向:外国人材の受け入れ拡大を実感する声が多く、コミュニケーション面での課題と、教育・共生の工夫の両方が語られています。
| 人員・体制の変化(人手不足・離職) |
|---|
| 人がどんどん辞めていく。そして、入っても数日で辞めていく |
| 単発派遣や、外国人の活用など、便利ではあるが、その場しのぎ的で、人財不足の根本的な解消にはなっていないと感じる事がありました |
| 退職者が増えた |
傾向:離職の連鎖や、その場しのぎの人員補充への違和感を指摘する声が見られました。
| 経営・管理体制の変化 |
|---|
| 経営母体が変わった |
| 同建物で会社が変わり社内ルールと上司が変わった事によりご利用者様に対するサービスが変わった。上司の指導力に疑問を持つ事がある |
傾向:M&Aや上司交代など経営・管理体制の変化に伴い、現場の運営方針やサービスの質に影響が出ているという声がありました。
| 職場の雰囲気・人間関係 |
|---|
| 優しい人が増えた/怖い人が年齢的にいなくなった |
| 一緒の職場の看護師が介護を見下さない雰囲気に変わってきた |
| パワハラ、モラハラひどすぎる業界 |
傾向:職種間の関係性が改善したという声がある一方、依然としてハラスメントを指摘する声も見られました。
| 変化を感じない・回答対象外 |
|---|
| 特に変化は感じない |
| わからない |
| 特になし |
傾向:約2割が「変化を感じない」「わからない」と回答しており、制度変更の実感が乏しい層が一定数存在することがうかがえます。
Q
28.あなたが日々の業務で重要だと感じる知識・技術・学びについて、各項目をそれぞれ評価してください。
A
| 項目 | 非常に重要 | 重要 | 普通 | あまり重要 でない | 全く重要 でない |
|---|
| 認知症介護の基礎知識 | 44.0% | 42.7% | 8.4% | 2.0% | 1.3% |
| 認知症高齢者とのコミュニケーション技術 | 47.3% | 43.3% | 6.0% | 2.0% | 1.3% |
| 高齢者虐待防止に関する知識・対応方法 | 43.3% | 48.0% | 6.7% | 0.5% | 0.5% |
| 身体介護技術(移乗・排泄・入浴・食事介助など) | 55.3% | 40.7% | 4.0% | 0.0% | 0.0% |
| 基本的な介護知識(加齢による身体変化や疾病の理解など) | 41.3% | 50.0% | 8.0% | 0.0% | 0.3% |
| 緊急時対応 | 62.7% | 34.0% | 2.7% | 0.3% | 0.0% |
| 記録の書き方 | 24.0% | 53.3% | 22.0% | 0.7% | 0.0% |
| 介護計画、ケアプランの立案や多職種連携に関する知識 | 24.7% | 52.0% | 19.3% | 2.9% | 0.8% |
| ストレスマネジメント・メンタルケア | 41.4% | 45.8% | 11.3% | 1.6% | 0.0% |
| 家族対応・相談支援力 | 31.9% | 48.7% | 18.1% | 1.3% | 0.0% |
| 終末期の介護・ターミナルケアの知識・技術 | 36.6% | 46.9% | 13.4% | 2.6% | 0.5% |
Q
29.介護業界をより良くするために、現場から伝えたいことがあればお聞かせください。(自由記述欄)
A
自由記述の回答概要は以下の通りです。
| 給与・待遇の改善 |
|---|
| とにかくお給料を上げてください/人の命を預かる仕事なのに、あまりにも待遇が悪すぎる |
| 業務内容に対しての給料が少ない |
| 身体的、精神的に厳しい仕事なのは当たり前と理解しているから給与をあげて欲しい。給与が上がればまだ頑張ろうと思えるし知人にも紹介してもいいかなと思う |
| 一般職より低賃金。あり得ないと思う。処遇手当ても利用者減れば下がる、やることはキツイのに給料が低い |
傾向:最も多かったのが賃金・待遇に関する意見でした。仕事の責任・負担の大きさに対して報酬が見合っていないという不満が繰り返し挙げられています。
| 人材不足・人材定着 |
|---|
| 人が足りなさすぎるのを政府は本気で取り考えてもらいたい |
| 人手不足をどうにかしてほしいのと、介護職の重要さのわりには給料が安すぎる |
| 人員の確保 |
| 人手不足のため負担が多く毎日、疲れてクタクタです。時間に追われて急いでいるため、利用者さんにケガをさせてしまう不安があります |
傾向:人手不足に関する声が2番目に多く、業務の質や安全面へのリスクとセットで語られるケースが目立ちました。
| 職場環境・マネジメント |
|---|
| 現場から誰に対して伝えたい事なのかを問うのか明確な質問にして頂きたい |
| 現場を知らない上司からあれこれ言われたくない。理不尽な事が多い。利益しか見えていない発言ばかり |
| 経営者目線でなく、現場の職員の意見や感性を生かせるような介護をして頂きたい |
傾向:現場の実情を理解しない管理職・経営層への不満や、現場の声を運営に反映してほしいという要望が挙げられました。
| 人間関係・ハラスメント |
|---|
| 利用者様本人はもちろん家族からのハラスメントに毅然と対応出来るようになってほしいです |
| スタッフ間のコミュニケーションが一番 |
| 個人のロッカーやテーブルへの嫌がらせ、嫌味、悪口、文句…職員同士の衝突もよくある |
傾向:利用者・家族からのハラスメントへの対応強化や、職員間コミュニケーションの改善を求める声が見られました。
| 仕事の価値・社会的評価 |
|---|
| 介護職が社会的に重要視され、待遇が良くなる事を望みます |
| 汚れ仕事や給与の低さばかりがイメージとして表立っていますが本質はもっと奥深い職業です |
| 介護=誰でも出来る、訳ではない事を知っておくべきだと思う |
傾向:介護職の専門性や社会的評価の低さへの問題提起があり、「もっと評価されるべき」という声が見られました。
| 身体的・精神的負担・労働環境 |
|---|
| 夜勤帯2回のオムツ交換がありますが、1回4時間以上かかります。ナースコールも頻回で他にも1人でやる事がたくさんあります。なのに、低賃金…悲しくなります |
| 人手不足の解消につきる。夜勤1人体制が普通になっているが、非常に疑問 |
| とにかく動き過ぎ。5分から10分程度休息があっても良いと思う |
傾向:夜勤の一人体制や休憩の取りにくさなど、身体的・時間的な負担への言及がありました。
※当マンスリーレポート「介護職の動向&意識調査」の情報は、無償で公開しておりますが、引用や転載などをする際には引用した資料やURLを明確に記載することをお願い致します。
まとめ
介護職動向&意識マンスリーレポート 担当者
湘南国際アカデミー学院長。介護福祉士や社会福祉士などの資格を持ち、教育者としての豊富な経験を活かして次世代の介護人材育成に尽力。受講生合格率95.5%を達成した介護福祉士国家試験対策講座や200名以上の教員育成の実績を持つ。著書やeラーニング教材も手掛けるなど、幅広い活動を展開中。
感謝と厳しさが同居する現場——「人間関係」が定着のカギを握る
〜382人アンケート調査より〜
本調査から、介護職として働く人々の意識には、「やりがい」と「厳しさ」の両面が明確に表れていることが分かりました。
まず、給与・待遇面については、「あまり満足していない」「全く満足していない」と回答した割合が6割を超えており、依然として処遇に対する不満が大きい状況がうかがえます。仕事内容の重要性や責任の大きさに対して、十分な評価や報酬が伴っていないと感じている職員が多いことが、離職や人材不足の背景の一つと考えられます。
一方で、今回の調査で改めて浮き彫りになったのは「人間関係」の重要性です。転職時に最も重視される項目として給与を上回り、同時に最もストレスを感じる要因としても最多となっていることから、職場内のコミュニケーションやチームづくりへの支援が、定着率向上のカギになると言えるでしょう。自由記述からも、人員不足や業務負担の増加に加え、職場ごとのマネジメントの質によって現場の実感に大きな差があることが読み取れます。
また、介護職の専門性や社会的評価に対する課題意識も根強く、「専門職として正しく評価されたい」という声が多く寄せられています。これは単なる待遇改善にとどまらず、職業としての価値向上が求められていることを示しています。
これらの結果から、今後の介護業界においては、処遇改善はもちろんのこと、人材定着を見据えた職場環境の整備やマネジメントの質の向上、そして介護職の社会的価値の向上に向けた取り組みが、これまで以上に重要になると考えられます。
クロス分析から見えること
単純集計だけでなく、設問同士を掛け合わせて見ると、いくつかの示唆的な傾向が浮かび上がりました。
満足度が高いほど、継続意向・推奨意向は跳ね上がる:職場満足度が「非常に満足」の層では8割が「介護職を続けたい」と回答し、知人への推奨も45.0%と高水準でした。一方「非常に不満」層では継続意向はわずか18.4%に落ち込み、「全く勧めたくない」が39.5%にのぼります。満足度の向上は定着だけでなく、口コミによる人材確保にも直結する構造がはっきり表れています。
給与不満と生活の厳しさは強く連動:給与・待遇に「全く満足していない」と回答した層のうち、66.4%が「生活が厳しい」または「生活できない」と回答しました。「とても満足している」層ではこの割合は0%で、待遇の差がそのまま生活の安定度に反映されている実態がうかがえます。
事業所種別で満足度に大きな開き:「訪問介護(ホームヘルプ)」は満足計54.3%と最も高く、次いで「小規模多機能型居宅介護」40.0%、「病院」39.3%と続きました。一方、「有料老人ホーム」27.0%、「特別養護老人ホーム(特養)」22.5%は満足計が2割台にとどまり、事業所の形態によって職員の実感が大きく異なることが分かります。
勤務経験7〜10年の中堅層で不満が最大に:勤務経験別に満足度を見ると、「7〜10年」層で不満計(不満+非常に不満)が35.9%と最も高く、他の経験年数層より突出しています。管理業務や後輩指導などの役割が増える一方で、待遇面の変化が伴わないことへのギャップが背景にある可能性があります。
男性は経済的不安・将来キャリア不安がより強い:働く上での不安を性別で比較すると、男性は「収入面・経済的な不安」64.8%、「将来のキャリア」23.1%と、いずれも女性(52.2%、17.1%)を上回りました。家計を担う意識の違いなどが背景にあると考えられます。