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実務者研修の受講時間450時間とは?必要な受講内容からメリットを解説

  • 介護福祉士実務者研修
実務者研修の受講時間450時間とは?必要な受講内容からメリットを解説

実務者研修は、介護福祉士の受験に必要な必須研修で、サービス提供責任者などへのキャリアアップにも直結します。無資格の方は約450時間の学習が必要ですが、通信とスクーリングを組み合わせることで、働きながらでも受講が可能です。本記事では、なぜ実務者研修に450時間が必要なのか、その学習内容や保有資格による短縮制度、通信とスクーリングの進め方を解説し、受講を検討している方がスムーズに学習を始められるようサポートします。

1.実務者研修が創設された背景

実務者研修は、2013年度(平成25年度)からはじまり、2017年(平成29年)の第29回介護福祉士国家試験からは、その修了が必須となりました。それまでは、実務経験3年で受験が可能でした。なぜ、実務者研修が必須となったのか、その背景について解説します。

(1)社会福祉士及び介護福祉士法の改正

介護福祉士は、1987年(昭和62年)に制定された社会福祉士及び介護福祉士法に基づく資格です。この時点で、介護福祉士の業(反復継続して行う行為)は、「入浴・排せつ・食事その他の介護」とされていました。つまり、身体介護が中心とされていたわけです。
※参照元:厚生労働省「社会福祉士及び介護福祉士法」

しかし、その後、「認知症高齢者の増加」、「介護保険制度の施行」、「成年後見制度など、権利擁護の意識の高まり」など、介護を取り巻く状況は大きく変化し、従来の身体介護にとどまらない、新たな役割が介護福祉士に求められるようになりました。

そのため、2007年(平成19年)に、社会福祉士及び介護福祉士法が改正され、介護福祉士の業が、「心身の状況に応じた介護」とされました。この法改正が、実務者研修創設の大きな理由となっています。

※参照元:厚生労働省「社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案について」

介護福祉士に関しての詳細は、以下のページをご覧ください

☑介護福祉士とは|役割・資格取得方法・キャリアアップを解説

(2)求められる介護福祉士像

この法改正により、今後、どのような介護福祉士が求められるのか、そのあり方について検討され、次のような「求められる介護福祉士像」が示されました。

※ 以下は平成19年当時のもので、平成29年10月に改正されています。
※参照元:厚生労働省「社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案について」

  1. 尊厳を支えるケアの実践
  2. 現場で必要とされる実践的能力
  3. 自立支援を重視し、これからの介護ニーズ、政策にも対応できる
  4. 施設・地域(在宅)を通じた汎用性のある能力
  5. 心理的・社会的支援の重視
  6. 予防からリハビリテーション、看取りまで、利用者の状態の変化に対応できる
  7. 他職種協働によるチームケア
  8. 一人でも基本的な対応ができる
  9. 「個別ケア」の実践
  10. 利用者・家族、チームに対するコミュニケーション
  11. 関連領域の基本的な理解
  12. 高い倫理性の保持

こうした介護福祉士を養成するために、資格取得方法の見直しや、教育内容・時間の見直しが行われました。

介護資格講座の無料資料請求

(3)資格取得方法の一元化

介護福祉士の資質向上を図る観点から、資格取得方法の一元化が図られました。

介護福祉士を取得するためには、いろいろな方法がありますが、ここでは、養成施設ルートと実務経験ルートについて説明します。

養成施設ルートとは、専門学校や大学等に通って取得する方法です。この場合、介護福祉士国家試験を受験することなく、卒業と同時に資格が取得できていました。

一方、実務経験ルートは、3年の実務経験があれば受験資格を得ることができ、国家試験に合格することで介護福祉士となることができていました。

しかし、社会福祉士及び介護福祉士法の改正と同時に、「一定の教育プロセスを経てから、国家試験を受験するという方法に一元化」されることになりました。これにより、卒業と同時に資格が取得できていた専門学校や大学等の養成施設ルートであっても、国家試験を受験しなければならないこととされました。

問題は、実務経験ルートです。「一定の教育プロセスを経てから、国家試験を受験するという方法に一元化」するための、明確な「教育プロセス」が存在していなかったからです。そこで、新たに実務者研修が創設されました。

※参照元:厚生労働省「介護福祉士資格の取得方法について」

2.実務者研修の教育時間

さて、「一定の教育プロセスを経てから、国家試験を受験する」わけですから、養成施設ルートと実務経験ルートの教育プロセスは、同じものでなければ、両者のルートに不公平感が生じますので、本来、同じ教育プロセスでなければなりません。しかし、養成施設ルートのカリキュラムは1,800時間もあります。働きながら資格取得を目指す実務経験ルートの人に、それだけの時間数の教育を受講させることは不可能です。

そこで、利用者や家族とのコミュニケーションや信頼関係の構築などは、実務経験を通じて身につけることができることから、1,800時間のうち、実務経験だけでは、十分に修得できない知識・技術を中心とした、600時間の教育プロセスが創設されました。

ところが、600時間の研修について現場職員からヒアリングしたところ、「継続的な自己啓発の必要性は理解するものの、研修時間が長すぎる」という意見が多くあげられ、かえって資格取得への意欲が減退してしまうおそれがあることが指摘されました。つまり、受験までのハードルが高すぎで、かえって介護福祉士を取得しようとするモチベーションがなくなってしまうということです。

こうしたことから、さらに検討が重ねられ、最終的に450時間として実務者研修が施行されることになりました。

実務者研修に関しての詳細は、以下のページをご覧ください

☑介護福祉士実務者研修とは?取得方法・費用など

3.実務者研修の内容

実務者研修は、「幅広い利用者に対して、基本的な介護を提供できる能力を修得する」ために、次のような科目設定と到達目標になっています。

  1. 人間の尊厳と自立 5時間
  2. 社会の理解Ⅰ 5時間
  3. 社会の理解Ⅱ 30時間
  4. 介護の基本Ⅰ 10時間
  5. 介護の基本Ⅱ 20時間
  6. コミュニケーション技術 20時間
  7. 生活支援技術Ⅰ 20時間
  8. 生活支援技術Ⅱ 30時間
  9. 介護過程Ⅰ 20時間
  10. 介護過程Ⅱ 25時間
  11. 介護過程Ⅲ 45時間
  12. こころとからだのしくみⅠ 20時間
  13. こころとからだのしくみⅡ 60時間
  14. 発達と老化の理解Ⅰ 10時間
  15. 発達と老化の理解Ⅱ 20時間
  16. 認知症の理解Ⅰ 10時間
  17. 認知症の理解Ⅱ 20時間
  18. 障害の理解Ⅰ 10時間
  19. 障害の理解Ⅱ 20時間
  20. 医療的ケア 50時間

※各科目の「Ⅰ」とされているものは、基本的事項を学習するものであり、「Ⅱ」とされているものは、応用的事項を学習するものです。

4.実務者研修の科目免除

実務者研修の取得の際には、ご自身の保有資格によって、免除される科目があります。

(1)介護職員初任者研修修了者の免除科目

  • 人間の尊厳と自立
  • 社会の理解Ⅰ
  • 介護の基本Ⅰ
  • 生活支援技術Ⅰ
  • 生活支援技術Ⅱ
  • 介護過程Ⅰ
  • こころとからだのしくみⅠ
  • 認知症の理解Ⅰ
  • 障害の理解Ⅰ

初任者研修に関しての詳細は、以下のページをご覧ください

☑介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)とは?資格の概要・取得方法・費用

(2)訪問介護員(ホームヘルパー)養成研修

1級課程(旧ホームヘルパー1級)修了者の免除科目

  • 人間の尊厳と自立
  • 社会の理解Ⅰ
  • 社会の理解Ⅱ
  • 介護の基本Ⅰ
  • 介護の基本Ⅱ
  • コミュニケーション技術
  • 生活支援技術Ⅰ
  • 生活支援技術Ⅱ
  • 介護過程Ⅰ
  • 介護過程Ⅱ
  • こころとからだのしくみⅠ
  • こころとからだのしくみⅡ
  • 発達と老化の理解Ⅰ
  • 発達と老化の理解Ⅱ
  • 認知症の理解Ⅰ
  • 認知症の理解Ⅱ
  • 障害の理解Ⅰ
  • 障害の理解Ⅱ

2級課程(旧ホームヘルパー2級)修了者の免除科目

  • 人間の尊厳と自立
  • 社会の理解Ⅰ
  • 介護の基本Ⅰ
  • 介護の基本Ⅱ
  • 生活支援技術Ⅰ
  • 生活支援技術Ⅱ
  • 介護過程Ⅰ
  • こころとからだのしくみⅠ

3級課程(旧ホームヘルパー3級)修了者の免除科目

  • 人間の尊厳と自立
  • 社会の理解Ⅰ
  • 生活支援技術Ⅰ

(3)介護職員基礎研修修了者の免除科目

  • 人間の尊厳と自立
  • 社会の理解Ⅰ
  • 社会の理解Ⅱ
  • 介護の基本Ⅰ
  • 介護の基本Ⅱ
  • コミュニケーション技術
  • 生活支援技術Ⅰ
  • 生活支援技術Ⅱ
  • 介護過程Ⅰ
  • 介護過程Ⅱ
  • 介護過程Ⅲ
  • こころとからだのしくみⅠ
  • こころとからだのしくみⅡ
  • 発達と老化の理解Ⅰ
  • 発達と老化の理解Ⅱ
  • 認知症の理解Ⅰ
  • 認知症の理解Ⅱ
  • 障害の理解Ⅰ
  • 障害の理解Ⅱ

(2)その他の研修等

生活援助従事者研修修了者の免除科目

  • 人間の尊厳と自立
  • 社会の理解Ⅰ
  • 介護の基本Ⅰ
  • 認知症の理解Ⅰ
  • 障害の理解Ⅰ

介護に関する入門的研修修了者の免除科目

  • 認知症の理解Ⅰ
  • 障害の理解Ⅰ

介護に関する入門的研修に関しての詳細は、以下のページをご覧ください

☑介護に関する入門的研修とは?内容とメリットを解説

認知症介護実践者研修修了者の免除科目

  • 認知症の理解Ⅰ
  • 認知症の理解Ⅱ

認知症介護実践者研修に関しての詳細は、以下のページをご覧ください

☑認知症介護実践者研修の概要・取得方法・費用

看護師・准看護師免許取得者、喀痰吸引等研修1号・2号研修の修了者の免除科目

  • 医療的ケア

5.実務者研修を受講することのメリット

(1)介護福祉士受験に必須

これまで見てきたように、介護福祉士を受験するために実務者研修は必須となっています。では、介護福祉士を取得することにメリットはあるのかということですが、多くの事業所では、介護福祉士を所持していると、支給額の違いはあるものの資格手当が支給されます。実務者研修にかかる費用は、すぐに取り戻せてしまいます。

このような資格手当の支給は、介護のしごとに向き合う姿勢が評価ということです。

(2)サービス提供責任者

訪問介護事業所には、訪問介護を提供するだけでなく、訪問介護計画を立案したり、訪問介護員の指導や教育を担う、サービス提供責任者を配置しなければならないこととされています。実務者研修は、サービス提供責任者になるための資格要件のひとつとなっています。

サービス提供責任者に関しての詳細は、以下のページをご覧ください

☑実務者研修で目指すサービス提供責任者の役割とメリット

(3)専門職としての自信につながる

実務者研修を経て、介護福祉士を取得することは、長い道のりになりますから、「続けられるだろうか」「修了できるだろうか」など、多くの不安を抱えるでしょう。とても、「ちょっと受けてみようかな」と、気軽に受けるわけにはいかないと思います。

しかし、長い道のりを経て修了し、介護福祉士まで取得できれば、苦労をした分だけ、大きな自信につながります。

よくある質問(Q&A)

実務者研修の受講を検討する中で、よく出てくる疑問点や不安に思われることをQ&A形式でまとめました。受講計画を立てる際の参考にしてください。

研修を始める前には、学習時間の確保やスケジュール調整など多くの疑問や不安が伴います。ここでは受講者から実際によく聞かれる質問を取り上げ、ポイントを整理しています。

疑問点を事前に解消しておくことで、学習が始まってからの迷いや負担を軽減し、スムーズに研修を進めることができます。

Q1.
実務者研修を受けなかった場合のデメリットは?
A

利用者はより良い生活を送りたいと願っています。その願いに応えるために、何らかの学びが不可欠といえます。また、専門職として学び続けることは、責務のひとつであることを念頭におきましょう。
その上で、実務者研修を受けなかった場合のデメリットとして、①介護福祉士を取得できない、②キャリアアップが見込めないということがあげられます。

介護福祉士を取得できない
まず、実務者研修を受講しなければ、介護福祉士国家試験の受験ができません。
『令和5年度 介護労働実態調査』(公益財団法人 介護労働安定センター)によると、介護職員の59.2%が介護福祉士となっています。しかも、この割合の母数には、「介護のしごとをはじめて3年未満」の人も含まれています。こうしたことを勘案して、この割合を考えると、介護の業界は「3年以上の実務経験がある場合、介護福祉士を取得するのが当たり前」になっているということです。
したがって、3年以上の経験があって、どんなに利用者のためにがんばっていて、利用者からの信頼が厚くても、周囲のスタッフから「向上心に欠ける」と思われても仕方がないといえます。

② キャリアアップが見込めない

介護職員のキャリアアップの方向性として、「管理職」、「相談職」、「教育職」の3つがあります。
「管理職」というのは、いわゆる施設長やホーム長と呼ばれる、事業所の運営・経営を担う役割です。必ずしも介護福祉士である必要はありませんが、責任者が介護福祉士であることは、利用者や家族の安心につながります。
「相談職」というのは、利用者や家族からの相談を受け、サービスの改善やサービスにつなぐ役割を担う仕事で、代表的なものとして介護支援専門員(ケアマネジャー)や訪問介護事業所のサービス提供責任者などがあります。介護支援専門員(ケアマネジャー)になるためには、一定の実務経験と介護福祉士が必須ですし、サービス提供責任者の場合は、最低限、実務者研修を修了している必要があります。
「教育職」というのは、事業所において後進の指導をしたり、教育機関等で講師業に就くなどというものです。授業の内容にもよりますが、最低限、介護福祉士である必要があります。
このように、さまざまなキャリアがありますが、ベースの資格が介護福祉士になっています。こうした、将来的な展望が閉ざされてしまうというのは、大きなデメリットといえるでしょう。

Q2.
実務者研修は未成年や高齢でも受講できる?
A

実務者研修を受講するために、年齢制限はありません。未成年でも高齢でも受講可能です。
介護労働者の平均年齢は50歳くらいとなっていますから、実務者研修の受講生もこのくらいの世代が多くなります。「この歳でいまさら資格なんて…」と思われる人も多いのですが、そんなことはありません。
たしかに、体力的な面では20代や30代の人よりは劣ってしまうかもしれません。しかし、介護というのは、利用者の生活を支えるものです。生活というのは、さまざまな側面で構成される営みですから、体力だけでなく、介護職員個人としての人生経験が必要となる場面も多いものです。
したがって、年齢を気にすることはありません。むしろ、介護職としての専門性を高めるだけではなく、より充実した職業生活を送るために受講するものと考えるべきでしょう。

Q3.
実務者研修の修了まで続けられるか心配です。
A

前に見てきたように、実務者研修は比較的長いスパンの学習過程を経なければなりません。しかし、「続けられるだろうか」と不安に思っている人ほど、大丈夫なものです。というのも、不安だからこそ、養成施設に相談したり、周囲の友人・知人に相談したりするからです。
わからないことがあれば、何とかしようとする、その姿勢は学習をすすめる上で非常に大切なのです。その慎重さがあればきっと大丈夫ですから、とにかく思い切って一歩踏み出すことでしょう。

まとめ|実務者研修の450時間を有効に使ってキャリアアップ

実務者研修450時間の学習は長期的な取り組みになりますが、修了すれば介護福祉士をはじめとする多様なキャリアアップの道が開ける重要なステップです。法改正によって介護のニーズが拡大・多様化した今、介護現場で求められる専門知識や技術をしっかりと身につけるためにも、実務者研修の受講意義は大きいといえます。

湘南国際アカデミーの実務者研修は、平日や土日も対応した通信制のカリキュラムを用意し、働きながらでも無理なく学習を続けられるようサポートしています。もし受講のスケジュールや費用面でご不安な点がありましたら、遠慮なくご相談ください。実務者研修の詳細資料請求やお問い合わせは、お気軽にどうぞ。あなたの目標達成に向けて、一緒に最適なプランを検討していきましょう。

この記事を書いた人
元学校法人九里学園 浦和短期大学実習指導担当、元学校法人帝京大学 帝京大学福祉・保育専門学校 講師。社会福祉法人神奈川社会福祉協議会かながわ福祉人材センターキャリア支援専門員などを経て、湘南国際アカデミー学院長へ就任。現場経験も豊富な教育のプロとして、心に響く講座が大人気。特に介護福祉士国家試験の受験対策講座においては受講生の合格率が94%(2025年4月現在)まで向上し、直前対策講座や模擬試験など数々の人気講座をプロデュース。その他、次世代の教育者の育成にも力を入れており、湘南国際アカデミーの実務者研修教員講習会の講師を務め、今までに300名以上の教員育成の実績がある。執筆活動においては、湘南国際アカデミーの介護福祉士受験対策講座のテキストや同じく介護福祉士受験対策のeラーニング「受かるんです」をはじめ、過去には「うかる!介護福祉士合格コーチ」「現場に役立つ介護福祉士実習の手引き」などがある。
仲川 一清
藤沢校・横須賀校・海老名校・相模大野校・横浜戸塚校・横浜馬車道関内校・小田原校・大和校・横浜二俣川校・横浜みなとみらいサテライト校・横浜金沢文庫サテライト校
【所持資格】
介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員