グループホームを運営するうえで欠かせないのが、法令で義務付けられた研修の実施です。研修内容や実施手順を整理し、職員が学ぶ環境を整えることで、サービスの質を安定的に維持できます。
運営指導(実地指導)をクリアするには、研修計画や記録の管理方法をきちんと押さえることが必須です。未実施のままだと、減算や行政指導といったリスクにつながりかねません。
また、高齢者グループホームと障害者グループホームでは、求められる研修内容や要件に違いがあります。本記事では、必須研修の一覧や計画の立て方、実施しない場合のリスクまで、実務に役立つポイントをわかりやすく解説します。
グループホームで義務化されている法定研修の全体像
グループホームでは、職員が利用者の安全と権利を守るための研修が法令で義務付けられています。研修内容は高齢者グループホームと障害者グループホームで共通部分と異なる部分がありますが、いずれも基本的な知識とスキルの習得が求められます。
まず基本となるのは、虐待防止、感染症、防災関係といったテーマです。近年は新型感染症や災害時のリスクが高まっているため、定期的なアップデートと実践的な訓練が重視されています。
これらの研修は年間を通じて定期的に実施し、その計画と実施記録を年間研修計画書として整備することが重要です。計画書と研修記録は運営指導(実地指導)や監査で確認されるため、担当者が責任をもって管理する体制を整えましょう。
高齢者グループホームに求められる必須研修
高齢者グループホームでは、特に次のような研修が重要ですので一部を抜粋します。
- 高齢者虐待防止・身体拘束適正化研修:言葉や行動が虐待に当たる範囲と、身体拘束の適正な扱いを理解します。
- 感染症・食中毒に関する研修:感染予防や消毒管理、食中毒対策など実務に直結した内容です。
- 緊急時・災害対応研修:避難方法や初動対応、連絡体制の確認などを学び、緊急時も落ち着いた対応を目指します。
- リスクマネジメント・倫理、法令遵守に関する研修:事故予防から発生後の対応、専門職としての倫理や尊厳の保持など、基本的な対応力を高めます。
これらの研修を計画的に行うことで、スタッフ全体のスキルが高まり、チームとしての実務力向上につながります。
障害者グループホームとの違い
障害者グループホーム(共同生活援助)でも法定研修は義務化されていますが、高齢者GHと異なる点もあります。
障害者GHでは、主に虐待防止関連、感染症関連、災害防災関連の大きく3点が必須研修となっています。
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年間研修計画の作り方と運用ポイント
法定研修を確実に実施するには、年間計画の立案と日々の記録管理が不可欠です。業務が忙しい中で研修が後回しになりがちだからこそ、あらかじめ計画を立て、実施状況を「見える化」することが重要です。
年間研修計画書テンプレートと作成手順
年間研修計画書を作成する際は、まず法定研修の項目をすべて洗い出すことから始めます。そのうえで先に実施時期を大まかに振り分け、優先度の高い研修から確実に行うように計画します。
テンプレートの活用は作業効率を向上させるだけでなく、漏れ防止にも機能します。条項やチェックリストがあらかじめ整備されているため、新人管理者でもスムーズに作成可能です。
作成後は関連部署やスタッフから意見を募り、リアルな現場の状況に合わせて細部を修正します。計画が現実とかけ離れていると運用面で支障をきたすため、柔軟なフィードバックサイクルを施すことがポイントです。
計画の実行と見直しの流れ
研修後は「実施済み」「未実施」の記録をこまめに更新し、必要に応じて再調整します。効果的な運用には、定期的に職員の声を反映させるフィードバックも不可欠です。こうしたサイクルを習慣化することで、研修を「形だけの義務」ではなく、職員育成の一環として機能させられます。
研修記録の書き方と保存ルール
記録には実施日、研修名、講師、参加者名、内容の要約、評価結果などを含めます。運営指導(実地指導)にて確認される重要書類であるため、管理をしておきましょう。
湘南国際アカデミーのグループホーム向け法定研修サービス
グループホームで法定研修の実施にお悩みの方へ、湘南国際アカデミーでは介護施設向けの出張研修・講師派遣・研修計画の作成支援など、現場に即した研修サービスを提供しています。
認知症ケアや虐待防止など、法定テーマに完全対応
湘南国際アカデミーの研修サービスは、以下の法定研修に対応しています:
- 認知症介護基礎研修(介護職員の研修義務化対応)
- 虐待防止研修
- 身体拘束防止研修
- 感染症・災害対策研修(BCP関連)
- 倫理・接遇研修 など
現場経験豊富な講師が施設の状況や人員構成に応じて、集合研修/個別指導/オンライン研修の形式で柔軟に対応します。
年間研修計画の作成から実施・記録管理まで一括サポート
- 年間研修スケジュールの立案
- 実施記録の整備(運営指導・実地指導対応)
- 研修資料・テスト・フィードバック用紙の提供
- 出張研修・講師派遣(1回から可)
「研修のやり方がわからない」「計画を立てる時間がない」という事業所様でも、一括支援が受けられる安心の体制を整えています。
導入施設の担当者の声

運営指導の対策で導入
湘南国際アカデミーにお願いしてから、研修記録が整理されて運営指導でもスムーズに対応できました。職員の学ぶ意欲も高まり、現場の雰囲気が良くなったと感じています。
研修未実施による減算・行政処分リスクと対策
義務研修を実施しないまま放置すると、報酬減算や行政指導、行政処分などのリスクがあります。ここでは、具体的な対策方法やポイントを確認していきます。
減算・指導を防ぐために必要な書類と管理ポイント
減算や行政指導を回避するためには、研修実施計画書や研修記録簿などを適切に整備しておく必要があります。これらの書類は、研修を行った事実とその内容を証明する重要な根拠資料だからです。
管理ポイントとしては、研修の参加率や理解度をモニタリングし、未受講者がいた場合には補講や再研修を実施するなどの仕組みを用意することが重要です。
BCP(業務継続計画)と緊急時対策研修の位置づけ
災害や感染症拡大などの緊急時に備えることは、グループホームの重要な責務です。その対策として、BCP(業務継続計画)と連動した研修を計画的に行うことが求められます。
BCP(業務継続計画)は、災害や感染症発生時にもサービスを継続するための指針です。職員がBCPを理解し、実際の行動手順を身につけておくことで、緊急時でも落ち着いた対応が可能になります。
緊急時対策研修では、避難誘導や連絡体制の確認のほか、物資・備蓄の管理や感染拡大時の隔離対応など、具体的な行動手順の習得がポイントです。こうした知識は利用者の安全確保につながります。
災害時・感染症拡大時の教育の進め方
緊急対応力を高めるには、基本動作の周知と定期的な訓練が欠かせません。まずは職員全員に、避難ルートや防災用品の配置場所など基本情報を共有します。そのうえで、避難訓練やシミュレーションを行い、実際の動きを体感して学びます。
感染症対策研修では、症状の早期発見と拡散防止の行動指針を重点的に扱い、必要な防護具の使い方や感染者発生時の連絡フローなどを具体的に説明します。
こうした学習内容は、常に閲覧できるマニュアルとして整備しておくことが大切です。職員がいざという時にすぐ確認できる体制を整えることで、混乱を防ぎ、迅速な対応が可能になります。
マニュアル共有・eラーニングの活用
研修内容やマニュアルは紙だけでなく、クラウドや共有フォルダで保存し、職員がいつでもアクセスできるようにすると便利です。緊急時の即時確認にも対応できます。
また、eラーニング を取り入れると、時間や場所を選ばず学習でき、離れた拠点の職員とも情報を共有できます。動画教材やオンラインテストを用いることで、理解度の管理や学習の継続性も向上します。
FAQ|グループホームの法定研修に関するよくある質問
- Q1.グループホームで必ず実施しなければならない法定研修は何ですか?
- A
高齢者グループホームでは「認知症、認知症ケア」「プライバシー保護」「倫理法令遵守」「リスクマネジメント」「緊急時対応」「感染症・食中毒」「身体拘束・虐待防止」「非常災害時」「ハラスメント対応」「業務継続計画(BCP)」が必須研修となっています。また、介護職員には入社後1年以内に「認知症介護基礎研修」の修了が義務付けられています。
障害者グループホームでは、主に虐待防止関連、感染症関連、災害防災関連の大きく3点が必須研修となっています。
- Q2.研修を実施していないとどうなりますか?
- A
運営指導の際に指摘があり、改善がみられない場合は減算の対象となったり、行政指導、行政処分を受ける可能性があります。法定研修の計画的な実施と記録管理は非常に重要です。
- Q3.外部研修を利用するメリットはありますか?
- A
はい。専門性の高い研修を効率よく導入でき、運営指導(実地指導)にも対応しやすくなります。湘南国際アカデミーのように、現場に応じた出張研修やオンライン型研修を提供する機関を活用することで、管理者の負担軽減にもつながります。
- Q4.研修の実施が難しい場合、ICTやeラーニングでも対応可能ですか?
- A
はい。集合研修が難しい場合は、eラーニングやオンライン研修を取り入れることで、時間や場所の制約をクリアできます。湘南国際アカデミーでは、動画教材やオンラインサポートも活用できる体制を整えています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ:研修の整備は現場力と評価の向上につながる
研修をしっかり整備することで、職員の成長とサービス評価の向上が期待できます。
法定研修は義務であると同時に、職員のスキルアップと利用者の安全・安心を守るための重要な取り組みです。計画的かつ継続的な研修を行うことで、チームワークや現場力、さらに施設の評価を高めることができます。
書類管理の煩雑さや職員の時間確保など、乗り越えるべきハードルは多く存在するかもしれません。しかし、外部研修の活用やICTの導入など、多くの支援策を組み合わせて実施すれば効率的に取り組めるでしょう。
今後も介護・福祉業界においては、制度変更や新たなリスクが発生する可能性があります。柔軟に対応できる研修体制を整え、利用者や職員双方の安心と成長を実現することが、グループホームの質を高める鍵となるのです。
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その他、介護技能実習評価試験評価者として外国人介護士の受け入れ機関への評価業務や、介護事業所や医療機関において「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。


